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 これは二次製作ゼロの使い魔SSです。UP者の独断と偏見、面白ければ良しと言う劇薬と原作キャラ崩壊をUP者の愛で煮た闇鍋です。
楽しく転生19
 結局、あの後お母様と何か話す事もなく、粛々と夕食は終わった。
 今は、ルイズお姉様と一緒に私の部屋にいる。
 病人の様にやつれたルイズお姉様をベッドに寝かせ、眠るように促す。だけど、ルイズお姉様は、
「まだ、今日習った範囲を復習し終えてないから寝れないわ。
 それに明日の分も予習しないと……」
 笑顔で自室に戻ろうとするルイズお姉様の後姿が、酷く脆く感じた。
 耐えかねた私は、ルイズお姉様を抱き閉めるとそのままベッドに押し倒す。そして、ルイズお姉様が何かを言う前に“節制の宝玉”の力で強制的に眠らせた。
「……大丈夫ですルイズお姉さま。
 大丈夫です……」
 一体何が大丈夫なのか? 自分で言っておきながら、自分に問いただしたくなってしまう。
 コン! コン!
 こんな時間にいったい……お父様? 他には……誰もいないようですね。
「どうかなさいましたか公爵様?」
「……2人は、まだ起きているか?」
 クランさんが少し空けたドアの隙間から、まだ明るい廊下の光が薄暗い部屋の中に差し込んできている。確かに、もう眠っているようにも見えなくはない。
「いえ、お二人とも……」
「クランさん、通していいですよ」
 私がそう言うと、クランさんは肯きスッとドアを開いた。
 部屋の中に入ってきたお父様の表情は、とても複雑そうで……怒っていたり、悲しんでいたり、悩んでいたりと言った具合に読み取りにくい。
「お父様、どうされましたか?」
「……いや、何から言ったらいいのか決めかねている。
 ……ルイズは、大丈夫なのか?」
「大丈夫……としか、今は言う事ができません」
「そうか……。
 ルーティア、父からの頼みだ。もうあの様な事はしないでおくれ」
 あんな事……お母様と杖を突きつけあった事ですね。
「……それは、難しい約束ですお父様」
「な……!?」
「私は、とても不器用です。
 話し合いの席で、頭に血が上って杖を抜いてしまうほどの不器用さです。
 ですから、もし約束を破ってしまった場合には、愚かな私をしかってください。お願いします」
「……はぁ、まったく……。ルイズもそうだが、ルーティアは私たちに似て融通が利かないようだ」
「はい、私達はお父様とお母様の娘ですから!」
 無い胸を精一杯張って言った。ってお父様、そんなに肩を落とさないでください。
 私は、お母様が嫌いなわけじゃない。もう少しだけ、ルイズお姉さまにやさしくして欲しいのだ。
「……お母様の教育方針が間違っていると、否定したいわけではありません。
 ただ、ルイズお姉さまが倒れている時、言葉の鞭を振るうのではなく、抱きしめてあげて欲しい。もう一度立ち上がれるように支えて欲しい……それが私の望んでいる事ですお父様」
 “節制の宝玉”の力で、泥の様に眠るルイズお姉様を撫でながら、私は自分の思っていることをお父様に打ち明けた。
「……倒れても、もう一度立ち上がれるように……か」
「はい……」
 たぶん、お母様もそうしているのでしょう。でも、すれ違ってしまっている。





 翌朝。
 しっかりと眠ったおかげで、私はとても目覚めがスッキリです。
 横で寝ているルイズお姉様は、一晩中“慈愛の宝玉”の力を受けていたためか血色が十分に回復していた。
 私は、ルイズお姉さまを起こさないようにベッドを抜け出すと、いつ間にか控えていたクランさんがさささのさ~と着替えさせてくれる。前にクランさんが『優秀な執事やメイドさんには、主が必要とするまで決してその気配を悟らせない隠密能力ステルスが備わっているらしいですよ?』などと、某借金執事みたいな事をクランさんが言っていた気がします。何処で知ったんでしょうね??


 朝のまだ使用人以外は誰も起きてこないこの時間、ヴァリエール邸備え付けの練兵所の真ん中で私は待っていた。
 そして、
「ルーティア、構えなさい」
 魔法衛士マンティコア隊のマントを羽織り、顔の下を隠すマスクに騎士甲冑を着込み、レイピアのような杖剣を携えた……完全武装のお母様と対峙しています。
「……お母様、お待ちしていました」
 冷たい視線を送ってくるカリーヌお母様。するとお母様は、杖剣を構えて私にウィンドブレイクを打ってくる。狙いを甘くしているのか、少し避ければ当たらない。
「アナタに、母親(私)らしい教育をしてあげましょうと思い、この騎士甲冑を持ち出しました。
 さあ、構えなさいルーティア!!」
 私は、タケミカヅチ(斧形態)を月衣から引き抜き、そのまま下に下ろした。
「構える前に……お母様、一つお聴きたいことがあります」
「……なにかしらルーティア?」
「この教育は、昨日の事でのお母様の私怨から来るモノですか?」
「私怨? それは違いますルーティア。これは、教育です」
 教育……ね、
「……分かりましたお母様」
 私は、タケミカヅチを正段で構え、
「始めましょう、最初で最後、全力全開の話し合いを」
 12本のソード・オブ・ガーディアンを月衣から出現させ、翼のように浮遊させる。
 それを見たカリーヌお母様――いえ、烈風カリンは、杖剣に風を纏わせた。
 始めに動いたのは……私だ。
「ダンシング・エッジ!」
 12本のうち6本のソード・オブ・ガーディアンが、カリンお母様めがけ真っ直ぐに飛んでいく。それから少し遅れて、私も低空フライ(ガンダムのドムのような移動を想像してほしい)を使い、間合いを詰めていく。
「甘いですよルーティア!」
 向かってくる剣を、お母様は杖に纏わせただけの風で吹き飛ばした。もっとも、それくらい予想済みですよお母様。
 瞬動。
 ソード・オブ・ガーディアンが、お母様の作りだした風で吹き飛ばされる。
 私は、それらをとんぼ返りをしながら空中で見届けた。そして、ソードたちを吹き飛ばした風はそのまま先ほどまで私がいた場所を吹き飛ばしていく。
「それぐらい、分かっていますよ!
 行け!!」
 残していた4本のソード・オブガーディアンを打ち放つ。それらはお母様の左右から別々に襲い掛かった。
「くッ……!?」
 ガキ、ガキィィンッ!!
 空中でソードたちがぶつかり火花を上げる。
 お母様は、後ろに飛んでソードたちを回避していた。
「その程度で……」
「ハァァァァァ!!」
「ッ!?」
 だけど、それは次の攻撃のための布石。虚空瞬動が未だ不完全な私は、残していたソードを足場にして、4本のソードたちを避けたばかりのカリンお母様の懐に、瞬動で一気に切り込んでいった。
「甘い!!!」
 踏み込みが甘かった。細身の杖剣では斧形態のタケミカヅチを受け切れないと考えたのか、カリンお母様はとっさに杖に風を纏わせ、タケミカヅチを、いなした。先端に重量が集中する斧形態、さらに全力で振り下ろされたタケミカヅチは、そのまま地面を深くえぐった。
「これで……ッ!?」
 私が作ってしまった隙を付かれ、杖剣を振り下ろされる。
「まだです!!」
 だが、まだ引き下がるわけには行かない。タケミカヅチから左手を離し、空中に出現した柄を握り締める。そして、それを一気に引き抜くと、振り下ろされる杖剣を受けとめた。
「さすがお母様、この程度の小細工では虚もつけませんでしたね」
「……褒めても、手は抜きませんよルーティア?」
 ガキンッ! 受け止めていた杖剣が風を纏い、受け止めていたソードを撥ね退ける。私はそれを後方に跳んで回避した。
「一つお聞きしますお母様、なぜルイズお姉さまに優しくしてあげられないのですか?」
「私は、優しくしていますよルーティア?」
 弾かれた左腕が痺れる。それをタケミカヅチに添え直すと、
「なら、もっともっと優しくしてあげてください」
「……それは、私に勝ってから願いなさい」
「分かりました。では、是が非でも負けられませんね」
 唇をペロッと舐めると、私はソード・オブ・ガーディアン達を集結させた。
 お母様は風の偏在を唱え、その数を増やす。
 さぁ、ココからが本番だ。


Another side


 やけに朝から騒がしいな……。そう思ってベッドを抜け出し、メイドを呼んで何かあったのかを聞くと、
「お、奥様とルーティアお嬢様のお二方が、練兵場でた、戦っているんです!」
 戦っている? カリーヌとルーティアが?
「はい! 奥様は騎士甲冑を、きゃっ!!」
 くっ、何だこの揺れは!?
「えぇい! あの2人は何をまったく何をやっているんだ!!」
 長年愛用している杖を手に取り、寝巻きの上にマントを羽織る。カリーヌが騎士甲冑を持ち出したとなると……ワシと屋敷の衛兵達とで対処できるだろうか? もしかしたら軍隊を出さねばならないかもしれない。そう思いつつ、無理やり止めると後でどんな罰を与えられるかが頭を過ぎり、身が震えた。
「……ジェローム! 衛兵たちを集められるだけ集め、至急練兵所へ向かうぞ!!」
「はっ……ですが、奥様をお止になると」
「私だってカリーヌは怖い。だが、父親として止めねばならん!!」
 まったく、何で私はこうも妻に頭が上がらないんだ。
 




「あらあら……なんでしょう?
 お屋敷の方から煙が上がって」
「はぁ? カトレア、いったい何を……って、ええ!?」
 確かにお屋敷の方から煙が上がっていた。それを確認した次の瞬間、一筋の閃光がラ・ヴァリエール邸付近から空に向かって伸びていた。それから数瞬置いて雷が落ちたような音が辺りに響き渡ってくる。
「い、いったい何が??」
「お母様……でしょうか?
 昨日ルーティアちゃんが帰ってるはずだから、もしかしたら魔法を教えてるのかも」
 確かにお母様なら、風のスクウェアスペルの一つ、ライトニング・クラウドを使いこなせるが……。
「いくらなんでも、なんか変よ??」
 土煙が上がり、遠めに見ても分かるような大きな竜巻がそれを巻き上げている。地上から、空から閃光が走り雷鳴が鳴り響き、何かが爆発しているようにも見える。
「なんだか分からないけど、すっごくやな予感がするわ」
「エレオノール姉様、実は先ほどから私も……」
「屋敷に向かうわよカトレア!」
「えぇ、アストレア、セットアップ!!」
『いや~、久々の登場なのにコレで終わる気が(ry』





 我が娘ながら、恐ろしいと感じたのはコレが始めてだと思う。
 まだ未熟すぎる子供が親に反抗するなど、あってはならぬ事だと思い躾をしてあげるつもりだったが……、
「バースト・モード、セット! 雷撃砲、ファイエル!!」
「くっ!?」
 まるでカノン砲の砲撃……いやそれ以上だ。最初はライトニング・クラウドかと思ったが、発動している感覚があまりにも違う。あの魔法独特の冷却感や、空気の流れがまったく感じられない。
「まだです! 行け、ソード・オブ・ガーディアン! 錬金・爆破!!」
 私の周囲が突然吹き飛び煙が舞う。いったい何を錬金したのだ? いや、それよりも私の視界を奪えば攻撃が通るとでも思っているのですか?? 単調な動きをする剣を風で弾き飛ばし……な!?
「ライトニング・ブレード・ダンシング!!!」
 弾き飛ばしたはずの剣が、突然雷を纏った刃を噴出し剣戟を繰り出してくる。それだけではない。雷の刃を振り回す剣の間を、縫うように飛んでくる剣もある。全力のフライでそれらを回避し、避けきる事のできなかった物だけを杖剣で弾き飛ばした。
「この程度で墜ちま……」
「分かっていますとも!!」
 っ、何時の間に後ろに!?
「はあぁあぁぁ!」
「ストーム・ブレイク!!」
 咄嗟に複数の風の槌を竜巻のようにして放つ、ストーム・ブレイクでルーティアを弾き飛ばす。さらに、体制を立て直させまいと、偏在の一つが素早く呪文を詠唱する。
「カッター・トルネード!!」
 未だ空中できりもみ状態のルーティアに向けて、真空の刃を持った竜巻を放った。狙いたがわず竜巻はルーティアに向かっていくが……、
「グ……錬金・連爆!!!」
 竜巻の中で複数の爆発が発生する。爆発は竜巻を揺らし、バランスが崩れ崩壊していった。そんな方法が? 私は杖に神経を集中させ竜巻のバランスを持ち直させる。
 だが、その隙にルーティアは体勢を立て直し、剣をカッター・トルネードを迂回させて飛来させて来た。
「ブレイド!」
「ライトニング・クラウド!!」
 飛んできた剣をブレイドで弾き飛ばし、ライトニング・クラウドで受け止めながら回避する。
 よし、何本か折る事ができた。剣は、後何本残っている? ……それより、もう精神力が限界のようだ。前にこれほどまでの魔法を使ったのは何時だったか……。
「はは……、限界? 私は何を言っているのだ?
 火竜の群れを討伐した時よりも、吸血鬼の群れをなぎ払った時よりも……この程度のモノだったか烈風カリン?
 違うだろう!!」
 そうだ。決してこの程度ではない!
「……デル・ウィンディ……“ライトニング・ストーム!!!」
 私の中で、何か……箍の様な物が外れた気がした。
 使えるかどうかも分からない。そもそも呪文すら知らない、今思いついたばかりの魔法。だが、私には分かる。コレが私の力だ!!


Another side out


 お母様が、巨大な雷の嵐を作り出し私を取り囲む。
 こんな隠しダマを持っていたなんて……だが、私も負けられない。負けられないんだ!!
「はぁぁぁ!!」
 タケミカヅチ達にライトニング・ブレイド(完成版)を纏わせ、雷の嵐にぶつける。
「クッ、まだまだ……です!!」
 お母様も負けじと流し込む魔力を増加させてくる。
 まずい、もう……殆ど魔力が制御できない。
 お母様の力に押され、ソードたちは悲鳴を上げて弾け飛ぶ。
「負けま、せん!!!」
 ブレイドと嵐が接触した場所が、次々と小爆破を繰り返す。
 負けない!
 負けられない!
 勝って、お母様にもっと優しくしてもらうんだ!!
「うおぉぉおぉおぉぉ!!!」
「なっ!?」
 私は、タケミカヅチに取り付けていた結界炉に残りの風石を全て注ぎ込んだ。
 安全装置? そんなもの初めから無い! 引き金を引くたびの、風石の中に圧縮されていた魔力が急激に解き放たれる。そして、タケミカヅチから発せられるライトニング・ブレイドの密度が急激に高まっていった。
「うおぉぉぉぉおぉぉ!!」
 じりじりと、お母様の雷の嵐を押し返していく。
「あと、もう一歩ぉぉぉ!!!」
 ピシ……、
「え?」
 ピシピシピシ……。
 ま、まだだ……後ちょっとなんだ……!!
「あぁぁぁぁあああぁぁぁぁ!!!」
 思いの限りにタケミカヅチを振りぬき、お母様の嵐を一瞬だが弾き返す。
 だが、そこまでだった。
 タケミカヅチが、魔法に耐え切れず、内側から爆発する。
 そして、完全に押し返しきれなかった雷の嵐が私を襲い……、


 世界に紅き月が昇った。
 烈風カリンとの激闘です。
 
 
 カリンさんの実力がぜんぜんチートっぽくないのですが……そこは作者の実力不足です。  orz
 ちなみに、戦闘中オリ主は000の力をほぼ使用していません(“節制の宝玉”で000を押さえ込んでいないと勝手に発動しまうので)。純粋に人として、娘としてバトルしています……。
 

 執事は~……。
 某借金執事……と言うか、もう漫画や小説に登場する一流執事や一流メイドさん達に必須なスキルですね。知名度の高い作品はあの作品ですが。

 最初で最後、全力全開……。
 リリなの(無印)で、フェイトと全力勝負した時のセリフ……。若干うろ覚え。
 母と娘との全力バトルにはもってこいのセリフだと思い採用。


 いつもより多めでしたが、誤字や脱字などを見つけたらご指摘ください。
 感想も随時募集しております!!


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