挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ストレイ・ワーカー 作者:新殿 翔
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

94/179

間章 SWの夏祭り!・三



「おかしい……」


 私は、手に持ったそれを見つめ、唸った。

 ……うん、やっぱり何度見てもおかしい。


「……嶋搗、綿あめってさ」


 隣を歩く嶋搗に声をかける、



「――虹色に輝くものだっけ?」



 私が手に持った綿あめか、きらきらと輝いていた。それはもう綺麗な虹色に。


「少なくとも俺は白い綿あめ以外の綿あめに心当たりはないな」
「でしょうね」


 ……なんで私、こんなの買っちゃったんだろ。

 綿あめを一千切り、口に含む

 すこしパチンと弾けるような刺激と共に、柔らかな甘さが広がる。

 ……まあ、普通に食べられるのは救いだけど。


「うまいのか?」


 訝しむように嶋搗が尋ねて来た。


「むー。まあ、おいしいと言えば、おいしい」
「なんだそりゃ」
「食べてみる」


 綿あめを嶋搗の方に差し出す。

 嶋搗はそれを少し千切って、口に放り込んだ。


「……炭酸と綿あめを足した感じだな」
「ああ、それは上手い例えね」
「ほー、どれどれオレっちにもくりゃれ」
「私もー」
「はい」


 皆見とアイにも分ける。


「ふつーにうめー。さっきの人面魚とか比べ物になんね」
「あれと比べるのが間違ってると思うんだよね」


 アイの言う通りだ。

 私は綿あめを食べながら、ふと思ったことを口にした。


「そういえば、アイと嶋搗はまだ何も買ってないわね」


 嶋搗は飲みものだけさっき買ったけど、それは買い物というには小さすぎる。


「んー。なんか、これだ、ってものがないんだよね」
「右に同じく、だ」


 ふぅん。


「目についたものを適当に買ってけば?」
「お前は金の使い方が荒すぎる」


 そんなこと言われても……正直、金銭感覚を問われても、そんなの今更だし?


「それに私は、ほら。家族への仕送りもあるから、あんまりお金に余裕がないんだ」


 あー。そういえば、そうだった。

 アイって収入の大半を実家――というか、実家のある村に送ってるのよね。お陰でそっちの方は豊かな生活を遅れているらしい。

 最近では向こうから、もう仕送りはしてはいけません、なんて手紙が届く程だとか。それでも送るのがアイらしいというか、なんというか。


「ばっかアイアイ。なんでそれ言わねーんだよ」


 すると、皆見がアイの頭を小突いた。


「あう?」
「そんくらい言えばおごってやるっての。好きなもん買えよ、ほれほれ」
「え、でもそんな、悪いよ」
「気にすんな」
「そうよ、アイ。こんな時ぐらい皆見を利用してばちは当たらないわ」
「いや利用ってのはねーだろアマリン」


 皆見が苦笑する。

 ……やっぱり、皆見は基本いいやつだと思う。


「でもアイ。皆見だけじゃなくて、私は嶋搗だって、こんな時くらいはアイに奢ってなんの問題はないわよ?」
「でも……」
「何故俺まで奢ることになってるんだ……」


 黙れ嶋搗。


「まあいいけどな……」


 最初からそう言いなさいよ。このかっこつけたがりや。


「いいのよ、アイ。変な遠慮はなし。ね?」
「……ん」


 小さくアイが頷いた。


「よし、それじゃあ――」
「まずこれ食ってみようぜ!」


 突然皆見が、いつの間にか手に入れて来た白い棒状の食べ物らしきものを差し出してきた。


「なにこれ?」
「まっ、いーからいーから」


 言いながら、皆見が私達全員にそれを渡す。

 ……怪しい。怪しすぎる。


「そんじゃ、同時に食べるぞ」
「いや、なんでよ?」
「いーからいーから」


 いやよくないでしょ。

 ……まったく。

 まあ、いっか。


「それじゃ、いっせーの……」


 ぱくっ。

 スナック菓子のような触感だ。

 ………………!!!


「か――辛ぁあああああああああああああああああああああ!?」


 なにこれ、え、辛い? むしろ痛い!?

 うぁあああああああああああああああ!?


「ぶはははははは! アマリン大当たりだな!」


 わ、笑うなっ!

 てか、なんで皆見は普通にしてるのよ!? 嶋搗とアイも!


「なんなんだ、これ?」
「四本のうち一本が激辛の菓子。そこで売ってた」
「……あれ、どれだけ辛いの?」
「知らん! どんくらいなの、アマリン」


 っ……っ!

 す、すす、す……。

 すっげえ辛いわよ!


「ぎゃふん!?」


 皆見に顔面を思いきり殴りつけた。


「……飲むか?」


 流石の嶋搗も気の毒そうにしながら、さっき買った紙コップ入りの飲みものを差し出してきた。綿あめはもう食べ終わって辛味を誤魔化せそうなものを持ってなかったので、滅茶苦茶ありがたかった。キスしてもいい。


 …………いや、しないけどね?



「チェックメイト」


 リリーが、相手のキングを倒した。

 ……うーん。

 私、あんまりああいうチェスとか頭使うゲームってよくわからないんだけど、リリーって凄いんだろうなあ。

 もう何連勝もしてるし。

 ちなみに、リリーの前にあるのは、半球状の機械と、その上に浮かび上がる立体映像。

 リリーがやっているのは、ただのチェスではない。

 八×八×八の、立体チェスとかいうものだ。普通のチェスとルールも大分違って、遥かに難しいようだ。


「……頭痛くなってきた」


 今回ばかりは隼斗を馬鹿に出来ない。

 私も正直、そろそろ目を回しそうだ。


「雀芽は、あれどうなってるのか分かる?」
「まあ、外野から見ている分にはね。実際にやるとしたら別物でしょうけど」


 ……雀芽すごい。

 と、どうやらリリーが目標に設定されていた十連勝を達成したらしい。

 主催者から、賞品が贈られた。あの立体映像を映し出す機械本体と、賞金一千万だ。

 機械は大きくてとても運べるものじゃないので、あれは後日リリーの家に送られるのだろう。

 こちらにリリーが戻ってきた。


「まあ、こんなものね」
「リリーよくあんなの出来るね」
「それは出来るわよ」


 くすり、とリリーが笑んだ。


「だってあのゲーム、もとはマギの魔術師が考えた娯楽よ?」
「え……?」
「チェスと将棋みたいなものよ」


 ああ……そっか。

 遊ばれる国も時代も違うのに、チェスと将棋って似てるもんね。だったら、マギにも似た遊びがあっても不思議じゃない……のかな。よくわかんないけど。


「魔術師なら魔術で簡単に立体映像と同じことが出来るから。私も小さい頃からよくあれで遊んだわ」


 ……マギの魔術師って皆あんなことが出来るくらいに頭いいの?

 とりあえず、リリーがあのゲームに強いことには納得。


「誰かが魔術師の意見を参考に作ったのね。懐かしかったわ」


 そりゃ十回連続で勝つわけだ。子供の頃からやってたみたいだし。


「こんど佳耶もやってみる?」
「遠慮しとく」


 頭が割れる恐れがあるので。


「それより次行こう。なんかあっちが少しにぎやかだし、なにかやってるのかな?」


ストックせずに書いたら即放出のこの作者の心意気にむせび泣いてくれて、いいんですよ?

あと活動報告見てもらえば分かると思うけど、ちょっと悪趣味なことしたお詫びのつもりでもある。
SWを読んでない人へのお詫びは特に考えていない。ごめん。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ