第十一話:予定
「まーったく。最近は危ない世の中になったもんだ・・・・・・。殺人、強盗・・・・・・。特に爆破未遂事件なんて連続して起こってやがる。模倣犯なのかそれとも・・・・・・。」
コナンが新聞を読みながら言った。
博士の家の中だった。コナン達は明日のキャンプの予定を立てるために来ていたのだ。このために皆が来る前に博士があらかじめ近くのスーパーでケーキとティーバックを購入していて、皆は食べながらキャンプのことを考えていた。
「コナン君、君も考えてくださいよ。」
光彦が非難がましく言った。
「ああ、悪い・・・・・・。」
コナンが新聞を畳んだ。
申の刻あたりから外はどんよりと曇ってきていた。いまにも雨が降り出しそうだった。その中をあたりに溶け込むようにして男が一人。辺りはすっかり暗くなっていて、街頭や家庭の電球の光がチカチカしていたが、その男は気にも留めなかった。男は他の人が見たら、背筋が凍りつくような眼で不気味な笑みを浮かべていた。
「今日はやけにカラスが多いな・・・・・・」
男はカラスが家庭用ゴミの袋をついばんでいる様子をじっと眺めていた。と、そのうちの一匹が急に苦しみだした。男がその無残な状態のカラスを持ち上げたときには、すでに体中が変形し、口から血を出した状態で息絶えていた。
「今のところは一応成功か・・・・・・。しかしあの女がいれば・・・・・・」
男はそう呟くときびすを返した。
コナンはぼんやりと外を眺めていた。なにか変な気配を感じ取っていた。
コナンが時計を見ると、すでに午後八時を回っていた。
「今日は博士ん家に泊まるって電話して言っといた方がいいな。もう夜も遅いし。正直言ってここまで長引くとは思わなかったぜ。」
コナンが言った。
「明日晴れるでしょうか? だんだん天気が悪くなってきているように見えますが。」
光彦が心配そうに外を眺めて言った。
「それよりお腹すいたー。」
歩美が言い、他の皆が同意した。
「じゃあ、わしがすぐに用意してやろう。とっておきの夕食を。」
博士が言った。
「いや、僕は遠慮しておきますよ。やらなくてはならないことが溜まっているので・・・・・・」
そういって大輝は立ち上がり、傘を差して博士の家を出ようとした。
「しかし、大丈夫かのう。こんな夜の道を小学生一人が出歩いて。わしも付いていって・・・・・・」
博士が言いかけたが、それを無視して大輝が言った。
「僕は大丈夫ですから。お休みなさい、博士。」
彼はそういうと、一瞬下にあるカラスの死骸に眼をとめたが、まもなく夜の闇へと姿を消した。
翌朝、探偵団と博士が朝の六時半に待ち合わせをしていた。空は昨日の夜が嘘のように、きれいに晴れわたっていた。こんなに朝早く待ち合わせをしたのには理由があった。
昨晩、皆が相談をしていた時に、元太が遠くに行こうと提案していた。その場は全会一致で元太の提案を支持した。たまには皆も遠くに行きたくてうずうずしていたのだ。
皆は元気いっぱいに出発した。ただ一人、大輝だけは若干寝不足のように見えたが、彼は何もないように他の子達と同じように振舞っていた。 |