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オーガニクス 作者:
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未来編 第四話:「生きていたのか・・・」

スミスとラウエルが戦死し、ショーンとレベリアは行方不明。
そして目の前にキャメルが現れた。

キャメルは博士「長村賢吾」に超兵器「オーガニクス」を、
ロイドと争奪するように指示していた。二人は戦いをはじめる。
-これは昔の思い出。俺がここにいた頃の・・・
何も見えないくらい場所で俺は生まれた。
作られた。と言う方が正しいだろう。
俺はそれについて何に疑問を抱かなかった。
「わかった!わかったぞ!オーガニクスが作れる!・・・」
「やはり人の遺伝子がベースだった!しかしすべて人造ではただの肉の塊だ・・・」
「・・・生きた人間をつかえば・・・フフフ・・・その為には・・・」
「どうせ使うなら・・・戦闘能力に長けた人間を・・・」
「お前を作ったかいがあるというものだ。」
「・・・大輔・・・コイツとオーガニクスで地球を潰す。」
「新しいプラットホームである月で全てが管理される世界を作る」
「お前はオーガニクスの力を暴走させずに最大限に引き出す・・・その為のブースターだ」
「名前をやろう・・・ロイド・・・アンドロイドのロイドだ。」
「ハハハ・・・忘れるなよ。自分が作られた意味を」
「お前は俺の新しい手足となるんだハハハハ!」
聞こえる音・・それだけがすべてだった。


-俺は我に帰る。
昔を思い出している場合じゃない。
今戦っているキャメルの動きは速く、射撃が正確だ。
俺の近くを爆撃していく。気を抜くとやられる。

それに俺の知っているラズロであった時の、あの下手さは感じられない。
「どうしたよアンデット!今まで逃げだけで生き残ってきたのか!」
キャメルは安い挑発をする。
「・・・そうかもな」
俺は答えた。自分の戦いの仕方なんか考えた事はない。
ただ隙を突くやり方が逃げだと言うなら、そうなんだろうと考えた。
「ハ!はりあいのねぇ奴だ。」
キャメルは急激に速度を上げ俺を目指してくる。俺は彼の攻撃をシールドで受けとめる。
「なに?」
キャメルが声を上げる。俺がブレードでキャノンの砲身を切り落としたからだ。
隙を見逃さなかった。
「面白い事を教えてやる!俺はよく顔を隠してただろ?!
お前らがおれを新兵だと思っているのがおかしくてよ。笑っていたんだよ!」
キャメルはナックルシールドで俺のコクピットを殴る。衝撃と揺れが俺に伝わる。
俺はすぐさま後退しつつミサイルを放つ。あたりが煙に包まれる。
「・・・まだ大丈夫だな。」
俺のMWはラズロの攻撃で壊れた所は今のところない。
ただ駆動系にダメージは残っているはずだ。無理は出来ない。
シールドでの打撃は即効性はないが厄介な事には変わりない。
咄嗟にこの攻撃を仕掛けてくるキャメル奴も・・・厄介だ。
「オイ!さっさと死んで俺にオーガニクスをプレゼントしてくれよォ!」
キャメルは銃を乱射し俺に近づく。弾があたり、俺のMWの肩装甲が吹き飛ぶ。
「埒があかない・・・」
俺はキャメルをめがけて速度をあげる。
「なんだよ!やっとその気か!」
キャメルは嬉しそうに叫ぶ。
俺の振るったブレードはキャメルのセンサーである頭部を落としたが
キャメルのナックルが俺のMWの肩へ直撃する。
「左腕ゲット。ククク」
キャメルはそう言う。たしかにこれで俺のMWの左腕が動かなくなった。
だがキャメルも暗視、照準が使えなくなっているはずだ。
「やる・・・」
「まだだぜ!アンデット!」
キャメルのMWがブレードを俺のMWの足へ突き刺す。
「センサーがいかれてるんだ。足は殺させてもらう!」
キャメルが叫ぶ。ここでキャメルを逃す訳にはいかない。
俺も咄嗟にブレードで、キャメルのMWの足を突き刺す。
「そうなると踏んだんだ俺は!」
キャメルが叫ぶ、俺は肩のミサイルを近距離で発射した。
煙で視界が閉ざされる。


結局、ミサイルはキャメルのMWの装甲表面を剥ぐだけだった。
その弾幕の中でキャメルは叫ぶ。
「俺は無事だぜ!一瞬の目潰しにしかならなかったな!」
お互いに足を潰され、
この超近距離で動くのはキャメルのMWのナックルシールドのついた左腕だけだ。
「お前の最後は圧死だ!アンデット!」
キャメルは叫び、左腕で俺のMWのコクピットを何度も殴る。
激しい騒音が響き、俺のMWはひしゃげていき原型を失う。
完全に潰れたその外観をモニターで見てキャメルは笑う。
「ハハハ。オーガニクスは俺のモンだ。ククク」
俺のMWから黒煙と炎が上がる。
キャメルは勝利を確信しコクピットを開けながら叫ぶ。
「おい博士!さぁ俺の勝ちだ!オーガニクスをよこせ!」
「それはちがうな」
俺はキャメルに銃を突き付けた。
「・・・アンデット・・・!」
キャメルの瞳に殺意が宿る。
「残念だったな、俺は生きている」
キャメルが俺の動きを先読みしていたように、俺もキャメルの動きは先読みしていた。
煙幕を貼り、その隙にMWを降りて、キャメルのMWの上に逃げた。
超至近距離だからできたことだ。
誰も乗っていないMWをキャメルは攻撃していたわけだ。
「・・・殺せ」
キャメルはそう言う。
「その前に聞きたい事がある」
俺はキャメルの右肩を撃った。もうMWの座席ロックを動かせないはずだ。
「グ・・・」
キャメルは唸り声を上げる。
「何処まで本当か教えてもらうおうか」
俺はそう聞いた。
「誰が言うかよ・・・」
キャメルはそう答える。こうなると全くキャメルに価値はない。
俺が引き金を引こうとした時、拍手の音が響き影が近づく。
「・・・似ている」
キャメルは拍手の音が聞こえる方向をゆっくり見て、
出てきた男がロイドに似ていると思った。
文字だけでキャメルに指示していた男が彼の目の前に初めて姿をあらわした。
キャメルは博士と初めて顔を合わしたのだ。
「やぁロイド。久しぶりだな・・・」
俺は男の赤い瞳に見覚えがあった。十年前と姿が変わっていない。
「・・・長村・・・賢悟」


キャメルを放置し俺は賢悟に案内されるまま部屋に通された。
壁にかかっている巨大なディスプレイが目を引く。
空間が暖かい。空調が整備されている様だ。
大きな机があり彼がイスに座って俺を見つめる。
「・・・君の目的は俺とオーガニクスを消す事。そうだな」
賢悟が俺に話しかける。
「そうだ」
俺はそう答える。
「そうか・・・まぁ俺を殺すのはいつでも出来る。そうだろう?まずは話を聞いてくれないか?」
「・・・何を言いたい?」
俺は賢悟が何を考えてるかわからなかった。命乞いをするわけでもなさそうだ。
「私は・・・長村賢悟であって長村賢悟ではない。といって通じるかな?」
「・・・何を言っている?」
俺は混乱した。
「ではそこから話をしよう。長村賢吾は旧時代の・・・過去に存在した人間だ。
その最初の長村賢悟は自分のクローンを作る事で長期的な研究時間を得る事に成功した。
私はそのクローンの何体・・・いや何十体目であるということだ。
つまり私はオリジナルではないから、長村賢悟であり長村賢悟ではないと言ったわけだ」
「なんだ?結局は命乞いか?」
俺はそう聞く。
「そうじゃないさ。ただ・・・俺はわからなくなってしまった」
「何を言っている?」
「順を追って話そう
・・・我々人類が月に上がる前、地球にオーガニクス呼ばれた巨人たちが現れた。
人類では太刀打ちできず。巨人達は縦横無尽に空を駆けた」
「オーガニクスは今、完成したのではないのか?」
「・・・完成したのはその時の巨人達を元にした物だ。
複製である私達が完成させた完全なる複製ではない複製・・・フフフ。」
「・・・?」
「話が途切れたな。続きを話そう。その時、ある男がひょんな事からその巨人を手に入れた。
巨人は人が乗りこむ事で起動する兵器で、前から世界に疑問を持っていた彼は、
その力を使って文明を一度破壊し、新たな統治国家を作る事を考えた。
が、それを阻止する者達が現れた。彼は考えた、これは最後の審判だと。
この巨人同士の戦いで、最後まで生き残る事が出来れば、自分の考えは時代が望んだ解答なのだと」
長村賢悟はすこし黙り、また続けた。
「しかし・・・皮肉な事に彼はオーガニクスを失ったが、
彼は生き残るという中途半端な結果となってしまったのだ」
「・・・」
「彼はその結果に納得がいかずオーガニクスを作ろうとした。その為に彼はクローンを作った。
そして俺達はその思想のままにオーガニクスの研究を続け、
オーガニクスは時計の針が示す数だけ完成した。皮肉なものだ。
時間に縛られない対策をして作ったものは時間に関連する数しか作れなかった」
そう言うと長村賢悟は微笑した。
「?」
「長村賢悟の念願の時は訪れた。だが、俺は新しい疑問を持ってしまった」
長村賢悟は淡々と喋る。
「なんにせよ・・・俺はお前とオーガニクスを止める。」
俺は話に付き合いきれなくなり銃を構えた。
「見ろ」
巨大なディスプレイ老人が現れる。
「だれだ?」
俺は見た事もない老人のことを質問した。
「俺の一代前の長村賢悟だ。精製に問題があり、趣旨を忘れ、とり付かれた様に研究を続けていた。
挙句にこの基地の存在まで研究の為に知らせてしまった・・・その彼の最後だ」

画面の中の老人は叫ぶ。
「私はみた!忘れもしないあの日!巨人が空を駆けるのを!」
老人は雄々しく声をあげ、老人に銃口を向けた男に言う。
「ミサイルも化学兵器もすべて押しのけて巨人は立ち回った。
衝撃的だ!武器はまったくの無力だった」
老人は銃口に背を向け、コンソールを操作する。
「みてみろ!これがその巨人だ!」
その場所ディスプレイの画面に、オーガニクスが放たれた兵器を
簡単にあしらう動画が表示された。
「これだけの力があればミリタリーバランスを崩す事もできる。この圧倒的な力・・・・素晴らしい」
「・・・」
「しかし・・・あの動きは機械には無理だ。では・・・どうするか」
「・・・」
銃を向けた男は答えなかった。しかし老人は気にせず続けた。
「有機生物!あれは生物の動きなんだよ。」
「・・・」
「巨人は人型なんだ簡単さ。私は何度も何度も何年も実検を繰り返した。
形は再現できた・・・しかしどれもすぐ腐ってしまう。死体と変わりない」
「・・・」
「私は結果を出した。・・・では既に生きているものを使えばいい」
「・・・」
「どうせなら戦闘に長けたものを使いたい」
「・・・この基地へお前を救助にきた傭兵・・・」
「そ~だ!事故のフリして救難信号を出して集めたのだ。
月にあるこの極秘軍事基地にくるのは名の知れた傭兵にきまっとる」
「できたのがこの・・・巨人」
「そうだ。手間取ったがあの巨人を再現できたんだ。名前も有機物からオーガニクスと名づけた」
「さきほどから動きそうもないが」
「それはそうだ。兵器に意志はいらん。兵器は人が乗らんと動かんよ」
「誰が乗るんだ・・・そんなものに」
男は老人に質問をした。
「?優秀な兵士だよ。それこそオーガニクスを完成させるように。
すでに集めてある。面白いヤツも釣れたしな。ハハハハ」
「・・・」
銃声が鳴り響いた。老人が額を後から撃ち抜かれ倒れる。
「・・・お前の役目は終わりだ」
男はそう吐き捨てた。そこで映像がとぎれる。


「最大の役目を終らせた彼を、俺の手で葬った。
同じ遺伝子を持つ俺が彼が我慢ならなかった。
意識が違う・・・近い世代のクローンである我々でさえ考えが合わないのだ。
これは劣化コピー繰り返した我々の中で、
完全な長村賢悟の遺志を受け継いだ者はいなかったと結論するものではないかと。
そして普通の人間ではなく、長村賢悟でもない私は・・・何なのだと。
そんな私がやろうとしている事は・・・」
長村賢悟はゆっくりと喋る。
「・・・」
俺が予想していた長村賢悟とは違う。
聞いていた声は彼の声なのだろうか。それとも画面の老人なのか。
俺は黙っていた。
「最後に教えておく。
君はオーガニクスの性能を最大限に発揮できる様に作られた、長村賢悟の遺伝子を持った人間だ。
俺はある程度情報を渡した上で君との再会を待った。
予想通り君は俺を狙ってココにきた。あとは・・・君次第だ」
「・・・どう言う事だ?」
俺は質問をする。長村賢悟のクローンの一人が俺ということか。
「君は新しい主人としてココに住むのも良いし、目的どおりオーガニクスを消すのも良い、
君が記憶していたパスワードは我々だけの特別なものだ。
この研究所から離れた君の判断にすべてまかせる・・・だが」
そう言うと長村賢悟は机から銃を取りだし自分のコメカミにつけた。
「俺が死んだらこの基地から地球に向ってオーガニクスがポッドで射出される。
もちろん、ポッドのロックは解除されてだ。
オーガニクスは強力な兵器だ。オーガニクスを倒せるのはオーガニクスしかない。
・・・それが審判の方法だ。ロイド・・・賢悟ではない君に、結果を見てほしい。
私には・・・勇気が・・・なかった」
長村賢悟はその言葉を残し引き金を引き鮮血が飛び散った。


オーガニクスがある場所はすぐにわかった。
基地で射出ポッドが6体残っているのが確認できた。
射出口が壊れている。何らかの事故で潰れ、6体が射出されずに残ってしまった様だ。
さっきの賢悟が言った数が時計の数であるなら、6体が射出されたことになる。
「すべて射出されるよりは運が良かったと言う事だな」
俺は<12>と表記されたポッドの中に入る。
その中には居住スペースとオーガニクスが収納されていた。
5メールの大きさに禍々しい鎧をまとった巨人。
銀色のマントに包まれている。
「オーガニクスはすべて回収する、そして長村賢悟の存在すべてを消す。」
それが俺に課せられた事で意味であると考えた。
その為には力が必要だ。俺はオーガニクスに近づくとオーガニクスの手が伸びてきた。
持ち上げられ、オーガニクスの胸部が開く。
その機体に恐怖は感じなかった。


―オーガニクス未来編<ロイドとオーガニクス>―


俺の乗ったオーガニクスは激しく光る。
光が落ちつき、オーガニクスは一回り大きくなっていた。
俺はオーガニクスの全てを一瞬で理解した。自分がリボーンした事も。
オーガニクスは理力で動く。これは人の精神の力、意志の力だ。
その力が強ければ強いほどオーガニクスは強大な力を発揮する。
乗り込んだ人間の意志の力がオーガニクスの許容量を超えた場合は
リボーンする。つまりはオーガニクスとして新しい体を手にいれ、生まれ変るのだ。
オーガニクスという新しい体で、ポッドからでた俺は後ろに気配を感じた。
「感覚がむき出しになっている?」
オーガニクス同士の共振を感じる。
「誰だ?」
振り向いた途端、影が俺を襲う。が、避ける事ができた。
あまりにも狂気が丸出しだった。
「あああああああ」
その黒い影が叫びながら姿をあらわす。
「・・・食われたか・・・」
俺はそう呟いた。誰か解らないがオーガニクスに乗ったはいいが精神を食われた様だ。
オーガニクスとの同化に耐えられなければ精神を食われ暴走する。
これが制御を取られるという事だ。
きっと何者かがすでにこの場所を突き止めていて、タイミングよくポッドに乗り込めたのだろう。
「先約がいるとは思わなかった!だが。俺はそう簡単にはやられん!」
俺はマントをつかみ剣にした。
マントはオーガニクスに乗っている者の戦意という意志の
微弱な電気に感応し、形を作る金属で出来ている。どんな鉱石よりも固く、しなやかだ。
「はははははあああ」
黒い影、いや精神を食われたオーガニクスは咆哮を上げ襲いかかる。
俺はその動きに隙を見つけ左手で咽喉を掴む。
「ガ・・・ハ!」
そのオーガニクスは暴れる。当然だ。
「まずは・・・一体」
俺は右手の剣で何度もそのオーガニクスを突き刺した。
ボトボトと破片が落ち、俺の体に液体がかかるのを感じた。
左腕の力を抜くとズルリと落ちていく。
ひとまずはこれでいい、俺はそう思った。
ひとまずと言うのは破壊してもコアを破壊しない限り、
時間がかかるがオーガニクスは再生してしまうからだ。
完全な破壊をするにはコアに理力をぶつける・・・
限界以上の力を発揮させ内部崩壊させるか、
時をかけて維持限界を超えさせねば、完全な破壊する事はできない。
結局手段としてオーガニクスを倒せないのだからパイロットを倒すしかない。
・・・ではどうやってオーガニクスを葬るか・・・
その時不意に声が響いた。
「それは・・・レベリアだぜ。ロイド」
聞きなれた声が続ける。
「・・・急にポッドの射出が始まって驚いたぜ」


「生きていたのか・・・」
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