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堕罪 〜Corruption〜
作:雪場



第十幕 二重奏



――ピンポーン

苛立つように三回目のチャイムがなり終わった後、玄関の戸を開く音がした。

「灰原ー、いねーのか?」
彼の大きな声と共に無遠慮な足音が響いて、リビングのドアが開いた。

「なんだ灰原、いるなら返事ぐらい…!」

不満顔で何か言いかけた彼の額に、

「ごめんなさいね、工藤君」

作った無表情で、38口径の冷たい銃口を押し当てた。



『どうしたの、シェリー。早く引き金を引いてよ』
携帯電話に取り付けたイヤホンを通して、機械越しの声が急かす。

そして、その声とは別に聞こえたのは、

「…撃てよ、灰原」


…えっ…


「奴らにばれたんだろ?そうなっちゃ、遅かれ早かれこうなる運命だ。
おめーだけでも助かるんなら、オレはおめーに撃たれてもかまわねーぜ」
諦めたような、淡々とした響き。
それでいて、果てしなく力強いその口調。
今まで、何度となく救われた、温かいものが流れた声。

…それが…あなたの強さ…


頭に銃口を向けたまま、思わず二、三歩後ずさりする。

『ねえ、早く』

「早く…撃てよ」

その二つの声が、
世界中の全てから急かされてるように聞こえて、

灰原は、堅く目をつぶった。



――ドンッ――



思っていたよりも大きい重く響いた銃声と、空薬莢が床に落ちる乾いた音。

体を支えていた糸が切れたように、その場に崩れ落ちる灰原。
その拍子に携帯からイヤホンが外れ、あの声が直接、閑とした室内に響き渡る。

『外しちゃったね…。しょうがないなぁ、シェリーは…。
やっぱり、直に消してあげないとだめなんだね』






そろそろ話も大詰めを迎えてきましたね〜。いつこの話を思いついたかなんてもう記憶には無くて、ただ半年ぐらい楽しみながら書いてた事を思い出します(ラストまで書き終えてから連載を始めるもので)。
細かい逸話は最終回のあとがきにでも書こうかな、とは思ってますが(気が向けば(おい))
ここまで書くことが面白いと思ったこともなかったですね。そういう意味では(文の巧拙は別にして)自分でも気に入っている作品です。
今後の展開も含めて、最後まで読んでいただけると幸いです。それでは、また二日後に。











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