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  The reason 作者:Liah
第二章 11  彼がいない
また新一がいなくなってしまうような不安に駆られて、まだ寝ていた父を残して朝早く母の家を出た。
呆れる母には、風邪をひいたらしいから朝御飯を作ってあげるのだと言ったが、それは言い訳だった。
一刻も早く新一がちゃんといることを確かめたかったのだ。あのひとが一緒にいないことも。

何度インターホンを鳴らしても返事がなくて、居ても立ってもいられず電話をした。
だから新一が電話に出た時には心の底からホッとしたのだ。
新一に言われたとおり、私は門の扉を開けて中へ入って行った。玄関まで行くと鍵は開けてある。

新一はリビングにいた。
三人掛けのクラシカルなビロード張りのソファで、紺のパジャマのまま膝を抱えている。確かにあまり顔色はよくないように見えた。
ソファの正面には、壁にかなり大きな薄型テレビが取り付けられていて、その間にテーブルがある。テーブルの左右には更に一人掛けのソファが一脚ずつ置かれている。
部屋は冷えきっていて、ヒーターの電源ははいっていたがまだ温風がでていない。

「ごめん。もしかしてまだ寝てた?」
「おう」
「寒いよね。毛布どこ?」
「いや、いらない」

そう言われてしまうと勝手に探すのは気が引けた。普段住んでいるのは新一ではないのだから尚更だ。
あまりに寒そうなので、私は自分が着ていた白いダウンのコートを脱いで身体や膝を覆うようにかけてあげる。

「ごめんね、朝御飯作ろうと思って。ちょっと早かったかな」
「もう起きようと思ってたし」

新一はテーブルにあるテレビのリモコンに手を伸ばしながら答えた。

テレビの右側にはスピーカーを挟んで、天井近くまである広い引き戸がある。そこは開けられたままで、その向こうはダイニングキッチンになっている。

私は手前にある6人掛けのテーブルの椅子の上に、買い物の荷物を一旦置いた。重箱の包みはテーブルに置く。

リビングへ向かって話しかけながら、卵やイオン飲料など買って来たものを奥の冷蔵庫に入れていく。今は沖矢さんが使っているのだから、あまり勝手に何でも詰め込むのもどうかと思い、今日使うものだけにしておいた。

「昨日は遅くまで忙しかったんだね」

冷蔵庫の隣りのシンクの下から一人用の土鍋を取り出し、米を量って入れる。

「風邪って聞いたからお粥にしようと思ったんだけどいい?」

さっきの問いかけには返事がないので、リビングへ顔を覗かせて聞いた。

「おう。サンキュ」

新一はテレビの方を見ながらリモコンをいじっている。まだ一度も私と目を合わせてくれない。
米を研いで水を量り浸してから、私はエプロンで手を拭きながら新一に近付き、その隣りに座った。
熱はあるのか訊きつつ額に手を当てようとすると、新一はやっと私を見て、手を振り払うような仕草をして、ないと言う。

「薬は飲んだの?」

一瞬間があり、飲んだと答えると、またテレビのチャンネルを変えている。

「ここ、まだ寒いし。できたら呼んであげるよ。上で寝とく?」
「んじゃあそうする」

新一はすぐにテーブルから携帯を取って立ち上がる。もう一度私の方を見て、悪いな、と一言だけ言うとコートを私に手渡し、そのまま部屋を出て階段を上って行ってしまった。
あっという間の出来事で、声を掛けることもできなかった。

追いかけて階段を見上げると、二階でドアが閉まる音がする。

でもどうしてもすぐに訊きたいことがある。やはり私はあとを追って新一の部屋のドアをノックする。いつもならいきなり入って行くところだが、なんだか今日はそんなふうにできなかった。

「入っていい?」

返事を聞いてからドアを開けると、新一はベッドで横になり、頭から布団を被っている。

「新一、コナン君はどこにいるの?」

私が尋ねると、新一は布団から半分だけ顔を出してちらりとこちらを見た。



ここまでお付き合い下さっている皆さまありがとうございますm(__)m
また更新遅れました(>_<)
やはり、蘭ちゃん視点は難しいです。
大体の文章は何週間も前にできていたのですが、なかなかうまくはまとまらず、次の話が先にできてしまったくらいで…もう、一話丸々カットしようかとも思いました^^;
相変わらずストーリーはすすんでませんし、お待ちいただいた方々には、ほんと、ごめんなさいって感じです。たぶんそのうち書きなおします。

次話はほぼ完成していますのでそんなに時間をおかず更新できると思います。



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