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学校日和2
作:めろん



第17回 王室日和


「……いきなりこんな所に呼び出して、一体なんの用ですか、ルゥ様?」

 無駄に広い王室で、空のコーラのビンを白いテーブルクロスがかかった長テーブルに置くと、ミントはルゥを見てそう尋ねた。

「お、おう。その前にさ」

彼に話し掛けられたルゥはぎこちなく頷いた後、

「どしてこの三人はズタボロなんだ? しかも、一人は隣の部屋で寝てるし」

と、ポトフとウララと死神に目をやりながら疑問を口にした。
隣の部屋で寝ているというのは、未だに目が覚めないアオイのこと。
ついでに、彼の枕元にはむぅちゃんがついている。

「……ルゥ様?」

「?」

 ミントが声のトーンを落としたので、ルゥは疑問符を浮かべた。

「国王様だからといって、他人(ひと)の趣味に口出しするのはどうかと」

「はっ! ご、ゴメン!」

「「いやいやいやいやいや!?」」

ミントの発言を全力で否定するポトフとウララ。
ちなみに、死神は言葉の意味が理解出来ていない様子で小首を傾げている。

「な、何変なこと言っちゃってんのよ、あんた?!」

「と言うか、国王様もハッとしないでください!?」

その後ウララはミントに、ポトフはルゥに突っ込みを入れた。
ちなみに、死神は首が痛くなったので、小首を傾げるのをやめてメロンキャンディーを舐め始めた。

「とまあ、冗談は足の下に置いといて」

「冗談に聞こえねえよ?! って言うか、何よ、その話題の扱いは!?」

「ワタルは空間移動に失敗しやがったので成敗しました」

ウララの突っ込みを華麗に無視したミントが言うと、

「……それは煩かったから黙らせて、そいつはアオイに悪戯しようとしてたからぶっ飛ばした」

ユウがきゅうりを手に取りながら、彼に続くように答えた。

「"それ"扱い?!」

「い、いやいや、イタズラって、俺は何も―…」

「浮気者」

「こ、ココアちゃん……」

怒ってそっぽを向いてしまっているココアに弱るポトフ。
その間ウララは、またもや華麗に無視された為に一人寂しくへこんでいた。

「は? 何を言っている? アオイは男だ」

それすらも無視して、ユウはココアにそう言った。

「そんなの見れば分か―…って、ええー?! あんなに可愛いのにー!?」

それに驚いたココアは、

「――れ? じ、じゃあ、あのー、い、イタズラって……?」

奇異なものを見るような目をユウに向けた。

「……お前、そんなことも分からないのか?」

すると、ユウは彼女に人を小馬鹿にしたような目を向け、

「あのマウンドポジションは、明らかに額に"肉"って書こうとしてる奴の体勢だろ?」

と言った。

「……」

「……」

「……」

「……」

その解答に固まるココアとポトフとウララとルゥ。

「……? なんだ? 違うのか?」

彼らの反応を見て、素で疑問符を浮かべるユウ。

「肉は好きくない」

「……マウンドポジションで落書き?」

「……ふむ。その表現は、落書きではなくて殴るイメージがあるのだが……」

「……って言うか、乗っかっちゃったら起きちゃうよね?」

「うむ。確かに」

「そこ。ずれてる、です」

ぼそぼそと小声でそんなことを言う死神とミントとプリンに、さらりと突っ込みを入れるリン。

「まあ、その話もどっかに置いといて」

 ミントはかなり適当に話を切り上げると、

「話は戻りますが、なんの用ですか、ルゥ様?」

元の話に軌道を修正した。

「あ、ああ。折角、異世界からミントたちと同年齢の客が来たから紹介しようと思って」

その問いに、我に返ったルゥはそう答えた。

「異世界?! ……ってことは、あのフランスパンさんとかと同じ!?」

「そー言えばいたねー、そんなのー。此処にはいないけどー」

驚くミントと、何気に酷いことを言うココア。

「あいつならパー子の元で溶解魔法の練習を頑張ってるらしいぞ。ぶくぶくと」

ルゥが提供した情報に、両手で両耳を塞ぐミント。

「……詰まり、あなたがリンたちをこの世界に連れてきた、ですか?」

 溶解魔法? と疑問符を浮かべながら、ルゥに質問するリン。

「いやいや。それはオレじゃなくて、フランと同じ頃に此処に来た」

ルゥはふるふると首を横に振った後、

「"マシュー=マロ"とかいう奴だ」

と、答えた。

「「……マシュマロ?」」

長音符とイコールを飛ばして、疑問符を浮かべながらリピートするミントとプリンとココアとポトフ。

「……」

「……」

「……」

心当たりがあるのか、驚いたように目を見開くリンとウララとユウ。

「おお。ナイトメアの仕業か」

すると、死神が両手をポンと叩いた。

「またあいつかあああああ!!」

「ゆ、ユウ!?」

「落ち着く、です!!」

そして、ドタバタと慌ただしく王室を出ていった三人に、その場に残った死神以外の者は、疑問符を浮かべて小首を傾げた。


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