依頼編 File.3
「コナン君、蘭ちゃんも行くの?」
「うん。小五郎のおじさんも一緒だよ」
コナンは、和葉の質問に無邪気に答えた。だが心の中では――
(蘭の事だからな…まさかな…)
と、嫌な予感を肌に感じ取っていた。
「ほな、アタシ、先に蘭ちゃんっちに行っとくわぁ。平次の事、宜しく頼むね。コナン君」
「うん!」
「ご馳走様でしたぁ」
和葉はそう言って、外に出て行った。
和葉の姿が見えなくなった後、平次が口を開いた。
「おい…工藤…」
「ん?」
コナンはパソコンのキーを叩くのを止め、平次の方に振り向いた。
(うっ…//こいつ…何で振り向く瞬間だけカワエェんや!?何かムカツクわぁ…でも…やっぱ…今のは…カワエかったぁ)
平次は心の中でそう思いながら、顔を赤めらせた。
「な〜ぁに、赤くなってんだよ…?服部」
「べ、別に…何でも無い…」
「貴方、さっき…工藤君の振り向く瞬間の顔を見て、『可愛い』ってときめいてたでしょ?」
灰原が横から平次に突っ込んだ。
「ほぉ…」
コナンはそう言って、平次を見た。
「な、何云うとんや!?お、俺はそうは思うとらんぞ!?」
平次は慌てて言った。
「図星ね…明らかに…」
「あぁ…図星だな…」
コナンと灰原は、同時に頷いた。
――其の日の夜。
皆が寝静まった夜中の零時を廻った頃。地下室にはまだ明かりが灯っていた。
カタカタカタカタ…
灰原は、まだパソコンのキーを叩いている…
(早くこの薬を工藤君に渡さなくちゃ…)
灰原はそう思いながら、解毒剤のデータを打っていた。
――翌日。成田空港…
アメリカ・ワシントン空港行き十時十分発JAL749便。それが、コナン達が乗る特別便である。
この先で何があるのかは、今のコナン達は知るよしもなかった…
「遅いわね…園子…」
蘭は、時計を見ながら言った。
時計は其の時、九時三十分が過ぎようとしていた。
「あのぅ…蘭さん…僕達も良いんですか?パーティーに招待して貰っても…」
光彦は、怖ず怖ずしながら言った。
「そう云えば…」
「如何して、お前等まで…」
気が付けば、元太・光彦・歩美の少年探偵団まで此処に来ていた。
「良いのよ。私が招待したんだから」
声は後ろからだった。
「えっ?」
コナンは間の抜けた声をして、まさかと思い、後ろを振り向いた。
其処には、コナンの実の母・有希子が立っていた。
「お久し振り、蘭ちゃん」
有希子は笑顔で言った。
(か、母さん!?)
「新一のお母さん!?」
コナンと蘭は、同じ様な顔で驚いた。
「い、何時、此方に戻ってらしたんですか!?」
「昨日の昼かしら…そうそう、博士の所に電話した後よ」
(どーりで微かにエンジン音が聞こえた訳か…)
コナンは有希子をジト目で見た。 |