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アイコン三国志 作者:小金沢

第四章 官渡の戦い

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〇三一   劉備 VS 関羽

~~~白馬はくば城~~~


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「そうか。まあ君たちに勝利までは期待していなかったから別に構わないよ。
この白馬城を守ってくれただけで十分さ」


挿絵(By みてみん)
侯成こうせい
「は、はい……」


挿絵(By みてみん)
夏侯淵かこうえん
「聞けば魏続、宋憲は敵将の顔良と張飛に討ち取られたとのこと。
俺に任せてくれれば今すぐ奴らの首を持ってきてやる!」


挿絵(By みてみん)
曹仁そうじん
「おっと夏侯淵、抜け駆けは許さんぞ!
その役目を受けるのは俺こそがふさわしい!」


挿絵(By みてみん)
夏侯惇かこうとん
「待て待てお前ら、誰か忘れちゃいないか? 俺が先陣を――」


挿絵(By みてみん)
程昱ていいく
「おちつけ諸君!
功をはやるのはいいが、それにはもっとふさわしい男がおる。
そうですな殿?」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「さて、誰のことだろうね。
底意地の悪さに定評のある程昱君は誰を推薦するのかな」


挿絵(By みてみん)
程昱ていいく
「無論のこと、関羽である!」


挿絵(By みてみん)
張遼ちょうりょう
「!」


挿絵(By みてみん)
程昱ていいく
「聞けば関羽の義兄弟、劉備と張飛は
袁紹軍の先鋒を命じられておる。
もし関羽と戦うことになれば……ククク、どうなるでしょうな」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「いいねえ、さすが程昱君だ。君らしい悪趣味な策だよ。
関羽君、戦ってくれるかい?」


挿絵(By みてみん)
関羽かんう
「…………」


挿絵(By みてみん)
関平かんぺい
「今の拙者は曹操殿に仕える身。否も応もない!
命じられた戦場に臨むのみである! ……と父は思っています」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「それはよかった。じゃあ早速頼むよ。
関羽君を先頭に、右に夏侯淵君、左に曹仁君、
後詰めに夏侯惇君で攻撃を仕掛ける。
準備に取り掛かってくれ」


挿絵(By みてみん)
張遼ちょうりょう
「………………」


~~~白馬 袁紹軍~~~


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「敵の先鋒は関さんじゃと!? なんてこった……。
敵味方とはいえ関さんとは付き合いが長いし、
袁さんとの友情も裏切れんし。むむむむむむ……」


挿絵(By みてみん)
張飛ちょうひ
「んんー困ったわね。
アタイたち逆賊として曹操に追われてるから、
関羽がいるからって曹操に寝返ることもできないし。

――い、いやたとえばの話よ。
本当にそんなこと考えてないからね顔良」


挿絵(By みてみん)
顔良がんりょう
「あいわかった! しからば劉備殿は後方に控えられよ。
曹操軍の相手は俺が引き受けようぞ!」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「いいのかい顔良さん?」


挿絵(By みてみん)
顔良がんりょう
「劉備殿とその義兄弟の友誼厚きことは俺も伝え聞いている。
義兄弟があえて相争うことはない!」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「顔さん……」


挿絵(By みてみん)
顔良がんりょう
「関羽は俺が蹴散らす!
劉備殿らには他の相手をお願いいたす」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「顔さん! わしは、もし顔さんが関さんを
殺すことになっても恨まんからな!
わしのことは気にせず、思いっきり戦ってくれ!」


挿絵(By みてみん)
張飛ちょうひ
(でも実際問題、あの馬鹿強い関羽に
顔良が勝てるのかしら……?)


~~~白馬 曹操軍~~~


挿絵(By みてみん)
顔良がんりょう
「ぬおおおおおおおお!!」


挿絵(By みてみん)
荀攸じゅんゆう
「やはり袁紹軍は劉備を後方に下げてきましたな」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「そこまでは予想の範疇さ。
でもあの顔良君は予想よりも少しばかり強いね。
関羽君はもちろん曹仁君も苦戦してるじゃないか」


挿絵(By みてみん)
張遼ちょうりょう
「兵力差が大きいからな。
だが曹仁の旦那なら必ず巻き返すはずだ」


挿絵(By みてみん)
王朗おうろう
「そう悠長なことも言ってられんぞ。
見ろ、劉備軍が迂回して夏侯淵、夏侯惇の陣を襲っている」


挿絵(By みてみん)
文醜ぶんしゅう
「フンガーーッ!!」


挿絵(By みてみん)
程昱ていいく
「補給部隊の韓浩かんこうから急報じゃ!
文醜に奇襲を受けたと!」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「ふむ。総崩れだねこれは」


挿絵(By みてみん)
郭嘉かくか
「撤退」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「それしかないだろうね。
白馬を捨て延津えんしんまで退こう」


挿絵(By みてみん)
曹洪そうこう
「退却! 全軍退却しろ!」


~~~白馬城~~~


挿絵(By みてみん)
顔良がんりょう
「大戦果だ! 白馬城は落とし、補給物資も奪ってやった。
曹操め、我々を恐れて延津まで飛ぶように逃げおったわ!」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「わっはっはっはっはっ」


挿絵(By みてみん)
文醜ぶんしゅう
「フンガー、フンガー!」


挿絵(By みてみん)
顔良がんりょう
「この分では本隊を待つまでもない。
補給物資の搬入が終わったら、
我々だけで曹操軍を揉みつぶしてやろうぞ!」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「おうとも! 袁紹様バンザーーーんん?」


挿絵(By みてみん)
関羽かんう
「………………」


挿絵(By みてみん)
顔良がんりょう
「げえっ! 関羽!」


挿絵(By みてみん)
関羽かんう
「…………ッ!」


挿絵(By みてみん)
顔良がんりょう
「ぐわあああああッ!!」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「ああっ! 顔さん!」


挿絵(By みてみん)
文醜ぶんしゅう
「フンガーーッ!」


挿絵(By みてみん)
関羽かんう
「ッッ!」


挿絵(By みてみん)
文醜ぶんしゅう
「フンギャーーッ!!」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「さ、さすが関さん……。
二人をあっという間に倒しおったわ」


挿絵(By みてみん)
関羽かんう
「…………」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「ま、まさか関さん。わしも殺す気じゃないじゃろうな」


挿絵(By みてみん)
張飛ちょうひ
「ち、ちょっとなによいまの絶叫は――って関羽!?」


挿絵(By みてみん)
関羽かんう
「…………」


挿絵(By みてみん)
関平かんぺい
「兄者! そして張飛よ!
我らは今は敵味方に分かれた身の上!
本来ならばここで討ち果たすべきものだが、
今までの親交に免じ、この場は見逃そう!
白馬城を捨てて、いずこへなりと去られよ!
……と父は思っています」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「っていうか関さん、またわしの所に戻ってはくれんのか?」


挿絵(By みてみん)
関羽かんう
「…………」


挿絵(By みてみん)
関平かんぺい
「拙者は曹操に救われた恩をいまだ返してはおらぬ!
約定の首二つは獲ったが、曹操に一言断らねば去ることはできぬ。
また縁あれば桃園の誓いを思い出す日も来よう。
今は涙をのんで別れようぞ! ……と父は考えています」


挿絵(By みてみん)
関羽かんう
「!?」


挿絵(By みてみん)
張飛ちょうひ
「……いま関羽のヤツ、アタイたちのほうに
歩いてこようとしてたんだけど。
関平の言葉にすっごい驚いてるんだけど。
帰ってくる気まんまんだったんじゃないの?」


挿絵(By みてみん)
侯成こうせい
「いつまでうだうだやってんだよ」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「侯成さん!」


挿絵(By みてみん)
侯成こうせい
「フン。俺だっててめえらを殺してえのはやまやまだ。
だが関羽が見逃してやるってんだから反対もできやしねえ。
さっさと消えろよ」


挿絵(By みてみん)
張飛ちょうひ
「……なるほど、すべて曹操の策だったのね。
白馬城を落とされたのも、補給物資を奪われたのも計画通りってわけ。
城と大量の物資を奪ったら、しばらくは
本隊を待って白馬城に駐屯するもの。
すっかり安心しているところに、城内に抜け道を作っておいた
侯成が関羽を手引きしたってとこかしら」


挿絵(By みてみん)
侯成こうせい
「ご名答。謎解きが終わったら出て行きな」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「関さん……。早いとこ曹操に義理を果たして帰ってきてくれよ。
わしには関さんしかいないんじゃ!」


挿絵(By みてみん)
張飛ちょうひ
「空前の顔さんブームはどこ行ったのかしら」


挿絵(By みてみん)
関羽かんう
「…………」


挿絵(By みてみん)
関平かんぺい
「いざさらばだ!
……と父は心で泣いています」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「関さーーーーん!!」


~~~白馬 北部 袁紹軍~~~


挿絵(By みてみん)
袁紹えんしょう
「ほう、顔良と文醜が討ち取られたか」


挿絵(By みてみん)
田豊でんほう
「やはり猪武者の彼らに先鋒は荷が重かったようです。
曹操の計略にかかり、あっさりと首を取られたとのこと」


挿絵(By みてみん)
審配しんぱい
「フン、あの二人が死んだところで大勢に影響はない。
我々の本隊が出れば済む話だ」


挿絵(By みてみん)
田豊でんほう
「……それは曹操を少し甘く見過ぎです。
兵力ではこちらが勝りますが、
曹操は何を仕掛けてくるかわかりませんぞ」


挿絵(By みてみん)
逢紀ほうき
「田豊よ、臆病風に吹かれたか?
我らの総兵力は100万にも届くが、曹操軍は10万にも満たぬのだ。
いくら小細工を弄したところで覆せる戦力差ではない」


挿絵(By みてみん)
審配しんぱい
「第一、我々の戦は正攻法をもって良しとする。
名族たる袁紹閣下は正面から
曹操を押しつぶしてしかるべきなのだ!」


挿絵(By みてみん)
袁紹えんしょう
「うむ、よくぞ言った。名族もそう思っていたところである!
小兵の曹操に奇策はいらぬ。
正々堂々と受けて立ち、打ち破ってくれるぞ!」


挿絵(By みてみん)
田豊でんほう
「で、ですが――」


挿絵(By みてみん)
審配しんぱい
「まだ言うか貴様!
閣下、田豊の言葉は全軍の士気を落とすだけだ。
どうか処罰を下されよ!」


挿絵(By みてみん)
袁紹えんしょう
「うむ、名族もけしからんと思っていたぞ。
田豊、お前には蟄居を命じる! 頭を冷やすがいい」


挿絵(By みてみん)
沮授そじゅ
「お待ちください! 田豊殿は我が軍の要です。
田豊殿なくしてこの戦に勝つことはできません!」


挿絵(By みてみん)
逢紀ほうき
「ほほう、つまり閣下が田豊に蟄居を命じたせいで、
我が軍は負けると言うのか」


挿絵(By みてみん)
沮授そじゅ
「そ、それは言葉の綾で――」


挿絵(By みてみん)
審配しんぱい
「閣下のお言葉に異議を唱えるとは、
反逆の意志があるということだな!
閣下! このような者に兵を与えておくのは危険ですぞ!」


挿絵(By みてみん)
沮授そじゅ
(普段はいがみ合っているくせに、
田豊殿や私を陥れる時は結託しおって……)


挿絵(By みてみん)
袁紹えんしょう
「沮授よ。お前の今までの功績に免じ、処罰は下さぬ。
だがお前の兵は全て没収し、審配と逢紀に分け与えよう!」


挿絵(By みてみん)
田豊でんほう
(審配も逢紀も我が軍の勝利よりも、
自分の出世栄達だけを考えている。
これでは一丸となった曹操軍には勝てまい……)


挿絵(By みてみん)
審配しんぱい
「おい陳琳。誰かのせいで出鼻をくじかれてしまった。
景気づけに威勢のいい檄文でも書け」


挿絵(By みてみん)
陳琳ちんりん
「檄文……でございますか。
あまり得意ではありませんが、ご命令とあらば」


挿絵(By みてみん)
審配しんぱい
「曹操の悪逆無道さを知らしめ、
宣戦布告にもなる物を書けよ」


挿絵(By みてみん)
陳琳ちんりん
「かしこまりました」


~~~白馬城~~~


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「……ふむ。これはたいした名文だね」


挿絵(By みてみん)
荀攸じゅんゆう
(殿の表情はいつもどおりだが……)


挿絵(By みてみん)
王朗おうろう
(あんな檄文、いや罵詈雑言を読んで怒らないわけがない……)


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「全くもって呆れ返るしかないね」


挿絵(By みてみん)
夏侯淵かこうえん
「その通りだ!
こんな侮辱を受けて黙っていることはないぞ!」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「侮辱? なにか勘違いしているようだね。
僕が呆れているのは、袁紹君の人を見る目の無ささ。
こんな名文家にどうして檄文なんか書かせるんだい。もったいない」


挿絵(By みてみん)
夏侯惇かこうとん
「お、怒らないのかお前?」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「これは檄文でもなければ、僕に対する悪口でもないよ。
僕だけじゃなく父や祖父のことまで持ち出して、
まるで曹一族の三代記じゃないか。
それにこれだけ事細かに書けるということは、
よく僕の一族のことを調べ抜いた証拠だ。悪い気はしないね」


挿絵(By みてみん)
曹洪そうこう
「そ、そうか……」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「この作者にはぜひ会ってみたいが、
それよりも張繍ちょうしゅう君が降伏を申し出てきたんだって?」


挿絵(By みてみん)
曹仁そうじん
曹昂そうこう曹安民そうあんみん典韋てんい
殺しておいてよくも抜け抜けと!
袁紹を片付けたら次はお前の番だと言ってやれ!」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「おいおい、物騒なことを言うのはやめたまえ。
降伏者を殺したりしたら、
もう誰も僕に降伏しようなんて思わなくなってしまうよ」


挿絵(By みてみん)
程昱ていいく
「ち、張繍の降伏を受け入れるのか」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「当たり前じゃないか。張繍君の擁する精強な騎馬軍団、
僕を欺いた賈詡かく君の智謀。
袁紹君との決戦を前にぜひ欲しい戦力だ。
君たちはそれをみすみす逃せって言うのかい?」


挿絵(By みてみん)
侯成こうせい
「と、殿に異存がなければもちろん我々は反対しません!」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「曹昂や曹安民、典韋が死んだのは僕の責任だ。
張繍君や賈詡君をそのことで責めるのはやめてくれたまえよ。
これからは仲間になるんだからね」


挿絵(By みてみん)
荀攸じゅんゆう
「わ、わかりました。
――それで殿、袁紹への対策は何かお考えですか?」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「袁紹君は百万の大軍を率いて悠々と南下しているそうだね。
正攻法で来られると兵力で劣る僕たちは厳しいな。
千の兵で一万の敵を破るのはたやすい。
一万で十万を破るのも可能だ。だが十万の兵で百万は倒せない。
袁紹君はいい選択をしたね」


挿絵(By みてみん)
程昱ていいく
「それではどうするつもりじゃ?」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「とりあえずこの白馬城は捨てる。
こんな小城では大軍を受け止められない。
戦線を下げて、黄河を盾に戦うとしよう」


挿絵(By みてみん)
夏侯惇かこうとん
「ずいぶん消極的な考えだな」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「あんな大軍を前にしては弱気にもなるさ。
でも僕はこの戦、できれば正攻法で勝ちたいと思っている」


挿絵(By みてみん)
王朗おうろう
「じ、十倍の相手に正面から勝つつもりですか」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「奇策が通じないんだからそうする他ないだろう。
でもこの戦いで鍵を握っているのは兵力じゃない。人の力だよ。
戦の中で多くの人材を鍛え上げ、新たな戦力を見出し、
兵力以外のところで袁紹君を上回るんだ」


挿絵(By みてみん)
曹洪そうこう
「……抽象的な言葉で俺にはよくわからん」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「戦っていくうちにいずれわかるさ。
そういうわけで当分は辛抱が続くだろう。
ここが踏ん張りどころだ。
月並みな言葉だけど、各員の奮闘に期待するよ」


挿絵(By みてみん)
関羽かんう
「…………」


挿絵(By みてみん)
関平かんぺい
「軍議中、失礼いたす。
すでに約定は果たしたと考える。これ以上の助力は無用。
我々は旧主のもとに帰ろうと思う。
……と父は考えています」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「ああ、約束通りに顔良君と文醜君、二つの首を挙げてくれたね。
関羽君、ご苦労だった。帰っていいよ」


挿絵(By みてみん)
関羽かんう
「…………」


挿絵(By みてみん)
関平かんぺい
「約定を違えなかったこと、うれしく思う。
……と父も私も思っています」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「忘れるところだった。
劉備君はいま、袁紹君のもとにはいないそうだ。
僕らの後方、汝南じょなんで蜂起して袁紹君に
味方している黄巾賊のもとへ、援軍に向かったそうだ。
だから汝南へ行くといいよ」


挿絵(By みてみん)
関平かんぺい
「承知いたした」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「そうだ、呂布君が残していった赤兎馬せきとばを持って行くといい。
首二つのお礼だよ。いや、遠慮はしないでくれ。
荒馬すぎてどうせ誰も乗れないんだ。
関羽君はこの前試してみたら、難なく乗りこなせただろう?」


挿絵(By みてみん)
関羽かんう
「…………w」


挿絵(By みてみん)
関平かんぺい
「しからば厚意は受けよう。
さらば曹操殿、今後は敵味方に分かれる定めだが
健勝を祈っている! ……と父は言いたそうです」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「ああ、元気でな関羽君、関平君。
張遼君、途中まで送ってあげたまえ」


挿絵(By みてみん)
張遼ちょうりょう
「おう! 関羽の旦那、達者でな」


挿絵(By みてみん)
程昱ていいく
(……夏侯惇よ)


挿絵(By みてみん)
夏侯惇かこうとん
(ああ、みすみす関羽を逃せば、いずれ大きな災いとなる。
関羽を劉備のもとへ行かせはしねえ)


挿絵(By みてみん)
程昱ていいく
(すでに手は打っておいた。
五つの関門が関羽の道を阻むじゃろう……)


~~~~~~~~~


かくして決戦の時は間近に迫っていた。
しかし袁紹軍、曹操軍ともに内情には不安を抱えている。
一方、関羽は劉備のもとへ帰ろうとするが、その前には謀略の罠が待ち受けていた。

次回 〇三二   関羽千里行
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