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41話

 一応読めるけど、微妙に文字のデザインや細部が日本語とは違うな……。


「何て書いてあるの?」


「ええっと……、ここの下には、護り手が棲んでいて、この文字が読める者は四角い岩を押して、先に進め……」


「護り手というのは、なんなのでしょう」

「それが何なのかはわからない。四角岩ってのは……」


「これかもしれないの」


 いつの間にか人化していたひーちゃんが地面付近の正方形の壁を押す。

 すると。


 ゴゴゴゴゴゴ……――


 重い音とともに壁が横にズレていき、その奥に階段が見えた。


 これで下に行ける。


 一応地下だし崩れてくると危ないから、壁が出てきても強引にスキルでぶっ壊さないほうがいいだろう。


 やっぱり誰も入ったことがないみたいだ。

 アイテムがそこらへんに転がっている。


――――――――――――――――

【R 古代の剣】

約1500年前使われた剣。

歴史的価値が高い。


力 +10

――――――――――――――――


――――――――――――――――

【SSR 魔鋼石の腕輪】

希少鉱物魔鋼石で作られた約1500年前の腕輪。

歴史的価値が高い。


知力 +70

運 +20

――――――――――――――――


――――――――――――――――

【R アメジストの首飾り】

約1500年前の首飾り。


知力 +10


スキル

混乱防御

――――――――――――――――

――――――――――――――――

【SR シェルアーマー】

約1500年前の胴当て。

歴史的価値が高い。


耐久 +150


スキル

耐水性(水属性のダメージ10%減)

――――――――――――――――


 歴史的価値が高い、なんて言われると使いにくいんだよなあ……。

 これはガチャ屋に持っていくアイテムにしよう。


 首飾りだけ、歴史的価値がどうこうって書いてない。

 今のこの世界でも珍しくないってことだろう。


「リーファ、この首飾り要る?」

「えっ、わ、わた、私に……っ?」

「うん。おれには、みんなの怪我は治せないから。ヒーラーが異常状態ってのは避けたいからな」


 首飾りの埃を払ってリーファに渡した。


「あっ、ありがとう……だいじにするね……?」


 もにょもにょと小声で言ってリーファは恥ずかしそうにうつむく。


「ボクもっボクもっ、ご主人様からのプレゼントほしいの」

「ほぅら、ひーちゃんにはこのパインゴをやろう!」

「わーいっ」


 単純な子供だった。


「リーファさんもひーちゃんさんもズルいですっ! わたくしもジンタ様からお叱りと言う名のプレゼントをいただきたいです」

「ドMエルフはシャラップ」

「あはぁ……嬉しいです……」


 面倒な大人だった。


 その他のアイテムはアイボへ収納。

 歴史的価値がどうこうなんて、一般のガチャプレイヤーには興味ないかもしれないけど、その筋の学者あたりには大人気になりそうだ。


 その他にも剣や防具、装飾品などを回収していく。

 この隠し通路で遥か昔に亡くなった冒険者の所持品かもしれない。


 出てくる魔物をリーファに仕留めさせながら先を進む。

 リーファはというと、えへへぇと首飾りを見ては、服の内側へしまうことを繰り返している。


 そんなに嬉しかったのか?

 どれだけレベルが上がったのか、改めてステータスを見てみる。


――――――――――

種族:神族

名前:リーファ

Lv:27

HP:5600/5600

MP:8200/8600

力 :130

知力:690

耐久:80

素早さ:65

運 :11


スキル

浄化魔法 9/10

治癒魔法

混乱防御 1/10

女神ぱんち 【←NEW】

――――――――――


 なんか覚えてる!?


「リ、リーファ。【女神ぱんち】とやらがスキル欄に加わっているんだが」

「え、うそ! やったあ! 正式に覚えたんだ!」


「さっきやってたアレとは違うんだよな? クイナをぽかりとやったあれ」

「あったりまえでしょ、全然違うわよ。だってあれは右だもの」

「右?」


 スキルの説明をよく見てみる。


【女神ぱんち】左を制すは世界を制す――お嬢ちゃん、その左を磨けば獲れるかもしれねえな世界がよォ、そんなふうにオヤジさんは言った。


「長ぇよ! なんでエピソード風の説明なんだ! ツッコミどころが多すぎて死にそうなんだが!?」


「それが、私とオヤジさんとの出会いだったわ。そう。オヤジさんは私の才能を――」


「続き語ろうとすんな」


 てかなに? ボクシングされていたんですか、この女神様は。


「ちょっと前、ボクシングが流行ったのよ天界で」

「はあ……流行とかあるんだ」

「うん、そのダイエットになるからって……あとその、む、胸も大きくなるからって」


 おれはリーファの肩をポン、と叩く。


「無駄な、努力だったな?」


「無駄って言わないでっ」


 てか、それで大きくなるのか?


「そうして私は、巨乳の代わりに音速の左を手に入れたわ」


 しゅ、しゅ、と左ジャブを打つリーファ。

 遅っ……!? 本物の音速に謝れ!


「あくびがでるの……」

「ひーちゃんさん、本当のことを言ってはいけません」


 何気にクイナが一番酷いんだよなあ。


「もしかして……それが【女神ぱんち】?」


 むふん、とドヤ顔をするリーファ。


「そうよっ! これが世界を獲れるってオヤジさんに期待された【女神ぱんち】」


 要するに、ただの左ジャブ(ショボい)ってことか。なるほどなるほど……。


 使えねぇええええええええええ!!



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