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夢と幻のキネマ館 作者:黒枝 静

『SPACE GIRL』

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1.プロローグ



 1.プロローグ


 あちこちの国をうろついては、アルバイトのような適当さで仕事をこなしてきた愛称“ルチアーノ”こと、ルチアーノ。仕事は運び屋。巨大兵器から小さなメモリーチップまで、世界のあらゆる場所の土をも踏み、目的の場所には必ず、指定時刻通りに到達。それを売りにしてきた彼でも、今回の難題には頬をさすりながら、眉根を寄せるのだった。
 アメリカマフィア……おっと、名前は言えない。から、『とある兵器』に関する情報を、クーロン(未来の中国のこと。隣国などの合併、各国の土地所有など、ごたまぜになっている地域)の、アメリカ領に運び、無事に『兵器』を届ければ任務は完了。無事に大金百万ドルが手に入るという寸法だ。
 しかし、いつもよりも、報酬が異様なほど高かった。組織の事を何も知らされない運び屋に、ここまでの値段が張ってでも、運ばせたいものとは、一体どんなものなのだろうか。
 不安を僅かに残しながらルチアーノは、ワシントン・ダレス国際空港で『兵器』の受け取りと、二人の仲間の集合を待った。
 この計画ではすでに『組織』から手が回っており、日本行きの飛行機に乗り込む予定だ。そこから、ハイジャック犯を装い、クーロン国アメリカ領空港へと着陸する。すでに日本のヤクザや取締りとの根回しは済ましてあり、アメリカ領への「不時着」に、何の危険も、何の心配もないはずだった。
 わざわざ追手を……『スパイ』を巻くための回りくどい経路なのだが、残念。どこから情報が漏れたのか、ハイジャックはやや不憫な結果に終わったのだ。
 運び屋が運び出す『兵器』と、その行方をルチアーノが知ることはないが、その経路の多忙さには、苦い思いがいつまでも残り続けたのだった。


 世には『怪物』と呼ばれる、モンスターが発生した。
 これがどういうことだか、世界を征服しようと目論んでいるらしい。
 さらに、その中でも特別強力なモンスターには『宙色の怪物』の名前が与えられ、決まった年数に『堕神』……つまり、この地球に降り立つらしい。
 その中でも最初の『堕神』、『原初堕神』とも言われているこの現象の発生と共に、地球は外に出られなくなったらしい。まるでスペースオペラを語るようだが、そうなんだ。
 で、こいつが一体人間の生活にどのような影響を及ぼしたのか……モンスターが地球の表面上に現れたのだから、これほどとんでもないことはない。全国は怪物の猛威によって、滅びかけた。あいつらの目的も、どうやら地球を壊すことらしい。
 特に『宙色の怪物』という存在は驚異だった。あらゆる生物を殺しまくった。滅びた国は少なくない。が、その存在が語られるこの瞬間があるということは、つまり、対処の方法があると心得てもらってもいいだろう。全くその通り、怪物たちを倒すために、様々な技術が生まれた。
 魔術……こいつは普通の人間に使えない、ばかみたいな話だ。この物語にはそれほど関係ない。が、まるで魔法じみたことが時折起こるので、全く関係ないと言うのは、もしかして軽率なのかもしれない。
 科学、兵器の開発……これは一般人でも行える対策だ。特出した兵器開発はアメリカやイギリス。そしてロシア。怪物を殺せる技術は、人間を殺すことよりも高尚だと思われているようで、兵器大国のアメリカは率先して、国を上げて『対怪物兵器』の考案に着手。今回の事件の発端も、この『兵器』を巡っての物語だ。
 そして、これが一番重要……怪物の血液を用いた、強化人間の創造。怪物を殺すために、怪物の力を得た人型兵器。人知を越した超常の力『権能パワーズ』への目覚めだ。
 すでに『ネクロノミコンの予言書』に記された『堕神』は、半分以上を終えていた。
 その折に出現した『宙色の怪物』の力を発現させる『ドラッグ』。こいつを巡って、『兵器』以上の戦乱を招くことになった。怪物という未知の存在が襲来する中、人間と人間同士が争ってどうするというのだろう。そこは、人間の性という奴かもしれない。
 この『パワーズ』へ目覚めれば、魔法使いのような力を得ることができる。
 中には、『兵器』をもつよりも、ずっと恐ろしい能力もある。しかし、適正という大きな壁を超えなければいけないのだが……これは、大抵『ドラッグ』として扱われ、マフィアを中心に扱われている。研究開発しているのは、どこかの『怪物研究所』だろうが……力欲しさに、『研究用』の『ドラッグ』を奪い取るような形で掠めているらしい。
 あちらも、いい研究材料だと思っている謂れがあり、中には研究施設からマフィア達に横流しされることもあるらしい。
 こういった、社会の暗黒面、兵器のやりとりや武力の応酬は、どこの国だってやっている。そして、それを縦横無尽に利用しまくるのが、パワーズ所有者をいいことに、自由気ままに飛んで回る、このルチアーノ様ってわけだ。

 ――世界情勢や、怪物、パワーズの知識 ルチアーノの場合。


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