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いっぱい
作:ごはんライス


「いっぱい食べてネ。たくさん作ったから」
「うわぁ。すげぇなあ! これ、全部ねいちゃんが作ったの?」
 オレは舌なめずりした。めっちゃ旨そぉ!
「どれから食べよっかなぁ」
 まずは鶏の唐揚げに手を伸ばした。
「もしゃもしゃもしゃ・・・・うまっ」
 もーほっぺたが落ちそうである。
 いや、落ちちゃった!
 オレはあわててて拾おうとかがもうとした。
 しかし、最近太り気味で、腹がつっかえて、前のめりですっ転んだ。
 ゴロゴロゴロと台所に向かって転がり、食器棚に激突!
「ストラーイク!」
 皿やらグラスやらが頭めがけて落ちてきた。
 オレは割れた皿やグラスに埋もれながら血まみれだ。
 姉が心配して駆けつけた。
「よっくん、だいじょうぶ?」
 オレは心配かけさすまいと思ってムリして笑顔を作った。
「ははは。いやぁ、ははっ。これ、来週、会社の親睦会でやるボーリングの練習だよ、ははっ」
 よくわからん気の遣い方である。
 姉は一瞬考える素振りをして、そのあと勢いよく言った。
「わかった! ねいちゃん、手伝ってあげるよ!」
「へ?」
 オレが目を点にしてると、姉はオレの体を持ち上げて、鼻の穴に指をつっこむとアンダースローで投げて、別の方向に転がした。

 ゴロゴロゴロ。

 最近丸くなったからよく転がる。
 本棚にどーん!
「ストラーイク!」
 大量の本が降ってきた。
 オレはまたもや血まみれになりながら、(ボーリングの練習たって、自分が球になってたらイミねぇや)なんて思っていた。
 また、姉がかけつけてきたのでオレは逃げた。これ以上、姉のカンチガイにつきあっていたら死んでしまふ!
 急いで逃げたら、愛犬のピーマンにぶつかった。
「キャン!」
「ストラーイク!」
 さっきからストライクストライクうるせぇなぁ、と思って、声の方を見上げたら、そこには、大きな大きな読者のニヤニヤ顔があった。

 腹たつ!(了)














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