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レグルノーラの悪魔〜滅びゆく世界と不遇の救世主〜 作者:天崎 剣

【26】融合

118/125

118.現状把握

 厳しい残暑の日差しが照りつけ、Rユニオンの部室は蒸し風呂状態だった。
 先に到着してた芝山が扇風機を全力で回していたが、びっくりするほど効果がない。冷蔵庫で冷やしていた古賀の差し入れ、炭酸ジュースを飲まなければ、数分も持ちそうになかった。身体中の汗腺から汗という汗が流れ出て、水分を常に欲する。タオルで何度も拭いて、それでも尚、汗は出続けた。
 開け放した窓の外からは蝉の鳴く声がうざったいくらいに響いてくるし、階下で行われているらしい後期補習の声も暑さを倍増させた。
「来澄、“救世主様”の力でエアコンは具現化できないのか」
 熱でやられたのか、芝山が机に伏したまま阿呆な発言をしだす始末。
「具現化できたとして、誰が電気工事するんだよ。お前か」
 言い返してやったが、暑すぎて返す力もないらしい。
「もうちょっと、場所を考えた方が良かったのかもしれませんけど。私たち“裏の人間”にとっては……、暑過ぎますね」
 椅子に座り、手を団扇のように振りながらモニカが言うと、ノエルも着慣れない開襟シャツのボタンを全部外しながら、
「建物も衣類も通気性が悪い。“表”の人間は馬鹿なのか」
 その気持ちは物凄くわかる。“向こう”では砂漠でさえこんな暑さではなかった。これでは干からびて死ねと言われているような気分になる。
「大丈夫、私たち“表”の人間さえ、こんな暑いところに住んでる自分たちは馬鹿だと思ってるから」
 須川に至っては、女子力の欠片もなく足を広げて椅子の上で呆けている。
「これに美桜、陣、それから“裏の干渉者”が何人かわからないが加わるわけか。確かにあり得ない」
 すし詰め状態を想像して、俺は深くため息を吐いた。
 美桜曰く夏期休暇中とはいえ教師や生徒が多数登校する今の状態では、学校内で話し合える場所がここしかなかったということらしいが。暑いし狭いし良いところが何もない。
「けど、かといって美桜のマンションじゃ“裏”の連中を案内できない。結局ここがベストだと言うんだからしょうがない」
 芝山は優等生らしく現状を受け入れようとしているが、そんな簡単な問題じゃない気がする。
「せめてさ、来澄の力で涼しくできないのかよ。美桜に聞いたけど、魔力は無尽蔵なんだろ」
「何だよ無尽蔵って」
「限界まで体力を使ったと思っていても次の魔法が打てるらしいって聞いた。その力で何とか部室を涼しくできないのかって聞いてるんだけど」
 脳みそが沸騰してしまったのか、わけのわからないこと言い出す芝山に困惑する。
「つまりアレか? 芝山は俺にエアコンになれって言いたいわけだ」
「そうそう」
「魔力の無駄遣いじゃね?」
「無尽蔵なんだから問題ないだろ。早くしろよ」
 コイツは。
 汗を拭いながら睨み付けると、逆に俺に対して皆が変な顔で見つめているのに気付く。芝山然り須川然り、モニカやノエルまで。
「暑い……、凌、お願い」
「お願いします、救世主様。私どもはそろそろ限界……なので」
「救世主様ともあろうお方がその程度の魔法も使えないとか、……ないよな?」
 言い方は様々だが、要するに言いたいことはひとつだと。
 これは拒否するとめっちゃ怒られるヤツだ。
 俺は深くため息を吐き、渋々と立ち上がった。
「戦闘以外でこんな注目されながら魔法使うとか緊張するんだけど」
 言ってはみたものの、「だから?」という目でこちらを見てくる3人。
 致し方なく右手を前に突き出して魔法陣を錬成する。
 ――“灼熱の部屋に涼やかな風を吹かせ室温を下げよ”
 我ながらセンスのない文字列に愕然とするが、これはこれでどうしようもない。申し訳程度に魔法陣の真ん中に“25℃”と書き足してみる。
 空中に描かれた魔法陣が青く光り、そこからじんわりと涼しい風が吹きだしてくると、4人は申し合わせたかのように手を叩いた。
「流石救世主様!」
「完璧!」
「やればできる!」
 何に対して褒められているのかよく分からなくなったところで、念のため「満足?」と聞くと、冷気を感じてるから感想はその後とばかりに4人とも俺を無視した。
 魔法陣をそのまま天井に焼き付け、
「涼しい空気にげるから窓閉めるよ~」
 とりあえず窓を閉め、入り口の戸も閉めようと手をかける。ふと、廊下に人の気配があることに気付いて、廊下に身体を半分出し確認。美桜と陣、その後ろに大きめの人影が数人分ある。
 手を上げて合図すると美桜と陣も片手を上げて反応し、陣の口が「暑い?」の形に動いた。
「ちょ……っとは涼しくなってると思う。効果はこれから出るんじゃなかな」
 廊下に響いた俺の声に、美桜と陣は顔を見合わせて首を傾げ、後ろの人物たちに何やら頭を下げている。恐らくは「中はかなり暑いらしいです」的なことを言っているのだろう。“表”に来て間もない彼らにとって、校舎の中は地獄に違いない。
 美桜が先導して部室に彼らを案内し、俺は入り口でどうぞと彼らを招き入れた。そのとき髪の毛の間からチラチラと額の赤い石が見えていたのか、部室の中に入るなり彼らの一人が、「まさか救世主様直々のお出迎えですか」と驚きの声を上げた。
「別に直々ってわけでもないけど」
 そういう風に言われると、なんだか決まりが悪い。肩書きがどうであろうが俺は俺であって、かしこまられるべき人間ではないのだが、それを説明するのは難しそうだ。
 大人の干渉者が4人。白髪の屈強な中年男性、眼鏡をかけた細身で長髪の青年と赤毛の青年、それから金髪セミロングの女性。皆一様に協会のマークが肩の部分に入った丈の短いマントを羽織り、レグル独特の市民服をアレンジしたような格好をしている。
 客人が入ると、流石にだらっともできず、暑さにやられていた4人も各々立ち上がり、大急ぎで身なりを正していた。
「お。涼しい」
 陣がボソッと呟き、美桜も「あらホント」と目を丸くする。
「救世主様のお陰です」モニカが嬉しそうに囁いて天井を指さすと、
「最早何でもアリだな」と陣が苦笑いした。
「雑談はいい。さっさと話を進めようではないか」
 年長の白髪頭がパンパンと小気味良く手を打ち言い放つと、部室内に一気に緊張が走る。
「そうですね。そうしましょう」
 陣も改まってキリッと顔を正した。
「こちら干渉者協会から派遣されている干渉者の皆さん。右からレオ、ルーク、ジョー、ケイト。そして先ほど室内に案内してくれた彼が、我らが救世主、凌。それからシバと、怜依奈。モニカとノエルは“向こう”でも面識があると聞きました。僕はこちらでは陣と名乗っていますが、通常通りジークとお呼びいただいて結構です」
 陣がしっかりと一人一人手のひらを向けて紹介する。名を呼ばれる度に一人ずつ頷き、俺たちは互いの顔と名前を必死に一致させた。
「立ち話も何ですから、まずは座りましょう。シバ、ノエル、椅子を」
「了解」
 部室の隅に置いてある折り畳み椅子を両手に抱え、一人にひとつずつ配っていく。椅子を広げて座ると狭い部室は満杯で、かなり申し訳ない状態になっていた。
 やはりと言うべきか、6人が追加で部室に入ったことで室温はまた上昇を始める。しかも彼らの服は見た目に相当暑そうだ。こうなってくると、その場のノリで使ってしまったエアコン魔法の存在感が増してくる。上から常に涼しい風は降りてくるし、追加で書いた25℃も生きているのか、どうにかこうにか室温を下げてくれている。あとは俺が常時魔力を注ぎ続ければ、何とか持ちそうだ。
「念のため、結界も」
 陣が言って、右手を掲げる。魔法陣なしに部室全体を結界が覆っていく。この辺は流石としか言い様がない。
「さて。何から話す?」
 白髪頭のレオが腕組みして言うと、
「そうですね。話があるからとわざわざ別の人間を“こっち”に派遣させて代役をお願いしてるんです、とにかく手短にしなければなりません。まずは今我々が置かれている状況について曖昧な部分を解消したいかと」
 眼鏡のルークが鋭い目つきで俺たちを見定めるように言った。
 それならばと陣が壁際のホワイトボードを引っ張り出し、ペンにインクが入っているのを確認してからレグル文字で何やら書き始めた。盤面の右側には“リアレイト”“表”、左側には“レグルノーラ”“裏”。ボードの真ん中に線を引き、それからアッと小さく言って文字の下に日本語訳を書く。
「それぞれ分けて考える部分と、共通問題として考える部分があります」
 陣は妙にかしこまっていた。“向こう”では確か協会にも属さず、塔にも属さず、ゆるゆると活動していたはずだが、組織の人間を招いたことでやたらと緊張しているのだろうか。普段よりも表情が強張っているように見える。
「“表”では最近ゲート付近で“穴”が広がり、魔物が這い出したり、這い出しそうになる事象が急激に増えました。“表世界”には無数のゲートが存在しますが、僕が確認した限り、こういった事象が起きているのはここ、翠清学園高校の敷地内だけです」
 陣がボードに書き殴りながら話すと、芝山がエッと声を上げる。
「この学校、……だけ?」
「“向こう”で僕が分析した限りだと、他には確認されていない。美桜の部屋でも似たような事象があったけれど、アレは恐らく美桜が自分の部屋から“裏”に飛びすぎて部屋自体がゲートになってしまっていたから。普通の干渉者が日に一回程度飛ぶくらいなら、そんなに強いゲートにはならない。つまり、美桜はそれほど頻繁に二つの世界の間を行き来していると言っても過言ではないんだよ」
 美桜が決まり悪そうにジークから目を逸らす。
 ま、確かに彼女の置かれた立場を考えれば、何度も行きたくなるのはわからないでもないが。それにしても異常な回数行き来してるってことはなんとなくわかっていただけに説得力はある。
「ここで重要になってくるのが、何故この学校だけなのかということ。もう一つは何故急に穴が広がり始めたのかということ。そして、穴とは何なのかということ」
「それに関しては、もう答えは出てる」
 俺は右手を半分挙げて、自分に注目を集めた。
「何故この学校だけなのか。それは、俺と美桜が通ってるから。力の強い一次干渉者が学内で何度も“向こう”に飛んだ。だからゲートができやすかった。次の何故急に穴が広がったのかという点に関しては、“裏”でかの竜が活発化しているから。ヤツの力が働いて、穴を広げやすくしている。そして最後の疑問、穴とは何か。“時空の狭間”へ通ずる場所だ。あの先は“黒い湖”で、だからいつも黒いもやが立ちこめたり、黒い粘着質の物体が這い出したりする」
「“黒い湖”……? 何ですか、それは」
 聞いてきたのは、金髪美人のケイト。鼻筋の通った20代前半の彼女は、深緑の瞳を細めながら首を傾げた。
「“時空の狭間”と言えばわかる? “表”と“裏”、二つの世界からこぼれ落ちた感情でできた場所。黒い粘着質の水は幻覚を見せたり、人間の中にある黒い感情を呼び覚ましたりする。俺もうっかり呑まれそうになった。対抗するには聖なる光の魔法が有効らしいが、操れるのはごく僅かだと聞く。ダークアイもやはり、同じように“黒い湖”から染み出た粘着質の水でできているんだろう。なんとなくだが性質が似ている。そして何よりも恐ろしいのは、かの竜が昔あの湖に封じられ、今は住処としているということ。これは臆測に過ぎないが、下手したらあの湖そのものがかの竜の意思を受け継いでいるようにしか思えない」
 俺の話を聞いた陣は、ボードの真ん中に書いた線を消し、中央に大きな円を描き始めた。その中に“黒い湖=時空の狭間”、“かの竜”の文字が、二つの言語で追記される。
「では、何故今かの竜の力は増しているのか。活発化した理由を救世主様はご存じで?」
 赤毛のジョーが小難しい顔をして尋ねてきた。
 俺は深くうなずいて話を続ける。
「一番は、300年前の封印が限界を迎えてたということ。緩くなった封印を解き、かの竜は人間に変化(へんげ)して自由に動き回り始めたんだ。魔法も操るかの竜は、干渉者と名乗って人間世界に紛れ込んだ。そして次々に問題を発生させていく。かの竜は愉しくて愉しくしょうがないらしい。ヤツの目的は混沌。全てを破壊すること。そのためには手段は選ばない。自らが巨大な竜の姿で町を焼き尽くせば一瞬だろうに、ヤツは内部からの崩壊も目論んでいる。つまり、人間たちが殺し合うのを見て愉しんでいるってこと。人間が苦しみ、抵抗し、血と涙を流すのを見て喜んでいる。だからこそ、わざと殲滅しない。ひねり潰すのは簡単なはずなのに、自分に向かってくる手段を持ち得る干渉者や能力者をわざと残して、高みの見物をしているわけだ。俺たちはそういうのも全部わかった上で戦わなくちゃならない。これがどれくらい不利なことか、多分想像は付くと思うけど」
「なるほど。救世主様の分析はよく分かりました」
 ルークがクイッと眼鏡の位置を戻して薄く笑う。
 足を組み替えて咳払いし、「失礼かとは思いますが」と前置きして姿勢を正すと、仲間に目配せしてから言葉を選ぶように話し出した。

「私共“裏の干渉者”の間では、救世主様の存在がかの竜を刺激しているのではないかという噂があります」

 ガタッと芝山が立ち上がる。拳を作って反論しようとしていると察し、俺はサッと芝山を制した。

「レグルノーラに“悪魔”が頻出するようになり、我々は手を焼いていました。今のお話を聞くに、“悪魔”とはすなわち、黒い水に冒された“表”の人間が悪意を持って“裏”に干渉することで生じるものだというのはなんとなくわかりました。我々“裏”の人間にとって、“表”は遠い世界。ジークのように興味を持って自分から干渉する人間は稀です。未知の世界からやってくる脅威に、我々“裏”の人間は戸惑いながらも抵抗し、どうにかこうにか生きてきたのです。一方で“表の干渉者”は遠慮なしにどんどん“裏”に入り込んできました。聞く話によると、二つの世界の大きさはまるで異なっていて、住む人間の数も違う。絶対数から考えても、当然“表”からの干渉者の方が多くなります。中には単に通り過ぎていくだけの人も居るでしょう。しかし、干渉してくる人間が多くなればなるほど、強大な力を持ち、悪影響を及ぼす人間の数も多くなる。あなたが救世主と呼ばれるようになるまでは様々なことがあったのだとディアナ様や会長には伺いました。しかし、それをもって納得できるのは一般市民のみ。我々“裏の干渉者”の中には『救世主こそがかの竜を刺激し、我々に脅威をもたらしている』と考える者は少なくありません。あなたが現れてからというもの、ダークアイが巨大化したり、巨大な白い竜がキャンプに現れたり、かの竜の使いが現れたりと、通常では考えられなかった出来事が次々と起こるようになりました。あなたは言いましたね。『かの竜は愉しくて愉しくしょうがない』『ヤツの目的は混沌』『そのためには手段は選ばない』あなたの存在が、かの竜を刺激し、どんどん加速させているのではありませんか?」

 正論だ。
 ぐうの音も出ない。
 全くその通りだ。
「来澄、反論しないのか。君は言われたい放題でなんとも」
「――あなたの、言う通りです、ルーク。俺がかの竜を怒らせた。だからこんな事態になった」
「凌! 馬鹿なこと言わないでよ! 一番苦しんでるくせに!」
 後ろで須川も立ち上がる。
 しかし、俺は振り向けない。裏の干渉者たちの視線を避けるわけにはいかないのだ。

「俺がもし干渉者じゃなかったら、かの竜はもう少し様子を見ていたかもしれない。俺がかの竜を怒らせ、俺を苦しめるためにかの竜はあの手この手で俺を追い詰めるようになった。それは嘘じゃない。自分の尻拭いをしているだけだと言われたら、返す言葉もない。けど、守りたい気持ちは本当だ。俺の心臓にはディアナの呪いがかかっている。レグルノーラを裏切ったら死んでしまう呪いだ。その呪いが怖くて突っ走ってきたってのも間違いじゃない。俺はヘタレで優柔不断で、そんな俺が救世主だなんて馬鹿げてるって今でも思ってる。洞穴の竜グロリア・グレイでさえ、『救世主にはなり得ないだろう』と思って金色竜を渡したと言った。どうしてこんな事態に陥ってしまったのか、俺だって不思議なくらいだ。けしかけたつもりはない。けど、結果的にかの竜をけしかけてしまった。かの竜の標的は俺で、俺の中に入り込んだ金色竜で、ヤツは面白がってどんどんどんどん追い詰めてくる。……要するに、二つの世界は巻き込まれてる。そういうことだ」

「なるほど」
 白髪頭のレオが俺を見てニタリと笑った。
「『真っ直ぐで裏表なく、誠実。多少顔は悪いが……、信頼できる人間だ』ディアナ様のおっしゃる通り。『熱心で責任感が強く、逃げることを知らない』と、これは会長のお言葉だが、実際会ってみれば納得する」
「全くだ。単に逃げ方を知らない単細胞といってしまえばそれまでだが、憎めない男ではある」
 赤毛のジョーも、口元を緩めている。
 隣でケイトもフフッと笑う。
「塔の魔女候補だったモニカが熱を上げていると聞いていたけれど、モニカは単純だから騙されているのだとそう思っていたわ。なるほどね。惚れたのね。確かにこんな真っ直ぐな人間、なかなか見ないもの。化石級の珍しさよ」
「ちょ……! ケイト! 失礼です、救世主様に向かって何ですか『化石級』って!」
 黙っていたモニカが立ち上がってケイトを指さし、真っ赤になって叫んでいる。
「救世主様ほど二つの世界を思って行動なさっている方は存在しません! 皆言いたい放題、ずっと我慢して聞いていましたが、限界を超えました。酷い、酷すぎます! 謝ってください!」
「まぁまぁ。あながち嘘でもないんだし」とノエル。
「コイツの頭の悪さは今に始まったことじゃないし、確かに自分からありとあらゆる不幸を引き寄せてるんじゃないかと思えるくらい不器用なんだから、仕方ないじゃないか。本当のことを言われたからって、モニカが凌の代わりに怒る必要ないと思うぜ」
「ノエルは! もうちょっと救世主様の身になって考えるようにならなければなりませんよ! だからいつまでも子どもだと言われるんです!」
「ンぁあ? 何だとぉ?」
「馬鹿! こっちで喧嘩してどうすんのよ! ああ! もう! 芳野さんも芝山君も何とか言ってよ!」
 痴話げんかを始めたモニカとノエルを止めようと、須川が必死に間に入っている。
 芝山も陣も静観し、言わせておけばとばかりに苦笑いしているが、美桜だけは違った。
 美桜だけは暗い顔をしてじっと動かず、何かを深く考え、一人で苦しんでいるように見えた。
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