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  The reason 作者:Liah
第四章 4  告白
わしと宮野厚司は大学時代の友人での。いや、親友と言っていい間柄じゃった。

自分をしっかり持ったやつじゃったぞ。
何しろ一度別の大学へ進んでいたのに、やりたい事が見つかったからとまた入り直したんじゃから。

互いに専門とするところは違っておったが、サークルが一緒でなあ、発明の。
君らはまた、どうせガラクタばかり作っとったに違いないと笑うじゃろうが。
わしらは妙にウマが合い学生の頃はいつもつるんでおった。

卒業してからは発明品の発表会で顔を合わせたぐらいでな。しばらく音信不通じゃった。

ところがある日偶然街で会っての。その時宮野は外国人の女性と一緒にいたんじゃ。

哀君によく似た美しい女性でな。結婚するのだと宮野は話してくれた。
その時は連絡先を聞いて別れ、後日そのペンダントとペアのネクタイピンを直接渡しに行ったんじゃ。

ちょうどわしの知り合いが宝石のデザインの仕事を始めたばかりで、頼まれておったもんじゃから。仕事があればよこしてほしいとな。

わしもそう金はなかったから高価な物は贈れんかったが……。

じゃがその日の宮野は街で会った時とは様子が違っていた。

結婚祝いを持って行きたいと電話したら、宮野は自宅には来てほしくないような雰囲気で近くの喫茶店で待ち合わせたんじゃ。

あいつは時間には来たものの始終まわりを気にして…落ち着かん様子じゃった。
わしは近況を報告し合えると思っておったんじゃがの。
用事があるからと頼んだコーヒーにも口をつけずに帰っていったんじゃ。

そうじゃな、今から思えばわしもそう思う。既に組織と接触していて監視されていたのかもしれん。

それがわしが宮野を見た最後じゃった。

その後一度は年賀状をやり取りしたんじゃが、それもすぐに途絶えてしまった。

そのうち噂を聞いての。
これは亡くなった出島さんからも聞いた話じゃが。

やつがのめりこんでいた妙な研究にスポンサーがついたらしいと。

いや、哀君気を悪くせんでくれよ。
宮野は決して研究の内容を明かさんかったもんじゃから、まあそういう噂がたっておったんじゃ。

じゃが学会とももめたらしいし、わしも気になっての。最後に会ったときも様子がおかしかったしな。
一度訪ねて行って話さなければと思っていたんじゃ。

じゃがわしもその頃、自分の発明に夢中になっておっての。
研究に忙殺されついそのままになっておった。

そのうち人伝えに聞いたんじゃ。二人目の子供が生まれて間もなく事故で死んだとな。

わしは…本当にショックじゃった。
気にはしておったのに……なんで会いに行かんかったんじゃろうと。

たぶん心のどこかで、いつでも会えると思っておったんじゃろうな。

不思議な事に、宮野に関する情報はそれ以上なかった。
話を聞かせてくれた博士仲間に聞いても、一体なんの事故だったのかさえもわからんかった。

そのうちわしは思ったんじゃ。何もかもが謎に包まれておったから、宮野は何かとんでもない事に巻き込まれて死んだのではないかとな。

まあ、新一君が怒るのも無理はない。こんな大事なことを今まで黙っておったんじゃから。

わしは…ただ苦い思い出を封印しておきたかったのかのう。
もしかしたら哀君に恨まれるのが怖かったのかもしれん。
ああ、もちろんじゃ。
哀君はそんな子ではないと、一緒に暮らし始めてすぐにわかったよ。

哀君はわしに感謝しているなどと言ってくれるがな、わしは君のご両親こそが君を守ってくれたんじゃと思っておるよ。

おそらく君の姉さんが、己の運命を悟ったご両親からこれを受け取ったんじゃろ。
そして哀君はそれを形見として身に着け、偶然にもわしの目にとまった。


わしは宮野が君をわしに託してくれたと思っとるんじゃよ。


今まで隠していて悪かった。わしの弱さを許して欲しい。
これを渡す時は宮野の事をすべて話す時だと思い、今日まで決心がつかずに持っていた。

わしは心の底から後悔しておる。宮野と話をしなかった事を。やつを止められなかったことを。

哀君、本当にすまんかった。頭を下げて許して貰える事ではないが。


わしの話はこれで終わりじゃ。
ああもちろん哀君が聞きたいことは何でも話すつもりじゃよ。


ところでさっきから新一君の電話が何度も鳴っておるようじゃが。
出なくていいのかね。












ここまで読んで下さりありがとうございます。
博士言葉はこんな感じでいいのかな〜、と思いつつ^^;
違和感ありましてもお許しを。

このあとサブタイトルを全面的に変更する予定です。今は数字だけなんですけど、自分で過去に書いたこととを確認するため、探そうとするとわかり辛くて…^^;
というわけで近いうちに目次ががらりと変わりますが、今回は本文はそのままです。
次の更新もあまり遅くならないよう頑張ります。


追記です。
誤字などありましたので一部修正しました。
本文最初の方で
『互いに専門とするところは違っていったが』とあったのは
『互いに専門とするところは違っておったが』の間違いでしたので訂正しました。

他にも同じ文章を二ヶ所で使っていたので片方をカットしました。

どうして更新前に気づかなかったんだろうorz (7/26)Pen


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