挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
オーガニクス 作者:
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

4/22

未来編 第二話:「・・・好きにすればいい」

不穏な動きがあるとされるLOTMのバイオ工学施設の極秘調査。
MW部隊が向かった先には工学施設の範疇を超えた兵器があった。
危機回避と作戦遂行を兼ね、散り散りで施設への入り口を探すMW部隊。
その中で入り口をみつけた新兵ラズロは、
部隊に入り口を知らせるため迂闊な行動をとり撃破された。

ラズロの撃破と引き換えにMW部隊は施設の中へ。
俺達は無事落ち合う事に成功した。
「ラズロは残念だったが潜入は成功した。この事実はLOTMも知っている事だろう。
きっと追手が来る。その前に決着をつける」
ラウエルは酒を飲み全員に指示を下す。
「まずこの昇降機で最下層まで下る。そこで各自散開。ホストのコンソールを発見次第に情報を取得。
で、脱出」
ラウエルは説明を続けた。
「?隊長さんよ、ログオンとかの方法は?」
ショーンが質問をする。
「ブリーフィングの時に説明したが・・・諸君の機体に既にマクロが入力済みだ。それを実行すれば良い」
ラウエルのが伝えた。その時重い回転音が止まり昇降機が開く。
「では突入だ。続け」
ラウエルはそう言って中に入る。
俺もそれに続きながら、この資材搬入昇降機に目をつけるのは、なかなか良く出来たと考えた。
ラウエル、レベリア、俺、ショーン、スミスと乗りこみ扉がしまる。
電気の回転音が発生し体に重力がかかる。
「まるで地獄にまっさかさま、ってかんじか?」
ショーンがおどけていう。
「地獄・・・か。LOTMというのはなんだ?というよりは一部の団体か?」
スミスが疑問を口にする。
「この家業をやっていて何度もその名前を耳にする。
ある時は依頼主、ある時は標的、話題には事を書かない。
ただの月の国と言うだけでは説明がつかない」
スミスがつぶやきレベリアが答える。
「確かに妖しさは盛りだくさんだわ。
・・・私達がこの昇降機を使うのは考えられるのに警備もしていない。」
「・・・警備以上の何かがあるんじゃないのかこの昇降機には・・・」
スミスが呟く。
「・・・」
沈黙が続く。
「まぁ良いじゃネェの。何かあったら対応するだけ。だろ?」
ショーンが簡単に答える。
俺はずっと黙ったままのラウエルが気になっていた。


沈黙の中を回転音が響く。
「しかし・・・長いな。何階まで降りるんだ?」
スミスがそう呟く。確かに長い。
「ん!?ちょっと・・・」
レベリアが驚いたような口調で通信する。
「どうした?」
ラウエルが聞く。その時回転音が止まり激しく床が揺れた。
「上よ!反応が二つ!一つはMW。あと一つはなに?動物?」
レベリアが叫ぶ。
「下がれ!」
ラウエルが叫び中心から壁際に下がる。その中心に一機のMWが落ちてきた。
スゴイ騒音を立て落ちたそれはMWの残骸だ。
「コレは・・・LOTMのMW?」
レベリアが言う。
「どう言う事だ?同士討ちでも始めたのか?」
スミスは呟く。
「ちょっと待てよ・・・コレ・・・千切られた感じじゃないか?」
ショーンが良い所に気がつく。MWを引き裂くような武器は聞いた事がない。
間接が何がに引張られた様にひしゃげている。新しい武器だろうか?
「・・・!さっき二つといったな」
ラウエルがレベリアに言う。
「ええ。!?もう一体・・・」
レベリアがそう答えときまた何かが落ちてきた。
激しく床が揺れ、また昇降機はゆっくりと下降する。
「!」
全員が声にならない驚きをする。
その物体はゆっくりと立ち上がって俺達を見据える。
17Mほどの影の金色の瞳が鋭くひかり、茶色い乾いた皮膚から血が流れている。
「おい!あんなの相手にしたことないぞ!」
ショーンが取り乱す。目の前にはありえない光景が起きている。
「なんだ一体!!」
スミスも取り乱す。
「恐竜・・・Tレックス?」
レベリアが名前を口にする。
目の前には図鑑でしか見たことがないモンスター、恐竜が落ちてきた。
「とりあえず応戦だ!」
ラウエルが叫び指示をする。それと同時にその恐竜は激しく咆哮を上げる。
あまりにも強大なその動物は素早く動く。
「おい照準がさだまらんぜ!」
ショーンが叫ぶ。
「クソ!どうすれば!!」
スミスも叫び、ショーンはマシンガンを乱射する。
何発かがTレックスの体に当り血が吹き出す。
TレックスはショーンのMWをにらみ突進する。
「うを!」
避ける事が出来なかったショーンは気絶する。
このせまい空間では圧倒的にTレックスの方が有利だ。
TレックスはショーンのMWの片腕に噛みつき力任せに引きぬく。
ショーンのMWが少し浮き上がり落ちる。
Tレックスは捕らえた腕を吐き捨てて、今度はショーンのMW胴体を噛む。
まるで中に美味しいものあることを知っている様に。
「動きを止めたな!」
スミスは素早くロングライフルでTレックスを狙う。
その銃弾は彼の瞳を捕らえ弾丸が発射された。
弾は直撃し、たまらずTレックスはショーンを離し声を上げる。
「だめだ!弱い!」
スミスはそう叫んだが、その時はすでにTレックスに弾き飛ばされ宙を待っていた。
「モンスターめ・・・!」
ラウエルは静かに叫び乱射する。誰もが突然の、予想外の敵に戸惑っている。


俺以外は。


俺の武器は接近戦用に調整した。それはMW用だけを想定したわけではない。
この施設を攻めると言われた時からこのくらい事は予想していた。
アイツがやりそうな事だ・・・俺はMWの速度を上げてTレックスの足元へ。
そして鉄の杭を射出し、八本ほどの杭を左脚に打ち込んだ。
その後、マシンガンでその足を集中的に攻撃する。
人間でも動物でもMWでも恐竜でも、足をやられては身動きが出来ない。
動きを止めたら頭を潰す。簡単だ。Tレックスは咆哮を上げる。その時Tレックスの口元が爆発する。
「どうだミサイルの味は・・・」
ショーンが噛み付かれながらもミサイルを発射した。レックスの血が雨の様に降り注ぎ上顎の肉が弾けた。
無残な姿のTレックスが現れ、残った右目が血走っている。
「今だ!撃て!!」
ラウエルが叫ぶ。それに続きレベリアが頭を狙って弾を撃ちこむ。
その時、昇降機が止まり扉が開いた。袋小路から開放された。
「最下層についた!下がりながら応戦するぞ!」
ラウエルが下がりながら銃弾で牽制する。MWがベコベコになったショーンと、
スミスもそれに続き下がり、レベリアも下がる。
レックスは足を引きずりながら、まだ俺達へついてくる。
「しつこいな・・」
俺はこの先に有るハッチを使う事を思いついた。
「おいロイド!速くしろ!逃げるぞ!」
ラウエルが叫びながら指示をする。
「ちょっと待ってくれ、MWの足のバランスが・・・」
俺は咄嗟に嘘をついた。設備を知ってる事で、変に揉めるのは避けたかったからだ。
それにラウエル達と距離を離す良い機会だ。
「助けてやろうかロイド」
ショーンが言う。
「いや大丈夫だ。先に行け。後で追いつく。」
俺はそう答えた。ある程度ラウエル達とTレックスと距離が離れた。そこで止まる。
壁をみる。確かこのあたりに災害用の隔壁をおろす装置があった筈だ。
「どうしたの?」
レベリアが俺の元へ向ってこようとしていた。
「来るなレベリア。そこにいろ。考えがある」
俺は答えて、見つけたスイッチを押す。
すると轟音ともに俺の後ろのハッチが急に上から落ちて、ラウエル達と壁を作った。

「おい!大丈夫かロイド!」
ラウエルが通信してくる。
「大丈夫だ先を急いでくれ!どうにかして追いつく」
俺はそう言った。それはそうだ。自分でやったのだから。
「・・わかった。健闘を祈る」
ラウエルはそう言った。
「アバヨ。ロイド、またあとでな」
ショーンがそう言う
「残念だ」
スミスが冷たく言う
「あとで・・・あいましょう」
レベリアが声をかけてきた。
「あとで落ちあおう。」
俺は答え通信を切った。
さて・・後はタイミングだ。暗闇から金色の光が近づく。
ズルズルと音をたてながら迫ってくるその姿はとても無気味だ。
液体をこぼしながら俺に近づいてくる。
「じゃぁな。」
俺は別のスイッチをまた操作する。
目の前の隔壁が落ちレックスの首に刺さる。
レックスは激しい声を上げる。
血を撒き散らし吠えるその姿は、モンスターそのものだ。
「・・・運がなかったようだな。」
俺はその姿を見てそう言った。
この場所に来なければTレックスはこのような死に方はなかったはずだ。
そして隔壁は完全に閉まった。隔壁の手前に首、後に体だ。これでTレックスは完全に停止した。
その姿を見届け俺は先を急ぐことにした。ラウエル達とは違う道を。


俺はMWを降り端末室に入った。昇降機の近くにあるのは覚えていた。
「しかし・・・端末も十年間と変わらないとはな。」
端末を立ち上げMWのマクロを使わずに、覚えていたパスワードを撃ち込む。
「まだ生きてるか・・・」
試しに入力したパスワードが生きていた。そしてデータに目を通す。
<恐竜再生計画>
・・・違う
<月面地球化計画>
・・・違う
<クローン計画>
・・・これじゃない・・・どれも常識を覆す計画書ばかりだ。
しかもすべて終了済みになっている。だけどこれらではない。アイツの真の狙いは・・・
<―――――――>
!?俺は言葉を失った。これだ。
<OーR-G-A-N-I-C-S>
超有機兵器のすべてがそこにまとめられていた。
「・・・見つけられたのは幸運なのか罠なのか・・・」
オーガニクスという巨人は強大な力を持つ兵器だ。それが完成している。
アイツが完成させたのだ。


端末室を出てMWに乗り通路を進む。急に通信が入る。
<UnKnown>
「?」
俺はその不思議な通信を無視しようとしたその時だった。
「ようこそ・・・いやお帰りと言うべきか?」
その機械を通したその音がたしかにそう言った。
「な?」
俺は驚いた。その事実は誰もしらないはずだ。アイツ以外は。
「おっと俺は博士じゃないぜ。そうだな。キャメルとでも名乗っておこうか?」
その声は俺をからかう様に言った。声だけの通信の様だ。
「ではロイド君これから君にいくつか試練をあげよう。でも試練にはならないかな?
今からマップを送るよ。その道しるべに向ってこっちへ来るんだ」
コンソールにマップが表示される。
「俺が素直に従うと思っているのか?」
揺さぶりを掛ける。
「素直に?はおもっていないさ。でも・・・最後の賞品が博士だと言ったら?」
キャメルは言う。
「魅力的だな。」
俺は答えた。
「じゃぁきまりだ。待っているよ。」
そう言って放送が切れる。悔しいがこの道どおりに行くのが一番アイツへの近道かもしれない。
俺は誘いに乗ることにした。この誘いが俺を呼んでいると理解したからだ。


マップのガイドどおりに進むと光が見えてきた。
その光を目指し進む。結構な距離がある。
「よく月にこれだけの施設を作った物だな」
モニターの先に見える光を目指し暗闇を抜け連絡通路にでた、
下には水槽がずらりと並んでいた。モニターで中身を確認する。
「・・・こんなものまで培養済みか」
水槽が200はある。中に絶滅したはずの恐竜が浮かんでいる。
「何をしたいんだアイツは。神にでもなるつもりか」
モーターウォーカーの武器を乱射しつつ先を進んだ。
俺はある目的を果さなければならない。
この水槽を完全に破壊するのは後回しにし先を急ぐ。
その先の部屋には緑が多く茂っていた。動物がいた。
「壊してやる。すべて・・・」
俺はそう思った。
アイツの思い違いしている研究のすべてを消し去らなければならないと思った。
簡単にやりなおしが出来る文明に明日はないと思ったからだ。
そのまま俺はガイドどおりに前に進む。


4機のMWが長い通路を進む。
「しかし・・・ひろいな」
ショーンは静かに言った。
確かに広く長い。ココで目的を果す事を考えると気が滅入る。
「あぁ。研究所と言うわりには・・・広過ぎるな。」
スミスも言った。
「というかココの秘密って、さっきの恐竜じゃネェのか?
だったらもう任務は終ってるんじゃないのか?」
ショーンは不満を漏らす。
「いや、たしかに予想外だったが恐竜ではないな」
ラウエルがそれに答える。
「だったらもう教えてくれない?」
レベリアがラウエルに問いただした。
「・・・」
ラウエルは沈黙した。
4機は突き当たりの扉に到着する。
「流石にここまでありえない事がおきると気になるな」
スミスが続けて言う。
「・・・わかった。」
ラウエルの言葉は重く、彼はまた酒を飲んだ。
「ここは・・・ただのLOTMのバイオ工学研究所ではない。
ココはバイオ兵器研究所だ。つまり恐竜だけではない、
毒物など想像つく限りの研究がされている。その調査こそが目的だ。」
ラウエルは静かに喋った。
「それで・・・そりゃぁ敵のMWも出てくるはずだ」
スミスが答える。
「へぇ。どうりで金が良い訳だわな」
ショーンが納得する。
「それで隊長の所属は?」
レベリアが聞く。
「それは言えない。」
ラウエルが答える。
「まぁ素性はいいや。俺は。終った後に面倒に巻きこまれたくねぇ」
ショーンはそう言う。
「・・・俺もだ。この不自然な施設の素性がわかれば良い」
スミスも続く。
「・・・わかった」
レベリアも仕方なく納得しているようだ。
「すまない。・・・先へ進もう」
ラウエルはそう言い扉を開いた。
「おい!」
スミスは叫ぶ。開いた扉の向こうから一機のMWが姿をあらわした。
逆光で暗いが、黒い体に胸部と一部が赤く塗装されている。
「・・・・・・」
そのMWは言葉を発さず銃を構えた。


俺は次の部屋を目指す。道に突き当たり扉が開く、そこにはラウエルとスミスがいた。
「ロイドか・・・生きていたか。」
ラウエルが通信をいれる。
「予想外に合流できたな」
スミスがそう言う。見る限りニ機しかいない。
「ショーンとレベリアは?」
俺はそう聞いた。ある程度の情報は掴んだ。今なら合流しても問題ない。
「わからん。途中ではぐれてしまった。見た事がないMW・・・何者だ?」
ラウエルが言う。
「どういうことだ?」
俺は状況が飲み込めず、ラウエルに聞き直した。
「すまん。ココに来るまでに見たこともないMWに襲撃されたんだ」
「・・・スゴイ腕だった。俺達が赤子扱いだ。翻弄された挙句チームは離散だ」
スミスが続く。
「そうか・・・」
俺はそう答えた。
あの二人なら大丈夫だろう。二人とも有名なMW乗りだ。
<UnKnown>
また放送が入る。
「MW乗りの諸君お待たせ。ココまでの道のりはどうだった?
MW集団に襲われたり、恐竜と戦ってみたり。不思議なMWと戦ったり」
キャメルは楽しそうに語る。また声だけの通信だ。
「・・・何者だ?」
ラウエルが聞きかえす。
「あぁ君達には自己紹介がまだだったね。俺はキャメル。月の砂漠のラクダだよ」
キャメルは楽しそうに語る。
「・・・姿をあらわせ・・・」
スミスは慎重に喋る。
「いやだなぁ怒らないでヨ。良い事を教えてあげる。・・・君達はおかしいと思わなかったの?」
キャメルは疑問を投げる。
「いっつも君達を狙ってるかのように移動中に襲撃されたり。
障害物が出て来たり。分散させられたり・・・
あれれ?隠密活動だったのに見え見えだよ?おかしいじゃない。」
キャメルの言葉に冷たさを感じる。
「・・・」
俺達三人は沈黙する。
「ほら、挙句に俺は君達の回線の周波数を知っている・・・君達の行動は骨まで透けて見えるぜ。
アハハ!いるんだよ・・・スパイ・・・フフフ」
キャメルはまた楽しそうに言った。
「じゃぁまた会おう。ふふ・・・」
キャメルの通信が切れた。・・・が言葉は残る。
「・・・確かに腑に落ちない事は多いな・・・」
スミスが静かに喋る。
「・・・聞きたい事がある。ロイド?」
ラウエルは冷たく俺に質問する。
「俺達とはぐれて何をやっていた?なぜ一人でココまで移動できる?」
明かに俺を疑っている。
「・・・俺ではない。」
俺の素性を説明したところで彼らは俺を信じないだろう。
怒りは俺に向いている。彼らはキャメルの心理戦にはまっている。
「ロイド、説明が必要だ」
スミスのロングライフルが俺の方向を向いている。俺は言った。


「・・・好きにすればいい。」
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ