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アイコン三国志 作者:小金沢

第四章 官渡の戦い

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〇三六   激戦!烏巣特戦隊!!

~~~烏巣うそう~~~


挿絵(By みてみん)
淳于瓊じゅんうけい
「どうしたお前たち! 押されているぞ!
それに敵将の首はまだ持って来られないのか!」


挿絵(By みてみん)
韓莒子かんきょし
「そ、それが敵に援軍が到着しまして……」


挿絵(By みてみん)
淳于瓊じゅんうけい
「援軍? ここからでは見えないぞバカヤロー!
いったい何人来たんだ!」


挿絵(By みてみん)
韓莒子かんきょし
「数こそ百足らずですが、
いずれも我々と同じ隠密行動に長けた暗殺部隊のようです。
隊長格が次々と討ち取られています。
間もなくここにも現れ――ぎゃあああ!!」


挿絵(By みてみん)
何曼かまん
截天夜叉せってんやしゃ・何曼! 参上!」


挿絵(By みてみん)
淳于瓊じゅんうけい
「その薄汚い黄色い出で立ちは……
てめえ黄巾賊だなコノヤロー!」


挿絵(By みてみん)
何曼かまん
「薄汚い黄色はお互い様であろう。
さあ、覚悟してもらおうか!」


挿絵(By みてみん)
??
「待てい!」


挿絵(By みてみん)
何曼かまん
「なに!?」


挿絵(By みてみん)
??
「黄巾賊よ地の声を聞け!
いかに表面を取り繕おうと、犯した罪の重さは隠せない。
人それを『糊塗』という」


挿絵(By みてみん)
何曼かまん
「何者だ!」


挿絵(By みてみん)
張郃ちょうこう
「お前たちに名乗る名はない!
喰らえ! ストームキック!」


挿絵(By みてみん)
何曼かまん
「くっ! 私の仮面を真似るとはこしゃくな……」


挿絵(By みてみん)
張郃ちょうこう
「これは俺のオリジナルだ! 貴様こそ俺の真似をするな!」


挿絵(By みてみん)
高覧こうらん
「どうでもいいが張郃、お前の勘が当たったな。
曹操軍の本陣攻撃の命令を無視して、
烏巣の救援に行くと聞いた時は、耳を疑ったが」


挿絵(By みてみん)
張郃ちょうこう
「我が剣が導いてくれたのだ。
高覧、ここは俺に任せてお前は他の者を頼む」


挿絵(By みてみん)
高覧こうらん
「ああ」


挿絵(By みてみん)
淳于瓊じゅんうけい
「よ、よし。私も反撃に移るぞバカヤロー!」


挿絵(By みてみん)
何曼かまん
「まずいな。早く貴様を片付けて戻らなくては……」


挿絵(By みてみん)
張郃ちょうこう
「早く片付けられるのはお前の方だ。トォーーッ!」


~~~烏巣~~~


挿絵(By みてみん)
何儀かぎ
「……俺相手に二人がかりとは光栄なこった」


挿絵(By みてみん)
趙叡ちょうえい
「別にあなただからというわけじゃないわ。
単に二人でやったほうが、楽に勝てるというだけ」


挿絵(By みてみん)
眭元進すいげんしん
「逃げ場はないぞ」


挿絵(By みてみん)
何儀かぎ
(まともにやったら俺に勝ち目はないな……。
すると選択肢は3つか。
1、色男の何儀は突如、反撃の名案がひらめく。
2、仲間が来て助けてくれる。
3、助からない。現実は非情である)


挿絵(By みてみん)
趙叡ちょうえい
「何をブツブツと言ってるの? 死になさい!」


挿絵(By みてみん)
何儀かぎ
(俺の答えは2と行きたいところだが、敵にも援軍が現れたようだ。
仲間にもそんな余裕はないだろう。あばよみんな……)


挿絵(By みてみん)
眭元進すいげんしん
「ん? なんだこの音は――あああああ!?」


挿絵(By みてみん)
趙叡ちょうえい
「い、石!? 眭元進が石に押しつぶされたわ!!
ど、どこから石が飛んできたの!?」


挿絵(By みてみん)
李典りてん
「投石車は拠点攻撃にも有効です。
そのために私が烏巣攻撃に加わっているのです、はい」


挿絵(By みてみん)
趙叡ちょうえい
「よ、よくも眭元進を……。お、覚えてなさいよ!」


挿絵(By みてみん)
何儀かぎ
「……まさか石が助けに来てくれるとはな」


挿絵(By みてみん)
李典りてん
「あなたを助けたのは石や私ではないです。
投石車を手配した曹操様です、はい」


挿絵(By みてみん)
何儀かぎ
「そういうことにしておこう。あんた、さっきの奴を追うぞ」


~~~烏巣~~~


挿絵(By みてみん)
徐晃じょこう
「これぞ武人のたゆまぬ研鑽が産んだ奥義!」


挿絵(By みてみん)
楽進がくしん
「ほらほらどうした! オイラはこっちだよ!」


挿絵(By みてみん)
于禁うきん
「一つ! 二つ! 三つ! 四つ! 五つ!」


挿絵(By みてみん)
張遼ちょうりょう
「オラオラ、雑魚は道を開けろっつーの!」


挿絵(By みてみん)
張繍ちょうしゅう
「な、なんて常識はずれの連中だ。
敵の半数は蹴散らしてしまったぞ」


挿絵(By みてみん)
賈詡かく
「ようやく小生も彼らの性格をつかんだ。
ある程度は制御できるようになってきたな。
まだまだここからであるぞ」


挿絵(By みてみん)
張繍ちょうしゅう
「お、おい! 賈詡、あれを見ろ!」


挿絵(By みてみん)
賈詡かく
「敵の増援……であるか」


挿絵(By みてみん)
郭図かくと
「烏巣が危ういという急報は確かでしたな。
この窮地を救えば我らは英雄となりますぞ!」


挿絵(By みてみん)
袁譚えんたん
「英雄か……ぐふふふふふ。よし、かかれい!」


挿絵(By みてみん)
賈詡かく
「あれは袁紹の東部方面軍を統括している袁譚だな。
ふむ、戦線を放棄してここに出張ってくる
愚策をとるとは想定していなかったな」


挿絵(By みてみん)
張繍ちょうしゅう
「お、俺たちは勝てるのか……?」


~~~烏巣~~~


挿絵(By みてみん)
何曼かまん
「くっ! さらに増援が現れるとはさすがに苦しくなったな……」


挿絵(By みてみん)
張郃ちょうこう
「周りを気にしている余裕があるのか? そこだ!」


挿絵(By みてみん)
何曼かまん
「させるか!」


挿絵(By みてみん)
張郃ちょうこう
「そうやすやすと隙を見せてはくれぬか……」


挿絵(By みてみん)
袁譚えんたん
「そこにいるのは敵将か!」


挿絵(By みてみん)
張郃ちょうこう
「袁譚様! こいつは俺に任せて、あなたは他の敵を――」


挿絵(By みてみん)
郭図かくと
「今だ射ていッ!」


挿絵(By みてみん)
張郃ちょうこう
「なっ!? なにをするのだ袁譚様!」


挿絵(By みてみん)
袁譚えんたん
「フン、敵将を討ち取る好機だというのに、
そこにいるお前が悪いのだ。かまわん、張郃ごと射殺せ!」


挿絵(By みてみん)
張郃ちょうこう
「な、なんということを……」


挿絵(By みてみん)
何曼かまん
「何をぼさっとしている! どけ! ぐうううううッ!!」


挿絵(By みてみん)
張郃ちょうこう
「お、お前! なぜ俺をかばった!?」


挿絵(By みてみん)
何曼かまん
「さあな……。私の獲物を横取りされたくなかったの、かもな……」


挿絵(By みてみん)
張郃ちょうこう
「なにが獲物を横取りだ……ッ!
お前がそんな男でないことは、剣を交えてわかっている。
俺との勝負を邪魔されたくなかったのだろう?」


挿絵(By みてみん)
何曼かまん
「フッ……。それより、これを受け取ってくれ。
そんなダサい仮面なんかより、かっこいいだろ……?」


挿絵(By みてみん)
張郃ちょうこう
「何曼……。黄巾賊と罵って済まなかった。お前は、お前は……」


挿絵(By みてみん)
何曼かまん
「よせ……。私はただの、黄巾賊、だ……。
それで……いい……」


挿絵(By みてみん)
張郃ちょうこう
「何曼!!」


挿絵(By みてみん)
郭図かくと
「やっとくたばったか。それにしても張郃?
敵にかばわれるなんて怪しいなあ?
お前ひょっとして曹操と内通し――」


挿絵(By みてみん)
張郃ちょうこう
「……許せん」


挿絵(By みてみん)
袁譚えんたん
「な、なんだと?」


挿絵(By みてみん)
張郃ちょうこう
「それが名族の御曹司のやることかーーッ!」


挿絵(By みてみん)
郭図かくと
「か、何曼とやらの仮面を着けてなんのつもりだ!?」


挿絵(By みてみん)
張郃ちょうこう
「知れたことを……。
これより俺は曹操に、いや何曼の遺志に味方する!
行くぞ! サンダーボルトスクリュー!」


挿絵(By みてみん)
袁譚えんたん
「い、いかん! 退け! いや後方に向かって全力で走れ!」


~~~烏巣~~~


挿絵(By みてみん)
高覧こうらん
「曹操軍の指揮官はあそこだ!」


挿絵(By みてみん)
淳于瓊じゅんうけい
「かかってこい! シャァコンニャロー!」


挿絵(By みてみん)
張繍ちょうしゅう
「烏巣からも反撃に転じてきたぞ!
ど、どうするのだ賈詡!?」


挿絵(By みてみん)
賈詡かく
「……よもやここまで想定していたとはな」


挿絵(By みてみん)
張繍ちょうしゅう
「な、なに?」


挿絵(By みてみん)
賈詡かく
「一度でもあなたを殺せると考えた私が愚かだったのだな。
曹操殿、貴殿に小生はかなわぬようだ……」


挿絵(By みてみん)
張繍ちょうしゅう
「か、賈詡よ。さっきからいったい何を言って――」


挿絵(By みてみん)
賈詡かく
「さらなる援軍の到着だ」


挿絵(By みてみん)
張燕ちょうえん
「まさか黄巾賊と共同戦線を張ることになるとはな」


挿絵(By みてみん)
左髭丈八さしじょうはち
「だが曹操は袁紹と違い、俺たちを山賊だと蔑視していない。
あの黄巾賊どもの命を張った戦いぶりを見れば、それがよくわかる」


挿絵(By みてみん)
張燕ちょうえん
「ああ。――これより我ら黒山賊は曹操軍を救援する!
なお烏巣の武具・兵糧は略奪し放題だ!」


挿絵(By みてみん)
張雷公ちょうらいこう
「ウオォーーーーーーーーーン!!」


挿絵(By みてみん)
張繍ちょうしゅう
「こ、黒山賊だと?
奴らは袁紹と同盟していたのではないのか?」


挿絵(By みてみん)
賈詡かく
「曹操殿は敵陣営の切り崩しが難しいと見るや、
外堀を攻めていったのだ。それにしても黄巾賊に黒山賊か……。
ククク、曹操殿にしか作れない援兵であるな」


~~~烏巣~~~


挿絵(By みてみん)
呂威曠りょいこう
「ぐはあああああ!!」


挿絵(By みてみん)
徐晃じょこう
「敵将討ち取ったり!」


挿絵(By みてみん)
楽進がくしん
「ちぇっ、徐晃に先を越されちゃったよ」


挿絵(By みてみん)
于禁うきん
「これで敵は一掃したかな。
後方の賈詡のダンナが襲われてるそうだ。
張遼が向かってるけど、おれっちらも助けに行こうぜ」


挿絵(By みてみん)
徐晃じょこう
「于禁殿、大事なことをお忘れではないか」


挿絵(By みてみん)
于禁うきん
「ああそうだった。それが目的で戦ってたんだったな。
よし、一部の兵糧を奪って、後は火を放っちまいな!」


~~~烏巣~~~


挿絵(By みてみん)
袁譚えんたん
「ああっ! か、郭図! 兵糧庫の方角から火が上がったぞ!」


挿絵(By みてみん)
郭図かくと
「あの様子ではもう消火もできませんな。
これ以上、烏巣に留まる意味はありません。引き上げましょう」


挿絵(By みてみん)
袁譚えんたん
「そ、そうだな。
我々は烏巣に来なかった! そういうことにしておこう。
東方に転進するぞ!!」


挿絵(By みてみん)
淳于瓊じゅんうけい
「ああ……烏巣が燃えている……。
袁譚様も逃げていく……」


挿絵(By みてみん)
高覧こうらん
「ドラ息子め……。持ち場を放棄して乱入しておいて、
ろくに働きもせずに逃げおったか!」


挿絵(By みてみん)
淳于瓊じゅんうけい
「こ、高覧! どこに行くんだコノヤロー!」


挿絵(By みてみん)
高覧こうらん
「張郃も曹操に降った。
ドラ息子はやりたい放題する。戦も負けだ。
かくなる上は斬り死にして最期を飾るだけよ!
淳于瓊、お前も覚悟を決めるんだな。さらばだ!」


挿絵(By みてみん)
淳于瓊じゅんうけい
「ぐっ……」


挿絵(By みてみん)
趙叡ちょうえい
「将軍! ここにいらっしゃったのね!
こ、これからどうするのよ」


挿絵(By みてみん)
淳于瓊じゅんうけい
「お、俺は……」


挿絵(By みてみん)
左髭丈八さしじょうはち
「大将はそこか! この俺に首を渡せ!」


挿絵(By みてみん)
趙叡ちょうえい
「な、なんなのあいつ!?
ヒゲに武器をくくりつけて振り回してるわ!
いやーー! キモい! キモいわ!」


挿絵(By みてみん)
張雷公ちょうらいこう
「ウオォーーーーーーーーーン!!」


挿絵(By みてみん)
趙叡ちょうえい
「なんて大声なの!? み、耳が……ッ!?」


挿絵(By みてみん)
左髭丈八さしじょうはち
「そいやあああああッ!!」


挿絵(By みてみん)
趙叡ちょうえい
「きゃああああああ!!」


挿絵(By みてみん)
淳于瓊じゅんうけい
「趙叡!!」


挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん)
「…………」


挿絵(By みてみん)
淳于瓊じゅんうけい
「囲まれたか……」


挿絵(By みてみん)
賈詡かく
「これで王手。さて、どうなさいますかな淳于瓊殿?」


挿絵(By みてみん)
淳于瓊じゅんうけい
「………………コノヤロー」


~~~官渡かんと~~~


挿絵(By みてみん)
夏侯惇かこうとん
「どうした四十万サンよ! 雁首そろえてこの程度か!?」


挿絵(By みてみん)
夏侯淵かこうえん
「この夏侯淵が弓に射抜かれたい奴は前に出ろ!」


挿絵(By みてみん)
荀攸じゅんゆう
「左です! 左に敵は回り込もうとしています!
騎兵を向かわせてください!」


挿絵(By みてみん)
袁紹えんしょう
「ええい! たかが三千の兵にいつまで手間取っているのだ!
さっさと片付けて曹操の首を持ってきて――」


挿絵(By みてみん)
審配しんぱい
「!? ば……馬鹿な」


挿絵(By みてみん)
逢紀ほうき
「う、烏巣が……」


挿絵(By みてみん)
沮授そじゅ
「燃えている……」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「あの炎を見たまえ!
烏巣が燃えている! 僕たちの勝利だよ!」


挿絵(By みてみん)
曹洪そうこう
「やってくれたかあいつら!!」


挿絵(By みてみん)
程昱ていいく
「さあ、一気に反撃じゃ! 敵は浮き足立っておるぞ!」


挿絵(By みてみん)
曹仁そうじん
「もらったああああ!!!」


挿絵(By みてみん)
許攸きょゆう
「みwなwぎwっwてwきwたwww」


挿絵(By みてみん)
袁紹えんしょう
「め……名族が……負けるのか?
三千に……。曹操に……」


挿絵(By みてみん)
袁尚えんしょう
「パパ、しっかりして!
もうここは危険だよ! 早く逃げないと!」


挿絵(By みてみん)
袁紹えんしょう
「曹操……お前の覇道は……名族を越えて……続いていくのか……」


~~~~~~~~~


かくして烏巣は落ちた。
曹操は大逆転勝利を果たし、袁紹は一敗地に塗れた。
名族はこのまま没落の一途をたどるのか?

次回  〇三七   小覇王の死
+注意+
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