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アイコン三国志 作者:小金沢

第十章 秋風五丈原

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一〇二   趙雲子龍

~~~魏 曹真軍~~~


挿絵(By みてみん) 曹真そうしん
「罠だな」


挿絵(By みてみん) 郭淮かくわい
「ええ、罠でありましょうな」


挿絵(By みてみん) 費耀ひよう
「しかしこの手紙は姜維本人が書いたようですが……?
姜維と同郷の者に解読させ、ようやく寝返りを報せる内容だとわかったくらいですし」


挿絵(By みてみん) 曹真そうしん
「それはなんの不思議もない。本当に姜維が書いたんだろうよ。
つまり、姜維が寝返るって話が罠だってんだ」


挿絵(By みてみん) 費耀ひよう
「…………ですが、もしこれが真実ならば一気に蜀軍を撃破できますぞ」


挿絵(By みてみん) 郭淮かくわい
「馬鹿な! こんな与太話を信じることなどできるか!」


挿絵(By みてみん) 費耀ひよう
「ならば私の手勢だけでも出撃させていただきたい。
もし姜維が本当に寝返れば、私の手勢だけで十分に戦えます」


挿絵(By みてみん) 曹真そうしん
「……お前が死ぬとわかっていて、みすみす罠に掛かれと命令しろと?」


挿絵(By みてみん) 費耀ひよう
「はい、命令していただきたい」


挿絵(By みてみん) 曹真そうしん
「………………すまん。行ってくれるか」


挿絵(By みてみん) 費耀ひよう
「ありがとうござりまする!
――よし、行くぞ万政!」


挿絵(By みてみん) 万政ばんせい
「!? だ、第一回選択希望選手……万政!?」


挿絵(By みてみん) 費耀ひよう
「ここでお前も手柄を立てれば、趙雲を逃がした雪辱が果たせるぞ。
それでは曹真将軍、行って参ります!」


~~~斜谷やこく~~~


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「海老で鯛を釣る……逆もまた然り、か」


挿絵(By みてみん) 梁緒りょうしょ
「んだ。曹真を引っ掛けるつもりが費耀が掛かっちまったぞ」


挿絵(By みてみん) 費耀ひよう
「やはり罠であったか……。
万政! お前だけでも逃げろ!」


挿絵(By みてみん) 万政ばんせい
「第二回選択希望選手……万政! 退却高校!」


挿絵(By みてみん) 馬雲緑ばうんりょく
「させへんで!」


挿絵(By みてみん) 馬岱ばたい
「ええで雲緑! そらっ!!」


挿絵(By みてみん) 万政ばんせい
「だ、第三回選択希望選手……万政! 討ち死に大学ぅぅ!!」


挿絵(By みてみん) 費耀ひよう
「ば、万政! く、くそ。ここまでか……」


挿絵(By みてみん) 王双おうそう
「費耀殿! 助けに参ったぞ!」


挿絵(By みてみん) 費耀ひよう
「お、王双!? い、いかん。ここは危険だ! 近づくな!」


挿絵(By みてみん) 魏平ぎへい
「俺も費耀さんの意見に賛成だぜ。
ここまでは付き合ってやったが、これ以上は御免だ。
アンタも早いとこ逃げたほうがいい」


挿絵(By みてみん) 王双おうそう
「いや、俺の流星鎚ならばこの距離でも……届く!
ぬぅぅぅぅぅぅぅん!!」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「あれは……流れ星?」


挿絵(By みてみん) 趙雲ちょううん
「砲丸ッスよ! 危ないッス!!」


挿絵(By みてみん) 馬雲緑ばうんりょく
「あ、あんた! 今は駄目や!」


挿絵(By みてみん) 王双おうそう
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああッッッ!!!」


挿絵(By みてみん) 趙雲ちょううん
「ぐわぁっ!!」


挿絵(By みてみん) 梁虔りょうけん
「ち、趙雲将軍!!」


挿絵(By みてみん) 尹賞いんしょう
「趙雲将軍が被弾した……?」


挿絵(By みてみん) 魏平ぎへい
「す、すげえ。この距離から姜維に直撃コースだったぜ。
趙雲がかばってなきゃ討ち取れてたな」


挿絵(By みてみん) 魏延ぎゑん
「オォォォォォォォォォォン!!」


挿絵(By みてみん) 魏平ぎへい
「や、やべえ王双! 背後に魏延が来てるぞ!」


挿絵(By みてみん) 王双おうそう
「ぐううっ!!」


挿絵(By みてみん) 費耀ひよう
「お、俺を助けるために砲丸を投げたから王双は丸腰に……」


挿絵(By みてみん) 王双おうそう
「かすり傷だ。今行くぞ費耀殿!」


挿絵(By みてみん) 費耀ひよう
「…………これ以上、貴殿らを危機にはさらせない。
王双殿! 魏平殿! 俺は自害する! 今のうちに逃げられよ!」


挿絵(By みてみん) 魏平ぎへい
「ひ、費耀! 馬鹿な真似は――――。
馬鹿が……。自害するくらいなら蜀に降伏すりゃいいだろうが……」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「費耀すでに死す。王双まさに討つべし」


挿絵(By みてみん) 魏平ぎへい
「王双! 早く逃げろ! 費耀の死を無駄にするつもりか!
こ、この化け物め! 王双から離れやがれ!」


挿絵(By みてみん) 魏延ぎゑん
「グウゥゥゥゥゥゥゥゥウ!」


挿絵(By みてみん) 趙雲ちょううん
「待つッスよ……」


挿絵(By みてみん) 馬雲緑ばうんりょく
「あんた! 動いたらあかん!」


挿絵(By みてみん) 趙雲ちょううん
「雲緑、そこをどくッス。やられっぱなしじゃ収まらないッスよ!
うおおおおおおおおっ!!」


挿絵(By みてみん) 王双おうそう
「ぐわあああああっ!!
お、俺の流星鎚を受けて……さ、さすがは趙雲、だ……」


挿絵(By みてみん) 魏平ぎへい
「王双!! ちっきしょう……兵だけでも逃がさねえとな。退却するぞ!!」


挿絵(By みてみん) 趙雲ちょううん
「へへっ……。自分にも、まだこれくらいは……できるッスよ……」


挿絵(By みてみん) 馬雲緑ばうんりょく
「あ、あんた! しっかりせえ! あんたーーッ!!」


~~~蜀軍 本陣~~~


挿絵(By みてみん) 李恢りかい
「敵将の費耀、万政、王双を討ち取り、
多数の敵兵を降伏させましたが、趙雲将軍が重傷を負われたそうです。
百を超える戦場でかすり傷ひとつ負ったことのない将軍が負傷されるとは驚きました」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「馬鹿めが。こうなることはわかっていたはずだ」


挿絵(By みてみん) 李恢りかい
「は? わかっていた?」


挿絵(By みてみん) 趙雲ちょううん
「ウス。わかっていたッスよ……」


挿絵(By みてみん) 鄧芝とうし
「ししし将軍! おおおお体に障りますからどうか動かずに……」


挿絵(By みてみん) 趙雲ちょううん
「もういいッス。自分はこれまでッスから、諸葛亮先輩と話したいんス」


挿絵(By みてみん) 馬雲緑ばうんりょく
「………………」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「貴様は昨日で九十九歳になったそうだな。ならば当然の結果だ」


挿絵(By みてみん) 趙雲ちょううん
「さすが諸葛亮先輩は全てお見通しッスね。
最後に昔話をさせて欲しいッス……」


~~~常山郡じょうざんぐん 真定しんてい~~~


挿絵(By みてみん) 北斗ほくと
「ほうほう。右上スミ小目か。ならばこう受けよう」


挿絵(By みてみん) 南斗なんと
「14ノ五カ……。ソウ来ルト思ッテイタゾ。コレデ詰ミダ」


挿絵(By みてみん) 北斗ほくと
「これは驚いた。その手があったか。全く気づかなかった」


挿絵(By みてみん) 南斗なんと
「暇ヲ持テ余シタ」


挿絵(By みてみん) 北斗ほくと
「神々の」


挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん)
「碁」


挿絵(By みてみん) 趙顔ちょうがん
「………………」


挿絵(By みてみん) 北斗ほくと
「それで、お主は何者じゃ」


挿絵(By みてみん) 趙顔ちょうがん
「あ、き、気づいていらっしゃったッスか」


挿絵(By みてみん) 南斗なんと
「横カラ急ニ酒ヤラ料理ヤラ出サレテ気ヅカナイワケガアルカ。我々ハ神ダ」


挿絵(By みてみん) 趙顔ちょうがん
「じ、自分は趙顔っていう近くに住んでる村人ッス。
た、単刀直入に言うッスよ。自分の寿命を延ばして欲しいッス!
有名な占い師に、自分は十九歳で死ぬと言われたんス!
しかも明日で十九歳になるんスよ!!」


挿絵(By みてみん) 北斗ほくと
「人の寿命がわかる占い師というと……さては管輅かんろか?」


挿絵(By みてみん) 南斗なんと
「北斗ヨ。管輅ハマダ生マレテオラヌ」


挿絵(By みてみん) 北斗ほくと
「そうじゃった。今は西暦149年じゃったな。全く気づかなかった」


挿絵(By みてみん) 南斗なんと
「暇ヲ持テ余シタ」


挿絵(By みてみん) 北斗ほくと
「神々の」


挿絵(By みてみん) 挿絵(By みてみん)
「メタ発言」


挿絵(By みてみん) 趙顔ちょうがん
「…………ええと、話を続けていいッスか?
その占い師さんの言うには、お二人にお願いすれば、
自分の寿命を延ばしてもらえるそうなんスが」


挿絵(By みてみん) 北斗ほくと
「いかにも。わしは人の死を司り」


挿絵(By みてみん) 南斗なんと
「ワタシハ人ノ生ヲ司ル」


挿絵(By みてみん) 北斗ほくと
「人の寿命を延ばすも縮めるも自由自在じゃ。うらやましいか?」


挿絵(By みてみん) 趙顔ちょうがん
「うらやましいッス! ぜひその力を使ってなんとかお願いするッスよ!
母は昨年亡くなったッス。病気の親父を一人おいて自分も死ぬなんて……」


挿絵(By みてみん) 南斗なんと
「ナント言ワレヨウト人ノ寿命ハ定メラレタモノ。ソノ摂理ハ曲ゲラレヌ」


挿絵(By みてみん) 北斗ほくと
「南斗よ。なんとと言ったのは駄洒落か?」


挿絵(By みてみん) 南斗なんと
「ソンナツモリハナイ。全ク気付カナカッタ」


挿絵(By みてみん) 北斗ほくと
「暇を持て余した」


挿絵(By みてみん) 南斗なんと
「神々ノ」


挿絵(By みてみん) 趙顔ちょうがん
「そこを曲げてなんとかお願いするッスよ!!」


挿絵(By みてみん) 北斗ほくと
「人の身でわしらの決め台詞を妨害するとは小癪な……」


挿絵(By みてみん) 南斗なんと
「ダガ北斗ヨ。我々ハモウ賄賂ヲ受ケ取ッテシマッタ」


挿絵(By みてみん) 北斗ほくと
「わしは受け取るつもりはなかった。
南斗がうまいうまいと食べるからいけないのだ」


挿絵(By みてみん) 南斗なんと
「北斗ヨ。オ前ノホウガ多ク食ベテイタハズダガ?」


挿絵(By みてみん) 北斗ほくと
「本当か。全く気づかなかった」


挿絵(By みてみん) 南斗なんと
「暇ヲ持テ余シタ」


挿絵(By みてみん) 北斗ほくと
「神々の」


挿絵(By みてみん) 趙顔ちょうがん
「それはもういいッスよ!」


挿絵(By みてみん) 北斗ほくと
「下界の者にはウケぬのか……。まあよい。趙顔と言ったな。
……なるほど。確かにお前の寿命は十九とこの帳面に書いてある。
その上に九を書き足してやろう。これでお前の寿命は九十九じゃ」


挿絵(By みてみん) 趙顔ちょうがん
「九十九!? そ、そんなに大盤振る舞いしてくれるんスか!」


挿絵(By みてみん) 南斗なんと
「十九年モ九十九年モ我々ニトッテハ大差ナイ。マバタキノ間ニ過ギユク」


挿絵(By みてみん) 趙顔ちょうがん
「…………あのう。ちょっと聞きたいんスが、
自分は何があっても九十九まで生きられるんスか?」


挿絵(By みてみん) 北斗ほくと
「生きられる。
刀で斬られようと槍で突かれようと、お前の体は自然に動き危機を防ぐ。
さながら雲のごとく、斬れども断てず突けども貫けぬのじゃ」


挿絵(By みてみん) 趙顔ちょうがん
「雲のように……」


挿絵(By みてみん) 南斗なんと
「立チフサガル者アレバ適当ニ槍ヲ繰リ出シテミヨ。
アラユル防御ヲスリ抜ケ、オ前ノ槍ハ敵ヲ朱ニ染メルダロウ」


挿絵(By みてみん) 趙顔ちょうがん
「無敵じゃないッスか!
ただ寿命を延ばしてくれただけじゃなくて、
そんなすごい力をくれるなんて――。あざーす!!」


挿絵(By みてみん) 南斗なんと
「……北斗ヨ。サービスシスギタノデハナイカ。人ノ手ニハ余ルチカラダ」


挿絵(By みてみん) 北斗ほくと
「確かに。全く気づかなかった」


挿絵(By みてみん) 南斗なんと
「暇ヲ持テ余シタ」


挿絵(By みてみん) 北斗ほくと
「神々の」


挿絵(By みてみん) 趙顔ちょうがん
「まるで生まれ変わったような気分ッス!
これから自分は雲のように生きるッスよ! 名前も趙雲に改名するッス!」


挿絵(By みてみん) 北斗ほくと
「……まあよい。直すのも面倒じゃ。九十九年、好きに生きるがいい」


挿絵(By みてみん) 趙雲ちょううん
「この力、必ず正しいことに使うッスよ!
早速、親父に報告してくるッス! 本当にあざーっした!!」


~~~蜀軍 本陣~~~


挿絵(By みてみん) 李恢りかい
「          」


挿絵(By みてみん) 鄧芝とうし
「し、し、将軍の人間離れした強さにそんな秘密が隠されていたなんて……」


挿絵(By みてみん) 趙雲ちょううん
「それから八十年、自分は不死身の体に驕らず、腕を磨いてきたッス。
全ての他人を先輩と思い、年齢に関わらず
いつまでも後輩のつもりでいようと心がけたッス。
でも本当の自分は、王双に不覚を取る程度の実力だったみたいッスね……」


挿絵(By みてみん) 馬雲緑ばうんりょく
「そんなことあらへん!
九十九のジジイが敵将を討ち取るなんてあんたにしかでけへんで!
黄忠はんや厳顔はんにだって無理やったんや!」


挿絵(By みてみん) 趙雲ちょううん
「ありがとう雲緑……。
あと数年で死ぬとわかってる自分と結婚してくれて感謝してるッス」


挿絵(By みてみん) 馬雲緑ばうんりょく
「年数なんて関係あらへん。
ウチは世界一の旦那と結婚できて幸せやった!」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「ああ、寒い寒い。
こんな場面を余に見せつけるために来たのか? よそでやれよそで」


挿絵(By みてみん) 趙雲ちょううん
「サーセン。……劉備先輩や関羽、張飛先輩もみんな亡くなり、
自分にとって諸葛亮先輩は一番古い付き合いッス。
いろいろ話したいことがあったッスが……。
いざこうなると、何から話せばいいかわからないッス」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「余は貴様と話すことなど特段ない。帰れ」


挿絵(By みてみん) 趙雲ちょううん
「ウス。北伐もまだ道半ばだというのに、
ここで離脱することだけ、詫びさせてくださいッス」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「確かに貴様が抜ければ戦力は大幅に落ちる。余の面倒を増やしおって」


挿絵(By みてみん) 趙雲ちょううん
「諸葛亮先輩がこんなに褒めてくれるなんて……。長生きしてよかったッスよ。
今までお世話になりました! あざーす!!」


挿絵(By みてみん) 馬雲緑ばうんりょく
「………………」


挿絵(By みてみん) 李恢りかい
「…………そ、それにしても驚きました。
五虎大将、最後の一人も落ちる、か。
一つの時代が終わったような気がします」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「馬鹿な。一将ごときに時代が作れるものか。
……まあ、あれほど馬鹿げた強さならば、物語くらいは作れるだろうがな」


挿絵(By みてみん) 鄧芝とうし
「こ、後世の人々は趙雲将軍の強さをきっと信じられないでしょうな」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「フン。その目で見たものしか信じられぬ愚者には、
趙雲の姿は絵空事と映るだろう。
彼奴の名は物語に閉じ込められ、歴史の表舞台に立つことはない」


挿絵(By みてみん) 李恢りかい
「おお……。左将軍はそれほどまでに趙雲将軍を買っておられたのですな」


挿絵(By みてみん) 諸葛亮しょかつりょう
「凡人の中ではマシだと言ったまでだ。
――さっさと趙雲と馬雲緑の部隊を張翼、呉班に引き継がせよ。
曹真の追撃を受ける前に退却する」


~~~魏 陳倉~~~


挿絵(By みてみん) 杜襲としゅう
「蜀軍は撤退したそうだな。
我々が援軍に来るまでもなかったようだ。陛下も喜ばれているぞ」


挿絵(By みてみん) 曹真そうしん
「だが陛下にお預かりした多くの将兵を失ってしまった!
蜀軍を丸呑みしてやると豪語しておきながら
このザマ……自分が不甲斐ない!」


挿絵(By みてみん) 郭淮かくわい
「いいえ! 曹真将軍が指揮を取られたから、
これだけの被害で済んでいるのであります!
それに結果的に2度にわたり蜀軍を撃退しているではありませんか!」


挿絵(By みてみん) 郝昭かくしょう
「確かに多くの将を失ったが、それは曹真将軍の責任じゃあねえ。
功に逸った彼らの自己責任だろうよ」


挿絵(By みてみん) 杜襲としゅう
「子飼いの副将を多く失ったと聞いている。
補充の将を連れてきたから紹介しよう」


挿絵(By みてみん) 孫礼そんれい
「孫礼と申します。陛下の近衛兵を務め――ガアォ!
……失礼した。狩りのさなかに陛下を襲った虎を仕留めて以来、
どうも虎の霊に祟られたらしい」


挿絵(By みてみん) 戴陵たいりょう
「戴陵だ! 陛下が狩りにばっかり行ってるもんだから、
遊んでる暇があったら仕事しろと諌めたら、前線に飛ばされちまった。
はっはっはっ! まあよろしくやってくれ」


挿絵(By みてみん) 楽綝がくちん
「楽綝だ。父は楽進だ。以上だ」


挿絵(By みてみん) 杜襲としゅう
「……ちょっと曲者ぞろいだが、腕は保証しよう。
私も参謀として今後は世話になる。よろしく頼む」


挿絵(By みてみん) 曹真そうしん
「ああ、ありがたい。
今回も蜀軍に決定的な打撃を与えることはできなかった。
奴らは必ずやまた現れる。その時こそ一呑みに平らげてやる!!」


~~~~~~~~~


かくして五虎大将・最後の一人趙雲の命数は尽きた。
二度目の北伐も失敗に終わったが、蜀軍・魏軍ともに兵の損耗は少ない。
諸葛亮は早くも第三次の北伐へと乗り出そうとしていた。

一〇三   第三次北伐
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