九話だぜ!
せっせと連投。
なんだか、やっぱり原作キャラの性格が正確にトレースできてないきがする…。
あと、戦闘シーンの書き方を改善しようと四苦八苦してみました。
そんなの関係ないぜ!読んでやろう!って、黒海のような広い心の持ち主だけお進み下さいませ。
09 潮風の中で
時刻は昼過ぎ。
約束通り中庭に足をむけると、そこには
「はぁぁぁ!」
ギンッカキンッ
「熱くなり、剣が単調になっております」
「はぁっ…はぁ……くぅ、はぁぁぁ!」
ヒュンッ
ガギギンッキインッ
中庭では、孫権様と甘寧さんが、打ち合っていた。
なんだ、もしかして俺に意見を求めたいだけなのかも。
いやぁそれにしても、いいものですな!
美しい人を見るというのは。心が洗われるようです!
暫くして、
ガキンッ
ヒュンヒュン…ザクッ
どうやら勝負ありのようだ。言わずもがな甘寧さんの勝ち。
孫権様の手元から弾かれた剣は、飛ばされ地面に刺さる。
「ここまでに致しましょう」
「思春待って!まだやれるわ!」
「蓮華様、申し訳ありません、先約の者がきたようです、それまで休憩なさって下さいますか」
……先約?あれ?
やっぱコレは戦わねば?怖いなぁ、甘寧さん普通に首とばしそうで…。
「えっ?…あっ韓当?」
気づいた孫権様に、俺は引きつった笑顔しか浮かべられなかった。
「ええ、是非に手合わせしてほしい、と」
異議あり!証言者の言い方には矛盾がみられます!
…まぁ言わないけどね。
「そう…なの、じゃあ見物させてもらおうかしら」
そう言って木陰に移動する孫権様。
マジかよ、孫権様に見守られたら俺のスペック3割増しだぜ!
「韓当」
短く呼び、何かを投げてくる甘寧さん。つか初めて名前呼ばれた。
「おっと!」
慌ててキャッチしたのは母から貰った鉄甲一式。
…つかどこから取り出したんだ?さっきまで見当たらなかったのに。
鉄甲を装備した。
攻撃力が0上がった(カンスト)。
防御力が5上がった。
俊敏が0下がった。(無効)
愛しさと切なさと心強さが4上がった。(これからの勝負に関して)
改めて甘寧さんと向き合う。
ヤツは殺る気だ。星さんとの比じゃねぇ、あれは人殺しの目だ!
……俺もそうなんだけどねー。言ってて悲しくなった。
「行くぞ」
・
・
・
・
「行くぞ」
そう韓当に言い放ち、距離を詰める。
ガキィン!
首を跳ねるつもりで放った一撃。それを左手一本で止められた。
やはり、強い。
噂は尾ヒレがつくものだが、英雄というのはあながち間違いではないらしい。
「ふっ!」
続けざまに斬りつける。
一、二、三、四。
全てを急所に叩き込もうとするが、悉く防がれる。
しかし、攻撃の様子がない。ナメられているのか?
「どうした、手加減でもしているつもりか?」
と挑発してみる。
が、動きはない。
防御に特化しているのか?
得物を持たずに戦うのだ、それは必須。
しかし、攻め手が無くば、勝利はない。
なにかしらあるはずだ。
警戒はするが、手は休めない。
余裕は油断に、油断は死に繋がる。
戦場では常に己が身を剣にする。
常に研ぎ澄まされ、常に冷たく、敵を切り裂く剣に。
ギィンガキィン!
虚と実を混ぜ、視界の外から攻めるが、防がれる。
まさに死角がない。
鉄壁…か。
距離をとり、なにかないかと思案する。
すると、韓当もなにか意を決したのか、息を吐き
「いきます」
と静かに言い、構えを変える。
手を下ろし楽に構え、足を軽く開く。
構えからすると、おそらく蹴り技。
私の得物の長さと同じ位の射程圏だ。
だが、それ故に隙が大きい。狙うなら、そこ。
意を決し、再び距離を詰める。
(なぁ!)
韓当から放たれたのは想像を遥かに越える蹴り。
ただの前蹴りではある、しかし、前動作を全く無しに放たれる蹴りの速さではない。
矢のような速度の蹴りを身を倒し避ける。
が、韓当は更に想像を越えた。
蹴りの軌道を変えたのだ。
膝を折り、頭に迫る韓当の踵。
とっさに曲剣を盾にし、防御する。
しかし、威力が大きすぎる!
この威力、常人が、振り上げ、全体重をかけ落とす程の力を有していた。
「ぐぅ!」
思わず声が出る。
しかし、耐えきった。
これで一撃で仕留めれば…
(いない!?)
視線を上げると、そこには韓当はいない。
何故!?
私に影が差す。
マズい!!
そう鍛え上げた危機察知能力が告げる。
身を捻り、外聞もなく転げ周り回避する。
ドゴォォォン!!
韓当の蹴りは大地を砕き、土煙を巻き上げる。
奴は私の想像しえる全てを上回った。
速さ、威力、技術。
全てにおいてだ。
まだ荒削りな面はみられる、しかし、拳を、剣を交え、韓当の可能性を、誠実な性格を感じた。
確かな理由はない。だが、こやつなら、この韓当 義公なら、蓮華様を、呉を天下へ押し上げる、石柱になるのではないかと、本気で、そう思った。
・
・
・
・
「行くぞ」
静かに言い放ち構える甘寧さん。
チリーンと鈴の音が鳴る。
音もなく距離を詰めてくる、縮地かなんかですか?
ガキィン!
凄まじい金属音
ギリギリ左手の防御が間に合った。いや今の本気で首を刈りにきてません?
しかし、俺は、星さんとの勝負から大分成長している。
死角からの攻撃、虚実を使い分ける方法。最終的に星さんと勝負は五分になった。
星さん曰わく
「打ち合う度に、強くなるようですな。いやはや、私も負けてられませぬな」
とのこと。
ヒュンッ
風を切る音
ギィンギィンギィンガキィン!
頭、首、胸、腹、全て致命傷になる部位を狙ってます。殺す気ですね。分かります。
防戦一方だ。
「どうした、手加減でもしているつもりか」
いや、買いかぶりっす。正直いっぱいいっぱいです。星さんとは、気概や一撃の重さが違う。
速さは星さんの方が大分上だが。
更にフェイントを混ぜた、攻勢。
ふははは、それは星さんに体に覚えさせられた!
ギィンガキィン!
防ぎきる。
そして甘寧さんは距離をとり、様子を窺っている。
よし、攻めてみよう。
殺されはしないだろう。多分、およそ、めいびー……。
「いきます」
ふっと息を吐き、静かに言う。
構えを変える。両足を軽く広げ、両手を楽に構える。
某蹴りマスターの構えだ。
所謂テコンドー。
構えが変わるのを見て警戒するが、攻めきれる、と思ったのか、再び距離を詰めてくる甘寧さん
甘寧さんが、剣を振りかぶる瞬間ノーモーションで俺の右足の蹴りが唸る
ヒュボッ
とっさに身を折り、避けられる。
が、まだ俺のバトルフェイズは終了していないぜ!
蹴りの軌道をかえる。
俺の踵が甘寧さんの頭部へ迫る
ガギンッ
「ぐうっ!」
曲刀を盾にし受け止められた。体重は乗っていない蹴りだが、俺の怪力により膝を折りそうになる甘寧さん
すかさず、左足で地を蹴り、飛ぶと同時に左の踵を振り上げ、落とす!
(ダブル・ネリチャギ!)
甘寧さんはマズいと感じたのかとっさに身を捻る
ドゴォォォン!
破壊対象を失った左足は、地面を陥没させる。
…足が痺れた…くすん。
流石に地球には勝てなかった。
身を捻り、左踵をかわしたとはいえ、右を受け止めたため、距離をあけ、甘寧さんも腕をプラプラさせている。
「…凄い力ね」
見物していた、孫権様から呟きがもれる。
自分でもそう思います。星さんとは、速さを競う感じでしたから。モーションが大きい技は御法度で、使ったらすぐにやられてしまう。
蹴りはちょっと引くくらい強かった。
やっぱ手で戦おう。
一刻ほど切り結び、ようやく終わりになった。
…よかった、生きてる…。
首と胴体が繋がっていることを、神様に感謝した。決してあの、~っす神様にではない。
手合わせの結果自体は五分五分と言ったところだ。
初めの頃は、果敢に攻めていた甘寧さんだが、最初のやりとりの後から、ヒット&アウェイに切り替え、ほぼ互角くらいの戦いだった。
「驚いたわ。韓当、あなた強いのね。思春と互角以上に戦えるなんて」
「いや、戦い方の相性がよかったのが大きいですけどね」
これは本当。曲刀では槍なんかより、全然リーチが短い。超近接の俺との相性はよい。
「韓当。これからどうするつもり?よければ孫家に仕える気はないかしら?」
MA☆ZI☆DE!?
よっしゃあ!喜んで!!と言おうと思い、ふと甘寧さんに目をやる。
黙っている。それどころか、俺を睨むでもない。普通に立っているだけだ。
ずぇっっっっったい、反対すると思ったんだがなぁ。
でも、ちょっと気になる事もあるんだよなぁ…。
他でもない、董卓ちゃんたちのことだ。これから、黄巾の乱が起こり、その後の反董卓連合。
なにより、白装束が暗躍しているならぶっ飛ばしにいきたい。
前作では、一刀軍に保護されたが、真ではどうなっているか分からないし。
まぁ死んでしまうことは絶対ないとは思うがな。ギャルゲだし。
それに呂布ちゃんにも会いたい。出来れば敵ではない形で。
上手く会えて、呂布ちゃんに稽古して貰えば、俺TUEEEEに大分近づくしな。
個人的な理由もあるが、なぜだか遺伝子レベルで呉につかなきゃならない気がするんだよな…。
とりあえずダメ元で聞いてみるか。
「スイマセン、お誘い頂いて凄く!もんのぉ凄く嬉しいんですが、もう少し世界を見て回りたいんです。失礼なんですが、保留ってダメでしょうか」
そう言うと
「ええ、構わないわ。元々強制は出来ないし、貴方ほどの人材が来てくれるなら」
微笑んで答えてくれた孫権様。やっぱりイイ人や!
「ありがとうございます!」
体を直角にしてお礼をする。
就職先内定でいいのかな?
み・な・ぎ・っ・て・き・た!!
それから、日が傾かないうちに出発しようと、準備を整える。特に食料。
同じ轍は踏みたくない。
「それじゃあ、本当にお世話になりました。必ずまた会いに来ます!」
「待っているぞ。おまえの力は必ず孫家に繁栄をもたらすと思っている」
王様口調なのが残念だが、待っていると言われ俄然やる気が出る。
甘寧さんは、相変わらず孫権様の後ろに控えているだけだが、来てくれてるだけで嬉しい。まぁ孫権様に付いて来ただけだろうけどね…。
「甘寧さんもお元気で」
「ああ」
答えてくれた…。
ヨソウガイデース。
気を取り直し
「それでは、また」
軽く手を振り、ひなた(馬)に乗り、駆け出す。
少しだけ香る潮風の中で、馬を駆る
新たな決意と、会えた喜びを噛み締めながら、一路洛陽への道を駆けて行く。
なんか、完っ全に、孫権様と甘寧様の性格が若干優しい気がする…。
でも、やはり孫権様なら行き倒れは、ほうっておかないし、怪しい出自では無い限り、認めてくれそうな気がします。
呂蒙のくだりもありますし。
かなり言い訳ですが。
甘寧様に関しては、言い訳しようがないくらい、イージーモードです。
厳しい甘寧様が好きな方々には大変申し訳ないです。
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