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第15話 ゲーム?
挿絵(By みてみん)

「いい?」
 
俺はひざまずいたまま、ベッドの端に座った課長の耳元で優しく囁く。
 
課長は軽く顎を引くと静かに眼を閉じた。
 
俺は壊れ物でも扱うみたいに、そうっと課長を抱き締める。
 
ドキドキ……
 
課長の早い胸のコドウが、俺の身体に直接伝わる。
 
こんな時には拘束した手や首輪が、かえってジャマなんだよなぁ。

俺は、二人の間にある拘束された課長の両手を、恨めしそうに見下ろした。

自分でヤッておきながら、今更ナニ後悔してンだろ。
 
俺は課長の両腕の間に、頭を突っ込んで潜らせた。
 
自然俺の顔が、バスローブ越しの課長の豊かな胸の谷間に押し付けられる。

「あん」
 
課長の甘い声に、俺はニヤリと笑った。
 
一旦、課長の困惑している視線を絡め合わせると、再び顔を谷間に埋めてスリスリした。
 
……セッケンのイイニオイ。
 
あ〜〜〜ヤワラカくて気持ちイイ〜〜〜
 
グラマラスだと、こうゆー特典がオマケで付いているんだよな?
 
もぉ、ガマン出来ないし。
 
俺は、たった今縛ったばかりのバスローブの袖を、早くもほどきに掛かっていた。
 
『脱がせる』ってぇの、俺的に大スキだ。
 
『襲う』のも、『焦らせながら脱がせていく』行為にも、俺は興奮してソソラレル。
 
……ってぇ、ヤッパリ俺って野獣?
 
男なら比較的フツーだと思うが……?
 
自然と荒くなる俺の鼻息が、課長の細い鎖骨に掛かった。
 
キツく縛っているバスローブから解放された課長の胸が、息苦しかったとでも言うように、ふるん! と揺れた。
 
ハズされた純白のバスローブは、なめらかな肌をスルリと滑り落ちて、課長の腰に心細く絡み付き、非力ながらも俺から最期のとりでをガードしいているみたいだった。

おおっつ!
 
眩しいくらいのその胸は、崩れるコトなく見事にプックリとお椀型。
 
俺の眼に狂いは無かったぁ〜〜〜っつ!
 
ココ最近、巨乳ちゃんとはサッパリだったもんな。
 
何度もこの胸を、ナマで手ヅカミ&鷲ヅカミしていたにも関わらず、この眼でジカにおがんだのはこれが初めてだった。

くうぅ―――っつ!!!
 
俺、無条件で嬉しくなる。
 
課長は恥ずかしさに耐えられなくなったのか、顔を真っ赤にして俺の視線を逸らせようと身体をじらせる。

が、手首を拘束されている上に、中に俺が割り入っているんだ。
 
腕でガードして逃げ出すのはゼッタイにムリ。

「い……」
 
薄くグロスをひいたピンクの唇が、力なく開いた。
 
お?
 
溜息とも取れるその声に、俺は素早く反応する。

「イヤですか?」
 
軽く含み笑いをして、ナダラカな課長の白い肩に、唇を這わせながらチュッ、チュッと音をたててキスをした。
 
課長本人には軽くキスをされているぐらいにしか感じられてはいないだろうが、実はコレ、俺のチョットしたイタズラ。

確実に俺との証拠を残してる。
 
俺のキスマーク……短時間で簡単に消えるようにするには、力の加減が難しい。
 
弱過ぎても付かないし、かと言って強くするとキズみたいに残るから、俺的にはNG。
 
コレをヤルと朝の着換えの時に、たいていの女が気付いてビックリしている。
 
『いつの間に付けちゃったのぉ?』って。
 
前に、俺にナイショで別の男を掛け持っていた女が居たが、姿見に映った自分の肌を見て顔を引きらせていたっけ。

「……」

「どうしました?」
 
ニコニコしながら課長を見た。
 
余裕をカマシテいる俺に課長はムッと来たのか、上気して赤くなっている頬を軽く膨らませた。

「んな……ナンでも……ナイ!」
 
ふーん。

強がっちゃって。
 
やっぱしリタイヤするのは早過ぎて、まだダメだよな?
 
俺はさっきのキスを続けながら、無造作に下から課長の二つのふくらみをブラみたいに持ち上げた。
 
課長から甘い吐息が漏れる。
 
俺も、課長の声を聞いて身体の中が熱くなって来る。
 
堪らなくなって、俺は課長のツボミを含んだ。
 
課長の身体がビクンと大きく反応する。

「カンジル?」
 
俺は一定のリズムで課長の胸に触れる。
 
大きく揺らされてカンジテいるのか、課長は柳眉を寄せて硬く眼を閉じ、必死に理性とのはざまで闘っているみたいだった。
 
拘束されている手で胸をガードしようとして引き寄せてしまい、逆に間に割り入っている俺の頭を二の腕で抱き込んでしまう。
 
胸に顔をはさまれた俺、マジで窒息しそう。
 
でも、ナンだかシアワセ〜。

 
俺は課長の背中に腕を廻し、胸から名残り惜しそうに顔を上げると素肌で胸を合わせた。
 
汗でシットリと潤った柔らかい肌が、ピタリと俺の肌に吸い寄せられて来る。
 
そのまま、課長の背筋や首筋を思う存分触れて、肌の感触を味わった。
 
きず一つナイシルクみたいな滑らかな手触りと、さっきヒミツで付けたキスマークを見ていると、俺はどんどんヘンな気持ちになって来て、たかぶって来る。

「課長……熱い」
 
俺も熱くなって来ていたが、呼吸が荒くなっている課長の方が俺よりももっと熱かった。

「つ、司ぁ……」

「ハイ? ナンデスカ?」
 
返事をしながらも、俺の両手は停まることなく課長の背中を優しく撫で回している。

「そ……の『課長』って……あん……言う……の、止め……」
 
言い掛けて、課長はハッと口を閉ざした。
 
クドイようだが、俺が課長から『止めて』と聞いた時点でゲームは終わる。
 
『そんなのイヤっ』てぇカンジで軽く頭を振ると、『まだ、セーフよねっつ?』ってすがるような顔をして課長は俺を見上げて来た。

「ナニ? 『止めて』?」
 
ニヤニヤしながら俺が意地悪く見下ろすし。

「え? う、ウウン、そっ、そんなコト言ってないっ」
 
スグ目の前に、半開きになったつややかな課長の唇があった。
 
俺はゴクリとナマツバを飲み下す。

このっつ。

強情を言い張るのはこの口かっつ?
 
朝露に濡れたサクランボみたいだ……その果実のような唇に、俺は軽く顎を引いて自分の唇と重ね合わせる。
 
角度を微妙に変えて、俺は課長の唇をじっくりと味わった。
 
……エビスビールの味しかしねー。
 
さっきまで飲んでたんだから当然なんだろうけどさ……

チョット情緒に欠けるよなぁ。

「ちょ……っと、ま、待ってぇ……」
 
俺の残念そうな表情を読んだのか、課長はそう言って一旦俺に『タイム』を送った。

課長は俺の身体から両腕を抜くと、腕で胸を隠しながら身体三つ分くらい座ったトコロまで移動した。
 
そして身体を深く折り曲げると、自分の座って居るベッドの足下を手探りする。

……ナニを捜しているんだ?
 
見守っていると、捜し物をしていた課長の腕がピタリと止まった。
 
バスローブで拘束されている両手が、ベッドの物陰から化粧品みたいなコモノを取り出していた。
 
淡いピンク色の小さなチューブ。
 
課長って、ピンク系が好きなのか? 

そういや、携帯の色もピンクだったな?

うーん、俺が思っていたよりも、課長はもしかして少女趣味?

職場の課長と自宅の課長の部屋からは、とても想像付かねーんですが?

「それ、ナニ?」
 
チューブタイプのハンドクリームみたいだが……?

「コレ? 化粧品ラブコスメよ?」
 
イヤ、ソレは見りゃ判る……って?

『らぶこすめ』???
 
課長は腕でさり気無く胸を隠しながら、チューブのキャップを空けて自分の指先に少しの量をトロリと垂らした。
 
中から出て来たのは、半透明のモノ……

個体よりも液体に近い、ジェル状のものだった。
 
課長はジェルの付いた指先をペロッと舐める。
 
その行動は課長の毒味か?

「うん、ダイジョウブ……司?」

「ナンですか?」
 
課長はニッコリと笑って俺においでと手招きした。
 
またナニか企んでイルナ?

「塗ってあげる」

「? ソレをですか?」

って、俺のドコに塗るツモリなんだよ?

チョッとだけ妖しい空気を読んだ俺。

コッチが退きそう……
 
まあ、見た目には害はなさそうだし、ダイジョウブか?
 
俺はひざまずいたまま、課長の傍へニジリ寄ろうとした。

その時だ。

「あっ!?」
 
俺と課長の声がハモった。
 
大きく踏み出した一歩がマズカッタ。
 
俺の腰を覆っていたバスタオルが緩み、はらりと落ちる。
 
……ってぇ?
 
自然な開放感に俺は一瞬慌てるが、ココは落着けっつ!

「つ……司?」

「はい?」

焦っているのを気取られないよう、俺はヘーゼンと返事する。

「な、ナニ? ……それ」
 
『それ』って、ナンだよ?
 
課長は大きく息を飲んでフリーズした。

瞳を大きく見開いて、俺から視線を逸らせられないでいる。

「え? ナニって……見りゃワカルでしょ?」
 
見なくっても、今の俺の状況くらいワカリマス。
 
俺は開き直って腕組みをした。

 
……落ちたハズのバスタオルは、全部床には落ちなかった。
 
俺の相棒が臨時のタオルハンガーになっていたからだ。
 
……チクショー、恥ずかしい〜〜〜!!!

「ぶっつ!!! ふふふっ……くくっ……」
 
例によって……課長の馬鹿笑いは健在だった。



「……もお、イイですか?」
 
課長が一頻ひとしきりり笑い転げるのを、ジッとえて待ったいた俺。
 
こんなコトなら、『笑い出す』ってぇルールも加えときゃよかったな?

「ゴメン、ゴメン……で、ナンだった?」
 
「あのね……」
 
俺は呆れながら、課長の手にしたチューブに視線を移して指をさす。

「あ? ああ、これね?」
 
笑い過ぎたのか、顔が真っ赤だ。

「ひょっとして……ローション?」
 
俺は課長の答えを待たずに切り出した。

「……えへっ」

課長は細い肩をスクめて小悪魔みたいに舌を出す。
 
ジェル状だが、課長の反応からして多分当たり。

……ヤレヤレ。
 
ホント、知識だけは立派だよ。
 
俺は課長に気付かれない程度の溜め息を吐くと、バスタオルが完全に俺から離れ落ちるのも気にせずに立ち上がった。
 
更に赤面した課長が両手で自分の口元を押さえ、軽く息を呑んで驚く。

そして、大きく見開かれた瞳は、俺のアル一点に釘付けになってしまった。
 
マジ見するな〜〜〜っつ!!!

恥ズイだろよ。

課長のホボお約束の反応に、俺までツラレテ赤面する。

イヤ待て、ココまで来て俺を『純情くんのチェリーくん』だと誤解されるのもナンだ。

ココは一先ず冷静にならねーと……

「それ、貸して?」

「あん」
 
俺は平然として、課長からソレを取り上げた。

『イヤ』って言えない課長は、仕方なく俺にジェルを手渡した。

俺は未開封だったキャップを開け、中味を利き手の指先にトロリと落とす。

ひんやりとした滑らかな感触が、指先に伝わった。

熱くなった肌のクールダウンには持ってコイ? 

逆に欲情しちゃうかな?

「塗ってあげますよ?」

「〜〜〜!」
 
課長は俺のコトバに反応して『いや〜〜〜ん』って言いそうになった。
 
慌てて右の手の甲を艶やかな唇に押し当て、声を押し殺す。
 
ちえっ! ザンネン。


 
ラブコスメを付けた俺の利き手が、課長の滑らかな肌の上を微妙な加減でゆっくりと撫でさする。
 
課長の耳の後ろから首筋、背中、脇腹……特に、胸は両手で丁寧に伸ばして付けて行った。
 
タダでさえ俺のソフトタッチでカンジテいたのに、ラブコスメでの俺のタッチに、課長は甘い声を押し殺すだけで必死だったみたいだ。
 
眼を閉じ、切なく吐息を漏らして、ふっくらとしたサクランボみたいな唇を軽く開く……
 
噴出して来る汗で、俺にマッサージされている課長の肌が、キレイな桜色に濡れて来る――
 
チュッ……

課長の白い二の腕を取って、キスをした。
 
う〜ん、ミントと何かの甘いフルーツの味。
 
俺的にはチョット癖になりそーな味だ。
 
俺はワザと音を立て、課長の肌に塗ったラブコスメを味わうようにキスの雨を降らせた。
 
課長は俺のキスを避けるようにして受け容れながら、徐々(じょじょ)にウットリとした表情を見せ始める。
 
俺の両腕から肩にかけてザワザワと鳥肌が立った。
 
うわ、課長……色っぽい……
 
AV女優よりイイ!

課長の方がナマだもんな?

 

課長はトロンとした眼で俺を見上げた。
 
俺と視線が絡み合うが、課長の視線はすでに焦点が合ってないし。
 
俺はと言うと、もう一度指先に例のローションを取っている。

「コッチも塗ってあげますよ?」
 
俺は課長の腰にはかなまとわり付いていたバスローブを軽く引こうとして、指先に力を込める。
 
ひもがないバスローブなんて、頼りないバスタオルと同じだ。

「ああん……や……」

「じゃ、止めましょう」

そう来なくっちゃ☆

バスローブに掛けた手をほどいた。
 
俺はまた課長のコトバ尻を取ってニヤつく。

「ううん、ま、まだ言ってな……」
 
う〜〜〜ん、ガンバル。

……困ったなぁ。

コッチが先に暴走しちまいそうだよー。
 
俺はラブコスメの付いた手で課長の膝から下……フクラハギや足首、爪先やスネの裏側にいたるまで、得意のソフトタッチで撫で回し、繰り返しキスの雨を降らせた。
 
下半身へ移った愛撫に怖くなったのか、課長の身体は『逃げ』の体勢になったみたい。
 
身体を強張らせて、ベッドの奥へとじりじりと後退りして行く――
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