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ネット小説大賞一次選考結果から見た今後の作品作りに関する一考察 ~ 『総評』を読み比べて

作者:Swind
※文中にて【】で括った箇所は、第4回・第5回ネット小説大賞一次選考結果総評からの引用です。
第5回ネット小説大賞の一次選考結果が、本日3月24日に発表となりました。
昨年に引き続き、今年も大変魅力的な作品が勢ぞろい。
まだまだ二次選考・最終選考とハードルがありますが、どのような作品が受賞に至るのか、今から大変楽しみです。
……といいつつ、去年はこの時期、すごく胃が痛かったのを思い出してしまいました。

さて、こうした結果発表があると選考結果に目が行きがちではございますが、同時に発表されているものの中で、ぜひ皆様に読んでいただきたいものがございます。

それが『総評』です。

ネット小説大賞の総評は毎年大変丁寧な内容となっており、「今の運営サイドや出版社が求めていること」や「応募作品の具体的な傾向」などがはっきりと読み取れるものとなっております。

そこで、僭越ではございますが、昨年(第4回)と今年(第5回)の総評を読み比べてみて、どのような変化があるのか私なりに紐解いてみたいと思います。

■作品数

応募作品数は第4回の7,612作品に対し、第5回では7,165作品と微減でした。
しかし、一次通過作品数で見ると第4回の470作品から第5回では496作品と増加しております。
第5回の総評では【どの作品もとても意欲的で、全体的な質の向上が見られた】との言及がなされておりますが、私としては『ネット小説大賞を通じて本気で受賞・書籍化を狙う方が増えた』のではないかと感じました。

回を重ね、書籍化の実績を積んできたネット小説大賞が、まさに『小説家になろう』と思っているかたの登竜門の一つとして認知されてきた証と言えるでしょう。

■選考基準

総評によると、第4回の一次選考基準は
【設定の面白さ】
【一定の区切りを読んだ段階で続きが気になるかどうか】
【キャラクターが魅力的かどうか】
【文章が読みやすいかどうか】
の4点。書籍化を念頭にして、作品を手に取ってもらえるか、読み続ける気持ちになるかを注目しているとコメントされています。

一方、第5回の一次選考基準は
【文章の読みやすさ】
【設定の面白さ、わかりやすさ】
【キャラクターが魅力的か】
【序盤がだらだらしていないか】
【先を読みたいと思わせてくれるか】
【会話のテンポがいいか】
の5点となっております。
概ね昨年同様ではありますが【会話のテンポがいいか】が新しい観点に加わっております。

また、第5回総評で注目すべきは【作品が『こなれている』】が故に、【他の書籍と並んだ時のことを鑑みるに、単純な模倣ではなく、特別なアプローチが必要となります】との言及がなされている点。
一次選考基準という形は示されておりませんが、作品の個性についても相応に意識されていると考えてよいでしょう。

いずれにせよ、この一次選考基準は【書籍の世界で通用する小説を書けているか】の最も基礎となる部分であり、【ほぼすべてのコンテストで選考基準として取り扱われている点】という総評の言葉はしっかりと受け止めなければならないと考えます。

■作品のジャンル

第5回総評では、応募作品の傾向として【悪役令嬢やVRゲームはぐっと減った】との言及がありました。
これは第4回総評には見られなかった傾向であり、昨今の『なろう』の変化が敏感に反映されているのかもしれません。

また、第5回は【「TSもの」が増えた】との言及もありました。
個人的にTSものは不案内なのですが、新しい傾向が生まれるのは決して悪いことではないと感じております。

しかし一方では【あえて女の子にならなくてもいいのでは?」と思わされてしまう作品も多く見られました】とも指摘されております。
異世界転生もそうですが、強い要素であるからこそ、作者の技量が試されるというのもまた真実なのかもしれません。

もう一点、一般文芸作品の応募が増えたことも第5回総評で指摘されております。
これはまさに【一般文芸作品の書籍化が複数冊】出たという実績が引っ張った結果でしょう。
【一次選考通過作にもファンタジーを題材としていない作品が残っており、コンテストとしても多様性が出る形となりました】とあるように、この傾向はコンテスト運営側としても歓迎されているようです。

■作品内容
毎年総評の後段に記載される作品内容へのアドバイスからは、作品内容についての大きな変化が見られました。

第4回では【序盤で長々とキャラクターの幼少期や世界観説明を続けてしまう作品も目立ちました】など『序盤のダレ』に関して指摘されています。

一方、第5回ではこれとは逆に【テンポをよくしようとしすぎた弊害】が言及されました。
総評においても【「設定は面白いけれど、キャラクターが出てきすぎていて誰が誰だかわからない」作品も多く、キャラクターひとりひとりの個性をもっと見せて欲しいと感じられました】とあります。
時には全てやりきろうとせず、テンポとのバランスを取るために練りに練った設定をバッサリとカットする勇気も必要となるかもしれません。

【読者の視点を常にもつようにする】というのは、書き手が常に戒めなければならない言葉でしょう。

■その他

第5回総評で筆者が最も印象に残ったのは以下の部分でした。

【小説に限らずクリエイティブ作品はどうしても自分の積み重ねてきた引き出しの中で勝負するしかない部分がございます。
作者自身が一人の読者として、単純に流行をなぞるだけではなく、どういった個性を出していけるのかを考えると作品にぐっと説得力が出ます。作品を読んでいて作者の方のこだわりを感じられる作品をぜひ世の中に送り出せればとコンテストとしては考えております】

自分自身このことは非常に痛感しており、『書きたい作品』はいろいろあれど、『書ける作品』はやはり自分がしっかりとイメージできる範囲に限られます。

自分の中から言葉を紡いでいかなければならない以上避けられない課題ではありますが、視野を広げ、どんな経験も『ネタ』にする気持ちで取り組み、引き出しの中をいっぱいにしていかなければならないと改めて感じました。

■最後に

ここまで、筆者なりの解釈からこれからの作品作りの指針を拾い出してみました。
無理やりまとめますと
・応募作品のレベルは確実に上がっている
・よくある要素を折りこむ場合でも、『作品の個性』はしっかり打ち出す。
・作品テンポは必要だが、『キャラクターひとりひとりの個性を見せる』こともまた重要。
・良い作品を書くために、自分の中に『引き出し』をどんどん積み重ねるべし。
というのが今回の『総評』のキーポイントと言えるかと存じます。

これから書籍化を目指して作品作りをされる方は、ぜひ『総評』原文にも目を通して頂ければと存じます。必ず今後の参考にになることでしょう。

私も皆様に負けないよう、今後の執筆活動の中でしっかりと意識してまいりたいと存じます。

なお、この内容はあくまでも筆者の私見に基づくものであり、ネット小説大賞及び小説家になろうの運営者・関係者の皆様とは一切関係ございません。
この点、ご了承いただけますようよろしくお願い申し上げます。
※第4回ネット小説大賞 一次選考結果及び総評
 http://www.cg-con.com/novel/info/019.html
※第5回ネット小説大賞 一次選考結果及び総評
 http://www.cg-con.com/novel/5_novelcon/info/022.html

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