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クラッチ
作:高階涼介



3人


お前誰だよ。
どけよ、見えねえだろ。
どうするんだ、何するんだ?
お前、もっと動けよ。そんなんで、パス出せるわけないだろ。
とりあえず、あいつに出しとけば・・・。
どこにいる? どうやって出す? 出した後は?
あれ? あれ?
思い出せない。イメージできない。
あ〜もう、イライラする。
だから、お前じゃないんだよ。
邪魔すんな。少し黙ってろ。
何でだ。
コートが狭い。
ゴールが高い。


 

鬱陶しい。
ついて来んなっ。ちょっと離れなさいよ。
あんたも、早くボールよこせって言ってるでしょ。
今度こそ、華麗に抜いて、ゴール決めて見せるから。
こんなヤツ、こんなところで私がてこずるわけがないのよ。
私の敵は、こいつじゃない。
こいつのはずがないのに。
何よ、何なのよ。
1on1とどこが違うの? どうしてこんな事になってるの?
わかんない。全然わかんない。
どうすればいいの。
もう、どうにかしてよ・・・。


 

おい、何だよこれ。
違うだろ。そうじゃないって。
つまんねえ。面白くない。楽しくない。
何してんだよ、オレ。
いや、お前ら。
もういい、オレに貸せ。じゃなくて。
違う違う違う。
お前のプレースタイルは、そうじゃないだろ。
何を考えてるか、だいたい想像できるけどな。
ごちゃごちゃ考えるんじゃねえよ。
ここはどこだよ。今何やってるんだよ。
思い出せ。いや、何も考えなくていいんだよ。
お前の体中に、染み付いてるはずだ。
単純で、明確なオレ達の理屈。それだけを考えてやっていたあの頃が。
早くしろ。いつまで待たせれば気が済むんだ。
こんなの・・・、
こんなの、オレがやりたいバスケじゃねえ。
オレ達のバスケじゃねえだろ。














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