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亡国シリーズ

亡国の隠され姫と生真面目な宰相の日常

作者:灰色のアルタ

   物語の舞台は、世界帝国 【クルンセル】の中央に位置する 絶対王政を掲げる ギオーレの引き越した戦争から始まりました。

  戦争は、数十年に渡って 続き 人々は、確実に 疲労してゆきます。

  兵隊は、倒されても 新たに招集され 働き盛りの男達は、帰ってこなくなってしまうのですから。

  そして ギオーレの兵士は、次々と周辺諸国を侵略してゆきました。

  刃向かう者は、血を持って 思い知らされていったそうです。

  侵略された土地の人々は、奴隷としての身分しか 与えられませんでした。

  男は、労働作業を強いられ 女は、欲望を満たす為の道具として。

  けれど 侵略を続けていた ギオーレに 不利な状況が起こりました。

  それは、ギオーレ兵の中から 裏切り者が出たからです。

  元々 その者は、かつて 侵略された土地の生き残りでした。

  その者の得た情報によって ギオーレを討つ為だけに結成されたプルトンは、続々と勢力を伸ばしていったそうです。

  結果として ギオーレの戦況は、悪化する一方でした。

  そして 1人 プルトン側から犠牲者を残したものの ギオーレ王と王太子は、打ち取られたのです。

  こうして 残虐な戦いを大きくしていた ギオーレは、プルトンの支配下となりました。

  後に残されたのは、戦いによって残された 傷跡の修復です。

  それだけ 大きく 被害が大きかった戦だったのですから。

  更に 生き残った王族の処遇が問題となりました。

  無抵抗とはいえ ギオーレの王族。

  本人にその意志がなくとも 持ち上げようと企む者は、いるはず。

  その配慮から ギオーレ王妃は、妃の身分を返却し プルトンの離宮にて 療養。

  第二王女(・・・・) リリアンは、プルトン王 エミリオと世界の長である 世界王の名の元で 政略結婚することになります。

  表向きは、強制的な婚姻。

  けれど 2人は、初めこそ 皮肉を言い合ったが 一目惚れで 仲睦まじくなったそうです。

  周辺諸国からは、この2人の婚姻によって 様々な噂を呼ぶ結果となりました。

  残虐なギオーレ王の血を引いているとはいえ 第二王女は、人々から愛される存在です。

  様々な国を独裁から解放してゆき 英雄王と慕われていても 元は、平民出身の成り上がり王。

  プルトン王に従う者達も、優秀でこそあるが 由緒正しき血筋ではありません。

  ほとんどが、同じ村の出身だったそうです。

  そして 王の側近の筆頭を務める 宰相を始めとして 美形が数多くおりました。

  故に ギオーレさえも 手中に収めてしまったことで 多くの国から目に置かれるようになったのです。

  いい意味でも 悪い意味でも・・・。

  そして もう1つ ギオーレの隠された真実が明らかとなりました。

  ギオーレの王妃の身に起こった悲劇。

  それから 隠されていた姫君(・・・・・・・・)の存在です。

  ギオーレ王の悪意によって 名も与えられずに 何十年も 隠され続けていた第一王女。

  本来ならば 王女として 人々の前に 姿を現していたはずでした。

  けれど 何の知識を与えられることなく 無垢なままで 生き続けてきたのです。

  この世界では、珍しい 精霊に愛されているという証である 煌めく銀色の髪を持つ 幼い姫。

  本来ならば 飢え死んでしまっていてもおかしくない環境で育ちながら 守護精霊達に慈しまれていた隠された姫君です。

  彼女は、常識を何1つ 知らず 突然 亡国の姫としての責任を担わなくてはならなくなってしまいました。

  たとえ その姫が、王の実の子でなくとも 発生することなのです。

































********
 ある一室で 1人の男が、深く溜息をついていた。
その背中には、幼さの消えない少女が、抱き着いて離れない。
その光景に 同じ部屋にいる 面々は、何とも言えない様子で 視線が逸らせずにいた。
口に出せば 部屋の主に どんな目で見られるのか わかったものではないのだから。

「カイ~ッ!キョウのおやつは、ケーキだよ?」少女は、楽しそうに 言う。
「また 調理場に行ったのですか。貴女は、王女なのですから あまり 部屋を抜け出すべきではありませんよ?」

少女は、その言葉に 頬を膨らませている。

「ミアは、イロイロなことをシりたいだけ。どうして デちゃいけないの?ジユウになったはずなのに」

その言葉に 男は、息を呑んだ。けれど すぐに 少女の頭を撫でる。
少女は、その仕草に 気持ち良さそうな表情を浮かべて 男に顔を摺り寄せているようだ。


 机に向かっているのは、プルトンの右腕にして 宰相を務める カイウス。
 そして 彼に抱き着いているのは、ギオーレの第一王女 ミア。
 旗からこの光景を見ると 年の離れた兄妹か 親子にしか見えない。
 最初こそ 10才に見たな幼子にしか見えなかった。
 だが 今は、12・13才位に見える。
 対して カイウスは、整った顔立ちをしており 色々と複雑な環境下で育ったことから 同世代の友人達の中でも 老けて見られることが多いのだ。
 この光景は、プルトン王達が、ギオーレの王女達を連れ帰った時から 続いている。
 初めこそ 信じられないと我が目を疑っていたが それが、毎日続けば 慣れたものだ。

「カイ~?カイは、アマいのスき?」

ミアは、どこか 期待に満ちた目で カイウスを見つめた。

「甘いものですか?陛下やジャンほどではありませんが 嫌いではありませんね。けど あまり 言いふらさないで下さいよ?余計な情報を得た女性方の餌食になるつもりは、ありませんから」

ミアは、その話を聞いて 不思議そうな顔をしている。
可愛らしく 首を傾げている少女に カイウス以外の面々は、少し頬を赤らめていた。
勿論 それを察知した カイウスに睨まれ 蒼ざめに変わってしまっていたが。

「カイ?どうかしたの?コワいカオ して」

ミアの問いかけに カイウスは、何でもありませんよと 笑みを浮かべた。
「さぁ そろそろ お茶の時間です。リリアン王女のお部屋へ向かいましょうか」
「うん………イこうッ!リリィとオチャカイ!!」

カイウスとミアは、楽しそうに 立ち上がる。
恒例のお茶会に出る為に。

2人が、部屋を出て行ったのを確認して 皆は、深く 溜息をついた。

「あのお2人………同じ空間にいるだけで 緊張するんだけど」
「仕方がないさ。それに 閣下自身 気付いてないんじゃないかなぁ」
「俺………早く 嫁さんが欲しい」


部下達が、愚痴を言っているなど カイウスは、知る由もない。
勿論 そんな2人の様子をハラハラしながら 王宮中の人々が、見守っているなど 気付いていなかった。

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