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22話

20話一部修正いたしました。



 姿が見えないと思ったら、クイナがガチャ屋から出てきた。


「許せません。公平平等であるべきの店がインチキをしていただなんて」


 手をぱたぱたさせながら、ぷんすか怒っている。

 でも、おれにだけだと思うんだよなぁ、インチキ。

 特例扱い……てか、ガチャ荒らし扱いみたいだし。


 おれはクイナが当てたローブをリーファに渡した。


「これ、クイナが当てたレアアイテム。リーファならサイズ合うかも」

「そうなんだ。じゃあ、ちょっと着てみるわね」


 物陰に消えてしばらくして。

 リーファが出てきた。

 恥ずかしそうにもじもじしている。


「神官ってこんな服着たかしら? 可愛いのは良いんだけど、す、スカートちょっと短いし……お、おへそ出ちゃってるのよ?」


 白くてすべすべしてそうな太ももがあらわになっていた。

 かわいらしいおへそも顔を出している。


「あら。よくお似合いですよ、リーファさん」

「そう? じ、ジンタは……その、どう思う?」

「うん、似合ってるんじゃないか」


「そ、それなら……こっちの服、着ておく」

 

 ステータスでは、耐久が10ほど上昇している。

 これなら、弱い敵相手でもなんとかなるだろう。


 早速町を出て平原にやってきた。


「ひーちゃんー?」


 おれが呼ぶと飼いドラゴンのひーちゃんは飛ぶように走ってくる。


 相変わらず足速いなあ……。って、平原、ゴブリンの死体だらけじゃねーか!

 無双状態だったのか、ひーちゃん。


「がうがうっ」


 あ。また永晶石取ってきてる。1、2、3……、10個もある!


「よしよし、よく頑張りました」

「がう~」


 あとでパインゴ食べさせてあげよう。

 ん。HPがほんのちょっとだけど減っている。


「リーファ、ひーちゃんに治癒頼めるか?」


 リーファが近づいて傷を確認する。

 はむ、とひーちゃんがリーファのスカートの裾を噛んで上下に引っ張り始めた。


「あーっ!? ちょ、何してんのよ!? やめてぇー! スカート、スカート、みえ、見えちゃうからぁ~」


 リーファはスカートを押さえて必死に抵抗している。


「すぐに治癒してあげるからっ、引っ張るのやめて」

「ジンタ様? ひーちゃんをお止めください」


「ひーちゃん、ストップ」

「がう」


 おれが声をかけるとひーちゃんは大人しくなって、すぐにリーファは治癒魔法を使った。


「あぁ、もう。スカートがよだれでべたべた……」


「ジンタ様。そんなに中身が見たいのなら、わたくしがすぐにでも見せてさしあげますのに」

「え、何の?」


「誤魔化さなくてもわかります。スカートの中の話です」

「……いや、見せてもらうのもいい。けどな。見えないものが見えそうっていうのも、ロマンがあるんだ」


「では、見せないほうがよろしいのですね」

「それはそれで違うっていうか……」


「それで、どうなさるのですか? ゴブリンはひーちゃんが粗方狩ってしまったようですけれど」


 平原でぽつぽつと遠くに見える魔物はレフォンボアくらいしかいない。


「あと10体か……ちなみに、レフォン平原ってどこのことを差すんだ?」


「ええとね。ログロの町から南側一帯のことなんだけど、最初の町ホヒンの北側だから……相当広いわよ?」


「大丈夫でしょうか? 予期しない強敵に出くわしたら」


「そんな強い敵はいないし、それにジンタがいるから大丈夫よ」

「ふふ、それもそうでしたわね。すっかり失念しておりました」


 もしかして頼りにされてる?


「がうがうっ」


 わ、こら。くすぐったいから舐めるなってば。


 とは言え、こんなに広い場所を固まって行動するのは得策じゃない。


「手分けして倒そう。ゴブリンならクイナは大丈夫だろ? ひーちゃんはゴブリン得意だし……。あ、でもリーファは誰かと一緒に行動しよう。そのHPじゃ一撃もらうだけでヤバイだろ?」


「うん、そうかも」

「それでは、わたくしと一緒に行動いたしましょう」


「え~! 私……」


 言葉を切ったリーファがこっちをチラっと見る。


「リーファさんのお考えなどお見通しです。ビシバシしごきますのでお覚悟ください」

「危なそうな敵が出たら無理せず逃げるんだぞー?」

「かしこまりました」


 クイナは嫌そうな顔をするリーファを引きずって、西側へと歩きだした。

 ひーちゃんは東側に行ってもらいおれは南を探索することに。


 でも、付近にゴブリンの姿は見当たらない。

 どこ行ったんだ? ひーちゃんにビビって遠くに逃げたのか?


 ゴブリン探しをはじめたのが昼過ぎだったため、あっという間に夕方を迎え、おれたちは町に戻ることにした。


 こうして、初日はひーちゃんが狩った10体のみに終わった。

 見つけた料理屋で夕食を食べ、安宿をとってそこで休むことに。


 軍資金の都合上三人一部屋だ。


 クイナたちは、リーファの修行も兼ねてゴブリン捜索をしていたらしい。


「聞いてよ、ジンタ。クイナったら意地悪するのよ?」

「していません。わたくしは、リーファさんがジンタ様の足手まといになるのが許せないだけです」

「なんだよ、またケンカかよ……」


 おれを挟んで言いあう美少女二人。

 仲良いのか悪いのよくわからないな、この二人は。


 けど、リーファは着実にレベルアップしている。


――――――――――――――――

種族:神族

名前:リーファ

Lv:4

HP:65/65

MP:299/310 (110)

力 :21 (11)

知力:180 (80)

耐久:30 (20)

素早さ:13

運 :8


スキル

浄化魔法 1/10

治癒魔法 3/10

――――――――――――――――


「わたくしのベッド、少し埃っぽいのでジンタ様のベッドでご一緒させていただきますね?」


 するりとベッドを抜け出したクイナがこっちへやってきた。


「それなら、クイナは私のベッドを使えばいいわ。私がそっち使うから」

「夫婦の営みを邪魔しようだなんて、無粋ですよリーファさん」


「夫婦じゃないからっ。それに、そ、そういうのは、人前で営んじゃダメなんだから!」


 顔を赤くしながらリーファが反応すると、クイナがいたずらっぽく言う。


「それでは、人前でなければ営んでもよろしいのですね?」


「も――もう知らないっ」


 ばふっと毛布を頭からかぶったリーファ。


「うふふ、かわいいですね、リーファさん」


 リーファ、からかわれてんぞ。



次回は1月5日17時頃更新です!

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