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学校日和2
作:めろん



第40回 一撃必殺日和


「そう言えば、どうしてワタルが此処に?」

 ポトフの落し物を拾いながら、ミントが小首を傾げつつ尋ねると、

「フッフッフッ。学校に行くって言ったからついてきたんだ」

死神は不敵に笑った後、さらりと答えた。

「? 誰にさ?」

再び疑問符を浮かべるミント。

「みんとんのママンに」

ガッシャーン

死神の答えを聞いた途端、再び落下するポトフの落し物。

「……は?」

びっくりしつつも、喉の奥から声を絞り出すミント。

「ん? もしかして、みんとんって"ママ"って呼ぶのありえないタイプ?」

そんな彼に、的外れな質問をする死神。

「ワタル……ヤツは……今……何処に?」

震える声でゆっくりと言葉を紡ぐミント。

「フッフッフッ。それが、オレ様としたことが不覚にも迷子様にてしまってな。で、困ってラジオ体操してたら偶然みんとんを見付けて―…」

ぶわんっ

「……(いにしえ)より(きた)る琥珀――σ(シグマ)!!」

死神の解答途中で、ミントは意味不明な彼に突っ込みを入れることなく琥珀色に輝く魔法陣を出現させ、

『呼ばれて飛び出てσ参上〜なんだなぁ〜♪』

鷹の頭と翼を持った獅子、グリフォンの"σ"を召喚した。

「ヤツの所へ!!」

『りょ〜おかい! オイラにしっかり捕まっててください! なんだなぁ〜♪』

バビューーーーーーン!!

ミントが命令を言いながらσの背中に飛び乗ると同時に、彼とσは風のように去っていった。

「ふしぎ動物……!」

取り残された死神は、σの登場に目を輝かせていた。











「あの……いつまで倒立してるんですか?」

 頭に血が登りますよ? と、ポトフが言うと、

「この世界に光がある限りよ!!」

ジャンヌはなんかかっこいい返事をした。

「は、はァ……」

どう対処していいのか困るポトフ。
彼は左人さし指で弱く頬を掻きながら、ちらりとプリンの方を見た。
ココアとむぅちゃんも、困った顔でプリンに目を向けている。
この場から何処か平安な場所に瞬間移動(テレポート)させて。
そんな言葉が、二人と一匹の顔に、ありありと書かれていた。

「テレ―…」

 そのSOSサインを読み取ったプリンが、瞬間移動魔法、テレポートを唱えようとしたところ、

『とうちゃ〜く! なんだな―…』

「―…咲き誇れ――曼珠沙華(まんじゅしゃげ)!!」

ヒュバアアアアアアン!!

窓の外からσが姿を現し、その背中に乗っていたミントが、いきなり彼の中での最強の技、曼珠沙華をジャンヌにお見舞いした。

「『!?』」

ありえない速さで繰り出される鞭にありえない回数打たれたジャンヌが吹っ飛んで壁に激突したのを見て、目を見開き言葉を失うプリンとポトフとココアとむぅちゃんとσ。

(な……何が起こったのー?!)

(む〜!? む〜!?)

(こ、この技が出るってことは……)

(……ミント、キレてる)

(……ご主人様、怖いんだなぁ〜……)

巻き起こった爆煙と、薔薇の鞭と食人植物の鞭を持ったミントの背中を交互に見ながら、ただただ震える三人と二匹。

「……何しに来た?」

いつもは高めな彼の声が、今は何故か妙に低い。

「……じゅっ……授業参観―…」

「あ?」

ズタボロになっているジャンヌの発言を遮るミント。

「……と、保護者面談をしに来たのよ……ごふっ」

ジャンヌはそう言うと、ごふっと気を失った。

「……」

「……」

「……」

「……」

『……』

『……』

沈黙。

「今日って授業参観と保護者面談があったんだね? みんな、知ってた?」

ぱっと振り向いて、ガクガクブルブル震えている三人と二匹に、ミントはいつもの高めの声で話しかけた。

「へ!? あ、ううん!! わ、私も知らなかったよー!!」

「う、うむ!! ぼ、僕も!!」

「あ、あっはっはっ!! となれば、早速ココアちゃんのお父様にご挨拶しなきゃだなァ!!」

「!? な、何言ってるのよー?!」

『む、む〜……♪』

『ち、ちっちゃくて可愛いんだなぁ〜……♪』

そんなミントに、三人と二匹は極力通常通りにふるまった。

「「……」」

 彼らが何事もなかったかのように去っていった後、

「あ……あのジャンヌ様をたった一撃で倒すだなんて……」

「す、凄すぎまろ……」

ジャンヌの弟子であるフランとマロは言葉を失い、

「わあ、ミントさんって強いんだね」

彼女についてきたアオイはくすりと微笑んだ。

「私はそこで笑うあんたが怖いわ」

「……です」

そんな彼に恐怖を覚えるウララとリンと、

「フッフッフッ。アオイかわいー☆」

「《暗雲の閃光は破滅をもたらす》」

アオイにとって危険な発言とユウに判断された為、彼にぶっ飛ばされる死神であった。












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