第四話『砕かれる心と斧』
【プレセア・リーガル】
光の玉を掻い潜り、なんとか無事に着陸することができたプレセア達だったが・・・・・・
バキッ ズドン! バキバキバキ!! ガキーン
木々が倒れる音 大きな力が地面に伝わり走る振動 武器と武器が交わる音
そう、プレセア達は墜落はしなかったが、着地地点にまるで待ち構えていたかのように
謎の男が立っていた
その男は、有無を言わさず攻撃をしかけてきたのだ
奇襲ではあったが、二対一という状況だったため何とかなるだろうとふんでいたが・・・・・
「ハァハァ・・・・」
荒い息遣いで後退するプレセア。それを庇う様にリーガルが前に出た
「下がっているんだプレセア。ここは私にまかせろ」
「・・・・いえ、まだやれます。あなた一人でどうにかできる相手ではありません」
刃こぼれした斧を握りなおし、再度戦線に出た
目の前にいる相手は幾度も攻撃を受けている筈なのだが、まるで無傷なのだ
二メートルを越す巨大な体、ダブダブのズボンにムキムキの肉体、何故か目を鉄板のようなもので
隠している
そして驚くべきはその武器、ゆうに六メートルはある大砲のような物を片手で持っているのだ
「どうした?攻めは終わりか?」
余裕を見せる男を睨み、リーガルは地を蹴った
エクスフィア+リーガルが持つ身体能力で一瞬にして相手の懐に入った
足に渾身の力を込め、技を放った
「くらえ!!三華猛蹴
「貴様、やる気があるのか?」
「な!?」
リーガルは技をきめる寸前に敵に足をつかまれ、地面に叩きつけられた
「がはぁ!!」
どれだけの力を込めたのだろうか。全ての骨が砕けてしまったんではないだろうか、という痛みが
リーガルの全身に走った
「リーガルさん!!このぉ!!!」
プレセアは力を振り絞り男に向かって斧を振り下ろした
バキーーーーン!!
何の音だろう・・・・・?
あれ?軽い・・・・・斧が、とっても軽い・・・・・
プレセアはわが目を疑った。男が振り下ろした一撃によって、自分の斧がただの鉄の破片に変わって
しまったことに
次の瞬間、斧を破壊しても勢いを落とさない鉄の塊はプレセアめがけ振り落とされた
とっさに両手で攻撃を受け止めたが、その小さな体は数十メートル飛ばされ、地面に転がり落ちた
腕にまったく感覚が無い
プレセアの両手の機能は完全に停止し、立ち上がることさえできない
リーガルとプレセアは覚悟をきめた
殺される・・・・・・・・・・・・・
そう思ったとき、男のポケットから音がした
通信機のようなものを手に取り、誰かと会話を始めた
「・・・・・・わ〜てるよ。・・・今遊んでる・・・・・・・・・ああ、退屈だから帰る・・」
通信を切ると、くるりと後ろを向きその場を去ろうとしたとき、男はこちらを向き
「・・・・・・弱者はそうやって、地にはいつくばってろ・・・・」
それだけを言い残すと、男はどこかに消え去って行った
ギリッ
プレセア歯を鳴らした
「リーガルさん・・・・・私達って何なんでしょう・・・・・・・・
今までいろいろな敵と戦ってきて、強くなった筈なのに・・・・・・・・
あの敵の前では無力でした・・・・・・」
震えた声で言ったプレセアに対しリーガルは、静かに目をつぶり
「・・・・・・今は耐えるんだ・・・・・・それにロイド達の無事を信じよう・・・・・・」
そういうとリーガルは体を起こし、倒れているプレセアを抱きあげた
「リーガルさん・・・・体大丈夫なんですか?・・・」
「ああ・・・・奴から逃げるための体力だったんだがな・・・・・・
とりあえず、レアバードでアルタミラに行くぞ・・・・傷を治さねば・・・・・」
プレセアは何も言わず、ただ地面に転がっている斧の破片を見ていた
力がほしい・・・・・せめて自分の大切なものを守れるくらい・・・・・・・・
ただそれだけを思うと、プレセアは眠りに落ちた |