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僕の憂鬱
作:黒暁


僕の朝は、この足音から始まる。

ドタドタドタドタ
来た!!

足音は、どんどん僕の方に近づいて来る。

来る!!
「パパ、おはよう!」
男の子の手のひらが光る。光りは、手のひらから離れ、僕に向かって来た。


僕は、それを手のひらで受け止める。
ジュッという音とともに光りは、消える。


「コォラ!カゲト、パパを殺す気か!」
「だっていつものことじゃん。」
無邪気に笑う、我が息子、カゲト。


そう、いつもの事。

僕たちの世界は、特殊能力を持つ人間の集まりである。


特殊能力は、階級に分かれている。僕の仕事は、特殊能力で悪事をする奴らを捕まえる仕事。

毎日忙しく動き回っている。

だから、朝は時間が許す限り眠っていたい。

だが、早起きの五才のカゲトには、それは、許されなかった。
いつも起こしてくれるのは、ありがたいが、特殊能力で起こされるのは、たまったもんじゃない。

カゲトの特殊能力は、低いから死ぬ事はないが、カゲトが成長して力も高くなった時に使われたらと考えるとゾッとする。

.ボサボサの頭を掻きながら、僕は、仕方なく起きる。

「おはよ。あなた。」
僕の妻、雪が爽やかに言う。
「おはよ。雪。カゲトに力で起こすのは、辞めるように君からもいってくれ。」

「あら、いいじゃない。」
ニッコリしながら雪は言う。

…雪は、こういう奴だ。さっぱりとしている性格というか…。

食事を終え、着替えて仕事場に向かう。
「いってきます。」
カゲトの頬にキスをし、雪の口にキスをして家を出る。

「明日は、どんな技でパパを起こそうかな。」
カゲトは、無邪気に言う。


僕の憂鬱は、まだまだ終わりそうにない。


fin














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