窮地からの・・・
災難だった。ようやくここまで逃げて来れたのに、こんなところでモンスターに出会うとは。相手はゴブリンマスター三体。この程度の相手、普段なら瞬殺してしまえるところだが、今までの逃走で受けた傷と体力の消耗で身体はもう限界だった。必ず生き延びると。そして、必ず助けに戻ると約束したのに、こんなところで尽きてしまうのか? 荒い息づかい、岩陰に隠れもたれながらそんなことを考えていた。ゴブリンマスター達はじわりじわりと間合いを詰めて来てるのが分かる。囲まれているようだ。
「父上、母上。申し訳有りません。私は、ここまでかもしれません」
絞り出すように呟く。急に前の藪からゴブリンマスターが襲いかかってきた。
「グェー!」
キーン!
剣で何とか防ぐ。同時にすぐ後から2体が左右に襲ってきた。片方は何とかかわすが、もう片方の攻撃をかわせそうにない。やられる!そう思った瞬間。
「ギャっ!」
つぶてが飛んできてゴブリンマスターの顔面に当たる。その瞬間を見逃さず、すかさず斬りつける。返す刀でもう一体を何とか片づけた。後は残る一体。しかし、もう剣を握っている余裕もない。立っているのもやっとで、手に力が入らない。ゴブリンマスターは立て続けに仲間をやられ少したじろいだが、相手の状態を見て今にも襲いかかろうとしている。
その時・・・・・・
「ウィンドブレス!」
声が聞こえたかと思うと、急に突風が吹きゴブリンマスターを思いっきり吹っ飛ばした。相手は後ろにあった木に勢いよくぶつかり倒れ込む。
「大丈夫ですか?」
さっき声のしたほうを振り向くと男の子が立っていた。
「あ、ああ・・・」
そう言うと岩肌にもたれる。しかしそのまま意識が遠のいていった。
「これは、大変ですね」
男の子はそう言うと、その人を抱きかかえ森の中をかけ分けていった。
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