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超魔術転生~最強の7歳の俺に嫁と娘がいた~ 作者:暁える

第十三章 世界融合編

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第九十九話「星のきらめき」

前回までのあらすじ。タイムマシーンで過去の世界に来たルーシェリアは魔法文明の大賢者に会った。科学文明は魔法文明を滅ぼすために星に壊滅的な打撃を与えようとするのだが、それを防ぐためには地上にある大量破壊兵器を消滅させなくてはならない。その為に大賢者は現実世界と幻想世界を融合させる神級魔術を行使しようとするのだが、その為にはまず空中に浮かぶ浮遊物を封じる必要がある。そこでルーシェリアが超魔術を披露する。
 俺は荒廃した日本の上空に浮かぶ未確認飛行物体を見上げた。
 要はあれの動きを封じればいいのだ。簡単なことだ。

 その方法は二つある。
 その一つは単純に凍結系の魔術だ。地上から氷柱を伸ばし氷で絡め取り動きを封じる。そしてもう一つは、ドロシーと二人でこっそり完成させていた混合魔術。

 この先訪れるかもしれない魔神との戦いの為に俺の妄想力で編み出したものである。
 魔神は鋼の肉体を持ち、四大元素の魔術は無効化され対処できないと聞いている。
 だが、俺は魔神に有効とされる光系や闇系の魔術は操れないのだ。

 そこで俺が編み出したのが、火と土を融合させた混合魔術である。その混合魔術で溶岩を生み出し巨大なドラゴン型のゴーレムのようなものを生み出す。そこにドロシーが物理属性を付与し完成するのだ。その破壊力は巨大な山をも粉砕する。

 けど……ここにドロシーはいないので、氷で絡め取ることにする。破壊出来なくても動きを封じ込めればいいのだ。フィズバン先生が特大魔法を行使する時間を稼げれば問題ない。

 魔力を念入りに練る。浮かぶ物体の大きさは直径1キロを優に超えている。また失敗も許されない。失敗すれば反撃に遭う。撃墜されたF15イーグルのように。

 瞬時に凍結させる。それだけの魔力を十分に練る。

 集中していると「ズダダダッ!」と、銃撃音がほとばしった。
 結城教授の自動小銃が火を吹いたのだ。銃口から硝煙が巻き上がっていた。

 何が起こったのか俺は瞬時に理解できていた。
 あれは何だろう? と、俺も気がついていたからだ。
 幽霊のように半透明の物体が浮遊してたかと思うと、目の前で実体化。
 その実体化したものに結城教授が容赦なく自動小銃で弾丸を叩きこんだのだ。

「ギャ! ギッギギッ」

 その物体は生物であり、ミッドガルでは見慣れた魔物。ゴブリンであった。
 俺は結城教授に視線を飛ばす。融合魔術を使う前にどうしてゴブリンが出現したのか疑問に感じたからだ。その疑問にはフィズバン先生が答えてくれた。

「ワシがこの世界に復活したことにより、世界の理に変化が起こっておるのじゃよ」

 大賢者フィズバン先生がこの世界に復活したことにより、綺麗に重なり合っていた現実世界と幻想世界にズレが生じ、その隙間から稀に魔物が彷徨い出てくるらしい。

 つまり現時点でも、偶発的に現実世界と幻想世界を往来することは、可能だということだ。
 だがしかし、融合魔法を行使する目的は、あくまで現実世界の文明の破壊である。
 その大きな目的は闇賢者ことコンピューターウィルス、シンギュラリティが目論む核ミサイルの発射を阻止する為であるのだ。

「いくぞ!」

 魔力が練り終わったので、魔術を発動させた。UFOの直下から巨大な氷柱が瞬時に伸びあがり、瞬く間にUFOを凍結させた。蜘蛛の糸に囚われた羽蟲のように。

「おおっ! さすがじゃのう!」

 フィズバン先生は俺の魔術の威力に感嘆の声をあげた。
 UFOは空中で完全に固定され、その動力を失ったかのように制止しているのだ。

 「ルーシェリアの魔術ならこんなの序の口よ! 世界中を雪で埋もれさせることだって出来ちゃうんだから!」

 ハリエットはそう言って自分の手柄のように胸を張るが、さすがにそれは言いすぎかも。
 そんなハリエットにフィズバン先生は優しく微笑み、シャーロットは苦笑していた。
 マサヤも驚いて、凍結したUFOを見上げ呟く。

「ルーシェリアが魔術使えるんだったら、オレも魔術使えたりしないのかな? だってお前はオレであり、オレはお前だろ?」

 確かにそうだが、魔力がないマサヤに魔術が放てる訳がない。
 俺同様にアニメやゲームで魔術のイメージが出来たとしてもだ。

「ちょ、ちょっとやり方、教えてくれないか? ルーシェリア?」
「へ? 魔術を?」
「ああ、何だか出来そうな気がするんだ」

 マサヤがそう言うと、なんか本当に出来るんじゃないかと思ってしまう俺もいる。
 なぜだろう……? あの夢か? かつて大迷宮に挑んだ今朝方に見た夢でマサヤは魔術を放ち、ゴブリンから妹のミノリを救っていた。

 よくよく考えたらあの夢って、ひょっとするとフィズバン先生が融合魔術を行使した直後ぐらいの夢だったりして? あの夢は神視点で、その場に俺はいなかったのだが、俺はマサヤに呼びかけ、マサヤに魔術を使わせた。

 しかも……全員、すっぽんぽんの丸裸だったような……。

 フィズバン先生が魔術を行使した場合、俺達の衣服も夢のように砂になったりしないだろうな? 俺に真剣な眼差しを向けるマサヤを余所に、ここにいる美女たちのあられのない姿を想像していた。

「ルーシェリア、突然ヘンな顔しないでよ!」

 ハリエットに怒られ、脇腹に肘鉄を喰らった。当然だ。今は妄想に浸っている場合じゃないのだから。これからフィズバン先生が偉大なる神級魔術を行使するのだ。
 と、その前にマサヤの問いに答えねば……。

「えっと、ドラポンクエストみたいにメラとか言って火の玉でないかな?」
「それって……ゲームじゃないか!」

 瞬時に突っ込まれたが、俺がルーシェリアになって初めて魔術を使った時もそんなもんだった。一度魔術を使ったらコツを掴むのも簡単だったのだ。教えてくれと言われても、魔術の勉強をしていたマリリンとは違うし、どこから教えて良いのかさっぱり分からないのだが……、

「マサヤくん凄いよ!」
「おとーさん魔術使った?」
「マサヤ……今のって?」

 マサヤの指先に火の玉が揺らめいた。如月澪や優奈、渚も驚きの声をあげた。
 何よりも当のマサヤ本人が、わたわたと一番驚いている。

「うぉおおおおおお!!! オレって凄いじゃん! やべー! ルーシェリアに憧れていたけど、オレの夢、もう叶ったじゃん!」

 正直な話、俺もちょっとだけ驚いた。どうして現代人のマサヤが魔術を発動させることができたんだ? そんなことは、かの有名なアレイスター・クロウリーや、ソロモン王でもできっこないぞ?

「フォフォフォ……」

 フィズバン先生が眼を細くして笑った。
 先生の話によると、これもまた先生がこの世界に復活したことによる影響のようだ。
 澪と渚も稀先にとマサヤの真似をする。結城教授やマサヤの娘である優奈までも。

 しかし残念なことに火の玉を出せたのはマサヤだけであった。
 でも……澪はフィズバン先生の話を聞いて何かを感じ取ったらしい。今までの話を聞いてきた中で、元々あった能力が開花し始めたようだ。そう彼女はこの世界に置いて、霊視ができているという。未来の地球で復活を遂げた今の俺でも、オカルト的な話は未だに信じがたいのだが、澪が見えているものは幽霊ではなく、精霊のようなものらしい。羽が生えてる手のひらサイズの人が飛んでいるとか。

 メルヘンチックな世界だ。既に現実世界と幻想世界が融合してしまっている未来に身を置く俺でも、魔物は見えても精霊とかの類は見たことがない。ああ、そうか……。自分で考えてハッと思った。俺がいる未来の世界とはそういうことなのだ。

 澪が精霊のようなものが見えると言ったことに、シャーロットが軽く説明をしてくれた。
 澪が見たものは風の精霊シルフらしい。

 やるな如月澪。俺は頼もしく感じた。なぜなら俺達がこの時代に留まっていられる時間は残り一時間もない。時計を見るに残り四十分ほどだ。俺達が未来に戻った後も、彼らの戦いは終わらないのだ。フィズバン先生や、ジェ○イの騎士のような結城教授がいるからさほど心配することもないのだが、特殊な力を持った仲間が多ければ多いほど、それにこしたことはない。融合魔術を行使した後は、この世界にも魔物が当然の如く徘徊し始めるからだ。

 唐突だ。

 ま、眩しい!
 ――――何の予兆もなかった。
 眩い閃光、そして衝撃音が俺達のいる場所にまで、響き渡った。
 全員がその方角へ視線を向ける。

 かなり遠くだ。遠くだけどあれが何なのかは俺にも容易に想像ついた。
 もしここに落ちていたら俺達は消滅していたかもしれない。戦慄した。

「いそがねばならぬ!」

 フィズバン先生が険しい表情で叫んだ。
 ああ、そうだ。フィズバン先生が言うように、のんびりしている時間はないのだ。
 遙か遠くで巻き上がるキノコ雲を垣間見て、俺は再認識した。
 うかうかしていると、あれが世界各地に怒涛の如く降り注ぐのだ。

 それはこの大地に生命の存続を許さない何かだ。

 フィズバン先生が手に握る杖を高々と掲げ、神級魔術の詠唱を始めた。

 俺達は固唾を飲みつつ、フィズバン先生の融合魔術を見守る。
 空中で凍結しているUFOから光が漏れたので、俺はさらにUFOを凍結させ警戒。

 フィズバン先生を中心に優しい光の輪がふわっと広がり、その光の輪は地球そのものを包み込むかのような感じでキラキラと輝きだす。現実世界と幻想世界が融合しようとしているのだ。懐かしい風が吹いた。その風に魔力が乗っているのだ。

 融合魔術の途中、弾道ミサイルなのか? よくわからないが飛来していたミサイルがさらさらと砂のように崩れ去った。融合魔術の光が、科学という名の痕跡を消しさるように。

 目の前にあった瓦礫や、崩壊しかけていたビルなのども砂になっていった。
 文明の痕跡のようなものが消え去って行くと、今度は地殻変動のように地面が盛り上がったり盛り下がったり……まるで生きている大地のようだ。

 未来で見慣れた植物なども、うねうねと生えだす。いや……生えるというよりも、元々そこにあったのだろう。なんだかそんな気がする。



 数分後、世界は変容していた。俺達のいる場所は、廃墟のような街の中であったのだが、今では森の中にいる。しかも、目の前に綺麗な湖があり、その水面には氷柱で固定されたままのUFOがそのまま存在していた。

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