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ファンタジー超短編集 作者:速水 流
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闇を孕んだ女

※長男ヒトカ、???イルレ
(EMPEROR)


 大量の本が並ぶ書庫で、椅子に座っていた突然イルレは言った。


「……ヒト、カ……いい匂い……」

「ん? ……ああ、先程焼菓子を頂きまして、イルレ食べたいですか?」

「……食べ……る」


 じっと見つめながら答える彼女に微笑を浮かべ、ヒトカは焼菓子を手渡した。


「……焼菓子、いい匂い……」

「ゆっくり食べてくださいね、この間みたいに詰まらせてしまって困ってしまいますから」

「……ゆ……くり……」


 言われた通りイルレは、極力ゆっくり焼菓子を食べ始める。

 そんな彼女を視界の隅に入れつつ、ヒトカは棚から本を取り出した。


(コレも違いますか……あの教団の紋章、見覚えがある筈なのに……)

「…………ふゃ……」

「……! イルレ、どうしました?」


 小さな声を上げたイルレの方を見ると、彼女の足下には数匹鼠が居るのに気づく。


「おやおや……良い匂いに釣られてしまったのですね」

「……あ……あげて、い?」

「ハイ、彼等も城の住人ですから」


 笑顔で了承すると、イルレは焼菓子の欠片を渡す。受け取った鼠達は軽く頭を下げ、去って行った。


「……あり、がとう……って」

「ええ、イルレの優しさへのお礼ですね」

「自分も……嬉し……」


 闇の子は微笑んだ。


(いつも残酷だ)
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