依頼編 File.1
話は、とある電話から始まった――
――阿笠邸。
コナンは何時もの様にパソコンで黒の組織の情報を探っていた。
すると――プルルルルル…と、電話が鳴った。
ガチャ…
阿笠博士が受話器を取った。
「はい、阿笠です…」
[あら、阿笠博士?私、有希子よ]
声の主は、コナンの実の母親の工藤有希子だった。
「おぉ…有希子君か…!久し振りだのぅ…」
[お久し振り。新一、今居るかしら?]
「新一君か?新一君なら、今居るぞ?」
[じゃあ、代わってくれるかしら?]
「おーい、新一。有希子君からじゃぞ?」
博士は受話器を押さえながら、コナンを呼んだ。
「母さんから?」
コナンはそう言って、電話に出た。
「代わったよ…母さん…」
[は〜い。新ちゃん。元気にしてたぁ?]
やけにハイテンションの有希子に対し、コナンは何故か迷惑そうな表情をしていた。
「で、何の用だよ…?母さん…」
[実はね…優作の『闇の男爵』シリーズの最新作がまたまた大ヒットして、記念のパーティーがマンハッタンのある会場で開かれる事になったのよ!]
有希子は、嬉しそうに受話器越しに言う。
「で、何?」
未だに状況が飲み込めないのか、コナンは更に迷惑そうに聞いた。
[何って…新ちゃんを招待しようかな〜ぁって思って電話したのよ]
「でも、俺…此方のが――」
[勿論、小五郎君の所にも電話しといたから]
(な!?)
[あと、大阪に居る平次君の方には、数日前に手紙を送っといたから、多分そろそろ其方の方に来ると思うから。其れじゃあ、またね。新ちゃん♪]
ガチャ!
有希子はそう言って、一方的に電話を切った。
プープープ…
(おいおい…良いのかよ…!?此れで…)
コナンはそう思いながら、受話器を元の位置に戻すと、再びパソコンに向かい、また調べ事をし始めた。 |