第八話:東京電環爆弾事件 その四
「組織・・・・・・?」
高木が小さくつぶやいたがジョディには聞こえなかった。
「高木刑事、それに皆さん。今日はお仕事を邪魔してしまい、すみませんでした。」
ジョディが謝った。
「いえいえ。ジョディ捜査官、それにコナン君達のおかげで仕事が進みましたよ。今日は有難うございました。」
高木がきれいにお辞儀をした。
ブルルルル・・・・・・ブルルルル・・・・・・
「おいコナン。さっきから鳴ってるぞ、ケータイ。」
「ありがとう、元太。」
コナンはポケットから携帯電話を取り出した。
「もしもし・・・・・・。」
[ハーイ、クールキッド! 久しぶりね。]
コナンは周りに人が多くて聞きにくかったが、なんとか電話をかけてきた相手がジョディだと分かった。
「どうしたの、ジョディ先生。」
コナンが即座に聞いた。
[たったいま新宿で爆弾の回収が終わったから君に連絡しようと思ってね。]
ジョディが言った。
「でも、どうして爆弾事件のことを知っているの? それに何で僕達がこの事件に係わっていることも?」
コナンが尋ねた。
[高木刑事が教えてくれてね。それと何故私が爆弾事件のことを知っているかというと・・・・・・]
ジョディが声を落としたので、コナンは携帯電話の受話器をピッタリと耳にくっつければならなくなった。
[・・・・・・私達FBIも情報を掴んだのよ。二週間前にシステムエンジニアの人が殺害された事件でその事件の目撃者がいたとね。だからその人を尋問して情報を聞き出したのよ。その事件、組織の人達が係わっている可能性が高かったからね。その情報から推理して爆弾のある場所が新宿駅だと分かったってワケ。]
ジョディが途中で息もつかずに話した。
「そうか・・・・・・。」
[でも珍しいわね、彼らの割には。ここまで事件を大きなものにしてしまうなんて。ほら、目撃者にも気づかなかったようだし。組織はその存在を世間一般に知られたくない筈だから。
ほら、それに言ってたじゃない、彼だって。そう、シュウだって・・・・・・]
赤井の名前を出したとき、ジョディの声が若干暗くなった。
[・・・・・・ほら、いつか杯戸中央病院で。『影のように忍び寄り、霧のように消え失せる・・・・・・それが奴らの常套手段ですからね・・・・・・』って。いったい彼らの目的は何なのかしら。]
「さあ、まだ僕にはわからないけど・・・・・・。」
コナンは何と言ったらいいか分からなかった。
[ああ、ちょっと余計なことまで喋ってしまったわね。組織に何らかの動きがあったら報告してね。こっちも何かあったら連絡するから。]
ジョディが気を取り直して言った。
「うん、わかった・・・・・・。」
[じゃあね。コナン君。]
そういってジョディは電話を切った。
「・・・・・・。」
コナンはじっと携帯電話を見つめていた。
目立たないところから双眼鏡で何かを覗いている男が二人。
その周辺はどこか陰気な空気が漂っていた。
「フン、間違いねえ。あそこにいるのは奴だ。」
「それより気にならないかい、ジン。その奴の隣にいるガキ。どこか他のガキと違って見える・・・・・・。」
「そうだな、キャンティ・・・・・・。」
ジンは忘れてはいなかった。前に毛利小五郎を殺そうとしたときのことを。最後には赤井秀一に邪魔されて盗聴器が仕掛けてあったガムが破壊されたことを。
「フン。なるほどな、そういうことか・・・・・・。」
ジンの言葉の意味が読み取れないウォッカとキャンティ、コルンは三人で顔を見合わせただけだった。
それともう一つ。死んだ奴の名前は忘れることにしている。しかしどうも奴のことだけは忘れられない・・・・・・。まあ、今までのことを考えればそれは当然のことなのかもしれんな・・・・・・。
赤井秀一・・・・・・。 |