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プロローグb
「佐久奈です。保科雪と接触しました」
数回のコールの後。電話に出た相手に私は報告する。
『聞いていましたよ。……しかしなぜあんな態度を?』
二十代半ばの男性の声。その力強くも柔らかい声でどこかおかしそうに聞いてくる。
「……聞いていたのなら、分かってるはずです」
『嫌いだと……? しかし彼とあなたは初対面のはずでは?』
「……詮索は嫌いです。それよりあっちの方の監視はどうなっているんですか?」
私は誤魔化し話を進める。
『白畑嬌子ですか。あちらの方は変わりありません。この調子でいけば彼と接触するでしょう』
「でわ、引き続き監視を。……彼女に護衛は?」
『白畑の方で3人ほどと、こちらから1人ついていますよ』
「全部で4人? 少なくありませんか?」
『今はどこの機関も彼女を狙ってはいません。白畑の会長に睨まれるのは嫌ですからね』
彼女の存在価値を天秤にかけても大きくは傾かない位には白畑の影響力は大きい。それでもたびたび狙われる位には彼女は特殊なのだけれど。
『それに、こちらからは直美をつけています。大丈夫ですよ』
「そうですか……直美さんを」
実力は折り紙つきの彼女だ。よほどのことがない限り心配はない。
『ところで……そろそろこの作戦の目的を教えてもらえませんか? 雇われている身とはいえ、自分のやっている事がどのような結果をもたらすのか知りたいところなんですが……』
電話の相手の質問はもっともだ。あくまで彼らとの関係は私が雇っていることによる協力関係だ。彼らの不利益になるようなことであれば彼らは拒否することもできる。……まぁ不利益でなければどんな酷いことでも平気でやれる、そんなプロなんだけれども。
「言っても分からないと思いますけどね」
『……教えることはできないと?』
少しだけ声が鋭くなる。
「そういう訳じゃありません。ただ……世の中には自分では理解できない世界があることを分かってください」
『社会の裏側を生きてきている私が理解できないことですか?』
「ええ。そういうものです。意味のないものに見えて大切な……そんなことです」
『まぁ……私たちに被害が及ばないと言うのであれば従いますが』
「すみません」
『いいですよ。あなたには私達の仕事も手伝ってもらうことがありますから』
「ありがとうございます」
『それでは、また後で』
「はい。よろしくお願いします」
通話が切れ、私はまた学校へと向かう。
(……ゲームスタート)
私は心の中でそう呟く。
そう、これはゲームだ。私たちに用意された。運命に立ち向かうような。……そんなゲーム。
実はこの小説ファンタジーも入ってたりします。雪があれこれやってる裏側で佐久奈はいろいろ暗躍してるわけです。
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