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この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。

即興_思い出の中と今

作者:RYUITI
ガシャリと音をたてて落ちたモノに、
ハッとして眼を向けると、其処に有ったのは割れたコップで。コップの中に入っていた濃く深い紫色をしていた葡萄酒が、
領域を広げながら、
何かを追い詰めながら床を染み渡って行くような感じがして、
葡萄酒だった液体が床を染め上げる速度より速く、紫色の液体が進むであろう路の先を見る。
何か、思い出の詰まったモノが落ちている。

そんな風に眼を離している間も、
当然のように葡萄酒は進み続けていて。
その様子はまるでいつかの誰かが、
突き放された自分を認めたくなくて、
認めることができなくて。
相手の足元に必死な表情でしがみつきながらもがく様子に似ていた。
大事な誰かに貰った小物が反動で地に落ちた事にも気付かずに。

やがて、葡萄酒はいつの間にか床に落ちていた黄色の、
リボンを侵食していくように紫色へと染めていく。
その葡萄酒の姿もまるで、
振りほどかれた私を嘲笑うかのように、
降り増した土砂降りの雨から出来あがった濁った水たまりのように感じて、
虚しくなった、悲しくなった。
けれど、どれだけ考えても悔やんでも。
あの頃よりも前の自分に戻ることも、
あの頃と同じように生きることも。
今の私には出来ない。
何故なら、すり抜け、割れたコップは、
細かく、大きく散らばるだけで、
ひとりでに元に戻ることなんて無いのだから。

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