プロローグ
土を蹴る音
草が擦れる音
荒々しい息遣い
誰かが逃げている
何から逃げている
少年は小さな少女の手を引き、無我夢中で走っていた
隣には老婆と母らしき者がいた
少年は皆がついて来てるかを確認すると、森を抜けるよう指示した
泣きながら少年の手にしがみつく少女を離し、母に預け走らせた
速く速く速く
奴らがくる
奴らが・・・・・
ザザッ
草が擦れる音と共に、仮面を被った兵士が数人現れた
「いました!フォシテス様!!逃げたした劣悪種の一人です!」
兵士は剣を抜き、ジリジリと近付いてくる
ニヤリと笑った兵士は剣を向け言いはなった
「劣悪種風情が。馬鹿な事を考えず、一生牧場にいればもう少し長生き出来たかもな!」
馬鹿ことを・・・
あんな場所にいる時点で、人間として死んでいるようなものだ
・・・・教えてやる
今この中で一番馬鹿なのは誰かをな
「フム・・・・・・
これは全て貴様がやったのか?」
手に大きな武器を着けた男が森の闇から現た
その男もさぞ驚いたであろう
牧場から逃げた、ただの人間が兵士約20の死体の中に立っていたのだ
少年は男に対し剣をかまえ、
切りかかろうとした時
腹部に激しい痛みを感じた
気付くと体は軽く飛ばされ、崖の近くまで飛ばされていた
肺は潰されたような痛みを発しまともに呼吸すら出来ない
見上げると、男は少年の側まで近付いていた
立ち上がろうとする少年の体を足で押さえ付け、地にはいつくばる少年を見下ろし言った
「劣悪種にしてはなかなかなものだが・・・・・如何せん実戦回数と実力に差がありすぎたか・・・・
安心しろ、私はマグニスのように酷い殺しかたは好まん」
ゲシッ
男の蹴りが少年をけとばし、なすすべなく谷底へ落とされた
落ちたのを確認すると、小さな機械を取りだし、話し始めた
「私だ。先ほどの劣悪種一匹を討伐した」
受信側の者は不思議そうに聞いた
「フォシテス様ですか!?討伐隊の奴らはどうしたのですか?」
「・・・・私を除いて全滅だ。嫌な予感がして着いてきたが・・・正解だったな。私がいなければ逃げられていた」
「ぜ、全滅!?ま、まさかご冗談を。」
「私も未だに信じられん。まあ、殺した。逃げた劣悪種もそう長くは生きられん・・・・とりあえず帰還する」
ピボ
通信が切れる音と共に、男の姿も消えていた
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