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聖女の回復魔法がどう見ても俺の劣化版な件について。  作者: きなこ軍曹/半透めい
第一章 聖女の回復魔法がどう見ても俺の劣化版な件について。
17/181

て、手が反応してる!?

ブクマ、評価ありがとうございます




城を出た後、俺はまず初めに都の外へ向かった。


 しばらく都の外を歩いてから、周りに人がいないことを確認する。


 俺は、ゴブリンの一件から今まできちんとした時間を取れずに出来ていなかったいくつかの実験をすることにした。


 これは、これから城に忍び込むとしても自分の力量くらいはある程度知っておく必要がある、と思ったからだ。


 

 

 まず初めに「本当にアレが回復魔法の特訓の賜物だったとして、ソレを本当に使えるのか」という実験だ。


 都の外には多くのモンスターが生息している。ちょうどその時、ゴブリンの小さい群れを見つけた。なにやら物を運んでいたようで俺に気がつくと動きを止めた。


 俺はゴブリンたちと対峙し、慣れ親しんだナイフを構える。


 …………。次第に、あの時のように、まるで手が独りでに動いているかのような感覚がやってくる。


 その瞬間、一匹のゴブリンが襲いかかってきたが、俺のナイフによって体や腕が切り取られた。


 

 まさか、ゴブリンのような人型にだけ反応しているのかとも思い、別のモンスターでも試してみたが、そちらでも腕や足を切り取ることができた。


 こうして初めの実験では、「使える」ことが判った。



 

 次は「ソレは生き物以外では、あの感覚がちゃんと反応するのか」という実験だ。


 ある程度の大きさの石を拾い、それを頭上に放り投げる。


 …………コトン。


 石が落ちてくるが、最後まであの「反応」が来ることはなかった。


 結果、「生き物」以外では、ソレは反応しないようだ、ということが判った。



 

 その次に「ナイフ以外を扱えるのか」という実験をする。


 まず、先ほど倒したゴブリンが持っていた剣を使ってみる。数回のモンスターとの戦いで、どうやら使えるには使えるがナイフのほうが使いやすい、ということが判った。


 次に、そこらへんに落ちていた木の棒で試してみる。さすがに、刃があるわけではないし無理だろうと思いながら、目の前のゴブリンを見据える。


 ……えっ?て、手が反応してる!?


 ゴブリンはそんなこと知らずか、先のゴブリンと同じように襲いかかってきた。


 ……俺の手が独りでに動き出す。


 まず木の棒で倒せるはずがないと思ってた俺だったが、後ろには腕や足やらを切られ、絶命しているゴブリンが転がっていた。


 これにはさすがの俺でも驚くしかない。刃がついていない木の棒でこうすることができたのだ。


 それから数回試してみるが、やはり結果は同じで、木の棒でもゴブリンや別のモンスターの腕や足を切り取ることが出来た。


 自分自身でもその仕組みがどうなっているのか判らなかったが、いざ、というときに木の棒でも戦えるというのは素直に嬉しい。


 その後、ちょっと興奮してモンスターをヤりまくっちゃったが……


 実験の結果として、他の武器でも使えるには使えるが、ナイフが一番使いやすいということと、最悪木の棒でも戦えます、ということが判った。



 

 最後に「自分がどれくらいの痛みを感じるのか」という実験だ。


 先程から、モンスターと戦ってて分かったんだが、どうやら俺は「手」だけは動いてくれるようだが、身体はその限りではないようで攻撃もちょくちょくもらっていた。


 その時は痛いとも感じなかったが、念の為に、実験することにしたのだ。


 まず、昔からやっていたように、指を切るが、これはちょっとかゆいくらいだ。


 次に、これも昔からやっていたように、腕を切るが、これもちょっとかゆいくらいで、ついでに足も切ってみたのだがこれもまた同じだった。


 さすがに頭や首は怖くてやらなかったが、それ以外の場所は例外なく切ってみてもかゆい、としか思えなかった。


 結果として、頭や首は不明だが、それ以外なら大丈夫だということが判った。




 これで、一応の実験したかったことはできたので、ヒールを使いつつ片付けをし、俺は街へと戻ることにした。


 モンスターの死体は、処理の仕方が分かりませんでした……


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