第一話『再会』
英雄ミトスと新英雄ロイド一行の戦いは、新英雄に軍杯があがった
長岐にわたったディザイアンとクルシス、人間の戦いも幕を閉じ、新世代の幕開けが始まる筈であった・・・・
「ふ〜。やっぱ山道は堪えるな〜」
険しい山道を登りながら、額の汗を袖で拭いながら少年はぼやいた
「うん。でももうちょっとで山頂だよ。頑張ろ!」
ブロンド色の長い髪をなびかせ、少女は少年にニッコリと笑いかけた
「ああ。話だとここの山の頂上に・・・・
っと、コレット大丈夫か?」
コレットと呼ばれた少女は少年から差し出された手につかまり、よろめいた体を整えた
「ありがと、ロイド。
ごめんね、ちょっと疲れちゃたみたい」
エヘヘと笑い、無理して歩き続けようとするコレットを見たロイドは、ふぅとため息を洩らし
「コレット、お前無理してるだろ?」
「・・・・やっぱりわかっちゃうかな?」
「当たり前だ。さっきからよろよろだぞ」
「・・・・でもね。今日は無理してでも早く山頂に着かなきゃ!
ね?そうでしょ?」
ロイドはふと山頂にそびえる大樹を見上げた
あの激戦からもう一年
壊れた町や建物の復興も目処がたち、パルマコスタも以前までとはいかないが、活気を取り戻し始めている
人間の命をもてあそぶ人間牧場も全て壊滅し、いろんな意味で人間は解放されたのだった
そんななか、ディザイアンやクルシスとの戦いの産物ともいわれる『エクスフィア』筋力や魔力を増加させる強化装備品
便利なものではあるが、その結晶一つ一つは人間の命消費して作られる、あってはならない物であった
ロイドは世界にある全てのエクスフィア回収を目標に、今一人の少女『コレット』と共に旅をしていた
今の旅は正直順調ではない
最初は人間牧場の後にでも行けばゴロゴロ落ちているとふんでいたが、空振りもいいとこ
全ての牧場を回ったが、これといった収穫はなかった
あてなく旅をするロイド
相方のコレットはマイペース
これはどうしたものかと頭を抱えていた時、リフィル先生から手紙が届いたのだ
内容は、『一年ぶりに皆で会いましょう。場所は大樹の下で』
なんとも分かりやすい内容
此方に拒否権はないとみた
まあ始めから断る気はさらさら無いが
そして約束日が今日
コレットが山頂、大樹に早く行きたいと言ってるのはそのせいだ
「分かったよ。んじゃ、俺の手しっかり握ってろよ!!」
そう言うと、ロイドの腕についたエクスフィアが輝きはじめた
ギュッと腕にしがみついたコレットは驚いた顔で言った
「え?えええ!?エクスフィア使うの!?」
姿勢を低くし、ニヤリと笑うと、
「行くぜー!!一気にひとっとび!!」
曲げた足をバネのように飛びあがったロイドは、岩肌をヒョイヒョイと軽く飛んでいき、気付けばすでに山頂に到達していたのだった
「ねえロイド・・・・始めからこうすれば良かったんじゃないかな?」
コレットの素朴な疑問にたいし、ロイドは
気分だ!!
と、言いはなった
まあ、そんな事などどうでもいい
あの木のしたに見える人影が気になってしかたなかった
ロイドとコレットは駆け出し、木の下に向かっていった
大きく手を振りながら近付いていく
アイツらだ。久しぶりだな〜
「お〜いロイド〜!
コレット〜!」
「「皆久しぶり!」」
ロイドとコレットの声は合わさった
久しぶりの仲間との再会
笑顔と喜び以外溢れない
ゼロスは近付いてきたロイドの肩に腕を回し、ニヤニヤした顔で
「よ〜ロイド君!
何年ぶりかな〜
俺様チョ〜寂しかったぜ〜」
と、何時もながらのハイテンションぶりを見せた
リーガルはなんだかんだ言いながらも、レザレノカンパニーの会長の席に戻り、いかにも高級そうなスーツを着ていた
流石に手枷はしていないが、両腕の甲に呪いのような物が書いてあった
ゼロスに絡まれているロイドに近付くと、一枚の紙を差し出した
「???リーガル、なんだよこれ?」
手渡された紙を物珍しそうに眺めているロイドにリーガルはキリッとした顔で
「私の名刺だ
それは私が認めた者にしか渡さない
故に、名刺を渡したのはロイドが初めてだ
出来れば大切にしてほしい」
「ん〜なんかよくわかんないけど、サンキューな!仲間から貰ったもんだ、大切にするよ
しっかし、リーガル随分雰囲気変わったな〜」
「ふふっそうか?
そういうお前は全く変わらんな」
ゼロスが頷いたのがかんに触ったのか、猛反論しようとしたとき、ロイドにとって一番親しい声が聞こえた
「ロイドー!!」
駆け寄ってくる青い服の少年
二人で軽く拳を合わせると、少年は高速で喋りだした
「久しぶり!!元気だった?まあ元気だよね
エクスフィア何個くらい見付けられた?
僕の勘では十個くらい?まあ、あくまで勘だけどね
それよりロイド変わんないね〜。僕なんか身長結構伸びたんだよ
それにね―――」
き、聞き取れない・・・
ロイドは落ち着け落ち着けと言うと恥ずかしそうに
「あ、ゴメン。
あんまり久しぶりだったからいろいろ話たくってさ
コホン
じゃあ改めて、久しぶりロイド!」
「ああ、久しぶりだなジーニアス!」
すると、さっきから人に絡んでいるゼロスが、グイッと首を出して
「あ〜ロイド君
ガキンチョの質問責めで思い出したんだけど、俺様もチョ〜気になる事あるんだけど」
首を傾げ、ロイドはなんだよ?と訪ねると、
「ズバリ、コレットちゃんとは最近どうよ?」
ん。また微妙な質問だ、どうといわれてもな〜。天然のボケ&ドジっ子は健在だし、一年でさしたる変化は無い、一番近くにいる俺が言うんだ、間違いない
「どうもこうも、前と別に変わったとこないぞ?まあ、以前よりコケる事は少なくなったくらいかな」
ハァ〜とため息をするゼロス
それを見たジーニアスも呆れた顔で、
「ロイドってさ、鈍いってレベルじゃないよね
この鈍さはあるいみ国宝級かも」
全く二人は何を言っているんだ?
リーガルに聞いても、『いずれ分かる』としか言わなかった
う〜ん、何が言いたいんだ〜
う〜〜〜ん・・・・
「どうしたのロイド?難しい顔は貴方に似合わなくってよ」
そう言って近付いてきたのは、リフィル先生であった
「久しぶり、先生!
あ、今ちょっと考え事してた」
あらそう、とリフィル先生はクスリと笑い、ジーニアスと話ているコレットに向かった
「ロイド君、久しぶりです」
振り向くと、小柄な少女プレセアがいた
「オッス、プレセア!・・・あれ?一年で随分でかくなってないか?」
プレセアは少し悩んだ様子で
「・・・・・まあ、成長期ですから」
まあそっか、としか返せなかった
「これで全員に挨拶は・・・って、あれ?しいなは?」
辺りを見渡すと、ゼロスが手をブラブラさせて
「あ〜彼奴は今緊急任務で忙しいんだと
ったく、爆乳しいなが居なきゃものたりね〜な」
クスッと笑ったプレセアを見て、どうした?と聞いたゼロスに
「いえ。ゼロス君はしいなさんが好きなんですね」
あまりの発言にゼロスは、慌て手をブンブン振り、
「ばっ、馬鹿言っちゃいけないよプレセアちゃん
彼奴とは腐れ縁!
それ以上も以下もあってたまるかぁー!
もうこの話終わり!
そうだ!それより飯食おう!俺様腹ペコ〜」
それを聞いたリフィルは、何やら強烈な刺激臭を纏った箱を取り出した
おそるおそるロイドがリフィルの持っている箱の中身を聞くと
「何言ってるの。これはお弁当箱です。そろそろお昼だし丁度いいわ、皆で食べましょう」
いやいや、そもそもお弁当箱が刺激臭を放つ時点でお弁当か怪しい
手渡されたお弁当箱、否パンドラボックスの蓋をあけ、ゼロスを呼んだ
「ゼロス〜。腹減ってんだよな〜・・・・・味わって食せ!!!!」
有無を言わさず、お弁当の中身を口に押し込んだ
許せゼロス・・・・・そのうちきっと良いことあるさ・・・・・・
その後に聞こえたのはゼロスの断末間だけであった・・・・・・・
―――――時を同じくして、森の中
一人の女が、草木に身を隠しながら潜んでいた
この女はしいな、今緊急任務の真っ最中なのである
しいなは獲物を狙う蛇の様に、鋭い目付きで相手を見ていた
そこにいるしいなは、ロイド達の知ってるしいなではなかった
隙あらば瞬時に相手を殺しにかかる、忍者としての彼女がそこにいた・・・・筈だった
しいなは、標的を睨みながら、ぼやき始めたのだ
なんでこう運が悪いのかね〜私は
久しぶりにロイドやコレット達に会いたかったのにね〜
まあ、ぼやいててもしかたないか・・・・
・・・・にしても、さっきから彼奴は何してんだろ?」
先ほどから監視している相手は、貴族の様な服を着て、上半身は漆黒の鎧を装備している謎の人物であった
背丈はコレットくらいで、頭には兜を被っており、性別はわからないが、あの背から女であることを悟った
そもそもこの緊急任務の内容は、『今世界に不信な族がいる、その調査を願いたい』
と、国王直属の命令がくだったからである
黒い騎士は先ほどから動かず、ただ空を見つめるだけであった
あまりの暇に、なんだかね〜、と呟いた時
草むらの向こうから、黒い騎士の部下らいし連中が現れた
何かを話ているようだが、距離をとっているため、上手く聞き取れない
が、しいなの人並み外れた聴力で、断片的に話が聞こえた
「――――神子の―――必要
救いの――――二つ―――」
駄目だ、よく聞こえない
だがこいつらは、かなりヤバイと、忍者的勘か、しいなはそう感じとった
一先ず連中の姿と少しだが、キーワードをてに入れた
ここに長いするのは危険だ
退路を確認し、退散しようとしたとき
「なんだ、もう行くのか?」
しいなの足が止まった
え?と、反射的に言い振り向くと、黒い騎士は此方を向いて、近付いてきた
自分がばれていた事にもびっくりだが、それ以上にあの声、聞き覚えのある声だった
しいなは、サッと霊札を出して、戦闘態勢にに入ろうとすると、頭上から黒い閃光がはしり、霊札を切り払いしいなの腹に拳を当て、『烈波掌』と叫ぶと、体はまるで紙屑の様に飛ばされた
グッと地面に叩きつけられた痛みに耐え立ち上がった
速い・・・・速過ぎる
剣速だけならロイドをゆうに越える
黒い騎士は無言のまま近付いてくる
しいなはよろめく体を立て直し、自らの力で創った式神を二体呼び出した
「へっ、こいつらがいれば何とか戦える!
さあ来な!お嬢ちゃん!!」
黒い騎士の体はまた閃光の如くスピードを身に付け、しいなを狙いに行った |