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学園珍事 ファミリア!
作:コニ・タン



第13話:ドキッ!新キャラだらけの恋愛事情【中編】


「コラァ! もっと腰入れろ! そんな軽いモップで床が磨けると思うてかぁ!!」

「サー、イエッサー!」

あ、どうも、天詩 文一ふみひとです。ちょっと今茜に掃除を教えています。
いや今日は一谷ちゃんが来る日でもないし、茜を屋敷に住ます条件の事(2話参照)思い出しましてね。
こうやって廊下の掃除をさせているところです。

「馬鹿者がぁ! 雑巾の絞りが甘いわぁ! そんなもので窓が拭けるかぁ!!」

「さ、サ〜……ねぇ灯夜、どうして主はあんな風になっちゃってるのかな?」

「仕事に真剣なんだ、執事のかがみだな」

お褒めに預かり光栄です、と心の中でだけ呟き指示を再開する。
一応、このお屋敷は毎日毎日全ての場所を掃除しているわけではない。
それなりに大きな屋敷の割に従業員の数が少なすぎるのだ、ちなみにバイトではないのは僕とあともう一人の料理長のみであり、そして住み込みは僕だけだ。
とりあえずそういうわけで、人手は一人でも多いほうがいい。

「動け動けぇ! 手が止まっておるぞ! そんな事では日が暮れてしまうわぁ!!」

「サ〜イエッサ〜……うぅ」

という訳で、今日は茜の仕事ちょうきょうの日なのです。



「おじゃましま〜す」

うわぁ!?
え!? なんだかいきなり背後取られたんですけどって一体誰だコンチクショウ!

「おぉ、白咲しろさき、久しぶりだな」

小鳥遊たかなしさんも元気そうで何よりです」

うわぁ普通に応対してるしお嬢様!? 
……てか正体は煉斗か……まぁ、そろそろヒキコモリに飽きる時期だと思ってたけど……。

「ん? 何を驚いている天詩。お前、指示に夢中になってインターホンが聞こえていなかったのではないか?」

…………こういう周りがおかしいと思ってたら自分がおかしいだけでした、って状況は限りなく恥ずかしくなるよね……。
まぁとりあえず、煉斗を歓迎でもしようか。

「よ、煉斗。今回はずいぶんと長く引き篭もったな」

「休み明けはダルイじゃないか。まぁ、いきなり結華に会いに行くのもなんだし、一旦こっちに来てみたんだけど…………」

煉斗の言葉が止まり、形のいい顔が少し気まずそうに背けられる。
直前まで見ていた目線を辿ると、そこには…………茜。
…………そうだな、そういえばややこしい事になるからまだ一聖にも一緒に暮らしてる事言ってないしな。まぁ、とりあえず新しいバイトだとでも言えば……

と、そこまで考えていると茜が突然僕の手を握ってきた。

[主ー、聞こえるー?]

頭の中で声がした。僕は驚いて隣を向くが、お嬢様と煉斗は疑問符を浮かべて首をかしげている。

[気にしないで、茜ちゃん42の能力で人間の姿のまま武器の時と同じ状態になってるだけだから]

いや……事前に言ってくれよ……びっくりした……。

[えっとね、とりあえずごまかすための方法、今使うべきかなぁ?]

……あぁ、そういえばこの前そんなこと言ってたな、「42の能力で同居をごまかせる」って。
まぁ、それの方法とかも見てみたいし、実際にごまかせるかの判断材料にもなるしな。
とりあえず茜に向かって小さく頷く。彼女は了承の意思を受け取り行動を開始した。

僕の腕に体全体で抱きつき、いつも以上に天真爛漫な表情で微笑ましいぐらいの笑顔を作り、全身から「満たされてます私今幸せです」オーラを放ち、一言。



「パパ〜」



時間が、氷結した。
時が止まるというのは陳腐な表現だと前々から思っていたが、こんな状況になると本当に体感時間は止まるんだな〜、とかのんきに考える。
茜はにこやかに笑っている、煉斗は一歩足を引いて理解できないという表情を作る、お嬢様の顔はなぜか引きつっている、自分の姿は見えないが多分呆然と立ち尽くしていると思う。
「能力関係ねーだろ!?」というツッコミが頭に浮かんだが、それすらも放てない、というか動けない。

そして、煉斗はなんだか気の毒そうな顔をしてこう言った。

「あー……なんか知らないけど……強く生きなよ?」

「うっわぁなんかすっごく同情の視線を感じる」

いやもうほんとなにこの状況? どうして日常があの二言で凍る? 
頭抱えて床をゴロゴロ転がりたい気分。

「って! そんな訳があるか! どこのドラマだそれは!?」

あぁ、15歳の父による子育て奮闘記って確かにドラマに出来そう。
そんな事よりもまともな反応ありがとうお嬢様。

「ママ〜?」

うっわぁ、何が目的だ茜。今度はお嬢様の方に行ったぞ?
あ〜、なんかお嬢様戸惑ってるな、止めにいかなきゃ。


【さて、ここで読者の皆様だけに灯夜の葛藤かっとう大公開♪】
(ママ……また露骨にこちらへ来たものだな。だが、悪いが俺は子供がそんなに好きでも……いや待てよ、天詩がパパという事は……ふ、夫婦役? ……………………よ、よし)
【この間約0,5秒となっております】


「娘よ!」

「うわぁなんだか知らないけど、お嬢様がすごい短絡的な思考にはまった気がする!」

なんで!? なんでお嬢様そっちの味方!?

「文一……そこまで進んでたのは知らなかったけど……まぁ、おめでとう……」

「なんでそんな哀しみを押し殺した目で微笑むんだよ!? ってかお嬢様とそういう関係になってねぇ!」

おめでとうって何だよ!? だいたい小学生(見た目的に)になってるのに籍も入れてないって僕どんな外道だよ!?

ああああぁぁぁ……まぁ、とりあえず一谷ちゃんとか真紀まきとかに見られなかっただけでもマシ…………




「……………………(茫然自失といった様子で)」
「……………………(かなり引き気味の様子で)」

しっかり見られちゃいました☆ ちなみに上が真紀で、下が一谷ちゃん。
ってかなんでこの二人がここに居るんだよ!?

「あ、あ、あああぁ兄貴……な、なんでこんな……え? ナニガオキテルノデスカ?」

真紀が壊れてる……なんかもうごめんなさい義妹よ!
ああああぁぁぁ!! しかしこの状況どうすれば……。

「でもでも……どうみてもおかしいよ、お兄さんの年齢とつりあわないですです」

おぉ! 一谷ちゃんナイスフォロー!
……………………

「なぁ一谷ちゃん、年齢ってどういうこと?」

「へ? あうぅ……それはそれはコウノトリさん的な何かが……」

…………ハッ! 
しまった! いつものクセでついからかっちまったよ! やっべぇ唯一の味方が!
あぁ! ごめんなさい! お願いだから人の陰に隠れないで! ねぇ!

「ぱぱ〜、まま〜」(すごい能天気にはしゃぎまわる茜)
「……………………」(すごく哀れんだ目をする煉斗)
「あうぅ……」(すげぇ赤い顔で煉斗の後ろにまで回っていく一谷ちゃん)

…………僕は思いっきり孤立している……ってあれ? 真紀とお嬢様は?

「あはははは……貴女が兄貴のお嫁さん? 認めないよ、私は認めないよ……」

「それがどうした、事実は事実だ」

なんかむこうでにらみ合ってる!?
真紀それ勘違い! お嬢様役に入り込みすぎ! あぁもうどこから正していけばいいやら……。

「あの〜、お嬢様と真紀、別にそれは……」

「黙れ!!」「黙って!!」

うわぁ……おっかねぇ……。

「あの〜、お嬢様? ウチの義妹無駄に破壊力高いんで……考え直しません?」

「私だって武術ぐらいは心得ている、小娘ごときにやられるものか」

うわぁ……止まりそうにねぇ……。いや、諦めるな、僕。

「聞け!! お嬢様と僕はそんな関係じゃないし!! 茜は僕の娘じゃありません!!!」


場が、収まった。
走り回っていた茜は立ち止まり、煉斗と一谷ちゃんは少しずつまともに戻っていっている。
お嬢様は……ん? なんで微妙にがっかりしてるの?
真紀は……あ、こっち来た。

「兄貴、本当なんだね?」

「あぁ、まだ子供は要らない」

「じゃあ、この小鳥遊とも別になんともないんだね?」

「呼び捨てにするな愚妹ぐまいよと言いたいが、とりあえずお嬢様と怪しい関係じゃあない」

この調子で事態は集束していくかと思われた。
だが、この先にはまだ一波乱あったのだ……。

「じゃ、じゃあ! 兄貴は……別の人とで、デートしたり! したりしてもいいんだね!?」

「相手が居ないからできないけど」

「じゃあ! きちんとその場面を見ないと納得できないから! わ、私と……私とデート!」



再び空気が凍った。いや何故かお嬢様の周りだけピンポイントで。



次回に続く!





誘宵(以下誘)『おいおいおい、続くのかよ!?』
 続くんです。……あ、真紀と風香はあの後お屋敷まで来たんです、宣言通り。
誘『しっかし我が出たのはいいが……本格的な出番はまだ遠そうだなァ、オイ』
 そうだねぇ、現時点では一部キャラ以外には話しかけても驚かれるだけだし。
 早くシリアスいかないとこの物語の真骨頂が……。
誘『どーせくだらねぇ話のクセによォ』
 生みの親に失礼だねぇ……君は。

誘『次回を、ってかぶっちゃけ次に我が出る話をお楽しみに、だぜェ!』
 ぶっちゃけすぎだ!











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