episode16-21 親友 (現在)
俺は、学の一番でいたかった
今までも、これから先も―――ずっと
始めは、クラス委員長としての義務感から学の家に通った
でも―――アイツは苦しんでたんだ
暴れたくて暴れていたわけじゃない
でも、居場所がなくて、自分が生きている意味が分からなくて、苦しんでいたんだ
少しずつ学が心を開いてくれて一緒に過ごすようになって、俺だって学に支えられていた
初めて親友と呼べる友人ができたことが嬉しかった
だから―――美咲が現われて不安になった
美咲に出会って学は前よりも落ち着いていき、たくさんの友人ができた
学にとっていい事だし、俺も喜んだ
でも―――俺は独り、取り残された感じがしていた
学には俺はもう必要ないのか?
寂しかったんだ
だから、学の信頼を一心に受ける美咲を妬み、憎んだ
お前さえいなければ、と
でも、いつからだろう
それが好意に変わったのは―――
いつから、彼女を目で追うようになったんだろう
好きで堪らなくなった
自分のものにしたいと思った
一緒にいたいと思った
どれだけ眠れない日々を過ごしただろうか
学のことを思うと胸が痛み、美咲への想いを押さえ込もうとした
一緒にいるのが辛くて、美咲を避けるようになった
でも、避ければ避けるほど強く彼女のことを想ってしまう
会いたい、彼女に会いたい
だから――あの日、学の家に行ったんだ
気持ちを伝えるために
「好きなんだ」
そう言った時の、美咲の顔は今でも覚えている
「洋一くん、自分が何を言ってるかわかってるの?」
「わかってるさ、俺は美咲が好きなんだ」
美咲の目をじっと見据えた。彼女は、俺が本気で言っているとわかると目を逸らした。
「――ごめん、私には学がいる。だから、このことはなかった事にしましょう。学が傷つく」
―――なかった事にする?学が傷つく?
なら、俺は?
俺は傷ついてもいいのか?!
気が付いたら、美咲が倒れていた。手には、血の付いた包丁を握り締めている。
足元から這い上がってくる恐怖に体が震えた。
そんな、どうして――!?
どうして――こんなことに
包丁を投げ捨て、頭を抱えた。
学だ――すべて学が悪いんだ
俺はただ――ただ、また前みないに―――
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