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アイコン三国志 作者:小金沢

第三章 人中の呂布

21/125

〇二〇   曹操の帰還

~~~徐州じょしゅう~~~


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「わしは反対じゃな!」


挿絵(By みてみん)
張飛ちょうひ
「…………」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「だって考えてもみい。
呂布はこれまで丁原ていげん、董卓、袁紹、張超ちょうちょう
主君を変え、その誰もが死んどるんじゃ」


挿絵(By みてみん)
高順こうじゅん
「いや、袁紹は無事だ」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「董卓にいたっては自ら斬り殺してるんじゃぞ。
そんな危ない奴を信用できるもんか!」


挿絵(By みてみん)
呂布りょふ
「……fhjasaslasjfl7jl98kxz」


挿絵(By みてみん)
陳宮ちんきゅう
「ミスター劉備が疑うのも当然です。
私の主人は多くが命を落としました。
しかしそれは偶然です。ミスター董卓は別ですが、
それは彼が紳士ではなかったから殺したのです。
あなたが紳士であれば、私は決して裏切ることはないでしょう」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「しかしじゃのう」


挿絵(By みてみん)
張飛ちょうひ
「お黙り劉備。判断するのは徐・州・刺・史であるアタイよ。
だいたい呂布の目の前でべらべら本人の悪口言うなんて
どんな神経してるのかしら」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「…………」


挿絵(By みてみん)
張飛ちょうひ
「まあ、劉備の意見にはアタイもだいたい賛成よ。
呂布、アンタのことは信用できないわ。
でも……」


挿絵(By みてみん)
成廉せいれん
「うっ」


挿絵(By みてみん)
郝萌かくぼう
「ひっ」


挿絵(By みてみん)
張遼ちょうりょう
「んぐっ」


挿絵(By みてみん)
張飛ちょうひ
「ほら、アタイっておせっかいな性格でしょ。
困ってる人は見過ごせないのよねえ。
いいわ、受け入れてあげる。まとめて面倒みてあげるわよ」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「ち、張さん。何かいま目が妖しく光っとったぞ」


挿絵(By みてみん)
張飛ちょうひ
「何のことかしら? さあさ、歓迎の宴会を開くわよ。
んふふ。今夜は寝かせないからね」


挿絵(By みてみん)
関羽かんう
「…………」


~~~洛陽らくよう城外~~~


挿絵(By みてみん)
李傕りかく
「ええい、あんな焼け残りの都をなぜ落とせぬのだ!
かかれ! かかれ!」


挿絵(By みてみん)
士孫瑞しそんずい
「焼け落ちたとはいえ、かつての都の防備を甘く見られては困る。
迎え撃てい!」


挿絵(By みてみん)
於夫羅おふら
「ヘイカ、マモル、オレ、クニニ、カエル!」


挿絵(By みてみん)
楊奉ようほう
「野郎ども適当にかかれー」


挿絵(By みてみん)
徐晃じょこう
「見よ! これぞ武人の奥義なり!」


挿絵(By みてみん)
楊奉ようほう
「ま、また徐晃が命令を無視して暴れてやがる。
退け! 俺が怪我したってことにして退け!」


挿絵(By みてみん)
張楊ちょうよう
「楊奉殿はまた撤退したか。しかし陛下は私が守る。
我が君がさみしい時はあと少し付き合うのだからな」


挿絵(By みてみん)
郭汜かくし
「くそっ。張楊め、あいかわらず言ってることは
わからんが見事な奮戦ぶりだ」


挿絵(By みてみん)
董承とうじょう
「このままではラチが開かぬ。かくなる上は……。
今だ、誰も見ていない。死ね、士孫瑞!」


挿絵(By みてみん)
士孫瑞しそんずい
「ぐわっ!!」


挿絵(By みてみん)
董承とうじょう
「中心的人物のお前を討てば、張楊らの結束にヒビが入るはずだ」


挿絵(By みてみん)
士孫瑞しそんずい
「董承……ついに本性を現したな。ずっとお前を警戒していたぞ」


挿絵(By みてみん)
董承とうじょう
「だがもう手遅れだ。誰も私の裏切りには気づいていない。
城門を開き、李傕らを招き入れてやる」


挿絵(By みてみん)
士孫瑞しそんずい
「あれを見よ……手遅れなのはお前たちの方だ」


挿絵(By みてみん)
董承とうじょう
「な!? あ、あれは……」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「これが乾坤一擲の戦いだよ。
全軍突撃だ! 逆賊を討ち陛下を救い出すんだ!」


挿絵(By みてみん)
夏侯淵かこうえん
「おうっ!!」


挿絵(By みてみん)
夏侯惇かこうとん
「行くぞ!」


挿絵(By みてみん)
曹仁そうじん
「うおおおおおおっ!!」


挿絵(By みてみん)
董承とうじょう
「い、いつの間に曹操軍を呼び寄せたのだ。
私は聞いておらんぞ!?」


挿絵(By みてみん)
士孫瑞しそんずい
「だから言ったろう、お前を警戒していたと。
そんな重要なことを話すものか。
曹操さえ来ればお前たちの野望はおしまいだ。
へ、陛下……どうかご無事で……ぐふっ」


挿絵(By みてみん)
董承とうじょう
「謀ったな士孫瑞! こうなったら陛下を人質にとって……」


挿絵(By みてみん)
徐晃じょこう
「董承殿、陛下に何用だ」


挿絵(By みてみん)
董承とうじょう
「じ、徐晃。なぜお前がここにいる?
そこをどけ、陛下に急用なのだ」


挿絵(By みてみん)
徐晃じょこう
「武人の勘が告げている。お主は信用できんと。
通りたくば力ずくで押し通れ!」


挿絵(By みてみん)
楊奉ようほう
「董承! もうこれ以上は無理だ。
あんたとの陰謀がバレる前に俺はずらかるぜ。じゃあな!」


挿絵(By みてみん)
董承とうじょう
「な、なんてことだ……」


挿絵(By みてみん)
献帝けんてい
「董承」


挿絵(By みてみん)
董承とうじょう
「へ、陛下……!」


挿絵(By みてみん)
献帝けんてい
「お前には聞きたいことがたくさんある」


挿絵(By みてみん)
董承とうじょう
「…………」


~~~洛陽の都~~~


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「戯志才……帰ってきたぞ。この洛陽に」


挿絵(By みてみん)
荀彧じゅんいく
「殿、こちらにいらっしゃいましたか。
李傕、郭汜らは長安へと退却しました。
また彼らと内通していた楊奉も逃げ出したとのことです」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「わかった。
夏侯惇君、夏侯淵君、程昱ていいく君を長安へ進撃させてくれ。
陛下には僕から報告しよう。まずはご挨拶に伺わないとね」


挿絵(By みてみん)
荀彧じゅんいく
「わかりました」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「それと……すまないな荀彧君。
いろいろと気苦労をかけてしまった。
もう大丈夫だよ。戯志才との約束は果たしたんだ。
彼のことはもう考えない。
僕には君という新しい戯志才、いや張子房ちょうしぼうがいるんだからね」


挿絵(By みてみん)
荀彧じゅんいく
「あはは。私のような者を伝説の軍師・張子房に
なぞらえてくれるなんて身に余ります」


~~~長安ちょうあん~~~


挿絵(By みてみん)
李傕りかく
「はあ、はあ、長安はもう目の前だ。なんとか逃げ切れたな」


挿絵(By みてみん)
郭汜かくし
「曹操め、この恨みは必ず晴らすぞ」


挿絵(By みてみん)
董白とうはく
「あれー? 長安の前に軍隊がいるけど、誰かなー?」


挿絵(By みてみん)
鍾繇しょうよう
「おやおや、逆賊どもがのこのこと姿を現したようじゃのう」


挿絵(By みてみん)
荀攸じゅんゆう
「しかし長安はもう我々が占拠しました。
あなた方に帰る場所はありませんよ」


挿絵(By みてみん)
李傕りかく
「な、何者だ!」


挿絵(By みてみん)
李通りつう
「元・長安の官吏。
今はさしずめ通りすがりの正義の味方ってヤツだ。
お前たちの首を手土産に陛下と曹操のもとへ向かおう」


挿絵(By みてみん)
郭汜かくし
「こ、こいついつの間に背後へ――ぎゃあああああ!!」


挿絵(By みてみん)
李傕りかく
「ば、バカな。董白様! 急いで董白様を逃がすんだ!
お、俺様がこんな所で死ぬはずがああああああッ!?」


~~~洛陽の都~~~


挿絵(By みてみん)
献帝けんてい
「お前が曹操……であるか」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「はい陛下。お会いできて光栄です」


挿絵(By みてみん)
献帝けんてい
「朕は董卓、そして李傕らによってお飾り同然にされてきた。
だから正直に言って、お前がすぐには信用できない。
曹操、お前は私をどうするつもりなのだ?」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「どうするつもりもありません。
逆に聞きましょう。陛下、あなたはどうしたいのですか?」


挿絵(By みてみん)
献帝けんてい
「え……?」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「あなたは皇帝陛下なのです。
この国で最高位に在るお方なのです。
僕たちは、あなたの思うままに動くだけだ」


挿絵(By みてみん)
献帝けんてい
「ち、朕は……これまで、何一つとして思うままに動けなかった。
なあ曹操、教えてくれ。朕はどうすればよいのだ?」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「そうですね。まずは外に出てみるのはいかがでしょうか。
これまで陛下は洛陽と長安を行き来してきただけでしょう。
僕らがいる限り洛陽にはいつでも戻れます。
この曹操がお供しますから、もっといろいろな所へ
足を向けてはみませんか」


挿絵(By みてみん)
献帝けんてい
「そ、それはいい! 曹操、朕を連れていってくれるか」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「それではまずは僕の故郷のしょうへご案内しましょう」


~~~長安 郊外~~~


挿絵(By みてみん)
董白とうはく
「えーん。えーん。また負けたー。
おじい様もパパも李傕もみんな負けちゃったー」


挿絵(By みてみん)
馬騰ばとう
「むむ? 息子よあれを見ろ。
こんな所で少女が一人で泣いておるぞ」


挿絵(By みてみん)
馬超ばちょう
「物騒だね父ちゃん。保護してあげないと。
――ねえ君、お名前は? お父さんお母さんはどうしたの?」


挿絵(By みてみん)
董白とうはく
「ぐすん。あたしは董白だよー。
パパもママもおじい様も部下の人もみんな死んじゃったんだよー」


挿絵(By みてみん)
馬超ばちょう
「なんてことだ……ッ! もう心配いらないよ。
この馬超が君のことを守ってみせる!」


挿絵(By みてみん)
董白とうはく
「本当にー? じゃあおじい様たちの仇も討ってくれる?
呂布や曹操を殺してくれるー?」


挿絵(By みてみん)
馬騰ばとう
「!? 呂布や曹操がこんないたいけな少女の家族を……」


挿絵(By みてみん)
馬超ばちょう
「父ちゃん! 馬超はいま怒りに燃えているよ!
この子のために今すぐ呂布と曹操を討ち果たしに行こう!」


挿絵(By みてみん)
馬騰ばとう
「おう! よくぞ言った息子よ!」


挿絵(By みてみん)
龐徳ほうとく
「殿、若殿、お待ちあれ。
いくらなんでも吾らだけで攻め上がるのは無謀というものだ。
ご覧の通り今は偵察に出てきた吾ら4人しかおりませぬ」


挿絵(By みてみん)
馬騰ばとう
「ならば国に戻り兵を集めるぞ!」


挿絵(By みてみん)
龐徳ほうとく
「呂布はともかく曹操は皇帝陛下を擁している。
表立って歯向かうことはできない。
戦うならば、まず陛下を曹操から切り離すべきだ。
……それよりも先に、この娘を保護すべきだろう。
見れば疲れ果てているようだ」


挿絵(By みてみん)
馬騰ばとう
「ぬうう。確かにそうだな。
よし、国に帰り陛下を曹操のもとからお救いする計画を立てるぞ!」


挿絵(By みてみん)
馬岱ばたい
「……龐徳、いつもすまんなあ。
お前がいなけりゃわてら4人だけで
曹操と戦わされるところだったで」


挿絵(By みてみん)
龐徳ほうとく
「いいえ、殿や若殿の真っ正直さは尊重すべきものです。
時と場合により歯止めを掛けること、それが吾の役割だと考えます」


挿絵(By みてみん)
馬岱ばたい
「あいかわらず堅っ苦しいなあ。
ま、お前がいてくれてわては感謝してるんやで。
それだけは覚えとってな」


挿絵(By みてみん)
龐徳ほうとく
「ありがたきお言葉に存じます」


挿絵(By みてみん)
馬岱ばたい
「……ほんまに堅っ苦しいな」


~~~~~~~~~


かくして曹操は都に入り、覇権への足掛かりを手に入れた。
逆賊・李傕らは討たれ、曹操の覇道を脅かすものはないかに見えた。
その一方、南では超新星が輝きだそうとしていた。

次回 〇二一   孫策の逆襲
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