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創作世界による恋愛ファンタジー小説です。
恋愛色もファンタジー色も濃い目になっています。
序章 Celestial<Zero> プロローグ
Prologue
 叩きつける雨と風が、窓ガラスを何度も揺らす。それなのに、部屋の中は奇妙なほど静まり返っていた。
 蒼く薄暗い室内に人影は二つ。闇に融ける影のような青年と、わずかな灯りにさえ淡く輝く白銀の髪を持つ少女。
 青年は柔らかな寝台の枕もとに腰掛けて、眠る少女を見つめていた。整った面差しには憂いを滲ませ、もう随分と長い間、身じろぎもせずにそうしている。けれどふと、彼は思いついたようにその腕を彼女へと伸ばし、柔らかなミルク色の頬に指先をあてた。
 髪と同じ透けるような銀の睫毛を穏やかに伏せ、口元に淡い笑みを浮かべる少女は、ただ眠っているようにしか見えない。
 けれど、触れた頬は氷のように冷たく、閉ざされた瞼はわずかも動きはしなかった。
「――……」
 世界から隔てられたような静寂のなかで彼が呟いた少女の名は、誰にも届くことなく薄闇に消える。当然、応えるものはなにもない。
 それでも青年は、返事がないことを痛いほど承知しながらも、艶やかな髪をそっと撫で、包み込む闇にもう一つだけ、彼女に向けた言葉をとかした。
「おやすみ……どうか、良い夢を」

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