これは二次製作ゼロの使い魔SSです。UP者の独断と偏見、面白ければ良しと言う劇薬と原作キャラ崩壊をUP者の愛で煮た闇鍋です。
楽しく転生29
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Another side
カツカツカツとペンを走らせ、積み上げられた書類を仕上げていく。
「まったく、書類仕事は面倒ですね~」
などと思っていると、
ガチャ……。
「ルーティア、ちょっと今いいかし……って、なにかぶってるの?」
あ、コレですか? 演劇で黒子さんが顔を隠すために被る帽子の様な物です。それと、ルーティアは今不在です。
「なに言ってんのよ? 今私の目の前に……遍在?」
私が肯くと、エレオノール姉様はディテクトマジックでその真偽を確かめ、ガックリとうなだれた。
いや~、フィールドワークが多いから遍在を習ったまでは良かったんです。ですが、遍在はどれが本体か見分けは付かないし……。なので、執務室にいる偏在が直ぐに遍在だと分かる様に、黒子さんが顔を隠す帽子の様な物を着けさせる事にしたんです。
「まいったわね~。本体との連絡は……」
「出来なくはありませんが……緊急事態ですか?」
「う~ん、そんなんじゃないんだけど……。ほら、この前クランが持ってきた陸上走行型甲冑箒ってあったじゃない? それの試作品が出来て、その試験結果が出たんだけど……」
あぁ、アークビートル・カオスを見たクランさんが立ち上げた企画ですね? アレから飛行能力をと四次元格納庫を取り外して、代わりに武装を長距離砲と白兵戦用に刀剣を装備させた……いわば劣化版アークビートル・カオスですね。完成すれば、地上からの支援が期待できると思っていましたが、
「それで、どんな結果が出たんですか?」
「えぇ、その事でちょっと意見が聞きたかったのよ。
ま、とりあえずコレを見てみて……」
そう言ってエレオノール姉様から渡された報告書に目を通していきます。
「……これは、笑った方がいいのかな?」
「それは私も悩んだわ。でも、悩むのも面倒だから笑うことにしたわ」
それは一枚の写真。戦車形態のアーク・ダッシュが、その立派な角をを地面に突き刺して垂直に立っているという構図の写真です。そんな写真が十数枚も報告書には入っていました。
「どうがんばっても、走行中の急停止やらなんかでつんのめってこうなるのよ。
……酷い時にはそのままひっくり返って大惨事」
「う~ん、バランスの問題ですね。
そもそも、胴体がこの形状でなくてもいい訳ですし……」
あ、色々と問題発言? でも、劣化版には荷電粒子砲――と言う名の雷撃砲を載せないので、角は完全に飾りですし……。
「あ、あと白兵戦装備もいらないかも。
角が邪魔で剣が使えないって苦情も来てるわ」
まぁ、元となったKBTタイプは射撃主体ですからね~。
「分かりましたエレオノール姉様。後で本体に連絡して解決案を届けに行きますね?」
とりあえず、軸を射撃主体と格闘主体で別けてみる案をだしてみますか。
「分かったわ。それじゃお願いね?」
さて、私も残りの仕事を……って、エレオノール姉様?
「ん? あ、美味しく頂いてるわよ?」
エレオノール姉様は、プチーズさん達に入れてもらった紅茶とお菓子を頬張っています。と言うより、仕事大丈夫なんですか?
「大丈夫よ。
ちゃ~んと必要な作業は他の研究員に割り振ったし、私自身が直接やらなきゃいけない事はそれの報告をまとめる以外ないわよ」
そうですか、まぁそれなら……。
ガチャ、
「あら、カトレアにルイズ?」
「ちぃねえさまにルイズお姉様?」
「長期休暇だから帰ってきたんだけど……あら、ルーティアちゃんはお出かけ中?」
「そう、ここにいるのは遍在」
「そうなの? ……クランもいないみたい。もう、ルー達ったらなんで肝心な時にいないのかしら!!」
あらあら、にぎやかに成りましたね~。仕方ありません……、私はペンを置くと追加のコップとお茶請けを出して休憩する事にした。
*
こちらメイドのクラン・ベル……誰に言っているんでしょう?
まぁいいです。さて、私はルーティアお嬢様の使いで白の国――アルビオンまで箒で飛んで来たのですが、
「すみません、シティー・オブ・サウスゴーダはどう行けばいいでしょうか?」
目的地までの道が分かりません。
「? あぁ、それならその街道を……」
「ありがとうございます。では」
ルーティアお嬢様、もうちょっと情報収集しましょうよ? コレの届け先が『アルビオンのサウスゴーダ地方に住むハーフエルフのティファニア嬢』だけでは分かりませんよ? 仕方ないので地図を片手に通りがかった人に道を聞きながら目的地であるモード公の屋敷へと向かいました。
そして某日、私はやっと見つけたモード公の屋敷に忍び込む事に成功したのです!
「……きっとルーティアお嬢様なら『こちらスネーク、進入に成功した』などと言うんでしょうか?」
うん、きっと言いますね。
タタタタ、
……時刻は日もまだ昇らぬ早朝、見回りのメイドをやり過ごした私はモード公の寝室を目指しています。とにかく、誰にも見つからないように屋敷の中を進む事が重要。潜入ミッションでは基本中の基本。どこぞの00ナンバーみたいに派手な銃撃戦はナンセンスです。
さて、目的地であろう屋敷の最も奥にある寝室のドアを開けて……、
「……はれ? どうされたのですか?」
……あれ、女の子?
「し、失礼しました。
部屋を間違えたようです。
お嬢様は、もう少しお休みになっていてください」
「そうですか、お休みなさい……zzz」
……ちょっと奥に来過ぎたようですね。いつの間にか、屋敷の離れまで来ていまったようです。
そして、先程間違って入ってしまった部屋の中では、金髪に長い耳の女の子が寝ていました。おそらく、あの娘がルーティアお嬢様の言っていたティファニア嬢ですね?
「それにしてもあの娘、ルーティアお嬢様より胸の発育が良かった様な……」
確か、ルーちゃんより歳が下のはずなのに……コレもエルフの神秘ってやつですか? 青い小鳥亭で働いているハーフな方もエルフなのに胸が大きいですし……あれ? 覚えのない記憶が……電波?
と、いけないけない! 私は気を取り直すと、こんどこそモード公の寝室へと向かった。場所は魔法で半分眠らせたメイドの一人に部屋の場所を確認したので、今度は大丈夫です。
「だ、だれだ!?」
「お静かに」
念のために結界――いつの間にか使える様になっていた月匣をこの部屋に張っているので、騒がれても問題はありません。でも、冷静であった方がこの後の話がしやすい。
「モード公であられますね?」
「だとしたら、どうする?」
「私はあるお方からの使いで、モード公にこちらの手紙を秘密裏に届けに参ったしだいです」
そう言って月衣から取り出した手紙――小包を渡しますが……、
「誰が送ってきたか分からぬ封書を、そう簡単には開けられん」
ごもっとも。花押も押されていない封書ですからね。もし毒でも入っていたら大変です。お嬢様も一度その手に引っかかって開けてしまいましたし……。
「では、私めが開封させていただきます。
それをもってして、安全を確認してください」
「……いや、そう言ってオヌシごと無理心中させると言う腹積もりやもしれん」
「なるほど……。
ですが、我が主は是が非でもこの小包の中の手紙と、贈り物を受け取っていただけたいのです。
……そう、アナタが隠している妾のエルフと、その愛の結晶たる娘――ティファニア嬢のために」
私がそう言い終わると、モード公は顔を真っ青にして杖を向けてくる。
「つ、妻と娘はわたさん! わたさんぞ!!」
「杖を納めてくださいモード公、だれも奪うとは言っておりま……」
「エアカッター!」
私の言葉も聴かず、風の刃を放つモード公。私はやれやれと思いつつ、
パリーン!
「な!?」
モード公の放ったエアカッターを、ハマノツルギで打ち砕いた。
「まったく、こちらの話を聞いて欲しいものです。
モード公、杖を納めてください。
これ以上錯乱されるようでしたら、日を改めますが?」
口をパクパクとさせて……モード公はまともに話が出来るような状態ではないようです。
「はぁ……これなら、先程お会いする事の出来たティファニア嬢にわたした方が良かったでしょうかお嬢様?」
「な!? て、テファに会ったと言うのか!!」
あらいけない。口が滑ったようですね。でも、これは利用できる?
「……えぇ、お会いました。
寝ぼけていたようですが、とても可愛らしいお嬢様ですね?」
「……なぜ殺さなかった?」
「言いませんでしたか? 私は、我が主より贈り物を届けに着ただけだと……。
彼女達を奪いに来たわけでも、モード公を暗殺しに来たわけでもございません」
モード公はしばし考え込むようにした後、
「……信用した訳ではない。だが、一度その贈り物――密書を読んで見よう」
「ありがとうございます。どうぞ……」
モード公は無地の花押を破ると、小包の中に入っていた手紙を読み始めた。そして、見る見るうちに顔を真っ青にさせて行き……。
「ココに書かれていることは真か?」
「はい、我が主から聞き及んだところ、あのお二方を火種として王位転覆を狙う戦が高い確率で起こるという見通しであります」
「ワシの粛清の理由を明かせぬが故の不満による反乱に、エルフを妾にとり子を成した事による国の分裂……。
どちらに転んでも、あの子たちには不幸な未来しかないというわけなのか?」
「ご理解が早く助かります。
すでに、アルビオン各地で災いの火はくすぶり始めております。その最大の着火点として利用されるのがモード公、あなた達であると我が主は見定めました。
ですが、我が主はもう一つの道を用意しました」
「……それが、このフェイスチェンジのマジックアイテムか。
コレを使い、あの娘達を衆人の目の届く場所に出す事で、妾のエルフ疑惑を解消せよと……」
「はい、もし何か疑惑をもたれても、それは奥方様達の美貌を羨んでの嫉妬と一蹴するもよし。王族に根回しをするもよし。危なく成れば……」
私は杖を取り出すと、水を使って『トリステイン王国、ド・ラ・フォンティーヌ領』と空中に書き記し、
「こちらへとお逃げください。そちらの方でも、対策を行っています」
「……分かった。考えておく」
ふぅ、これで任務完了。
私はそのまま寝室の窓から失礼して、箒に乗って出て行きます。
「さて、適当に着替えてアルビオン観光でもして帰りましょう。
お嬢様、おみあげは何が良いですか?」
遠く、ガリアで暗躍(?)しているルーティアお嬢様に問いかけた。
*
ワシは、見慣れぬマジックアイテムに跨り窓から出て行った珍客が、一瞬だが魔女に見えてしまった。
「だ、旦那様!? もう起きられていたのですか?」
「ん? あぁ、今日は早く起きてしまってな……」
そう言えば、エアカッターっで切れたはずの床の絨毯が元どうりになっている。どの様な魔法を使ったかは知らんが……もしかしたら、あのメイドもエルフなのかもしれん。
「……そう言えば、名前を聞いていなかったな」
「はい?」
「いや、独り言だ。それよりも着替えと朝食を用意しろ」
「「か、畏まりました!」」
ふぅ……後でこのマジックアイテムを渡しに行くか。……そうだ。顔が少し代わるから、テファが姉の様に慕っているサウスゴーダの娘も一緒のほうがいいかもしれんな。
そう思いつつ、ワシは寝室を後にした。
Another side end
*
今回は日常編+クランさんのお使いと言うお話で……。
何気に、オリ主が出ていなません(遍在はいたけど、独立型なので別人)。黒子帽子を被ったのは個人的な趣味です。
最近出てなかったルイズとカトレアさんをもっと出したかったけど、この時点で書く事がないので日常編はここでカット……。
オリ主のネタ兵器、劣化版で正式配備を進めることにしました。
「空を飛ぶだけが箒じゃない!」
と、頭の螺子が外れた感じの人が叫んだ気がします。
モード公が、いやにあっさりと説得された事に不満をもたれる方も多いでしょうが……テファさんと会ったと言えば、何とかなるかなーと言う感じに仕上げました。
モード公説得は一話でまとめましたが(特にやることが浮かばなかったので)、ガリア組みはやってみたい事があったのでそれを仕込んでいこうかと……。
それではまた次回! ノシ
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