撤退戦 戦場の絆
戦場:ニューヤーク
「くそったれ!」
戦闘中のMSの中で、吐き捨てる。
レーダーには、三方向から包囲を狭める敵MSの姿が映し出されている。
完全に俺の判断のミスだ。囲まれるまで気がつかなかった。
戦場は西地区に移り、味方機も周りにはいない。
「応援頼む」の通信と信号弾を上げはしたが、こちらに向かってくる味方機は見えない。
この場で留まっていれば、いずれ敵機の一方的な攻撃にさらされるだけだ。
意を決して、愛機ジム・スナイパーカスタムを、ビルの上に乗せ、西から接近してくるグフカスタムをロックオンすると一撃を見舞う。
同時に機体から警告が発せられる。俺は躊躇せずに、今、一撃を食らわしたグフカスタムのいる方向に、機体を舞い上がらせた。
背後で、ザクキャノンの砲撃を受けたビルが崩れるのが見えたが、機体をグフカスタムに向け、全力で機体のブーストを噴かす。これは賭けだ、グフカスタムを抜くことができれば、味方と合流できる。
だが一撃を喰らったとはいえ、グフカスタムもやる気満々だ。抜刀して距離をつめてくる。
だがこちらも引くわけには行かない。このまま格闘距離に飛び込み斬りかかってくるグフカスタムにタックルを食らわす。
切り込み直前にタックルを、喰らったグフカスタムが、転倒するのが見えた。
「チャンス!」グフカスタムの横を、ブーストを噴かして駆け抜ける。だが機体が不快な警告音を上げ、ブーストが止まる。
「オーバーヒート!」
直後、背後から衝撃が3回来た。グフカスタムの3連撃が決まったのだ。装甲が半分以上、一気に持っていかれる。
グフカスタムが正面に回りこみ、逃走ルートを塞ぐ。
「ここまでか……」
あきらめの言葉を口にしたが、訓練で培われた肉体は、悪あがきをやめずに機体を跳躍させる。グフカスタムの姿がモニターに大写しになった。覚悟を決める…
だが、止めの一撃は来なかった。代わりにグフカスタムが爆散した。
「中尉、無事か?無事なら撤退しろ」
目の前には、ツイン・ビーム・スピアを構えたジムストライカーの姿があった。
「助かりました大尉。感謝します」
大尉は、ジムを従え俺を追撃してきた、ザクキャノンとザクデザートタイプの迎撃に向かう。
俺はそれを援護するため、ザクキャノンをロックオンした。 |