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ハッピーエンドのその後は?

最後に笑うのは誰なのかしら?

作者:鵠居士
生まれながら風の精霊に愛され、その心根の美しさをもって世界を支える精霊王たちに見出された少女は、友を仲間に、旅し出会った精霊たち、人々に救いの手を伸ばし、遂に封印から目覚めた心無き邪精霊を打ち倒す。
精霊王たちは、倒れた邪精霊から輝く核を取りだし少女に渡した。それは風の精霊王の核。
邪精霊は風の精霊王であった。
心を濁らせ、世界に混乱をもたらした彼女を精霊王たちは心を痛めながら封じていたのである。
精霊王たちは少女に言う。
邪精霊となったとはいえ風の精霊王が存在していたからこそ、これまで世界のバランスを取ることが出来ていた。けれど、それが無くなった今、世界のバランスが崩れていくことだろう。
あれを倒したのが、風に愛されしお前であるのもまた運命であろう。
そなたが風の精霊王として君臨せよ。
少女は答えた。
私がしたことのせいで世界が壊れてしまうなんて…
もしも、風の精霊たちが、あなたたちが、世界が、許してくれるのならば…
そして、少女は精霊王の長く欠けたる風の位を得て、永遠をその慈愛の心をもって治めていったのである。

めでたし めでたし




クスクス
まったく、面白いお伽噺

けれど、とても不愉快



「お前は、一体なんだ」


あら?
まぁなんて懐かしい顔だこと

何とは?

わたくしはセイルーシェ帝国ルイーズ辺境伯が次女マリアンナ
ただの人間の小娘ですわ

あらあら
ただの小娘が御自身を見ることが出来るわけがないと?

ふふふ

面倒くさい方
まったく、代わり映えのない性格ですのね
地の精霊王
知識の王 あまたの歩みを見通すお方

もうすでにお気づきなのでしょう?
だからこそ、このような場所に、わたくしに会いにいらしたのでしょう?
はっきりお言いになればよほしいわ。


そう。
正解。
わたくしは
妾は、始源の世界において風の精霊王と呼ばれた女
今や邪精霊と呼ばれる堕ちた愚かな精霊
世界の敵 であったな、そなたらに言わせれば

おや
何故生きているか?
消滅した筈だと?

そうね
邪精霊となった風の精霊王は、貴方たちの可愛い、あの娘によって倒された。そして貴方たちは同胞であった精霊王から存在そのものである核を奪い取り、完全に消滅させ、可愛いあの娘を新たな同胞へと招き入れたのだものね。

帝国の脅威に曝された祖国を護った聖なる精霊王
世界の危機を救った清らかなる乙女
清らかなる魂と慈悲深き心を持って精霊に愛された少女

貴方たちは本当に可愛いのね、彼女が。

かつての友を、兄弟とも呼べる同胞を殺すほどに

まぁ、そんな風には最早思ってはいなかっただけの話ね。
ふふふ
ごめんなさい。
勘違いはやめなくてはね。
そんなこと、封じられる前に気づいていた筈ですものね。

貴方たちが誤って崩した世界のバランスの原因を全てワタシに背負わせ人々に伝えさせ、私の加護を与えていた風の民に終わることなき旅路を歩ませた。そして、私を罪あるものとして封印し続けた。

確かに、あの当時に貴方たちやその民たちと積極的に交流をはからなかった。でも、それはそちらの民たちと私の民の在り方が違ったからこそ。
それ故に、貴方たちは力を弱らせ、私は力を保持し続けた。

何故?
あら、いやだ。
貴方たちはまだ気づいていなかったの?

面白いこと。
また、繰り返せばいいわ。
いえ、そんなことはないわね。
貴方たちの可愛いあの娘は、貴方たちと同じみたいだから…


私は、私の民に無闇に与えなかっただけよ。
困難があれば、彼らは考え努力し、そして、それでもどうしようもなかった時初めて私に助力を乞い、見定めてから私も力を貸した。
だからこそ、彼らは如何なる時でも私に心を捧げたわ。思慕の念をくれたわ。
貴方たちは違ったでしょう?
過保護で、民が可愛くてしょうがないから、ほいほいと力を貸した。しかも、自分たちを慕ってくれるものたちだけに。
だからこそ、貴方たちの民は都合のいい時にだけ心を捧げるようになった。

あら。
やっぱり、貴方なら理解してくれると思ったわ。
だから、あの時も話を聞いてと言ったのに。

もしも、見つかるなら貴方だと分かっていたわ。
だって、光と闇は引きこもり、水と火は身近な周りにしか目を配らない。全てが立ち、それを支える貴方は何処にでもいるものね。



そうそう
どうやって助かったのか、だったわね。

簡単ねことよ。
彼女が倒したあれ、風の精霊王たる邪精霊
あれは、私の残り滓みたいなものだったのよ
だから、あんなにもあっさりと消えたのよ?
ふふふ
気づけなかった?

そうでしょ?
心を捧げる人々もなく、封印され、風から切り離されていたから力は衰えていた。
そう判断すると思ったわ。
でも、大きな間違え。
長き不在の間も、私の民たちはその浮浪の人生、運命の中でも私への信仰を忘れなかったのよ。
それ故に迫害されても、定まった地を奪われても。
私は、私を理解してくれていた精霊たちに彼らを助けよと頼んでいたもの。
そして、私が封じられていたあの場所。

そう、貴方たちが シエトーリュ学園を建てた天空の島
忘れたの?
あそこは、私の民たちの地。
私が造り出した私の地。
あそこにいるだけで、私は力にあふれることになっていたのよ?

まぁ、本当?
あの子供が、封印場所を提供したの。
民を導く長になるとは思っていたけど、ずる賢く育ったのね。
見たかったわ。

私はね、封印が薄まり始めた時、
私を二つに分けたの。
私と、残り滓に。
そして、 本体である私は人の中に潜り込み、人として何度も生を歩んできたのよ?
これは、三度目。


だから。
あの少女が得たのは、模造品の核よ。



クスクス

これから
もっと面白いことが起こるわ。


あら、分からない?


残り滓の力はいずれ消える。
それは、すぐの事よ。
彼女、その慈愛溢れる心根で風の恩恵をあたえているのでしょ、あちらこちらで。
そんなに多くの力はないから。きっと、もうすぐね。

まずは、風が止まるわね。
天候は一ヶ所に留まり続けるわね。
病も流行るわ。
食べ物も減るわね。

あぁ、でも一番の大イベントがあるわ。

天空の島
彼女は何時まで維持できると思う?

私が、私の民を護るために、空に浮かばせた島。
あれは、地の精霊王である貴方の力が及ばないものよ?
封印の中であっても、私はあれの維持に力をさいた。
本来なら封印はもう少し早く解けていたのよ?
でも、それは少し無理が必要で、それをすれば天空の島の維持にまで力が回らなくなるから止めたの。
あれは、大切な思い出か詰まった場所ですもの。
私の民たちの大切な故郷ですもの。

でも、それももう止めたわ。

だって
彼女讃えている中に、彼等がいるわ。
彼等にとって、最早私はいらないみたいだもの。
彼女という、王でもいいみたいなんだもの。
私を知る精霊たちの中にも、彼女になついているのもいるわね。

なら、彼女に助けてもらえばいいわ。

私は、快く彼女に全部あげるわ。

だからね
懐かしき貴方

もう私のことは放っておいて
無害な人だわ、今の私は。
ただの、力無き小娘
何かをしようなんて思っていないわ
ただ、顛末を見守るだけ

間近に訪れる終わりを
終わりに轟く数多の叫びを
疑問を投げ掛ける数多の雄叫びを

ただ、静かに観察するだけ



でも、忠告をしてあげるわ
会いに来てくれた、懐かしい貴方に



天空の島

あそこには、何人の未来ある、立場ある子供らがいるのかしら

あれが落ちるとき、その下には何処の国があるのかしら



それだけの命が失われたら
人々は彼女に心を捧げ続けることが出来るかしら


そんな彼女を支持する貴方たちに、心を捧げることが出来るのかしら



楽しみね

力を失った精霊王
恩恵を失った人々

世界は、一体どうなるのか





さようなら
もう会うことがないのを祈っているわ

続きを書こうかどうか…

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