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春 〜わたしたちは出会った〜
作:海風 波音


――この春、わたしたちは結婚する。初めて、拓海と出会ったのも、こんな桜が舞い落ちる素敵な日だった――

これは、高校二年生の春のこと。
私は、いつものように親友の香と一緒に桜が咲きほこる、桜並木の道を歩いていた。
すると、反対から歩いてくる男子高校生が目にとまった。
すごく目がキレイで、カッコよかった。
私が、立ち止まって見とれていると
「ちょっと〜。何、つっ立ってんのよ〜。」と、香が不機嫌そうに言う。
なので、私は
「あっ!ゴメン…。」と言い、その少年を見るのをやめた。
すると、香が
「さっきの、高校生カッコいいよね〜!私、付き合いたいなぁ。」とか言って、上の空だ。
当然、私もそうなのだが…。
そしたら
「ねぇねぇ!沙織ってさぁ、好きな人とかいないの?」と、急に聞いてきた。
いきなりの質問に、私は
「うっ、うん…。私、興味ない…。」と言ってしまった。
たしかに、ついさっきまでは好きな人はいなかったし、恋なんてしょせん遊びよ!と思っていたが、今は違う…。
さっきすれ違った、見ず知らずのあの男子高校生に、恋をしてしまったのだ。
でも、今私は香にいないとウソをついてしまった。
香とは、昔からの親友でウソをついたことなかったのに、今日初めてウソをついてしまった。
なんとなく、罪悪感が残る中、何も知らない香は
「やっぱ、そうだよね〜。何か、沙織男になんか興味ないって感じするもん!」と、自慢げに言ってくる。
けど…私だって、興味ないわけじゃないんだからね?と、心の中で呟いてみた。

こうして、話しているうちに学校へ着いた。
私たちは、二年生になってクラスがバラバラになってしまった。
私は、一組。香は、三組だ。
そうして、私たちは帰りも一緒に帰る約束をし、お互い教室に入った。
一時限目…。二時限目…。
どんどん、時間は過ぎていく…。授業中も、あの男子高校生のことで頭がいっぱいだった。
恋って、そういうものなんだなぁ。と、実感した。

ついに、待ちに待った帰る時間が来た。
私は、この時間を待ちわびていた。
もしかしたら、朝の男子高校生に会えるかも…。と、ひそかに思っていたからだ。
そして、いつもどおり三組へ行き、香のところへ行った。
すると、香が
「ちょっとちょっと!」と小声で手招きしているのが見えた。私は、なんだろう?と思い、香に近づいていった。
そしたら、香がニコッと笑い
「私、彼氏出来ちゃった!」と言い、喜んでいる。
「誰、誰?」と聞くと、香は
「部活の先輩!高橋先輩って、言う人なんだけど、もうチョーカッコいいの!」と本当に嬉しそうだ。
なので、私は素直に
「ホント〜!よかったじゃん!お幸せに〜。」と喜んだ。
すると
「ありがとう!」と言い、ホントに幸せそうだ。私は、やっぱり香は彼氏と二人で帰るよね?と思い
「じゃあ、また明日ね〜!」と言い、学校を出た。
そして、一人で歩いていると、またあの桜が咲きほこる桜並木の道に近づいてくる。
私は、ワクワクしながら、桜並木の道を通った。すると、朝見かけたあのカッコいい男子高校生も、帰る途中だったのだ。思っていたことが、現実に起こり、少しビックリした。
そして、しばらく私はその男子高校生に見とれてしまい、呆然と立ちつくしていた。
そしたら、急にその男子高校生が振り返った。
私は、えっ?何?と思い、その場をオロオロした。
すると、その男子高校生が近づいてきて
「君…今日、朝僕のこと見てた子だよね?」と、恐る恐る尋ねてきた。
その言葉に、私は急に恥ずかしくなった。
だって、私が彼のことを見ていたのを、勘づかれていたから…。
そして、私は
「はっはい。そうです…。でも、けっして怪しいものじゃないので…。」と、弁解した。
すると、男子高校生はニコッと笑い
「大丈夫だよ!君のこと、疑ったりとかしてるわけじゃないからさ。ただ、可愛いなぁって思って…。」と、恥ずかしそうに言ってくる。
その時の私は、何を考えていたかわからないけど
「あのぉ…彼女とかいるんですか?」と、自分でも驚くようなことを言っていた。
そしたら、男子高校生は苦笑いして
「いないですよ…。僕、このとおり、お堅い系なので…。」と、ションボリしている。
なので、私は
「私は…好きですよ。あなたみたいな人…。」と言った。
そして、私は自分がすごいことを言っちゃったことに気づき
「あっ、ごめんなさい!今の、忘れてください!では。」と言い、走っていった。

それからというものの、私はその男子高校生に会うのが気まずくなり、その道を通らなくなった。そして、その日から二年が経ち、私はあの男子高校生のことを忘れていた。私は、今では普通に桜並木の道を通っている。

そして、高校の卒業式の日、あの男子高校生に会ってしまったのだ。
いつもどおりに、家に帰ろうとしたら一人の男子高校生が近づいてきて
「二年前…ここで、出会ったの覚えてる?」と聞いてきた。
私は、急にあの日のことが蘇ってきて
「あっ、はい!あの日のことは、本当に忘れていいですからね…。」と言い、家に向かって歩きだした。すると、その男子高校生は二年前とは違い、私を呼びとめた。
そして
「僕…あの日、君が言ってくれたこと、今でもすごく覚えてるよ。私は…好きですよ。あなたみたいな人…。この言葉、すごく嬉しかったんです。そして、あの時あなたが帰る時に、今みたいに呼びとめればよかった。でも、あの時の僕にはそんな勇気がなかった…。そして今、こうして呼びとめることが出来た。あの時、言いたかったこと。二年間、ずっと言いたかったこと。今、言いますね。あなたのことが、大好きです!すごくすごく大好きです!付き合ってください!」と、一生懸命に言ってきた。
私は、そんな彼の気持ちを大切にし
「はい…。私も、大好きです。」と言い、彼の胸へ飛び込んだ。

そして、私たちは現在にいたる…。
この拓海の勇気が、今の私たちをつなげていてくれてるのだ。
あの時の拓海の勇気。
そして、桜が咲きほこる綺麗な桜並木の道での出会い。
私は、一生忘れないでしょう…。














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