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番外編 千歳の日記

◯月1日


ご主人様に召喚して頂き副官の地位を得ることが出来た。


感無量である。しかし緊張のあまり失礼な口を利いてしまったのが悔やまれる。


嫌われてしまっていないかが、気がかりだ。


今後はこのような失態をせぬように気を付けねば。


万が一、失態を犯しご主人様の側に居られないとなれば(ご主人様に嫌われたら)私は生きていけないのだから。


それに、ご主人様のお役に立つためにもこの地位は誰にも渡さない。


ご主人様の隣は私のモノ。


誰にも渡さない、奪おうとする輩は……。


◯月2日


召喚から数十時間、危なかった。


ご主人様がもう少しで魔物の手に掛かる所だった。


やはりご主人様の側から離れるべきでは無かった。


これからは片時も離れないようにせねば。


……初陣を終えたご主人様が昂っているようだ。


これは……チャンス。


こんなにも早く寵愛を受ける機会が巡ってくるとは私は運がいい。


全身全霊を持ってご主人様の昂りを収めなければ……しかし、こういう事をするのは初めてなので何人か巻き込むことにしよう。


◯月4日


凄かった……。


初めは数で勝る我々が優勢だったが、拘束の解かれたご主人様が攻勢に出ると我々は1人また1人と徹底的に嬲られ失神してしまった。


不甲斐ない自分を恥じるばかりである。


次からはご主人様の寵愛にお答え出来るようにせねば。


しかし、心も体もご主人様のモノになったからか、体調がすこぶるいい。


これもご主人様成分をタップリ補給出来たからなのだろうか?


……次回が待ちきれない。


◯月5日


本拠地となる島を定め要塞化を開始したのだが、今日は信じられない事があった。


兵士を追加で召喚するついでに、ご主人様が私を副官の地位から外そうとしたのだ。


私の体を心配して頂くのはありがたいが、だからと言って副官の任を解かれるのは絶対に了承出来ない。


誠心誠意の説得で回避出来たが……これは……夜もじっくり“お話”せねばならないだろう。


◯月8日


本拠地の要塞化が順調に進んでいる。


ただ兵士が足りないのが悩みの種だ。


どうにかならないものか。


ご主人様も兵士不足に悩んでいるご様子。


……私の体で癒して差し上げねば。


◯月9日


また失神してしまった。


……次回こそは。


◯月17日


武器兵器の生産ラインが稼働を開始した。


これで非常時にも武器兵器に困ることはない。


……ご主人様が召喚能力の使い過ぎで疲れている模様。


何とかせねばなるまい。


とりあえず食事に精力剤を混ぜておいた。


◯月19日


最後まで耐えたと思ったら「少し激しくするぞ」と言われ結局、失神させられてしまった。


残念。


◯月29日


ようやくご主人様の寵愛に最後まで耐えれるようになった。


私も成長しているな、と思う。


……だが、ご主人様の寵愛を受ける度に力が増していくような気がするのは何故だろう?


試しにご主人様に頼んで私のレベルを見てもらったら他の兵士の2倍のレベルになっていると驚かれた。


解せぬ。


△月1日


いよいよ本格的にこの世界に関与していく事になった。


これから先、何が待ち受けているのか分からないので、ご主人様の為に滅私奉公の覚悟を新たにする。


出発してすぐに魔物に襲われている者達を救出。


どこぞの王国の者だと言っていたが、どうもきな臭い


手を貸す分には構わないが、万が一ご主人様に色目を使うようならば……消えてもらうことにする。


△月2日


最悪である。


私の予感が的中した。厄介な事に巻き込まれてしまったし、何よりご主人様に虫が集りだした。


あの小娘をどうにかしないと。


しかし、大自然に囲まれたテントの中で寵愛を受けるのはいつもと感じが違って良かった。


……幾人かの女騎士に気付かれていたのは不覚だが。


△月3日


異世界で初めての街に到着。


私を含め、兵士も皆浮かれていたせいか、ご主人様がコッソリと逃げ出していた事に気が付かず。


慌てて探すと、すぐに見付かったから良かったものの……。


ご主人様の消息が分からなくなったと知った時には心臓が止まるかと思った。


しかし、消息が分からなくなっていた3〜4時間の間、ご主人様は何をしていたのだろうか?


「観光」と言ってはいたが、ご主人様の身体から私の知らない女の匂いがした。


夜に問い詰めてみることにする。


△月4日


昨日の事を問い詰めようとしたら強引に事に及ばれ聞けなかった。


ただ……強引にされるのも、いい。


△月5日


カナリア王国の王都に向け移動中。


ご主人様に集る虫――あの小娘の態度が目に余る。


お優しいご主人様は小娘の境遇を聞いて優しく接するように心掛けているようだが、気が付いておられるのだろうか。


小娘の目に色欲の色が滲んでいることを。


ご主人様を男として意識していることを。


どうにかしてあの小娘を遠ざけないと。


△月6日


昼食の休憩が終わり移動を再開しようとした時、突然小娘がジープに乗り込もうとしてきた。


しかも、私の指定席であるご主人様の隣に。


信じられない。


すぐにメイドを呼び、馬車に放り込ませた。


△月7日


昼食の準備が終わったので、ご主人様の食事を取りに行き戻ると小娘がご主人様の膝の上に座ろうとしていた。


なんて、うらや――けしからん。


すぐにメイドを呼び、小娘を回収させた。


△月8日


この所、小娘がずっとご主人様の側にいる。


そのせいで、2人っきりになれない。


魔物の仕業に見せ掛けて―――しまおうか。


△月9日


もう我慢の限界だ。


あろうことか深夜にあの小娘がご主人様と私の天幕に入って来た。


すぐに追い出したが、もう寵愛を受ける事が出来る空気では無かった。


この怨み……必ず晴らす。


△月10日


カナリア王国の王都に到着。


ご主人様が他種族の女共に興味を抱いたご様子。


後で手配しておこう。


冒険者ギルドでまた騒ぎを起こしてしまい、ご主人様に注意される。


だが、ご主人様専用のこの体に触れようとした塵芥が悪いのであり私は悪くない。


架空の名義で手に入れた屋敷にご主人様をお連れした。


その時に手配しておいた奴隷の女共を献上。


ご主人様も喜んでいるご様子。


少し引き吊った笑いだったのが気にかかるが、まぁいい。


ご主人様に喜んで頂くためにもこれからも進んで女を献上することにする。


そうすれば私の株も上がるし、ご主人様もお喜びになる。


うむ、良いこと尽くしである。



……日記はここで途切れている。

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