五十一話だぜ!
さて、定軍山もやっとこさ終わりで、日常編。
ガンガンキャラの日常編を消化したいと思います。
51 路地の中で
定軍山では、思わぬ…俺は一応予見してたが、援軍の登場があったが、偵察部隊の排除、と言う意味では完遂出来た。
再び場所は成都。
うーん、と伸びをする。
昨日、桃香ちゃん達に報告を終え、今日の仕事は街の警邏。
穏やかな成都を、のんびり歩き回る。
と
あれは恋ちゃんとねねちゃん。
なにやら店先でじーっとしている。
どうしたのかな?と思い、声をかける。
「恋ちゃん、ねねちゃん、どうかした?」
「おぉ!良也!丁度いい時に来たのです!」
どうやらグッドタイミングらしい。
「良也!有り金全部置いてくのです!」
あるぇー?街中でいきなり強盗?しかも顔見知りに。
「……ねね、だめ」
恋ちゃんがたしなめると…
ぐぅ〜〜〜。
恋ちゃんのストマックビーストが雄叫びを上げた。
ああ〜、なるへそ。
恋ちゃん空腹→残金0→恋ちゃん悲しい→ねねちゃんが困る→俺財布。
ってところか。
まぁねねちゃんも理由もなしに、金よこせはないもんな。
「そっかそっか、分かった。それじゃ、店主。これで買えるだけ頂戴な」
幾らか纏めて払い、肉まんを買う。
丁度俺も小腹が空いてたしな。
品物を受け取り、
「はい、恋ちゃんもねねちゃんもどうぞ」
「……りょーや、ありがと」
「むむ、良也にしては気が利くのです。感謝するです」
座れる所を探し、腰を落ち着けて食べ始める。
ハグハグと食べている二人を見ていると、心が凄く豊かになっていく気がする。
一心不乱に食べている恋ちゃんの頬に、肉まんの欠片が。
「ほら、恋ちゃん、付いてるよ」
拭ってあげる。
「ムグムグ……」
それでも食べ続ける恋ちゃん。流石だな。
「そう言えば良也、定軍山はどうだったのですか?」
「ああ、一応……」
ねねちゃんに、定軍山での顛末を話す。
「ふむ、そうですか…。曹操はどこから我々の動きの情報を手に入れたか気になるのです…」
眉をひそめ、考える姿は、軍師のそれだ。
まぁ、それはほぼ確実に一刀君の仕業だろうから考えても答えは出ないだろうけどねぇ。
俺が未来の知識を周りに話さないのは一応理由がある。
単純に信じてもらえなさそう、と言うのもある。
しかし何より、俺のなんちゃって三国志知識の幅が狭すぎる事が原因。
大きな戦しか知らない上に、過ごした時が長すぎて、曖昧過ぎる。
一刀君が知っている、というのを知っている。ってのは強みだがな。
「意外と細作がまだこの城の深い所にいるのかもしれないのです…。やっぱり少し対策を考えたほうがいいのですね」
とねねちゃんは言う。
「……ご馳走様」
あれ?いつの間にか一抱えあった肉まんが綺麗に無くなっていた。
「恋殿、満足しましたか?」
「…腹三分目」
マ・ジ・で!?
あれだけあって三分目かぁ。相変わらず健啖家だな。
「でも、りょーや、ありがと」
「いえいえ、満足させて上げられなくてごめんなー」
俺の懐は大分寂しくなっている。これ以上は流石に無理だ…。
「…りょーや、これからどうするの?」
「うーん、とりあえずはもうすこし、街を歩くかな。警邏中だし」
「恋も、行く」
まぁ俺に断る理由はナッシン!
「恋殿が行くなら、ねねも行くのです」
「うん、それじゃ行こっか」
三人で連れ立って、街を歩き始める。
「しかし、平和だねぇ」
「当たり前なのです!ねね達が携わっているのですから!」
エヘンッと胸を張る、ねねちゃん。
「よーし、誉めてつかわす!」
グリグリ
「にょわー!やめるです!」
「……りょーや、恋にも…」
「おー、喜んで!」
恋ちゃんもグリグリ撫でる。
やいのやいのしながら歩いていると、
「か・ん・とぉぉぉぉ!!」
お、若干新しいな。
言わずもがなかゆー姉さん。
「勝負だぁ!」
ちょ!?街中で武器を振り回さないでください!
「……だめ、今は恋のばん」
俺の裾を握る恋ちゃん。
恋ちゃんってムネキュン?
「む?呂布か。……仕方ないな。そういえば韓当、帰ってきていたのか。おかえり」
いや、それは最初に言って欲しかったです。
「はい。色々ありましたが無事帰還しました」
「まぁ心配はしていなかったがな」
…やっぱりかゆー姉さんに嫌われてんのかな……。
ちょっとは心配してほしかった、1/3の純情な韓当。
「まぁ私も警邏に付き合うとしよう。韓当、その後に手合わせだ!」
うぇーい。
かゆー姉さんイベントからは逃げられない。
更に一人増えて、先程より騒がしく歩く。
なんか凄い集団だなぁ。ちょっとした戦も出来るメンツ。歩いていると、
「あれ?良也…に恋にねねに華雄。随分騒がしいわね」
「良也さん、帰っていらしたのですね。おかえりなさい」
おそらく買い出しの途中であろう、月ちゃんと詠ちゃんの姿が。
「ああ、月ちゃん、詠ちゃん、ただいま」
帰還後はすぐに床についたから、挨拶できなかったので、丁度いいと、帰還の挨拶をする。
「あ、二人共、荷物持つよ」
小柄な二人には、大きいであろう荷物を代わりに持つ。
「ん…、ありがと。気が利くわね」
女性には、4倍優しい韓当ですから。
「あの、大丈夫ですか?」
少し申し訳なさそうな、月ちゃん。
「大丈夫、大丈夫。これ位ならいくらでも」
荷物を掲げて、大丈夫アピールをする。
「ふふっ。ありがとうございます」
軽く笑い、お礼を言う月ちゃん。
丁度警邏も切り上げようと思ってた所だしな。
6人で城に向かう。
計らずも元董卓軍が揃った。霞さんを除いて…。
いつかはこの輪に霞さんもいるといいなぁ。というか、絶対加えてみせる。約束だしな。
代わる代わる、話をしながら、城に戻り、各々別れる。
と思ったら、かゆー姉さんはついてきた。
何故って?そりゃもちろん…
「さぁ手合わせだ!」
ですよねぇ。
元気なかゆー姉さんに連れられ、引きずられていく俺。
韓当勝負中…
「くっ!まだ及ばないか……」
悔しそうな、かゆー姉さん。
「いえ、本当にかゆー姉さん強くなりました」
正直に誉める。
前の手合わせでも感じたが、かゆー姉さんは驚くほどに強くなっている。
新しい虚実、工夫されていく攻め、堅実になる防御。
元から1対1の強さは高かったかゆー姉さんだが、更に磨きがかかった。
俺が蜀に来て、2ヶ月ほどの間に、何があったのか、更なる伸びを見せるかゆー姉さんの強さ。
「俺も少し頑張らなきゃなぁ…」
と小さく呟く。
技術面は、恋ちゃんと大分鍛えたつもりだが、やはり、まだまだだと痛感する。
力がいくら強く、見切りが異常に上手くとも、その上に胡座をかいていたら、すぐに抜かれてしまうだろう。
チートつけても、抜かれるって……。どんだけだ俺…。
「そ…そうか?私は強くなったか?」
何故か頬を赤らめて聞くかゆー姉さん。まぁ運動の後だしな。
「はい、お世辞抜きで強くなりました。びっくりしましたよ」
「そ……そうか」
更に顔が赤くなるかゆー姉さん。ゆでだこみたいだ。
「よし!更に武に磨きをかけてやる!韓当も首を洗って待っていろ!」
と言い残し去っていくかゆー姉さん。
……何故俺を目の仇に…。
俺も少しは稽古しよう…。まだ首とお別れしたくないし。
トボトボと訓練場を後にした。
太陽はまだ天頂あたりにある。
表通りはいつも通り賑わっている。
そして少し路地を入った所で、座っている俺の周囲もまた違う意味で賑わっている。
ワンッ、ピー、ニャーン
どこから集まってくるんだろうか、俺の周囲はいつも通り動物達に囲まれている。
中には、見知った恋ちゃん家族の姿も。
よしよしと撫でていると
「いっぱいいるのだ!」
おりょ?聞き覚えのあるロリヴォイス。
「鈴々ちゃんじゃないか」
「良也お兄ちゃんなのだ!この動物達はお兄ちゃんの友達なのか?」
「友達だねー。みんな仲良くがもっとーだからね」
近くにいたにゃんこを撫でる。
「そーなのかー。鈴々も撫でていい?」
「もちろん。優しく撫でてあげれば、みんな喜ぶよ」
すると鈴々ちゃんは手近にいた、にゃんこを撫でる。
そして俺は鈴々ちゃんを撫でる。
「うにゃー、なんで鈴々を撫でるのだ?」
目を細める鈴々ちゃん。
「いや、なんとなく」
「そうなのか?むぅ…でも気持ちいいからいいのだ」
されるがままになる鈴々ちゃん。
いやーほのぼのですなぁ。
と、そこに
「鈴々!こんな所で油を売っていたのか……って、良也も一緒か」
愛紗さん登場。
「あらー、愛紗さん。こんちわー」
「ああ、こんにちは…じゃない!良也からも言ってやってくれ、鈴々は調練もほったらかしで遊んでいるのだ」
溜め息混じりで愚痴る愛紗さん。
「むぅー!ほったらかしてないのだ!ちょっと忘れてただけなのだ!」
「全く…それをほったらかしにしていると言うのだ…」
愛紗さんも大概苦労人ですねー。
「いいから鈴々、調練を始めてくれ。兵達が待ちぼうけをくらっている」
「分かったのだ。それじゃあ良也お兄ちゃん、またなのだ!」
そう言って走り去る鈴々ちゃん。
「あ!そうなのだ!」
思い出したように鈴々ちゃんが振り返り
「良也お兄ちゃん!今度の大会楽しみにしてるのだ!鈴々ぜぇーったい負けないのだ!」
と言い残し、今度こそ去って行く鈴々ちゃん。
ん?大会?なにそれ?運動会でもやんのかね?
「ふぅ…。鈴々には困ったものだ…」
愛紗さんが言う。
「色々と大変ですねー」
「ああ、気苦労が耐えない」
でもどこか優しげな表情をする愛紗さん。
「そうだ、良也」
愛紗さんがふと思い出したかのように、
「翠や星が、良也と腕試し大会を開くとかなんとか言っていたのだが、本当か?」
「なっなんだってー!?」
初めて聞いたぜ!?
もしや…さっきの鈴々ちゃんが言ってたのって…?
「なんでも、血の気が多い将がこぞって参加したがっていたとか…」
なに!?その死亡フラグ満載な催し物は!?
「俺は一切了承していないんですが…」
「無論、私も参加させてもらおう」
話を聞いてー(ソウルシャウト)!
「っと、私も仕事が残っているんだった。それではな」
背筋の伸びた凛々しい後ろ姿が遠ざかっていく。
嗚呼、神様は何故私に試練をお与えになるのだろうか…。
……面白がって与えているに違いない。
あの最近本当に出番がない神様に、怒りが沸いてきた。
肩に乗っていた猫が、俺の頭をテシテシと撫でてくれた。ありがとな…。
路地の中で、もしかしたら呉へ生きて帰れない気がしてきた…。
何故か、腕試し大会は桃香ちゃんや、軍師勢の全面協力の下に開催が決定してた。
おうちに帰りたいよー!
という訳で、新たな戦いの予感?
まぁ散々手合わせフラグ立てたんで、回収しておこうかと。
そしてなんやかんやで、投稿し始めてから早2ヶ月。
この小説も佳境に入ろうとしております。
感想などで話したように、次世界行きを考えたりなんかしちゃってるんですが、なんかそれはそれで微妙かなぁ…。続き物だと一見さんの読者様に優しくないなぁ…。しかも次世界の設定しらない人とか出てくるよなぁ…。
やらと悩んでいるんですよねー。どーしよー。
やっぱりいっそ恋姫で終わらせたほうが、潔いですかねぇ。悩みは尽きない…。
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