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プロローグ
 時刻は午後十一時。
 空は暗黒。そこに恒星の輝きが散りばめられていた。
 月は淡い白色を帯びており、月下には町が照らされていた。中心街はネオンの明かりが眩しく、空の儚い輝きなど完全に無視している。
 中心街から東には住宅地が広がっていた。時刻が時刻ということもあってか、民家の明かりはまばらで、月明かりと点々と設置されている電灯が行き交う人がいない道路を照らしていた。
 その住宅地の中に、子供たちの遊び場として造られた公園がある。
 名は、魔来公園(まらいこうえん)
 広いグラウンドにブランコ、滑り台、鉄棒といった、どこの公園にでもありそうな遊具は一通り揃えられており、入り口近くには冷水機、公園の周りは木々が植えられて、日差しが強いときにはそこで休憩することが出来るようになっていた。
 しかし、普段は公園を包んでいるであろう和気(わき)横溢(おういつ)とした空気はそこにはない。時間が時間だという理由もあるのだろうが、近づくだけで肌をピリつかせる鋭さを持った空気が、そこを支配していた。まるで、そこだけ周辺の空間とは遮断されているかのように。
 それを決定付けるかのように、公園を囲むように半透明の薄紫色のドーム状の外壁が出現していた。だが、ドームの外からはそれを把握することはできず、内部からしかその外壁を知ることができないようになっている。
 その中には今、影が三つある。
 ひとりは少年。
 名を、真道翼まどうつばさという。
 夜闇のような黒の髪、男とも女とも見て取れるような中性的な容姿。格好はラフで、その腰には鞘に収まった剣が携帯されていた。
 その少年の隣にいるのは少女だ。
 腰まで伸ばされた紅味を帯びた黒髪をリボンひとつで纏められている。少女は白い小袖に緋袴を履いた、巫女装束の身なりをしていた。
 その片手には少女の身の丈ほどのあるかと思われる弓が握られており、少女の瞳は眼前のモノに向けられていた。
 そして、少年と少女に対峙するように向かい側にいるのは漆黒の物体だ。
 形状は狼のものだが、狼にしては大きすぎる。熊より一回りほども大きな狼をしたモノだった。まるで影を凝固してつくられたかのように、暗黒色をしている。
 目と思われる部分だけ血のような緋色に染まっており、それは刃物のように鋭い光をギラつかせ、グルルル……と低く唸り、眼前の人間二人を見据えていた。
 刹那、漆黒のモノが動いた。
 野獣の咆哮とともに、繰り出されるのは突進。弾丸の如き速さだ。
 しかし、少年と少女はそれを見切り、左右に散ることで身をかわした。

緋睡ひすいッ!」

 翼が叫ぶと、緋睡と呼ばれた少女はひとつ返事ではい、と答える。
 緋睡は弓を構え、片手を虚空に掲げる。するとそこに光が収束し、やがてそれが矢の形状になった。
 魔力と呼ばれる、森羅万象の力を利用したものだ。それを自身で構成、構築できる術を扱う者は限られており、魔術師と呼ばれる人たちが扱う権利を有している。
 そんな彼女の眼光は凛とした輝きを帯びていた。その視線の先には突進を失敗し、大きくスライディングした漆黒のモノが存在している。
 それに向かって緋睡は、召喚した矢を狙撃した。
 それは閃光。一筋の光のような速さで漆黒の狼の、脇腹と思われる場所を穿った。
 直後、響くのは苦悶の咆哮。
 大気を低く震わす叫び声を上げ、漆黒の狼は緋睡へとその紅い瞳を向ける。
 瞳を帯びるのは殺気。
 貫かれた場所からは血は流出せず、代わりにそこから向こう側の景色が見ることができるようになっていた。
 苦痛をお前にも体感させてやろう。そんな言葉が、その漆黒の狼は瞳に宿らせていた。
 しかし緋睡は臆することはなかった。かかってくるならかかってこい、とばかりの凛然としたさまを崩さない。
 やがて狼は、そんな尻込みしない少女に飛び掛ろうとする……が、それは阻止された。

「はあぁぁぁぁぁぁ――――!!」

 気合の咆哮とともに狼に繰り出されたのは、剣での一閃。
 それはまさに閃光の如き速さ。その速さをもって翼は狼の手足を胴体から切断した。
 直後、喉がねじ切れんばかりに叫喚し、漆黒の狼は地面に転がる。手足をすべて落とされた様はさしずめダルマである。
 四肢を失い、仰向けになってもがき苦しむ黒狼。
 その喉下に剣先を衝き立てようと、翼は跳躍する。
 重力加速をつけ、確実に喉に衝き立てようとする……、

「――えッ!?」

 が、それは叶わなかった。
 黒狼の四肢が、急激な速度で再生していた。
 バカな、と翼は思う。おそらく緋睡も思っていることだろう。
 再生の速度は一瞬のように感じられるほどに速く、やがて完治した。
 黒狼の紅くギラついた瞳は空にいる少年の姿を捉え、二足で直立する。さしずめ人狼、といったところだろうか。
 人狼は片手で翼の剣を制止させた。その手には、先ほどまではなかった爪と思われる黒く鋭利なものによって。

「くッ――!」

 翼はとっさに引き抜こうとする……が、抜けない。爪が歯噛み合っており、下手に抜こうとすると刀身がへし折れてしまう危険があった。
 力は一人前ってところか、と翼は内心で人狼に毒づく。
 やむを得ず、翼は剣を一度放置しようと柄から手を放そうとする……が、寸前にそこから強引に弾き飛ばされた。黒狼のなぎ払いを腹に受けたためだ。
 骨が軋み、身体の中の空気が強引に外へと吐き出される。翼の身体は半ば地面に叩きつけられるように飛ばされ、地面を転がった。
 反撃を予測していなかったため、受身もろくに取れずに、衝撃をまともに受けることになった翼。苦悶の叫び声も上げる暇もなく、翼は身をくの字に曲げ、そのまま動かなくなる。気を失ったのだ。


――◆――◆――


「よくもッ!!」


 兄が倒れたのを見、緋睡はとっさに矢を発射した。
 三連撃。空気を穿つ音が連続で空気を響かせる。
 しかしそれらは、敵のなぎ払いひとつですべて捌かれる結果となった。再生し、強くなっていることは一目瞭然だ。痛い目を遭わされた憤怒からきたものであろう。
 人狼が迫ってくる。
 動きは四足で走っていたときよりも遅い。だが、歩幅が広いので結果的に人並以上には速くなっている。
 加速をつけつつ、人狼は拳を眼下にいる少女に叩きつけた。
 緋睡はとっさに横に逸れる……が、さらに次の攻撃が来る。
 振り下ろした拳をそのまま横に払ったのだ。
 紙一重の避け方だったため、二撃目を避けることができない。
 そう判断した緋睡は、とっさに袖から紙切れを取り出す。――札だ。
 その札には『護』と書かれており、それを攻撃の軌道上に展開した。
 直後、発生するのは防壁。ガラスのような透明感をもった、敵から身を護るための壁だ。
 人狼の拳が札に衝突した。
 瞬間、目を凝らさないと見えなかった半透明の障壁が、轟音とともにはっきりと姿を現した。干渉された部分を中心に、虹色が波紋として広がる。
 障壁を挟んだ側から、緋睡は召喚した矢を弓に携え、弦を限界まで引く。
 鋭利な矢尻を人狼の額に的を絞り……矢をぶっ放した。瞬刻、緋睡は障壁を解除し、その場を飛び退く。
 結果、人狼の拳は地面を叩き、緋睡の放った矢は彼の額を穿った。
 衝撃で人狼の頭部は吹き飛び、夜空の宙を高く舞う。満月のよう……というには、あまりにも血生臭い。
 頭を失った巨体は、拳を地面にめり込ませながら砂上の楼閣のようにその場に崩れ落ちた。あいかわらず傷つけられた断面から、血の類が流れ出てくる気配はない。
 吹き飛ばされた頭は、地面を転がった後、溶けていこうとしていた。氷が水となり、干乾びた大地に滲み込む……そんな形容が正しい。溶け出した頭部は、そのままその場から退場した。

「終わったのでしょうか……」

 誰に言うこともなく口にする緋睡。しかし、その期待は脆くも崩れ去った。
 首なしの巨体が拳を地面から抜き、むっくりと起き上がったのだ。

「――ッ!?」

 とっさに巨体から離れようとするが、すでに遅い。巨人の手が起き上がりついでに、緋睡の両腕もろとも胴体を引っ掴んだのだ。その拍子に、緋睡は己の得物を落としてしまう。
 やがて仁王立ちで足場を固めた後、地面に溶けたはずの頭部が首の断面から生えてきた。
 完全復活。
 駄目か、と緋睡は辛酸を嘗めたような表情をする。斃すにはやはり、相手の急所を衝いたほうが確実のようだ。
 緋睡は人狼の左胸を凝視する。そこからはわずかに白光が生じていた。そこに人狼の致命所があるのだ。
 矢で射れば一発で終わる、ということが緋睡にはわかっているが、生憎と弓は手元になかった。袖の中に札が忍ばせてあるが、剛力で握られているため、身動きが全く取れない。
 攻撃の術を一切奪われ、緋睡は人狼に敵意の視線を向ける程度しかできなかった。
 そんな少女を嘲笑っているように、グルルと喉を鳴らす漆黒の人狼。そのまま獣人は、少女を握っている手に万力を込める。
 ミシリと全身の骨が軋むのを感じ、緋睡は苦痛に顔を顰めた。
 殺すなら一思いにやってほしい、と思う。じわじわと、骨の髄まで痛めつけながら殺すのは、性根が腐っているやつのすることだ。
 反撃する余地をすべて失っている緋睡には、思うだけで何もできず、死を覚悟するしかなかった。
 だが次の瞬間、ヒュッと虚空を鋭く断する音がしたかと思うと、緋睡は自分の身体が落ちていく感覚を味わった。
 見れば、自分を握っている巨手が、人狼の肩から切断されていることが確認できた。
 いったい誰が、と思考する必要もない。
 翼だ。


――◆――◆――


 翼が目を覚まし、真っ先に見た光景は、自分の妹が握りつぶされそうになっているところだ。
 それを見て、翼はほとんど脊髄反射的に行動を起こしていた。
 その行動とはすなわち、緋睡を人狼の手から解放させることだ。そのために翼は、肩から敵の腕を斬り落とした。
 幸いというべきか、敵は緋睡にのみ意識がいっていたために、難なくこなすことができた。
 ドスンと緋睡が尻もちをつき、力を無くした手から抜け出し、軽く尻を擦った。
 次に翼は、川の水が流れるような動作で剣の切っ先を人狼の左胸目掛けて放った。
 肉体と先端に魔力を宿らせることで、身体能力の向上および破壊力の増大をし、

「はああああぁぁぁぁ――――!!」

 気合いに満ちた声とともに、翼は急所を刺し穿った。
 剣先に押されて出てきたのか、人狼の身体から丸い透明の結晶が転がり落ちた。
 直後、人狼は絶叫を轟かせた。
 今までの苦痛の叫びとは比にならない、断末魔。
 人狼の命として機能していた結晶が肉体から出たためだ。人間で例えるのなら、心臓を抜かれたのと同じである。
 それを亡失したため、人狼の身体は散り様として、アイスのように溶けていき始めた。
 終わった、と安堵の気持ちが二人を満たしていく。
 しばらく敵の最期を眺めていた翼。やがてその姿が雲散霧消したことを確認すると、周辺に張っていたドーム状の障壁の解除を始めた。
 隔絶(かくぜつ)世界(せかい)――通称『絶界(ぜっかい)』と呼ばれる、任意の周囲の通常空間を現実から完全に隔離する術を、先ほどまでこの少年は使用していたのだ。
 それを張る理由は、先ほどのような常人離れした出来事を、他人に見せないようにするためである。
 その際のとばっちりとして、建築物等が絶界内で破壊されたとしても、現実空間に影響を与えることがない。ゆえに、大暴れしても証拠隠滅が可能なので、翼たちのような人間は戦う前に必ずといっていいほど使用する。ただし、その中で戦っていた人たちの傷は、残ったままであるため、万が一、絶界内で人が死ぬようなことがあれば、二度と生き返ることはない。
 やがて翼は、公園から絶界を完全に取り除いたとき、緋睡が話しかけてきた。

「兄上。助けてもらったことには感謝しますが、復活が遅すぎます。実の妹が苦しむ前に目を覚ましてください」

 開口一番の妹の言葉。
 無茶なことを注文するなぁ、と翼は思う。気を失っていたのだから、その間、現実がどうなっているのかなんて知ることができるはずがないというのに。

「それと、わたくしが落下しているときに受け止めてくだされば、(なお)良しだったんですけど。もう少し気を使ってください」
「……おまえ、それが助けてくれた兄に対する言葉か?」
「初めに申しましたでしょう? ありがたい、と」
「その後に逆説が入ってたから、全然感謝の言葉とは思えなかったよ、僕は」
「贅沢ですね、兄上は」

 やれやれ、といった面持ちで言った後すぅっと深呼吸し、

「ありがとうございます兄上感謝しますそれはもうものすごく」

 一息で、棒読みで、感情を込めることなく緋睡は謝礼を述べた。これではないほうがずっとましである。

「……もういいよ。期待した僕が馬鹿だった」

 普通に謝礼するということができないのだろうか、と翼は妹に内心で毒を吐いた。ついでに(はらわた)がグツグツと煮えかえってくる。
 落ち着け僕……、仲間を助けるのは当然じゃないか。その当然のことを僕はしただけで、当然である以上、感謝されないという事態があっても不思議ではないじゃないか。
 そう翼は自己を納得させようとする……が、

「……利己心とは、哀れですね」

 緋睡が余計なひと言を呟いたために、翼は臨界点を突破した。

「おまえなぁ……もう少しその無愛想を直したらどうだ?」
「兄上こそ、大人気(おとなげ)ないことに激昂しないほうがよろしいかと」

 鉄仮面の無表情顔で言われ、翼は怒りが三割増する。
 確かに緋睡の言うとおりなのだが、流れを考えるとどうにも納得できないところがあるというものだ。

「この無愛想女!」
「女男」
「鉄仮面!」
「やかん男」
「……やかん?」

 謎の単語が現れ、翼はそれを反芻(はんすう)してしまった。

「熱くなれば抗うことなく沸騰しますから」

 つまり感情的、とでも言いたいのだろう。例えはうまいのかどうかわからない。

「……誰がいったいそうさせていると思っているのさ……」
「あなたです」

 と、翼を指差す緋睡。ここまで来るともはや怒る気も無くなるというもので、はぁ、とため息を漏らして、話を打ち切ることにした。

「ため息とは……兄上も苦労人ですね」

 本気で言っているのかこの野郎、と思わずにはいられない翼。だがその反面、もういいや、と割り切っていたので、緋睡に怒号を浴びせるのは止め、お目当ての物を探し始める。
 翼が探しているのは、あの白くて丸い結晶だ。それを集めることを翼と緋睡は目的としているのだが……、

「兄上、見つかりましたか?」

 冷水機に軽くもたれかかって、緋睡は抑揚のない口調で訊く。

「だったらおまえも探してよ。たく……」

 愚痴を零しながらも、翼は結晶を探し続ける。
 だが、どこを探しても見つからない。転がっているであろう付近を探しても、それと思われるものが見つからないのだ。
 おかしいなぁ、と翼が首を傾げたとき、

「はぁ――――はっはっはっはっはっ!!」

 夜の静寂を突き破らんとする、盛大な高笑いが響き渡った。
 その声は女性のものだ。

「この高笑いは……」

 心当たりがあるのか、翼の顔付きがゲッとでも言いたそうなものに変化する。緋睡も高笑いを聞き、実に不快だとばかりに眉を潜めた。
 翼と緋睡は目を合わせた後、声を頼りにその主へと視線をやると、その人物は公園に取り付けられている街灯の上に佇んでいた。
 そこにいたのはひとりの少女だ。腰まで伸ばした黒髪を二つに分かれており、凛とした眉と瞳、端正な顔立ちをしている。体つきも出るところは出、引き締まるべきところは引き締まるといったプロポーションもとれており、翼たちと比べると、年上のような雰囲気を醸し出していた。
 黒髪の少女の背には長い棒のようなものが担がれているが、白い布で覆われているため、それが何なのかははっきりと判別できない。
 少女の手には翼が探していた例の水晶が握られていた。

「せ……先輩!」
「天真! どういうつもりですか!」

 翼はどうしているのさ、とばかりに驚いて見せ、緋睡は目的の物を横取りされてたいそうご立腹の面持ちだった。
 緋睡の怒髪天衝かんばかりの問いに、黒髪の少女――神藤(しんどう)天真(てんま)は意地悪に口元を(ほころ)ばせた。渡す気は毛頭ないようだ。

「先輩、いつからいたんですか?」

 一応、翼は訊いてみる。

「そうだな……。だいたい、我が親愛なる後輩、真道翼がバケモノに止めを刺すところからいたぞ。ちなみにこれは、翼と巫女が言い争っているときに頂戴したものだ」

 これ、と言って天真は水晶を持った手を掲げ、それを振ってみせる。とことん馬鹿にされ、翼たちは憤りがわき立ってくるのを感じていた。

「それではさらばだ! 我が親愛なる後輩プラス巫女よ!」

 はぁ――――はっはっはっはっはっ!! と最後に盛大な悪役高笑いをしながら、天真はその場から悠然と立ち去った。二人の怒りなど気にした様子もないまま。
 住宅の屋根の上をテンポよく跳びながら逃げる背に向かって、返してくれ、と声を飛ばしたところで、駄目だ、という返事がやってくることは、翼は今までの天真との付き合いでわかっていた。天真は『おまえの物はおれの物。おれの物もおれの物』の精神の持ち主なため、一度奪略されたら二度と戻ってこないことは確定事項だった。
 翼は落胆する。散々苦労した揚句、第三者に出し抜かれるとは……つめが甘いと言わざるを得ない。
 天真の姿はもうなかった。逃げ足が恐ろしく尊敬してしまうほどに速い。
 先輩のバカヤロー! と叫びたかったが、現在の時刻は深夜の0時を回ろうとしている。叫べば迷惑になること間違いない。ただでさえ、先ほどの悪役高笑いで周辺に住んでいる人々は迷惑がっている上に、ムカッ腹を立てているはずだ。現にいくつかの民家から、先ほどまでなかったはずの明かりが、カーテン越しにポツポツと漏れていた。

「緋睡、帰ろうか」

 人間、時には諦めが肝心。
そう思った翼は、緋睡に帰宅を促すが、妹の表情は曇っていた。どうやら根に持ったらしい。
 この様子じゃ動かない、と悟った翼は、緋睡の首根っこを掴んで、ずるずると引きずりながら帰路に着くことにした。
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