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アイコン三国志 作者:小金沢

第十章 秋風五丈原

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一〇三   第三次北伐

~~~蜀 成都~~~


挿絵(By みてみん) 張苞ちょうほう
「へへ……俺としたことがドジっちまったぜ……」


挿絵(By みてみん) 星彩せいさい
「いくら殿軍を任されたからって張り切り過ぎなのさ。
曹真軍の追撃を退けて、調子に乗って逆に追い掛けたら
落馬したんだって? 馬鹿ねえ」


挿絵(By みてみん) 関興かんこう
「………………」


挿絵(By みてみん) 星彩せいさい
「関興の思ってる通り、今はゆっくり休んどきなよ。
あたいは看病に残るし、関興があんちゃんの分もがんばるからさ」


挿絵(By みてみん) 張苞ちょうほう
「ああ……。すまねえな……」


~~~蜀 成都 軍議場~~~


挿絵(By みてみん) 高翔こうしょう
「思ったよりも張苞は重傷のようだな」


挿絵(By みてみん) 張翼ちょうよく
「ええ。趙雲将軍も静養のため、
馬雲緑もその看病で次の遠征には出られないでしょう」


挿絵(By みてみん) 呂義りょぎ
「早くも第三次の北伐が決まったが、我々の戦力は低下する一方だな……」


挿絵(By みてみん) 馬忠ばちゅう
「何を弱気なことを! そうやって座っているから余計なことを考えるのだ!
体を動かせ! 汗をかけ! そうすれば万事がうまく行く!」


挿絵(By みてみん) 王平おうへい
「てやんでい! どこのどいつが弱気になったって?
汗でもなんでもかいてやろうじゃねえかこのすっとこどっこい!」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「………………」


挿絵(By みてみん) 呉懿ごい
「おや、どうされましたか姜維さん? 顔色が悪いようですが」


挿絵(By みてみん) 呉班ごはん
「姜維さん、様子がおかしくねえですかい?
いつもならこのへんで難解なツッコミでも入れるとこなのに」


挿絵(By みてみん) 陳到ちんとう
「呉班殿の言う通りだ。
姜維殿、もしや趙雲殿のことを気に病まれているのでは?」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「…………力が欲しい。目の前の誰かを傷つけさせない力が」


挿絵(By みてみん) 陳到ちんとう
「趙雲殿が貴殿をかばって負傷したのを気に病むことはない。
もしかばえずに貴殿が負傷していれば、その時は趙雲殿が悔やまれていただろう。
趙雲殿は貴殿を救えて満足している。貴殿は趙雲殿の分も戦えばよいだけだ」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「………………」


挿絵(By みてみん) 陳到ちんとう
「気に病むのは、別任務についていて趙雲殿をかばえなかった拙者だけでよい」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「……理解しよう。理屈ではなく、心で」


挿絵(By みてみん) 尹賞いんしょう
「自分勝手な俺様ヤローだった姜維が変わったものだな」


挿絵(By みてみん) 梁緒りょうしょ
「んだ。趙雲将軍は姜維が初めて
一騎打ちで勝てなかった相手だ。尊敬してんだ」


挿絵(By みてみん) 梁虔りょうけん
「――おや? ハカセが軍議場に来るとは珍しいな」


挿絵(By みてみん) 馬鈞ばきん
「楊儀クンはいるかネ?」


挿絵(By みてみん) 楊儀ようぎ
「これは博士、お呼びだてしてくだされば出向きましたものを」


挿絵(By みてみん) 馬鈞ばきん
「出掛ける前に寄ったんダ。
ワタシは都に上がるから、今後のギヱンの運用はキミに任せるヨ」


挿絵(By みてみん) 楊儀ようぎ
「は?」


挿絵(By みてみん) 馬鈞ばきん
「陳倉の戦いで新兵器がミンナ失敗したろう?
益州にいたのではこれ以上の研究は進まない。
ヤハリ最新の技術と知識に触れなくてはネ。
そういうわけでワタシは都へ行く。後は任せたヨ」


挿絵(By みてみん) 楊儀ようぎ
「そ、そういうことでしたら私も同行させてください!」


挿絵(By みてみん) 馬鈞ばきん
「キミもギヱンも官職をもらってるんだからそんな無責任なことはできないヨ。
それにキミもそろそろ独り立ちする時期だ。
ワタシから離れ、キミはキミの研究を進めなさい」


挿絵(By みてみん) 楊儀ようぎ
「は、博士……。
わかりました! この楊儀、全身全霊をかけて
博士をも驚かせるような成果を挙げてみせます!」


挿絵(By みてみん) 馬鈞ばきん
「うんうん。それじゃあ諸君、サヨナラ」


挿絵(By みてみん) 廖化りょうか
「身体にお気をつけください!」


挿絵(By みてみん) 張嶷ちょうぎょく
「息災」


~~~蜀 成都 玉座の間~~~


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「フハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」


挿絵(By みてみん) 譙周しょうしゅう
「………………」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「フハハハハハハハハハハ!
実に愉快だ。なんと面妖な。なんと滑稽かつ不気味な面相だ。
譙周とか言ったな。気に入った。貴様も劉禅の補佐につけてやろう」


挿絵(By みてみん) 譙周しょうしゅう
「ぼ、ぼくちんをそのような大役に……。
あ、ありがとうございます諸葛亮様!!」


挿絵(By みてみん) 董允とういん
「…………顔だけで決められたのは気のせいですかな」


挿絵(By みてみん) 劉禅りゅうぜん
「なあなあ諸葛亮。
お前がくれた新しい出師の表なんだけど、よく意味がわかんないぞ。
なんかやたら言い訳がましいし、知らない名前がたくさん出てくるし」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「はあ? 余は新たに出師の表など書いてはおらぬ」


挿絵(By みてみん) 劉禅りゅうぜん
「へ? でもほら、後出師表こうすいしのひょうって書いてあるし――」


挿絵(By みてみん) 蔣琬しょうえん
「テッテレー! ドッキリ大成功!!」


挿絵(By みてみん) 劉禅りゅうぜん
「わあびっくりした!!」


挿絵(By みてみん) 尹黙いんもく
「し、し、蔣琬殿! 玉座の間の床をくりぬいて現れるとは――」


挿絵(By みてみん) 蔣琬しょうえん
「おじさん、昨晩から徹夜して穴掘りしました。モグラと友達になったんですよ。
さっきお腹空いたから食べちゃったけど」


挿絵(By みてみん) 郭攸之かくゆうし
「そ、それで朝議に姿が見えなかったのか……」


挿絵(By みてみん) 蔣琬しょうえん
「で、その後出師の表はおじさんが書いたものでした!
よく書けてるでしょそれ」


挿絵(By みてみん) 劉禅りゅうぜん
「書けてないよ。支離滅裂じゃん。
陽羣、馬玉、閻芝、丁立、白寿、劉郃、鄧銅とか誰なんだ?」


挿絵(By みてみん) 蔣琬しょうえん
「おじさんの小学校の頃の同級生です」


挿絵(By みてみん) 尹黙いんもく
「ず、頭痛が……」


挿絵(By みてみん) 向寵しょうちょう
「-・・・・・・-・・-・・・-(馬鹿め)」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「フハハハハハハハ! 楽しそうではないか劉禅。
貴様の周りにこやつらを配してやった甲斐があった」


挿絵(By みてみん) 劉禅りゅうぜん
「うん。おかげで毎日退屈してないよ。
――でさ、出師の表は偽物だったけど、北伐は本当にやるんだろ?
戦力は減ってるみたいだけど大丈夫なのか?」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「魏や呉と比べれば蜀は人口も文化も経済も何もかも劣っている。
人材もまたしかりだ。
だが全知全能の余にかかれば問題ではない。たとえば――」


挿絵(By みてみん) 陳式ちんしき
「し、失礼します! 申し上げます!
呉の孫権が新たに皇帝を名乗りました!」


挿絵(By みてみん) 来敏らいびん
「なんじゃと? 孫権の小僧までもが皇帝を名乗るとは……。
まるで皇帝のバーゲンセールじゃな」


挿絵(By みてみん) 劉禅りゅうぜん
「ふ~ん。まあ別にいいんじゃない?
呉は蜀より国力は上なんだしさ。
わしが皇帝名乗れるなら孫権だって名乗れるんじゃね?
で、諸葛亮。話が途中だったけど」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「――たとえば余の話をくだらぬ報告でさえぎったこの者。
この者を名将に仕立てあげてやろう」


挿絵(By みてみん) 陳式ちんしき
「………………え?」


~~~魏 長安~~~


挿絵(By みてみん) 孫礼そんれい
「諸葛亮率いる蜀軍が再び北上を開始しました。
どうやらガァァオ!山に布陣したようです。
失礼、祁山きざんに布陣したようです」


挿絵(By みてみん) 曹真そうしん
「性懲りもなくまた来たか! 今度こそ頭から丸かじりにしてやる!」


挿絵(By みてみん) 郭淮かくわい
「先鋒は本官にお任せください! 諸葛亮に手錠を掛けてやりましょう!」


挿絵(By みてみん) 杜襲としゅう
「待て。敵は大軍だ。我々の戦力だけでは心もとない。
亡くなられた曹仁将軍に代わり荊州都督に任じられた
司馬懿の兵も動員する許可を得ている。至急、援軍を請おう」


挿絵(By みてみん) 曹真そうしん
「だが皇帝を僭称しやがった孫権が、勢いに乗って遠征を企んでると聞くぞ。
荊州の防備を緩めて大丈夫か?」


挿絵(By みてみん) 杜襲としゅう
「荊州方面は曹仁将軍や徐晃が亡くなり、将よりも兵力を増強している。
司馬懿を出撃させても曹洪将軍がいれば問題なかろう」


挿絵(By みてみん) 戴陵たいりょう
「小難しい話はやめようぜ。要は蜀軍をさっさと撃破して、
司馬懿をさっさと荊州に帰せばいいんだろ」


挿絵(By みてみん) 張郃ちょうこう
「もしくは我々だけで蜀軍を破ればいいだけのことだ」


挿絵(By みてみん) 楽綝がくちん
「同意する」


挿絵(By みてみん) 曹真そうしん
「……まったく頼もしい奴らだ。
よし、行くぞ! 蜀軍を一気に平らげてやろう!」


~~~蜀 北伐軍~~~


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「張郃、郭淮に杜襲か。定軍山を思い出すな。
あの時は法正ごときが夏侯淵を討ち取った。
ならば余の手にかかれば曹叡くらい討ち取れるであろう」


挿絵(By みてみん) 黄月英こうげつえい
「曹叡は都にいるからさすがの御主人様でも無理です」


挿絵(By みてみん) 李恢りかい
(右将軍なら呪いとか使えばいけるのでは……)


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「李恢」


挿絵(By みてみん) 李恢りかい
「は、はい! なんでもありません!」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「呆けている暇があったら後方に兵糧の催促をしろ。
長雨でもないのに輸送が遅れている」


挿絵(By みてみん) 李恢りかい
「はッ。李厳、いや李平がまた横着しているようです。すぐに手配いたします。
…………それで右将軍。戦のほうはいかがなさいますか。
郭淮の兵が迫っているそうですが」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「小細工などいらぬ。このまま前進せよ」


挿絵(By みてみん) 李恢りかい
「たしかに兵力では我々が勝りますが……。
相手は曹真です。何か策を秘めていると思いますが」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「ほう。余が無策で戦に臨むと思うのか」


挿絵(By みてみん) 李恢りかい
「滅相もない! あ、あくまで一般論を申し上げただけです」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「一般論か。貴様ら凡俗にはお似合いの言葉だ。
見ていよ。クックックッ……。半月もあれば魏軍はおのずと崩壊するであろう」


~~~魏 曹真軍~~~


挿絵(By みてみん) 曹真そうしん
「後方の武都ぶと陰平いんぺいを蜀の別働隊に落とされただと?
くそ! 諸葛亮の本隊をおとりにしやがったのか!」


挿絵(By みてみん) 孫礼そんれい
「武都と陰平を攻略したのはワォォォォォン!だそうです。
失礼、陳式という将だそうです」


挿絵(By みてみん) 戴陵たいりょう
「……虎ってワォォォォォンって鳴くっけか?」


挿絵(By みてみん) 杜襲としゅう
「陳式……。かつて黄忠の部下にそんな名前がいたな。
そんな大役を任せるとは、ひとかどの将に育ったのか」


挿絵(By みてみん) 張郃ちょうこう
「武都も陰平も戦略的には大した重要性はない。
だが部隊を背後に回されたのは厄介だな」


挿絵(By みてみん) 司馬懿しばい
「お、遅くなりました!
台風と突風と竜巻と嵐に襲われ到着が遅れました!
そのうえ怪我をして動けなくなっているお年寄りを百人ほど救助していたのです!
本当です! 信じてください!」


挿絵(By みてみん) 曹真そうしん
「予定より一日遅れただけだろ。
荊州からここまで来ればそのくらい許容範囲だ。気にするな」


挿絵(By みてみん) 司馬懿しばい
「おお……。曹真将軍の祁山よりも高く長江よりも深いお慈悲に感謝いたします!」


挿絵(By みてみん) 杜襲としゅう
「お前の援軍が来てくれればいくらでも巻き返せる。頼りにしているぞ」


挿絵(By みてみん) 司馬懿しばい
「こ、この司馬懿 仲達ちゅうたつ、不惜身命、誠心誠意、全身全霊をかけて――」


挿絵(By みてみん) 杜襲としゅう
「司馬懿は放っておいて話を戻すぞ。
蜀軍の泣き所は兵站だ。持久戦に持ち込めば必ず奴らは撤退する。
だがそれでは決定的な打撃を与えられず、奴らは何度でも戻ってきてしまう」


挿絵(By みてみん) 曹真そうしん
「西部戦線を守るだけならそれでも十分だ。
しかしできることなら、蜀軍に二度と立ち上がれないほどの痛手を負わせたいな」


挿絵(By みてみん) 張郃ちょうこう
「……だがそうなるとますます武都や陰平を落とした理由がわからない」


挿絵(By みてみん) 曹真そうしん
「どういうことだ?」


挿絵(By みてみん) 張郃ちょうこう
「先にも言った通り、武都や陰平は小都市で、多くの兵は駐屯できまい。
せいぜい我々を牽制することしかできないし、得られる軍需物資もわずかだ。
諸葛亮ほどの切れ者が、なぜそんな策を打った?」


挿絵(By みてみん) 曹真そうしん
「……諸葛亮のやることには必ず裏がある」


挿絵(By みてみん) 杜襲としゅう
子午谷しごこくを抜け、長安を急襲する恐れはないか?
あるいは街亭がいていを奪回に向かうか」


挿絵(By みてみん) 曹真そうしん
「諸葛亮は一か八かの博打はしない。どちらも可能性は薄いだろうな」


挿絵(By みてみん) 張郃ちょうこう
「ならば――」


挿絵(By みてみん) 郭淮かくわい
「曹真将軍! 一大事であります!」


挿絵(By みてみん) 曹真そうしん
「郭淮? 蜀軍と対峙していたお前がなぜここにいる?」


挿絵(By みてみん) 郭淮かくわい
「そ、その蜀軍が全軍撤退しました!
武都と陰平も軍需物資と民だけを接収し、放棄したようです。
追撃しようにも本官らの行く手を阻むように
暴風雨が続いておりまして、どうすべきか判断を仰ごうと――」


挿絵(By みてみん) 曹真そうしん
「諸葛亮め……。まさか二郡を落としただけで満足したのか?
それとも大雨を察知し、これ以上の対陣は無駄だと考えたのか?」


挿絵(By みてみん) 杜襲としゅう
「……おそらく街亭、陳倉ちんそうと連敗していた蜀軍は勝利を欲したのだろう。
ここで引き上げれば、戦果の大小はともかく勝利という結果は得られる」


挿絵(By みてみん) 曹真そうしん
「あの諸葛亮がそんな小さな勝利を求めただけ? そんな馬鹿な話があるか!」


挿絵(By みてみん) 郭淮かくわい
「……本官も同意見であります。撤退したと見せかけて奇襲を仕掛けてくるやもしれません」


挿絵(By みてみん) 張郃ちょうこう
「いずれにしろ追撃は控えたほうが良いだろうな……」


~~~蜀 北伐軍~~~


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「目的は果たした。これ以上の長居は無用だ」


挿絵(By みてみん) 李恢りかい
「いささか驚きましたぞ。
武都と陰平の軍需物資を奪っただけで右将軍が満足されるとは。
……あ、いや! 決して右将軍が欲深いと申したいわけではなく――」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「黙れ。武都と陰平などどうでもよい。
目的の一つはこの陳式とかいう醜男を名将に仕立てあげたことだ」


挿絵(By みてみん) 陳式ちんしき
「わ、私ですか……?」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「今後はこの戦力外にして構想外の男を動かすだけで、魏軍は戦々恐々とするだろう。
それだけで牽制や陽動になる」


挿絵(By みてみん) 陳式ちんしき
「こ、光栄です……と言うべきでしょうか?」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「貴様ごときには分不相応な名声であろう。
もう一つの目的は、陳倉を落とすことだ」


挿絵(By みてみん) 李恢りかい
「え? ち、陳倉を落とされたのですか? いつの間に?
それに陳倉はあの郝昭かくしょうが守っていたのでは?」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「郝昭は死んだ。余に奇跡的な勝利を収めた功で都に上がり、
任地に戻る前に病死したのだ。留守の間に姜維に陳倉を落とさせた」


挿絵(By みてみん) 李恢りかい
(呪いとか使ったのだろうか……。
だいたいその情報をどこから仕入れたのだ?)


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「余に不可能はない」


挿絵(By みてみん) 黄月英こうげつえい
「ネタバレすると全国をふらふらしてる諸葛均から仕入れたです」


挿絵(By みてみん) 李恢りかい
「…………と、とにかく郝昭が死に、陳倉を落とせたことは僥倖ですな。
これで作戦の幅が広がります」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「馬鹿め。陳倉など郝昭が守っていなければただの古城だ。
それにこちらも一将を失った」


挿絵(By みてみん) 李恢りかい
「え?」


挿絵(By みてみん) 張翼ちょうよく
「う、右将軍! 都の星彩から急報です!
負傷により療養していた張苞が、な、亡くなったと……」


挿絵(By みてみん) 関興かんこう
「!!」


挿絵(By みてみん) 廖化りょうか
「ち、張苞が……。ちきしょう! なんてことだ!」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「フン。また戦力のやりくりが面倒になったな。
だがそれよりも大きな問題がある。次の北伐では、膿を出すことになるであろうな」


~~~~~~~~~


かくして第三次北伐は蜀軍の小さな勝利に終わった。
しかし張苞を失い、蜀軍の戦力は低下する一方。
魏軍も兵の損耗は少なく、まだまだ戦況は芳しくなかった。

次回 一〇四   獅子身中の虫
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