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オーガニクス 作者:
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17/22

現在編 最終話

不思議な少年アレクは自分のこと語りだす。
彼がこの時代に来た目的とは。
大輔とアレクは更衣室で二人でいた。
アレクは立ち上がった。
「知ってたって言ったんですか?」
「知ってたっていいました。」
「あれ?ここで僕が伝えて、始めて知ってもらうんじゃ・・・」
「・・・なんかさ、よくわからんけど、繁華街で初めてあった時から、
おかしいなと思ったよ。アレクは生身でもオーガニクスみたいな力を使うだろ。
たとえば今も、アレクは口があいていないけど意思は伝わっている。
まるで、オーガニクスに乗っているみたいだ。みんなと話すときは口パクをがんばってるみたいだけど」
「あ・・・」
アレクは、大輔が意外と見ていることにびっくりした。
「違和感は、最初はあったよ。でもいいんだよそんなことは」
「・・・」
「この時代の人間じゃない。たとえ人間じゃなくても驚かないよ。
オーガニクスに乗った俺自身が何者かわからないし、アレクはあの、
もっとよくわからんオーガニクスに乗ってるんだから、この時代の人間じゃなくても、
たとえ過去からでも未来から来ても驚かない。アレクが何者でも、
俺が助けられたことは変わらないよ」
「大輔さん・・・」
「たとえば未来が読めるとか言われても驚かないぜ」
そういって親指をアレクに向けた。
「・・・大輔さん・・・それ、全部あってます」
「え?」
大輔はキョトンと言う顔をした。
「僕は過去と未来を越えてきて、今から起こることがわかります」
アレクはゆっくりとしゃべった。もう口は動かしていない。
大輔の口をゆっくりと聞く。
只者ではないと思っていた。次元が違うところからきたくらいは想像してた。
今から起こることがわかるというのは大輔のオーバートークのつもりだった。
「・・・マジ?」
「マジです」
「えーーーーーーー」
大輔は両手を上げて驚いた。
「ドシタ」
「何かありましたか?」
「大輔!」
マイク、ライとマリーが走って男性更衣室にはいってきた。
「ななな、なんでもない」
大輔は三人にあせりながら弁明した。
なんかアレクのことを言っちゃいけないような気がした。
「驚いてるじゃないですか」
アレクはあきれるような目で大輔を見た。
大輔は頭を軽く自分でたたいてベロを出した。
「あ!」
「どうした大輔」
マリーは大輔に不審点を聞いた。
「あ、いや、マリーここ、男更衣室よ」
大輔の答えに、マリーは周りを見渡す。
直ぐに顔が赤くなって咳払いをして外へ出て行った。
大輔はアレクを見て小声で伝えた。
「家に戻ったら、ちょっと話そうか」


大輔とアレクは皆と別れ部屋に戻っていた。
アレクはまだ腹が苦しいようで、ベットに寝そべっていた。
目にはぬれたタオルをかけていた。
「おいおい、大丈夫?」
大輔はアレクを少し心配になり声をかける。
「さっきよりは大分・・・休めばどうにか、でも、初めての衝撃だったなぁ・・・」
大輔はあのラーメン?は、アレクのように食が細い人間にはきついよなと思っていた。
「・・・あぁ、そうじゃないわ。アレク話せる?」
大輔はジローを頭から振り払った。さっきまでの話を続けたかった。
アレクが急に話を、今になって話した理由がわからなかった。
「すいません。寝そべったままで話をさせてもらいます。その状態なら話せるので」
「そっか、じゃぁ頼むわ、なんかあるんでしょ。今日話さなきゃいけない理由でも」
「ええ、さっき僕がこの先のことがわかる。と言ったことから説明させてもらいます」
「頼むよ」
そういって大輔はアレクのベットを背もたれにして座った。
「まず、僕は・・・遠い、遠い時代から僕は来ました」
「・・・どういう?」
「なかなか、理解できないと思います。だけどココは信じてもらうしかありません」
「うん、まぁ続けて」
「ロ・・・スミスさんは僕が連れてきました。彼は、遠い遠い未来からつれてきています」
「そうなの?なんでまた・・・あの・・・メンドクサイやつを」
大輔はスミスを表現できなかった。賢悟とは違う、純粋な脅威だった。
「もちろん理由があります。
彼にはこの時代で長村賢悟さんと出会い、<僕の力で時間を超える必要>があります」
「うーん、なかなか飲み込めないな、アレクとスミスは知り合いなの?」
「・・・そうですね。よく知っています。
僕は・・・ココとは違う時代で、彼の命を奪いました」
「・・・ふーん、え?えええ?」
「もちろん理由があります。でも、それはだめなんです」
「うーん、なんだろ、アレクは未来の人で知り合い・・・の割には
スミスはアレクのこと詳しく知らないみたいだよね」
「そこは後で話します。今の時点ではスミスさんは僕のことをほとんど知らないはずです」
「ちょっと確認したいんだけど、アレクは何が目的なの?」
「・・・」
アレクは急に黙った。息を大きく吐いて、アレクはベットの上に座った。
「僕は見たいときに先の未来がわかります。
これは僕にかかわるところだけ知ることができます」
「それ、便利だね」
アレクは感心した。
「僕は目的のために、今から大輔さんが僕の目的に沿う様に話をすることが可能です。
ずるいこともわかっています。ですが、僕はずっとこの時を待っていて、
この行動、この後は全て僕の目的のために話をします。
本当にごめんなさい。たぶん、過酷になります」
「えーーーーーーそんなヤバそうなの?」
「最初に言っておきます。未来を見れるというのは、
現時点からの発生は全て見れますが、自分の力が及ぶ部分しか変えることはできません
いまから僕が話すことで、大輔さんの人生は変わります。それだけわかってても、
話すことは公平ではないことがわかっても、僕は目的のために話をさせてもらいます」
「ちょっとまった!」
「・・・はい」
「ここはどうなの?」
「え?」
「オレの人生の分岐点?」
「・・・そうですね。ここで、僕の目的が果たされるかが決まります。
ここが分岐点です」
「・・・アレク、オレがアレクの目的を聞くと思ってるだろ」
「はい。大輔さんの性格は一緒の暮らしてみてわかっていますから」
「・・・俺は目的を聞いたらどうなるの?死ぬの?」
「・・・実は、そこが見えないんです。最終的にはどうなるのか・・・」
「リスクデケー!!!」
大輔は頭をベットに向けて倒した。
「でも・・・聞いてしまうでしょ。大輔さん」
そうアレクが言うと大輔は立ち上がり、
一回転してアレクに向かって指差した。
「そのとおりだ!俺はもう腹をくくっている!」
「じゃぁ話しますね」
ちょっとだけ苦笑いして、すぐに淡々と進めるアレクにちょっと気まずい感じになって、
大輔は同じ場所にゆっくりと座った。
「・・・なんだよ!目的を言ってみろよモー」
大輔はアレクの反応の薄さに軽く苛立った。
「・・・目的は、重要な要素である特異な3人が僕の時代に集まる事です」
「・・集まる?ということは?」
「そうです。次、彼らと戦うとき僕らはまた、時間を超えます」
「俺も?」
アレクは力強くうなずいた。
「いわずもがな。大輔さんは3人の中の一人ですよ」
「えーマリーは!俺とマリーはどうなるの!」
「いや・・そこはわからないんですよ。
わかるのは、このあとライさんとマイクさん、
マリーさんはオーガニクスが消えます。
ついでにあちら側のしゃべらないオーガニクスの人も」
「え?大丈夫なの?」
「大丈夫です。単純にオーガニクスの経年劣化で、
彼らとは関係なくオーガニクスが砂になります。
彼らは大丈夫です。無傷です」
大輔は胸をなでおろした。
「そうなると、僕と大輔さんしかないわけですよ。彼らと戦うときに」
「そっかー」
「で、時間を移動すると。ここで大輔さんにこなしてほしいことがあります。
大輔さんと賢悟さんはなんと、時間移動前の戦闘でオーガニクスが同じように限界を迎えます。
ここが重大な分岐点です。大輔さんと僕で時間移動前に
スミスさんのオーガニクスの理力を消費させてください」
「え?限界を迎えるって事は、時間制限ありの理力制限ありだよね」
「はい」
「えー無理ゲーじゃないの?あ、でもアレクのオーガニクスはすごそうだから・・・」
「そこなんですけど、実は、僕は時間移動のためにほとんど力を使えません。
しかもスミスさんをオーガニクスごと連れて行くには、
オーガニクスが瀕死である必要があります。実質、大輔さん頼みです」
大輔は口を大きく開けた。
「なんだよーもうお前ふざけんなよー」
大輔はアレクに向かって力なく言った。
「でもやっちゃいますよね。期待しています」
「おまえ、俺のことなんだと思っているんだよー」
「主人公ですよね?そんなこと言ってませんでした?期待しています」
「・・・言ったなぁ。そうだな、俺の武器は主人公にありがちな剣だしなぁ」
「あ、そうそう、運命というのはその時間ごとにその人物を中心に
網目状に広がっていて、どの道を通るかはその人の判断と行動しだいなんです。
僕は自分に限ってそれが見えるだけなんですよ」
「?」
大輔は急に運命の考え方を説明しだしたアレクに不思議中を向ける。
「・・・スミスさんと戦うときに、指摘されてテンション下って
危機に瀕する未来があるので先に言っておきますね。大輔さんの武器ナタですから」
「え?うそでしょ」
大輔の疑問に、アレクは満面の笑みを浮かべて言う。
「ナタです」
「えーどっちかというと敵側の武器じゃーん」
「運命という意味ではダレもが、自分の物語の主人公といえなくもないですよね」
アレクは言ってやった。という顔をしている。
「・・・」
大輔はコイツと思った。
ついでに海外だと大体味方側は斧を持っていている。
日本はだいたい剣。まるで賢悟側のほうが主人公のようだ。
「あ、ちなみに彼らと戦うことになるのは6ヵ月後です」
「6ヵ月後かーちょうど暑くなるころだね・・・」
「・・・」
アレクと大輔の間に沈黙ガ流れる。
「!いや、違うわ。そのまえに、アレク、君の目的を教えてよ」
大輔は最初の話を思い出した。そうだ、アレクの目的を聞かないと。
「あ、そうですよね・・・大輔さん、僕は、僕とあの人を僕の時代で救ってもらいたいんです」
「あの人?」
大輔の問いにアレクは答える。
「・・・スミスさんです」
「え?敵じゃないの」
「・・・敵とか・・・ではないと思います。
彼は、過酷な状態で僕の前に立ちふさがっていたんです
今は大分状況が変わっています。そして救えるのは大輔さんだけなんです」
アレクの真剣な眼差しを大輔は受け取った。
「・・・なんか、条件とか難しいけど、いいさ、協力する。
アレクの計画通りかもしれないけど助けてもらったことには変わりないしね」
アレクは微笑んだ。
「その代わり、覚え切れないからやることは小出しにしてくれる?
この時にこれをやるみたいな」
「わかりました。本当にすいません」
「・・・すいませんじゃないな。センキュウだ」
アレクは一瞬戸惑った。
「セ・・・センキュウ」
「ん!!」
大輔は満足そうにアレクにウィンクした。



3ヵ月後アレクの言葉通りライとマイクのオーガニクスは、
都市を破壊する新しく現れた槍のオーガニクスを撃破した際に砂になった。
大輔はちょうど実家に帰っていたため、二人に行ってもらったのだ。
大輔とアレクは二人ともわざとらしく驚いた振りをした。
アレクの言った事が当たったことに驚くべきだが、
大輔は信じると決めていたので特に驚かなかった
マリーが首をかしげ、ライとマイクは二人が重大性を理解できていないと思った。
そしてその話の帰り道、
アレクが大輔に「来月、大輔さんにとって重大なことがおきますよ」と
微笑みながら言った。
大輔は「何だコイツにやけて」と思った。


そしてその大輔の重大な日。それが今日だった。
確かに重大な日だった。大輔にとって奇跡が起きた。
マリーが見たいDVDを大輔が持っており、
マリーと一緒に見ることが許されたのだ。
しかもマリーの部屋で。
そろそろ春が終わる季節、大輔も春を感じていた。
たぶんマリーは特別な意思などなくDVDを見ることだけを考えてのことだろう。
勇気を出してよかった。白々しく「解説してあげようか」と言ってよかった。
そして今、大輔はチャイムを鳴らそうとしていた。
指が震える、髪の毛を触る。
勇気を出してチャイムを鳴らすと、パタパタと音が聞こえドアが開いた。
ゆっくりとマリーが見えてくる。
マリーは髪の毛を左側にまとめ化粧を軽くしていた。
ピンクの口紅が素敵で、ダボダボの縦じまセーターを着ていた。
「楽しみにしていたの。来て、大輔」
マリーは大輔を玄関に通した。
部屋を日本の使い方をしており、靴を脱いであがる。靴が整頓されていた。
黒い革靴とスニーカーしかない。ぱっと見、靴に色気がない。
「・・・」
「大輔?」
マリーは大輔の動きがおかしいと思った。
大輔は口をパクパクしてマリーのモモを指差した。
マリーはゆっくりと指差すほうをみて、
大輔の挙動がおかしいことを理解し顔を赤くした。
「ち・・・違うわ、大輔、普通の部屋着よ。ちゃんと下も穿いているわ。
服が大きいからそう見えるだけよ」
マリーが下にもないもはいていないと思って大輔は挙動不審になっていると思ったのだろう。
「あ・・・そう」
大輔はマリーのアピールだと思い、
「それを捨てるなんてとんでもない」ものを捨てる日が来たかと思った。
マリーの話しを聞いてちょっと大輔はしょんぼりし、落胆した。
「信じてないわね、見て大輔」
肩を落とした大輔を、「下を穿かないなんてだらしがないとあきれている」とマリーは勘違いし
マリーはダボダボのセーターを捲った。
確かにももまでのスパッツと綺麗なおへそが見えた。
大輔はそのマリーのおへそをみてゆっくりと玄関で膝を突いた。
「ほらね。だらしなくないでし・・・?」
マリーは急に膝を突いた大輔の行動を理解できなかった。
大輔はゆっくりとそのまま頭を下げた。
「ドゲザ!?・・・ちょっと大輔!なんで貴方は悪いことをしていないわ」
マリーは慌てて大輔を起そうとしたが大輔は動かない。
「だ・・・だいすけ?」
マリーは困惑をした。そのとき大輔が口を開いた。
「これは土下座ではない。お礼だ。良いものを見せてもらったお礼だ。
礼をするときも日本人は頭を下げるのだ」
「?????なになに?」
マリーは慌てたが、大輔がゆっくり立ち上がり靴を脱ぎ始めたことで、少し安心した。
大輔はにっこりとマリーに笑顔を向けて「じゃぁDVDみようか」と言った。

映画はカンフー映画で、上映された3本のほかに、上映されずDVDで発売された完結編1本と
追加エピソード1本、外伝1本のシリーズだった。
もともとマリーはこの映画の主演俳優が、ハリウッドに進出したときに知り、
それ以来好きでおっていたのだが、先日ふとしたことで大輔とその話になり、
もう三本見ていないことがわかり、今日を迎えた。
大輔はカンフー映画マニアでDVDを集めていたのだ。

でも、一緒に見ようといったタイトルは大輔のチョイスでなぜか
主人公の子供時代の話で主演男優が出てこないタイトルだったが、
もともとこのシリーズ、話が面白くマリーは興味を持ってしまった。
主演は二作目のよいアクションを見せていた敵役の俳優だというのも興味があった。
二人はDVDプレイヤーにDVDをセットした。
テレビからちょっと離れてソファがあったがマリーはソファに座らず、
床に体育座りをして背もたれとして座っていた。
「気にしないで大輔はソファに座って。この姿勢が映画を見るときに一番落ち着くの」
「へ・・・へぇ」
随分変わったご趣味ですね。といいたいところだが
マリーと同じ視線で見るため大輔も床に座った。
その大輔の姿を見て微笑んだ。
「大輔は真似しなくていいのに」
体育座りしたまま顔だけ大輔に向けた。
その姿と表情は大輔の心を揺さぶるほどかわいらしかった。

DVDはつつがなくおわり、大輔はちらりとマリーを見た。
「・・・えー!」
思わず叫んでしまう。
マリーは嗚咽を出しながら泣いていた。
「あぁなんて良い話なの」
そうマリーは言うとティッシュで涙を拭いて鼻をかんだ。
「ど・・・どこに泣くところがあるんだ」
この外伝の話は鬼のように強い親子が暴力の限りを尽くして
町の義賊を仲間にして、悪い官僚を倒す話である。
盗み食いをする主人公の親、無駄に強い息子など笑いどころはあるが
泣くところがあっただろうか。
「ど・・・どのへんが響いたの?」
大輔は恐る恐る聞いた。
「お父さんと、息子が決心を固めるところで、もう・・・」
マリーはまた涙目になった。
確かに感動できるシーンであったが、あの流れだとなかなか感動しにくいのだが
マリーは感受性豊かなのだろう。
「すごくね。私と父の関係に似ているわ。私も父を尊敬しているの」
「そっかーマリーからみて立派な人なんだね」
「?父って指令よ。もしかして大輔知らないの?」
「・・・カークスさん?」
「そうよ」
そういってマリーはニッコリ笑った。
「・・・えー!」
またもや驚いた。だからマリーはこの基地で男っ気がなかったのか。
そういえばあのロリコン、マイクもオトウサンがどうとか言ってた気がする。
大輔は知らない間に父親と面会を終えていた。
「父はすごく偉大で、私を大事にしてくれるの。ココも父に誘われて入ったわ」
大輔は高い壁を感じた。
「愛しているの?」
「それは家族だもの」
「・・・俺は?」
「え?」
「俺は?俺のことは好き?」
大輔は勝負をかけた。
「・・・」
マリーは黙ってしまった。
「聞き方が可笑しかったね。フェアに行こう。
俺がマリーのことを好きなの知ってる?」
「・・・からかってるのではなくて?」
大輔は額に手を当てて上を見た後に直ぐにマリーを見た。
「確かに軽率だった。でも認識を改めて。
マリー、俺は冗談で女性を口説かない」
「・・・」
マリーと大輔は見詰め合っていることにきがつき、
二人は顔が赤くなって視線をお互いにそらした。
すこし沈黙した後大輔が口を開いた。
「・・・マリーさ、俺のことどう思ってる?」
マリーは体育座りのひざの上に頭を乗せて大輔を見て言う。
「大輔は、変な人」
「・・・いや、それはそうだけど」
大輔は自覚がある。
「でもね・・・すごく楽しい変な人。一緒にはいたいわ」
「え?」
大輔のテンションがあがる。
「それって・・・俺のことすすすすすす」
「ごめんなさい大輔。私よくわからないの。男女間の恋愛って。
私が理解できるまで時間がかかると思うけど、その時まで答えられないの」
「・・・俺のこと嫌いじゃないの?」
「嫌いだったら呼ばないわ」
「じゃ、じゃあさ、待っててもいい?」
大輔は少し食い気味だった。
「・・・大輔がいいなら」
そういってマリーは微笑んだ。
「よっしゃぁぁぁ俺、待っちゃうわー」
人の家でガッツポーズを大輔はとった。
マリーはその姿をみて、暖かい気持ちになった。

その日の夜に大輔とアレクの部屋に凄い勢いで大輔が帰ってきて
アレクの手を握ってよく振った。
アレクは大輔にいいことがある事はわかっていたので
すこし自慢げな顔をした。
その日は最近アレクがはまった配管工事夫が飛び跳ねるゲームをやっている間
ずっと大輔は気持ち悪く笑っていたという。

1ヶ月後、隕石騒ぎがあった。
日本上空に大量に落ちてきたのだが大気圏で燃えつきず、
騒ぎとなっていたが、複数の隕石を大気圏内で地上からマリーのオーガニクスが打ち抜いた。
その後マリーのオーガニクスは砂となった。
オーガニクスを失ったマリーは守りきれたことに充実しており、
なくなったというよりは、この事態に抵抗できたことが運命だと感じていた。
しかし大輔をそれをやせ我慢と勘違い。
慰めるために海へ泳ぎに誘った。
今回はマイクに頼み込んでアレクとライをついて来ないように依頼し。
作戦は成功してふたりっきりで出かけることができたが、
レジャー用の水着をきたマリーの完璧なプロポーションと
素敵なビキニは海岸を沸かしたが、
感じる視線にマリーは「似合っていないのかしら」と思っていた。
直ぐに大輔は視線に気がつき、目立たない岩陰に通され、
大輔はずっと鼻血を出しながら満面の笑顔で時間をすごした。
マリーは「大輔が満足ならいいわ。でも出血大丈夫かしら」と
ずっと考えていた。
大輔は最高の気分だったがマリーの素肌を周りの人間に見せたことだけは後悔していた。

そしてその2ヵ月後の夜のことだった。
「うぅ・・・ううう・・・」
マリーは涙を流し嗚咽をしていた。
大輔から借りたカンフー映画の映画館では上映されなかった最終巻が意外と良い話だった。
きっと大輔は「え?あれで?」というと思うが
マリーにとっては大団円を迎えたことがうれしかった。
「みちゃったー」
マリーは涙をティッシュで吹きつつ一息ついた。
「・・・大輔に返さなくっちゃ」
そういうとマリーはちょっとうれしくなって準備をはじめた。
ちょうど22時くらい。ちょっと遅いけど、部屋は近い。
というか同じ敷地の中である。
映画を見る間にシャワーも浴びたし、ちょっと目がはれぼったいけど
ちょっとこの映画の話もできたらいいなと思った。


散歩がてら「何を話そうか」考えていたら、すぐに大輔とアレクの部屋の前に来てしまった。
「?」
ドアが少し開いている。
マリーは不審に思いゆっくりと近づく。
すると声が聞こえてきた。

部屋の中でアレクはテレビの前、大輔は週刊誌をベットの上で待っていた。
アレクは一息ついて喋りだした。
「・・・大輔、ところで明日、約束した彼らが来るんですけど・・・」
「え?えぇぇぇぇぇ?マジで?」
「マジで」
「そっかー俺さぁてっきり6ヶ月あればもっと仲良くなれていると思ってたんだよね」
「あぁ!」
「どうしたの?」
「配管工が人食い花に・・・」
アレクは配管工が飛び跳ねるゲームをやっていた。
パート1、パート2、パート3からパート4であるワールドをやっていた。
「・・・えーアレクさぁ、俺の現代最後の日なんでしょ。もっとさぁ大事に話したりしないの?」
「大輔さん、逆に僕も最後の日なんですよ、ソレに4になって急に緑の怪獣に乗り始めたんです。
しかも配管工は、恐竜の頭を殴って無理やりなんでも食わせた挙句に卵を産ませて割るわけです。
あの恐竜はメスなのか?敵よりも何よりも謎なんですよ。敵のボスよりも。
こんな面白いものが明日から僕もできなくなるんです。
やりながら話しても、そりゃあもうしょうがないと思いませんか?」
「えーもう、知らんけどサー、まぁ約束しちゃったからね。
うーんマリーとお付き合いしたかったのと、
俺の体をマリーに捧げるつもりだったのになぁ」
「・・・何言ってるんですか。まぁ良いとして、まぁ復習をかねて言っておきますよ。
明日はスミスさんと賢悟さんとの戦って大輔さんはこの時代にはいなくなります。
これが事実であることはわかってますよね」
「あぁ、残念ながらアレクの言うことは全部本当だったなぁ。
マリーとマイク、ライのオーガニクスの消滅といい。
昨日の晩御飯のおかずといい。でもさ、スミスを救う前に何やりゃ良いかわかんないし、
そもそもアレクの時代に行って、俺はアレクに何もしなくていいの?」
「大丈夫、大輔さんが正しいともう事をしてもらえれば結果的にスミスさんも、僕も救われます」
「ふーん、そんなもん?あーマリーと別れなきゃいけないのはいやだなぁ。モチベーション維持できるかな?」
「大丈夫ですよ大輔さんなら・・・親御さんに挨拶は良いんですか?」
「・・・まぁ、ね。良くないけど、何いえばいいのかわからないんだよ。
それに・・・最後にするつもりはないしさ。挨拶しなきゃ帰らなきゃって思うだろ。きっと」
「マリーさんには、良いんですか?」
「うーん、俺はさ、マリーのことはすごく好きだよ。
何時も抱きしめたくなるのを我慢してる。きっと彼女がびっくりしてしまうから。
で、明日のことを、この時代から居なくなることを話したら、きっと彼女は止めてくれるよ。
やさしくて、まっすぐで純粋な人だからね。でも俺、もう決めたからさ、
止めてもらって振りほどくのがきついんだよ。自信がないんだ。
だから話ができない。いつもどおり気をつけて行くね。くらいしかいえないよ」
「本当に・・・好きなんですね」
「あぁ、好きだね。中身も外見も俺のために存在する女性だよ。
たぶん俺は、マリーを逃したら二度と恋できない気がするくらいに思ってる」
「僕は大輔さんを連れて行って良いんでしょうか」
「?おいおい、勘違いしないでくれよ。俺が行くんだぜ。連れて行かれるわけじゃないし、
戻ってくれるかどうかわからないんだろ?わからないなら俺は戻れるよ。絶対にね。
俺が後悔を、俺の中でのアレクへの借りを返すことと、マリーのことを両立できるのは、
これしかかなさそうだから行くんだよ」
「・・・あ」
「どうした?」
「配管工のゲームで亀の最後のボスを倒せました。
・・・これで僕もやりきったかな。
大輔さんとあえて、ゲームやおいしいものを食べて、仕事して。
本当に楽しい思い出ができました。・・・本当に」
「?なに言ってんだよ。俺らの未来は見えないんだろ。まだわからないじゃんか。
今、もっとすごい配管工ゲームでてるんだぜ」
「・・・そうでした。そうでしたね。」
「まぁさ、ある程度、すくなくともアレクのよりは全て当たってきたし、
まぁ証明してきたから俺らはあしたいなくなるのは変わらない。
でも俺はまだ戻ってくるつもりだし、俺はアレクの世界でやることやって、
なんだかなと思ったらお前も連れて戻ってくるつもりだよ」
「えぇ?」
「当たり前だろ。くだらない世界ならお前を居させるわけにいかんわ」
「・・・想像をしていませんでした。大輔さんはやっぱりすごいな」
「俺のすごさに今気がついたの?」
「えぇ。感心しました」
「ところでさ、すこしさむいんだけど、何でドアさっきあけたの?閉めて良い?」
「あぁ、そうですね」
そういうとアレクはゆっくりと玄関に向かいドアを閉めた。そこに人影はなかった。
「・・・せめてこのくらいは・・・させてもらいます」
アレクは独り言をこぼした。

大輔とアレクが居なくなる話をマリーは聞いてショックを受けて
DVDも返さす、家に戻ってしまった。
部屋に戻ったマリーはベットの前に力もなく崩れるように座り込んだ。
マリーが口を押さえると涙をこぼした。
「・・・大輔が・・・大輔が行っちゃう・・・」
アレクが真実を言っていることはなぜかわかった。
「嫌だ・・・嫌だよ・・・」マリーは涙をこぼす。
だが、大輔はもう決めていてマリーには言えないと言っていた。
だから、マリーは止められない。
人の気持ちを尊重するべきだと思うからだ。
でも、悲しい。マリーは泣くことしかできなかった。


孤島のビルの中に彼らは居た。
賢悟が個人で購入した島である。
そこに長村賢悟とスミス、ソバニコフがいた。
ソバニコフは相当慌てたように、身振り手振りで賢悟に伝えていた。
「オーガニクスが砂になった・・・?」
ソバニコフがあさって説明している。
茶色というよりは白が茶色く濁っているくらいのコーヒーを飲みながら
スミスが入ってきた。
「・・・それは経年劣化だな。オーガニクスは使用限度を越えると砂になる・・・
俺の知っているお前達の結末も、
あのナタのオーガニクスとお前のオーガニクスが砂になって終わった」
「・・・ということは次が最後かもしれないな。
まぁ明日彼らに挑むのだから丁度良いといえばいいか」
「・・・しかし、俺のオーガニクスはのこるぞ。いいのか?」
スミスが賢悟に言った。
「お前のことはわかった。オーガニクスがなくなった場合は、もう俺たちに興味などないだろう。
それに・・・この半年、お前のおかげで俺の研究がどうなるか、結果がわかった。
お前が俺を消すつもりなら、それでもいいさ。だが、俺にもつけたい決着がある。
砂になるまで、最後にはお前とも戦うさ。あの得体のしれないやつもな」
「・・・そうだな。俺もそのとき残ったオーガニクスを片付ける。それだけだ。それまでは協力してやる」
「それでいい。そうだな、ではソバニコフは明日は留守番だ。頼んだぞ」
ソバニコフは大きくうなずいた。


「大輔!賢悟たちが現れました!」
ライは大輔たちの部屋に入ってきた。
続いてマイクもきた。
「ダイスケ!オレラ オーガニクスナイネー タノムネー」
「大輔、こんなことを言うのはどうかと思うが、賢悟を・・・」
ダイスケはテレビを見ていた。
深いため息をついてアレクを見た。アレクは軽くうなずいた。
ダイスケは二人の目の前に拳を出した。
「任せとけ!」
だいすけの顔はさわやかだった。

アレクはオーガニクスの乗り込む。
ゆっくりと立つとその波動を大輔は感じた。
大輔もゆっくりとオーガニクスへ乗り込もうとした。
「大輔さん、まってください」
アレクの声が聞えた。
「?」
大輔はアレクの静止がわからなかった。
「・・・大輔」
遠くから、後ろから大輔を呼ぶ声が聞えた。
その声に大輔は大きく振り向いた。
「マリー」
会えないかと思ったけど、それでもいいかと思っていた。
未練が残るから。
でもやはりあえるとうれしい。
マリーは赤いマフラーを巻いて走って大輔に近づいてきた。
「大輔、・・・行ってらっしゃい。どうしても、今日は見送りたくて」
マリーは元気なくそう伝えた。
大輔はマリーの異変に気がついた。
「マリー?昨日何かあったの?目が真っ赤だよ。まるでウサギさん見たいだよ」
大輔はマリーの目がはれていることに気がついた。
「大輔に借りた映画を見たわ。だからかと思うの。恥ずかしいわ」
「マリー、漫画だと’3’みたいに表現される目をしてるよ。でも良かった。
マリーを悲しませるような奴がいたわけじゃないんだね。
そんなやつが居たら俺がこらしめてやるところだったよ」
「・・・頼もしいわ。・・・ほんとに」
マリーは大輔に自分がつけていたマフラーを巻いた。
「?マリー?」
「・・・寒いから、私、そのくらいしかできないから」
マリーは悲しいそうな顔をしていた。
大輔はマフラーを触って
「あったかいよ、マリーありがとう」
といって微笑んだ。
「・・・うん」
マリーも力なく微笑んだ。
それを見て大輔はマリーに背を向けた。
「・・・」
マリーは手を伸ばそうとしたが我慢した。
「あ、そうだ!」
大輔はまた急に振り返った。
「今回は大変そうだから、餞別をもらっていいかな」
「?」
マリーを大輔は抱き寄せて額にキスをした。
大輔は顔を真っ赤にして直ぐ離れて、
呆けていたマリーも遅れて顔を赤くした。
「直ぐ帰ってくる。きっと」
そういって大輔は走ってオーガニクスに乗り込んで空に浮いた。
マリーは額をおさえて、その姿を見ていた。
「大輔、いけますか」
アレクが大輔に聞いた。
「あぁ、もういけるよ。任せろ」
大輔がそう答えると二体のオーガニクスは空に消えた。

オーガニクスが消えるまでマリーは空を見ていて、
大粒の涙を流しながら膝をついた。
「私を泣かせる人をこらしめるなら・・・貴方よ・・・あ・・ああああああ」
マリーは声を上げて泣いた。

そしてこの日、すべてオーガニクスたちは消えた。




―オーガニクス現在編<大輔とオーガニクス> 終―


第三部 過去編へ続く
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