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アイコン三国志 作者:小金沢

第三章 人中の呂布

19/125

〇一八   強襲!人中の呂布

~~~濮陽ぼくよう~~~


挿絵(By みてみん)
夏侯惇かこうとん
「鉄球ごときで俺に勝てると思ったか!
俺に勝ちたきゃ呂布をつれてきな!」


挿絵(By みてみん)
高順こうじゅん
「くっ! これが夏侯惇か。なんという強さだ!」


挿絵(By みてみん)
張遼ちょうりょう
「どけ高順! オレがやってやらあ!」


挿絵(By みてみん)
郝萌かくぼう
「張遼待つですの。
まともに打ち合ったら夏侯惇ちゃんには勝てないですの。
そんな時は彼ですの。狙撃の名人、曹性ちゃーーん!」


挿絵(By みてみん)
曹性そうせい
「任せろ萌タン! 喰らえ夏侯惇!」


挿絵(By みてみん)
夏侯惇かこうとん
「ぐわあッ! ひ、左目を射抜かれたか……」


挿絵(By みてみん)
高順こうじゅん
「一騎討ちに水を差してすまぬな。
だがこれも戦いだ。――捕らえよ!」


挿絵(By みてみん)
夏侯惇かこうとん
「ちきしょう……」


~~~しょう~~~


挿絵(By みてみん)
程昱ていいく
「夏侯惇が捕らえられたじゃと?」


挿絵(By みてみん)
荀彧じゅんいく
「あはは。さすがは呂布軍、強い強い」


挿絵(By みてみん)
韓浩かんこう
「ずいぶんと余裕だな。何か策でもあるのか?」


挿絵(By みてみん)
荀彧じゅんいく
「いいえ、とんでもない。相手はあの呂布ですよ。
留守番の少ない兵力じゃ太刀打ちできません」


挿絵(By みてみん)
韓浩かんこう
「……せめてここから逃げ切れる策だけでも
出して欲しいものだな」


挿絵(By みてみん)
荀彧じゅんいく
「ああ、そのくらいならお安い御用です。典韋!」


挿絵(By みてみん)
典韋てんい
「呼んだが? ジュンイグ?」


挿絵(By みてみん)
荀彧じゅんいく
「いいか典韋。
この線から先に、敵を通すな。一人もだぞ」


挿絵(By みてみん)
典韋てんい
「わがっだ!」


挿絵(By みてみん)
荀彧じゅんいく
「じゃあ後は典韋に任せて我々は逃げましょう。
殿も徐州から戻っていると連絡が入りました。
まずは殿と合流です」


挿絵(By みてみん)
程昱ていいく
「あ、あ奴は大丈夫なのか?」


挿絵(By みてみん)
成廉せいれん
「いたぞ! 逃がすな!」


挿絵(By みてみん)
荀彧じゅんいく
「そら典韋! 線を踏んだぞ!」


挿絵(By みてみん)
典韋てんい
「ごのおぉぉぉぉぉ!!」


挿絵(By みてみん)
成廉せいれん
「こ、これは……短刀? 短刀を連射しているのか?」


挿絵(By みてみん)
郝萌かくぼう
「と、とても近づけないですの!」


挿絵(By みてみん)
高順こうじゅん
「落ち着け。短刀など無限に持っているわけではない。
投げ切った所に攻め込めば……」


挿絵(By みてみん)
典韋てんい
「ぞらぞらぞらぞらぞらぞら!!」


挿絵(By みてみん)
張遼ちょうりょう
「……今度は石ころを投げ始めたぜ。
しかも短刀と変わんねー威力だ」


挿絵(By みてみん)
成廉せいれん
「い、石が無くなったら我が軍の兵を投げています」


挿絵(By みてみん)
呂布りょふ
「gfkkl;f778zcx!」


挿絵(By みてみん)
陳宮ちんきゅう
「彼に関わるのはやめなさい! 彼を迂回して進むのです!」


挿絵(By みてみん)
典韋てんい
「あれ? えーど。
線のずっど向ごう側を通られぢゃっだら、どうずんだろ?
……ジュンイグに聞いでごよう」


~~~しょう 呂布軍~~~


挿絵(By みてみん)
薛蘭せつらん
「今日は大活躍だったな曹性!
あの夏侯惇を捕らえちまうなんてよ!」


挿絵(By みてみん)
曹性そうせい
「ひゃっひゃっひゃっ。夏侯惇なんて大したことなかったぜ。
俺が左目を射抜いてやったら、ヒイヒイ泣いてやがった!
そう考えると夏侯惇に苦戦してた高順も、
実は大したことないんじゃねえかって――」


挿絵(By みてみん)
薛蘭せつらん
「ゲェェッ!?」


挿絵(By みてみん)
曹性そうせい
「んん? なんだよ、変な声を出して後ろを指差して。
後ろに何がいるってん――」


挿絵(By みてみん)
夏侯惇かこうとん
「左目を返せ」


挿絵(By みてみん)
曹性そうせい
「ば、バカな!? どうやって牢屋を抜け出したんだ!」


挿絵(By みてみん)
夏侯惇かこうとん
「抜け出すのなんかどうってことはねえ。
お前を探すほうが骨が折れたぜ。
――で、誰がヒイヒイ泣いてたって?」


挿絵(By みてみん)
薛蘭せつらん
「た、助けてくれええっ!!」


挿絵(By みてみん)
曹性そうせい
「お、おい、俺を置いて逃げるなよ。や、やめろ夏侯惇。
ヒイイイイイイイイ!!」


挿絵(By みてみん)
夏侯惇かこうとん
「左目を引っこ抜いただけで泣き叫んでんじゃねえよ。
……ったく。死にやがったぜこいつ。
目ん玉一つがそんなに痛いかねえ」


~~~しょう 曹操軍~~~


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「僕が戻るまでよく持ちこたえてくれたね。礼を言うよ。
なあに、奪われた城は取り戻せばいい。被害が最小限でよかったよ」


挿絵(By みてみん)
夏侯惇かこうとん
「…………」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「なんだい夏侯惇君。
男前になったからって、それを見せつけないでくれたまえ」


挿絵(By みてみん)
夏侯惇かこうとん
「俺はもとから男前だ!」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「冗談だよ、そう怒るな。
自分で脱出して、ついでに左目の仇も討ってくるなんて
さすが夏侯惇君だ」


挿絵(By みてみん)
夏侯惇かこうとん
「フン。そんなことより呂布軍はどうする。
俺を捕らえるような強者ぞろいだぜ」


挿絵(By みてみん)
郭嘉かくか
張邈ちょうばく


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「そう、厄介なのは呂布軍の強さだけじゃない。
呂布軍が張邈君の大軍を擁していることだ」


挿絵(By みてみん)
荀彧じゅんいく
「それならば、張邈と呂布を切り離しましょう。
もともと張邈は殿と同盟を結んでいましたし、臆病な性格です。
今回もきっと、呂布に無理強いされて兵を挙げたのでしょう」


挿絵(By みてみん)
程昱ていいく
「離間の計か。ワシの得意とするところじゃな。
任せてくれれば、百の計略で
張邈と呂布を疑心暗鬼に陥れて見せよう」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「いや、それには及ばない。
ここに来る途中に、北の空を見てきた。
僕らが動かずとも、天が張邈君の裏切りを許さないようだ」


挿絵(By みてみん)
曹洪そうこう
「どういうことだ?」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「つまり、これから忙しくなるのは
君や曹仁君、夏侯淵君じゃない。韓浩君、君だよ」


挿絵(By みてみん)
韓浩かんこう
「俺が? ……そうか、読めたぞ。イナゴだな」


挿絵(By みてみん)
曹操そうそう
「そう、イナゴの大群が北からやってきているんだ。
イナゴは張邈君の兵糧を食い尽くすだろう。
だが僕らは屯田策で大量の米を蓄えておいたし、
もともと民兵の青州黄巾軍は、イナゴの害をさほど受けはしない。
僕らが手を下すまでもなく、これで呂布君の快進撃はおしまいさ」


~~~しょう 呂布軍~~~


挿絵(By みてみん)
呂布りょふ
「…………jhfhsfal;990」


挿絵(By みてみん)
陳宮ちんきゅう
「私の故郷にはこのような虫はいませんでした。
彼らはまるで悪魔です。
それともこれは、天が私に怒っているのでしょうか。
ミスター張邈を無理やり動かし、戦いへと向かわせた私にです」


挿絵(By みてみん)
張遼ちょうりょう
「おいおい大将、しっかりしてくれよ。
これは天意なんかじゃねーよ。
単なる虫だ。虫がお天道様の使いのわきゃねーだろ」


挿絵(By みてみん)
高順こうじゅん
「ああ、虫がたまたま通りかかっただけだ。
そこに誰かの意思は介在していない」


挿絵(By みてみん)
薛蘭せつらん
「もともと小勢の俺らは、
多少の兵糧を失っても影響は無いけどよ……」


挿絵(By みてみん)
張邈ちょうばく
「……………………」


挿絵(By みてみん)
張超ちょうちょう
「……………………」


挿絵(By みてみん)
張遼ちょうりょう
「立ったまんま失神してんなこりゃ」


挿絵(By みてみん)
高順こうじゅん
「無理もない。張邈殿らの軍は壊滅的状態だ。
仲間同士で兵糧の奪い合いも始まっているらしい」


挿絵(By みてみん)
郝萌かくぼう
「もう張邈ちゃんたちの兵は借りられないですの。
ぼくらだけで曹操ちゃんと戦うことになるですの」


挿絵(By みてみん)
侯成こうせい
「黒山賊だって、俺たちだけで倒したんだ。同じことだろ」


挿絵(By みてみん)
呂布りょふ
「fghjsdkals;;999」


挿絵(By みてみん)
陳宮ちんきゅう
「いいえ。それは違います。
ミスター曹操とブラックマウ……黒山賊は比べ物になりません。
ミスター曹操はずっと強いのです。
我々だけでは勝てないでしょう」


挿絵(By みてみん)
高順こうじゅん
「どこかに落ち延びるしかあるまい」


挿絵(By みてみん)
張遼ちょうりょう
「つくづく根無し草だなオレらは。
で、今度はどこに行くよ?」


挿絵(By みてみん)
呂布りょふ
「ldghalsda98810」


挿絵(By みてみん)
陳宮ちんきゅう
「徐州の領主はとても心の広い方だと聞きました。
彼を頼りましょう」


挿絵(By みてみん)
成廉せいれん
「なるほど。我々が曹操の背後を攻めたおかげで、
徐州が救われた面もあります。受け入れてくれるかも知れませんね」


挿絵(By みてみん)
呂布りょふ
「mvklzxiaso81cvjk」


挿絵(By みてみん)
陳宮ちんきゅう
「ミスター張邈、ミスター張超、とてもお世話になりました。
あなた方ご兄弟の親切は忘れません。どうかご無事で」


挿絵(By みてみん)
張邈ちょうばく
「……………………」


挿絵(By みてみん)
張超ちょうちょう
「……………………」


~~~徐州じょしゅう~~~


挿絵(By みてみん)
張飛ちょうひ
「だからこの予算はこっちに回して、ここを削ればいいのよ。
まったく帳面も満足に書けないのかしらここの連中は」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「徐州に来て以来、張さんはイキイキしとるのう」


挿絵(By みてみん)
簡雍かんよう
「姐御肌の世話好きな性格だからな。
徐州はだらしない連中ばかりでうれしいんだろ」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「曹操軍が引き上げてからも、
なんやかやと手伝ってるんじゃから驚くわ」


挿絵(By みてみん)
陳珪ちんけい
「劉備殿! 張飛殿! 陶謙様がお呼びです」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「おう、陶さんは寝込んでたけど大丈夫か?」


挿絵(By みてみん)
陳珪ちんけい
「実はそのことで……とにかくお越しくだされ」


~~~徐州じょしゅう 陶謙の寝室~~~


挿絵(By みてみん)
陶謙とうけん
「ほっほっごほげほ。年は取りたくないものだな、劉備殿。
単なる風邪をこじらせて、このザマじゃ」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「おいおい、起き上がらんで寝とくんじゃ。
それで、わしらに何の用じゃ」


挿絵(By みてみん)
陶謙とうけん
「他でもない、私が死んだ後のことだ。私はもう長くあるまい。
だが曹操は引き上げただけで脅威は去っておらんし、
何より私には跡継ぎがない。そこで、だ」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「そ、そこで?」


挿絵(By みてみん)
陶謙とうけん
「誰にこの徐州を任せればいいかを、私はつぶさに観察してきた。
皆をまとめる統率力、豊富な知識、曹操の大軍にも引かない武勇、
その全てを兼ね備えたのは一人しかいない」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「いやあ、そこまで褒められたら照れるのう」


挿絵(By みてみん)
陶謙とうけん
「私の亡き後、どうか徐州の刺史になってくれ……張飛殿」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「                         」


挿絵(By みてみん)
張飛ちょうひ
「………………え? アタイ?」


挿絵(By みてみん)
簡雍かんよう
「まあ、そりゃそうだろうな」


挿絵(By みてみん)
糜竺びじく
「はっはっはっ。張飛殿ならば我々に異存はありませんよ」


挿絵(By みてみん)
孫乾そんけん
「徐州は張飛殿に救われたようなものですからな」


挿絵(By みてみん)
曹豹そうひょう
「陶謙様、ご安心下さい。我々が張飛殿を支えます」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「………………」


挿絵(By みてみん)
張飛ちょうひ
「なんだいなんだいアタイをそんなに持ち上げちゃってさ。
アタイはそんな大した人間じゃありゃしないよ。
でも、そこまで言うんだったらアタイも女さね。
腹をくくって、この徐州を守ってやろうじゃないの!」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「………………」


挿絵(By みてみん)
関羽かんう
「めでたい」


挿絵(By みてみん)
張飛ちょうひ
「おっ。関羽、やっとまともなこと言ったじゃないの!」


挿絵(By みてみん)
劉備りゅうび
「………………わしが張さんの家臣に……」


~~~~~~~~~


かくして張飛は新たなる徐州刺史となった。
一方、献帝は董卓に続き李傕らによって傀儡の座についていた。
だが幼き皇帝は、胸にある決意を秘めていた。

次回 〇一九   献帝脱出
+注意+
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